ボアアップキットの取り付け 〜そのA〜


  <シリンダー観察 1>

次はシリンダーです。写真は排気ポート。
若干ですが弦長を広げ、排気効率を上げようと思います。
また、ネット上の情報ではありますが、このキット、相当に
回らないシリンダーのようです。

見た目にも排気ポートは小さく、排気効率が悪そうです。
排気ポートを広げるついでにポートタイミングも
変更しようと思います。

しかし、社外チャンバーなどは入れる気はあまり無いので
せいぜい0.8mm〜1.2mm程度に留めようと思います。

  <シリンダー観察 2>

排気口側から見たポート。
内部のスリーブのズレが見られます。
この様な部分もざっくりそぎ落とします。

  <シリンダー加工 1>

いよいよシリンダーの加工です。
排気ポートを中心にザックリ行っちゃいます。

このボアアップキットの初期の排気ポートは測定したところ、
弦長27.9mm ポート高さ20.0mm でした。

コレを、横、縦共に拡張加工したいと思います。

まずはポート高さから。

まずは写真の赤○印のように一箇所だけ広げるサイズまで削り、
それを基準に周りを合わせて削って行きます。

当然、ピストンが圧縮運動に入り、排気ポートが閉じてから
ピストンが上至点に到達する間の圧縮距離は短くなるので
圧縮値は落ちます。
・・・装着後、コンプレッションゲージで
計測しないと判りませんが・・・

私は、多少、圧縮値を落としたいので
一石二鳥と言ったところでしょうか・・

  <シリンダー加工 2>

排気ポートの横幅(弦長)を拡大です。
27.5mm⇒32.0mmにしました。

ポート高さも拡大です。20.0mm⇒20.8mmにしました

ここで排気ポートの形状について説明いたします。
ポート形状は、もっともポピュラーといえるのは、
写真のような楕円です。

コレを△に近い形にすると、
不燃ガスを燃やしきる燃費型のエンジンになります。

長い時間、排気ガスをシリンダー内に
閉じ込めておくことが出来ます。

ポートの開き始めは狭いので、排気効率の低いうちに、
まだ燃えきっていない不燃ガスを燃焼します。

長い時間爆発による膨張圧力がかかるので
トルク型のエンジンになります。
但し、高回転には向きません。


▽に近い形にすると、排気ポート開き始めから
効率よく排気ガスが排出されるので
高回転型のエンジンになります。
気持ちの良い伸びと、パワーが出ます。

レーシングエンジン向きです。
しかし、不燃ガスも燃えきる前に排出してしまうので、
燃費は悪くなります。

また、早い段階で排気ガスを排出するので
チャンバーから排気ガスが帰ってくるタイミングも速く、
それなりに容量を持ったチャンバーを使用しないと
上手く回りません。

  <シリンダー加工 3>

コチラは掃気ポートまわり。
コチラは特に加工はせず、バリ取り程度にしておきます。

  <シリンダー加工 4>

掃気ポートの入り口、なにやら削った方が良いらしいので
手を入れておきました。

赤○印の部分です。
ここで乱気流が発生するとかしないとか・・・

  <シリンダー加工 5>

そんな訳で、ちょっと鋭角にしておきました。
効果あるんでしょうか・・・・?。

  <シリンダー加工 6>

このキットのシリンダーはスタッドボルトが付いていません。
本来、購入がセオリーですが、手元に余ったボルトがあったので
ぶった切って間に合わせました。

  <シリンダー加工 7>

M8×40のキャップボルトを利用し約30mmに調整します。

さて、下準備は整いました。
次からは組み付けです。