HALF AND HALF JOURNAL

                                                     

 

 

無 意味 な

破 片

 


無意味な破片

 

 

 

 

           

Fragments

HHJ

             inutiles

 

 

 

 

 

 

 

       Updated 2015.8.29

アロマ―イヴェット・ジロー(Yvette Giraud)さんと会ったときの話を聞かせてください。

編集長―最初に会ったのは高校2年のとき、シャンソンのドーナッツ盤でだったね。金髪で笑顔がすてきだったよ。いつものように試しに聞いて、気に入ったから買った。〈Sous le ciel de Parisパリの空の下〉〈Les feuilles mortes枯葉〉〈La Seineラ・セーヌ〉〈La merラ・メール〉フランス語を覚えようとしていたけど、NHKのテキストの他にフランス語がない環境で、ね。シャンソンのレコードで買ったのは、他にない。〈枯葉〉は大好きな作品になった。それから21年後、1989年夏に半地下室でシャンソン・クラブを創設して、街が華やかになったころ、イヴェット・ジローのリサイタル開催の話が飛び込んできた。秋田市で宝石店を経営する深川という女性が、うわさを聞いたのか、大館の市民グループ代表の乳井さんに誘いかけたのだった。赤字になっても深川さんが負担するそうなので、オーケーしたけど、前売り券の売れ行きが非常に悪いから協力してくれ、と言う。もうスケジュールが決まっていた。シャンソン・クラブは知らなかったけど、主催の〈イヴェット・ジローを聴く会〉がシャンソンの知識もないので、宣伝から準備まで計画を練って活動した。

大館市民文化会館

アロマ―シャンソン・クラブの名前が出たから、自然に市民文化会館中ホール(400)がファンであふれたのよ、ね1

編集長―ぼくは出入り口にいて、楽屋に行く余裕もなかったよ。終わってから、主催者のグループとシャンソン・クラブとイヴェット・ジロー夫妻のパーティを秋北ホテルのレストラン・バーで開いた。そこに行くとき、イヴェット・ジローさんと夫のピアニスト、エラン(Marc Herrand)さんがエレヴェーターに入った。すれちがいだった。フランス語で挨拶した。〈Je suis heureux de vous revoir.〉あとでレストラン・バーに入ると、イヴェット・ジローさんは待っていたような微笑を向けた。

特派員―それは若いときドーナッツ盤で見たあの笑顔だった?

アロマ―再会して幸せ、というのはしゃれてる。

編集長―フランス語をほめてくれた。でも、せわしないストーリーだったよ。イヴェット・ジロー夫妻は疲れてるから30分ほどで帰り、会話らしい会話はできなかった。前夜スタジオに来た俳優の冷泉公裕さんはリサイタルの直前に東京に帰っていた。でも、司会の田中朗さんが残り、楽しいパーティになった。

アロマ―イヴェット・ジローさんの言葉と絵がホールの通路に並んでいましたね。

編集長―背中を向けて波止場に腰掛けている女の子と猫の絵が印象的だった。パンフレットには興味深いことが書かれていたな。イヴェット・ジローさんは電話交換手として働いていたとき、声の良さを認められて歌手になったということだ。ぼくも若いころ電話の声をほめられたことがある。話し相手じゃないけど、ね。

アロマ―イヴェット・ジローさんは1955年から毎年のように日本で歌い、シャンソンを広めた女性だけど、なぜ日本が好きだったんでしょうか?

編集長―それはパンフレットで分かった。子どものころ家に日本の伝統的な皿が飾ってあって、イヴェット・ジローさんはその絵に何となく感じるところがあった。それが影響したようだ。

アロマ―1946年デヴューの歌は〈Mademoiselle Hortensia あじさい娘〉で、これは日本原産の花ですね。

編集長―別に不思議なことはないな。

アロマ―イヴェット・ジローさんは201483日天国に旅立ちました。それを知ったのは最近ですけど、こんなニュースはないほうがいいですね。

シャンソン・クラブ―心からご冥福を祈ります。

ナモネ氏―伝説の歌姫イヴェット・ジローの人気は田舎でも衰えていなかったもんだ。夢みたいな出来事だった。

アロマ―どんな田舎でもどんなに聴衆が少なくても一生懸命歌ったと言っていましたよ。だけど、今は秋田県のシャンソン・クラブはすべて消えてしまい、名ばかりになって、ナチス・ドイツに制圧された地方のようです。

ナモネ氏―それをジローさんに伝えるのは辛いことだな。あれからの状況を聞いたら、こう言うかもしれない。〈解放をただ待ってるだけでは、だめですよ。〉

編集長―そうかもしれないな。

ナモネ氏―ところで、そのころ文学座の俳優だった冷泉さんは前夜スタジオに来たな?

編集長―ええ、最近想い出すのは、冷泉さんが黒いテーブルに近づくと、椅子に腰かけて瞑想したことだな。腕組みをして。目の前には、ぼくが白いペンキで書いたフランス語の文。〈Il y a beaucoup de conditionnels dans la vie .

アロマ―〈人生には多くの条件法がある。〉

編集長―演技かな、と思った。

ナモネ氏―そうか、そうか、前に聞いたな。芝居だな。

アロマ―田中朗さんは帰りに見て、詩的な声で読んだ。〈なるほど、ねえ〉と言った。

編集長―冷泉さんがイヴェット・ジローと知り合ったのは、若いころフランスを放浪していたときだったそうだ。

特派員―冷泉さんはもちろん冷泉家の人でしょう?

編集長―疑う理由がない。

ナモネ氏―演出の才能もある、なあ。

  

ジャニーの命日に

 

A  La Seine ; Yvette Giraud

 

1 1020日公演。

 

▼ List 7 文化; 大館シャンソン・クラブの歴史と日本語

▼ シャンソン・クラブの裏話  

 

 

 

 

 

 

 

 


       Updated 2015.8.24

特派員―安倍首相は、それから〈戦後の焼け野原貧しさのどん底〉に話を向けて、〈敵として熾烈に戦った、米国、豪州、欧州諸国〉などの国々による〈恩讐を越え〉た善意と支援〉に感謝します。

ナモネ氏―それを未来に語り継いでいくというのは、大事なことだ。しかし、勇気がいることだな。

曲田地区のハリストス福音聖堂

放送局長―語り、ねえ…?内閣と国会の気楽な仕事だな。街の人たちには語れる環境がないよ。

編集長―首相が言う〈歴史の教訓〉というのは、歴史についてさまざまなアングルから話し合わなければ、むだな結果に終わるね。

特派員―単なる支配の道具ですよ。安倍首相は平和憲法の理想にもどって、原則を守ることを明言するけど、それにつづけて〈唯一の戦争被爆国として〉核兵器の不拡散と廃絶をめざして国際社会で責任を果たすと言う。

編集長―正しい歴史のテキストを拡散させればいい。

特派員―そのあとでもう一度、〈多くの女性たちの尊厳や名誉が深く傷つけられた過去をこの胸に刻み続けます〉と言うけど、これは信用できますか?

編集長―女性の人権が傷つけられない世界にすると宣伝しても、ね、そんな話より雑音をひびかせないで大人しくしてもらいたいと思うね。

放送局長―女を悪用する疑惑があった国だな1。まじめな話か?

特派員―安倍首相の人格にかかわることなので、次に移ります。戦前の反省から〈自由で、公正で、開かれた国際経済システムを発展〉させるそうです。

ナモネ氏―繁栄が平和の礎であるかどうか、疑わしいもんだな。貧困が暴力の温床になるというのも決まり文句で、な。敗戦後の大館から考えても、何か欠けてる。

編集長―20世紀のテロリズムについて反省すれば、参考になるんじゃないか?

放送局長―そう、それも忘れてはいけない。むしろ経済原理を反省して、バランスを取るべきだ。ハセが言うように、おいしいパンを与えると同時にすぐれた絵を贈るべきだ。

特派員―誰も文句を言えませんね。最後に安倍首相は〈民主主義、人権といった基本的価値を揺るぎないものとして堅持〉すると誓いながら、積極的平和主義の旗を振る。しかし、憲法という言葉がないですね。

ナモネ氏―憲法嫌いの正体が現われてるよ。

編集長―自民公明連立政権はそれでまだ政治をやるつもりなのかな?憲法に書かれた民主主義の理念と今きな臭い煙を上げてる安全保障法の考え方は絶対に両立しない。

放送局長―そう、民族国家主義も水割りにしてもらいたいな。冷戦後息を吹き返してテロリズムに栄養分を与えたのは、民族国家主義なんだ。

特派員―何と言っても、排他的な思想ですから、ねえ。平和の女神は暮らしていけませんよ。

編集長―そういうことは黙ってる偽善的な国だ。

☆ ☆ ☆

■ 戦後70年談話; ナショナリズムの反論 -E  -D  -C  -B  -A

 

 

A Sous le ciele de Paris ; Yvette Giraud

 

1 映画《Marie Galanteマリー・ギャラント 1934年製作 アメリカ

監督 Henry King

 

▼ List 5 2次世界大戦

▼ List 8 歴史 日本と世界

 

 

 

 

 

 

 

 


       Updated 2015.8.22

特派員―安倍晋三首相は、それから平和憲法の理念を想起させて、国際紛争を解決する手段として武力による威嚇や行使をしないことをあらためて誓う。しかし、〈植民地支配からの訣別民族自決の権利の尊重を言うのは、やはり世界史を色眼鏡で見てる。

大館市役所 らせん階段

ナモネ氏―作文を書いてるのが何人もいるな、と思った。

編集長―そこでもヨーロッパとアメリカの植民地主義を非難してるね。しかし、日本の植民地支配は現地の人たちに好かれたか?これは日本文化が受け入れられて未来に役立ったか、見れば分かることだ。

放送局長―たとえば、アフリカのフランス語。

特派員―といっても、15世紀のポルトガルとスペインの大航海時代からグローバリゼーションがはじまるので、そう簡単に善悪を決められる問題じゃありませんよ。

編集長―特派員の言うとおりだ。しかし、そこでも現地の人たちの考えと在り方を問題にしなければならないな。現地にいるのは支配階層と民衆だ。

特派員―安倍首相は、日本が敗戦後〈自由で民主的な国を創り上げたと言って、アメリカ人が憲法草案を書いたことは忘れたふりをして、前向きに建設的に話します。しかし、〈法の支配〉を重んじたというのは、どうかな、と思いますね?

編集長―法律を支配の道具にしたことは帝国時代と変わらないね。それだけで民主主義の社会が狂ってしまった。民主主義はGHQの時代で終わり、という意見もある1

放送局長―憲法もふくめて法律の解釈が自分勝手だよ。

ナモネ氏―何はともあれ、アジアで〈七十年間に及ぶ平和国家としての歩み〉というのは正当化できる。草野球のルールでも、あるのとないのとでは大変な違いだ。とはいえ、それを誇りに思うのは外国人から軽蔑されることだ。

特派員―そのあとキー・ワードを言う。〈先の大戦における行いについて、繰り返し、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明してきました。NHKの解説者みたいな口調で。当然これは枢軸国ナチス・ドイツと戦ったフランスとイギリスのジャーナリストに好かれなかった。今はどうなのか、聞きたいと思う人が多いでしょうね。

ナモネ氏―そうだ。国を代表する総理大臣なんだから、自分はどうなのか、言ってくれないと。

編集長―愛国的な政治路線を強引に走ってるから、世界中で不信が高まるな。

放送局長―〈その思いを実際の行動で示すため〉〈隣人であるアジア〉の〈平和と繁栄のために力を尽くしてきました〉なんていうのは役者だよ。どういう事実があるのか?

特派員―特派員に聞いても、無理ですよ。安倍首相にとっても歴史と伝説は混ざり合ってる。

ナモネ氏―それはそうだが、戦後生まれの首相が〈人々の辛い記憶は、これからも、決して癒えることはないでしょう〉と精神面を思いやったことには感心した。忘れられやすいことだ。戦後の中国人とアメリカ軍などの元捕虜の寛容さを想い起こさせて、寛容の心で日本は〈国際社会に復帰〉したから、〈和解のために力を尽くしてくださった、すべての国々、すべての方々に心からの感謝の気持を表わしたい〉という。これもなかなか言えないことだな。

放送局長―しかし、そのあとがおもしろくないな。〈あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません。あの戦争に何の関係もないなんて、よく言えるもんだ。日本人であるかぎり不可能だ。

特派員―当然それも枢軸国ナチス・ドイツに苦しめられたフランス人とイギリス人を強く刺激した。国境を越えてきたような刺激ですね。屈辱の歴史を何ページも学ぶ気持が理解されていない。

ナモネ氏―そういう子どもが政治家になれば、平和はクラッカーみたいにもろく崩れる。中国人や他の外国人は無差別に責任を負わせようとしたか?民族国家主義者や超国家主義者に冷静に考えてほしいもんだ。

放送局長―宿命という言葉はおかしい。将来の子どもに同情しろ、というようなずるい言い方だ。

編集長―過去の歴史の犠牲者だという意識が強いな。しかし、国際社会にあるかぎり国家は侵略戦争の責任から逃げられない。利益を受け継いでいるから、な。同じ理由で個人も大人なら外国に対して責任を感じなければならない。

特派員―安倍首相は水割りにして、〈しかし、それでもなお〉と言葉をつづけます。〈日本人は、世代を超えて、過去の歴史に真正面から向き合わなければなりません。謙虚な気持ちで、過去を受け継ぎ、未来へと引き渡す責任があります。〉そういい加減な態度でないと思うけど?

編集長―その責任意識が消えないようにしなければいけない。歴史の真実を大事にして伝えなければ、あまり意味がないな。

放送局長―水割りにして、というのは悪くないよ。

☆ ☆ ☆

■ 戦後70年談話; ナショナリズムの反論 -D  -C  -B  -A -E

 

A After you’ve gone; Count Basie and His Orchestra

 

1 ▼ List 1敗戦後劇場; 理想の国のデッドエンド

 

 

 List 5 2次世界大戦

▼ List 8 歴史 日本と世界

 

 

 

 

 

 

 

 


       Updated 2015.8.20

特派員―安倍首相は第2次世界大戦後70年と言わないで、ただ戦後70年と言う。この理由は何ですか、ね?

大館橋左岸

編集長―第2次世界大戦が1945年に終わったが、本当の終わりはないというニュアンスを感じさせようとしてる。無条件降伏に反対した英霊をなだめるために、と宗教的に考えたんだろう。

半分半分放送局長―亡霊が背後にいるから、気持悪いな。人間の論理で考えてもらいたいよ。

特派員―ともあれ、そこで安倍首相は追悼の言葉を並べる。〈国内外に斃れたすべての人々の命の前に、深く頭を垂れ、痛惜の念を表すとともに、永劫の、哀悼の誠を捧げます。

ナモネ氏―犠牲の観念があるのか、と思う。死者だけでない。負傷した人や行方不明になった人もいるが、その数字さえも知らない国だ。

編集長―そこにも日本的な精神が現われてる。死者は何か特別な場所にある。行方不明者は問題にならない。

特派員―安倍首相はそのあとにつづけて、〈三百万余の同胞の命が失われたことを悲しむけど、〈広島や長崎での原爆投下、東京をはじめ各都市での爆撃、沖縄における地上戦などによって〉たくさんの人々が犠牲になったことも取り上げていますよ。

ナモネ氏―犠牲はそれだけか?自由がない恐怖におびえる生活に追いつめたことを忘れるべきでない。

編集長―一般国民をだましたという事実をも言ってもらいたかったな。

放送局長―天皇を利用したことも、だ。

特派員―それから〈戦火を交えた国々でも、将来ある若者たちの命が、数知れず失われました〉と外国での戦争の犠牲について話を向ける。

ナモネ氏―犠牲者の数字が出ない。

特派員―〈深く名誉と尊厳を傷つけられた女性たちがいた〉というのは、真情が感じられますね?

ナモネ氏―戦後の教育を受けた人だ。

編集長―ただの言葉だ。人間の尊厳と言わないのは考えさせられるな。

放送局長―普通は、人間について

特派員―でも、安倍首相はこうつづけていますよ。〈何の罪もない人々に、計り知れない損害と苦痛を、我が国が与えた事実。歴史とは実に取り返しのつかない、苛烈なものです。一人ひとりに、それぞれの人生があり、夢があり、愛する家族があった。

編集長―それで謝罪の言葉を言うか、と思ったら、そうじゃないんだ。

ナモネ氏―〈断腸の念〉は駄目だ。減点だ。

編集長―人間関係の重要さを言っても、白々しいな。

特派員―歴史を否定するように聞こえるけど、これは後悔の表現ですか、ね?

放送局長―複雑なミックスだろう。

ナモネ氏―〈戦後日本の原点〉は〈尊い犠牲の上に、現在の平和がある〉ということだ、と安倍首相は言う。右翼の政治家だから、この尊い犠牲は民間人のことでない。実際の行動は女と子ども、その他の社会的弱者を犠牲として利用している。

編集長―犠牲づくりの思想があるから、日本人の慰霊行動には無気味なこわさがありますよ。

放送局長―その次に〈二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない〉と学校の先生みたいに誓ってる。しかし、平和の惨禍もあるよ、な?

編集長―そう、その辺の区別をあいまいにしないでほしいね。いつまで平和か、いつから戦争か、分からせないように行動する癖がある。国際社会が迷惑する。

ナモネ氏―第1回ハーグ万国平和会議が話し合ったテーマだな。戦争で相互に守るべき規則を決めた。すばらしい進歩だ。貴族的だという批判があるかもしれないが、な。

特派員―貴族の世界は終焉に近づいていましたね。

放送局長―《大いなる幻影》だよ。

☆ ☆ ☆

■ 戦後70年談話; ナショナリズムの反論 -C  -B  -A  -D

 

A Kiss polka; Glen Miller and His Orchestra

 

犠牲づくりの思想

▼ List 7 芸術; アンチ・ロマン 《日付のない街》

▼ 説明と沈黙/沈黙と虚構/沈黙の過程

行方不明

▼ 戦争の犠牲者/人権と真剣/暗い朝日

 

 List 5 2次世界大戦

▼ List 8 歴史 日本と世界

 

 

 

 

 

 

 

 


       Updated 2015.8.18

大館橋 右岸

ナモネ氏―ニコライ2(Nicholai U)が列強に呼びかけた万国平和会議はポーランド出身のユダヤ系銀行家で鉄道事業家ブロッホ(Ivan Stanislavovic Bloch)の論文が水源だった。それはヨーロッパでの地域的な戦争の不可能について書いて、20世紀の戦争はグローバルな戦争になり、勝利者も恐ろしい破壊を避けられないので、戦争を準備する政府はすべて〈社会の破局〉に対しても準備しなければならない。戦争はヨーロッパの諸王家の墓標になるかもしれないと警告していた1

半分半分放送局長―全体的に第1次世界大戦で現実になったことだ。

ナモネ氏―ニコライ2世はヨーロッパの全面的平和を提唱した。これは国際的な紛争の平和的解決という原則に道を開いた。歴史はじまって以来、まるで貧しい民衆が長いあいだ願っていたような世界だ。

放送局長―ソシャリズムの赤い革命の嵐が迫っていたから、プロレタリアにヒューマニズムを示したんだろう。よくある手法だ。

編集長―それから暴力の問題がある。そのころポグロムつまりユダヤ人に対する大量虐殺などの集団迫害行動が盛んだった。ロシアでは秘密警察が計画的に地域住民を扇動していた。皇帝はその無政府的な活動を恐れていたと思うね。

放送局長―有名な秘密警察だ。どっちの味方か、分からない組織だ。

ナモネ氏―当然それも重要な問題だろう。ウィッテ(Sergei Yul'jevich Witte)伯爵の回想記によれば、万国平和会議の基本思想はヨーロッパを一つの平和な圏と見て、各国が競争に巨額の金を浪費しないこと、相互の敵意と民族間の戦争の重荷を失くすことだ。アメリカと日本の進出に対する警戒感が強い。ウィッテ伯爵はそこでヨーロッパを〈やつれ果てた美女〉にたとえている。

編集長―なるほど、ね。万国平和会議でロシアに対する不信が消えたら、歴史は変わったかもしれないな。その辺のことはあとでじっくり考えるとしよう。

特派員―ナモネ氏の話を聞くと、1904年日本とロシアが満州で戦争をはじめた必然性が分からなくなりますね。

特派員―ところで、安倍首相は明治から大正の1次世界大戦に移り、1000万人もの戦死者を出した〈悲惨な戦争〉だったと言います。それが人々に平和を強く願わせて、国際連盟が創設された。それからパリ不戦条約が成立して、〈戦争の違法化〉が国際的な共通観念になったというように話を進める。

編集長―〈戦争の違法化〉という言葉はいつから存在したのかな?

放送局長―それが怪奇幻想で、ね。

ナモネ氏―問題を平和的に解決しようという欲求だろう。

特派員―そこでも〈植民地化にブレーキ〉と植民地にフォーカスを合わせてるけど、昭和のストーリーに移ると、〈世界恐慌が発生し、欧米諸国が、植民地経済を巻き込んだ、経済のブロック化を進めると、日本経済は大きな打撃を受けました。〉

放送局長―1次世界大戦でドイツから南洋の信託統治領を取ったな。

ナモネ氏―世界恐慌で今度は被害者になった。

編集長―陸軍が領土拡張の野心を起こして、満州事変だ。

特派員―〈外交的、経済的な行き詰まりを、力の行使によって解決しようと試みたが国内の政治システムは、その歯止めたりえなかった〉というのは、抽象的ですね?

編集長―そう、どういう政治システムか、明白に言うべきだった。都合が悪いから、ごまかしてる。力の行使についても、そうだ。226のクーデターも軍国主義もない。

ナモネ氏―歴史のテキストなら、失格だ。

特派員―満州全土侵略を国際連盟で非難されて脱退したわけだけど、安倍首相はそれに触れて、日本が〈新しい国際秩序への挑戦者になったと明確に解説した。そして、〈戦争への道を進んで〉〈敗戦〉とすばやくあっさり片づけた。そこで原子爆弾が出ないのは例がないと思いますね。

ナモネ氏―歴史の流れに置くと、当たり前のように感じられるときがあるな。

特派員―中国という文字も侵略もありませんよ。

ナモネ氏―日本と西洋の対立という視点で眺めている。一見客観的だ。

編集長―悪く言えば、他人事の歴史。それで、理路整然と書いてみるのはいいことだけど、ね、責任という言葉が敗戦までの話に一度も出ない。

放送局長―それは政治と一致してるよ。自分の責任なんてない国だ。

特派員―国際軍事裁判で話をつける必要があると連合国が判断したのは自然ですね。

☆ ☆ ☆

■ 戦後70年談話; ナショナリズムの反論 -B   -A -C 

 

A Rain; Ella Fitzgerald and Joe Pass

 

 

1 The Last Tsar 皇帝ニコライ処刑; エドワード・ラジンスキー NHK出版

 

 List 5 2次世界大戦

▼ List 8 歴史 日本と世界

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


       Updated 2015.8.18

編集長―これはナショナリズムの言い訳だよ。民族国家主義の宣伝でしかない1

大館橋

特派員―別におどろかないけど、普通一般の国民が存在しないような話し方ですね。それがバックで最後まで変なリズムを響かせてる。

編集長―西洋の植民地主義からアジアを解放するというのは古くさいフィクションで、その暗い面には沈黙している。島国の犠牲に光を当てようとすれば、生命が脅かされる。そういう国だ。なぜかと言えば、文明開化という思想的に重要な変化に屈折した情念があるからだろう。それを超えて、西洋文化をすなおに学んでいたら、大陸で戦争する必要はなかったはずだ。

ナモネ氏―そこで日本が独立を守ったと自慢してるが、明治維新は独立運動だったように聞こえる。本音は徳川幕府の打倒だ。

特派員―HHJが認める歴史ですね。

半分半分放送局長―危機感が近代化の原動力になったという認識も怪しい。黒船の艦隊で包囲されたわけじゃないんだ。日本文化のアイデンティティが危うくなったにすぎない。

ナモネ氏―だから、若い明治天皇は伝統的な思想の学習だけだった2

放送局長―明治政府が能楽を売り出したり、科学技術を取り入れたりした。なかなかバランス感覚がいい。

特派員―明治のジレンマですよ。

編集長―今、危機感にメダルをやると、安全保障関連法案に万歳するように思われる、な?

放送局長―おもしろくないな。

特派員―何を考えて書いてるんですかね?

編集長―日露戦争についてプラスの面ばかり言ってることもやはりロシアとの国境線問題を暗示する。〈多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけた〉というその事実はいくつか読んで知ってるけど、政治的な戦略あるいは謀略でなかったとは言えないね。

放送局長―そう、与えたのは勇気だけじゃない。活動のエネルギーもやってるよ。

ナモネ氏―台湾と朝鮮について触れないのは、不公平だ。

特派員―第1次世界大戦後、国際連盟が創設されたことに画期的な進歩を見てるけど、何度も言うように日本の右翼と陸軍には国際連盟という新しい枠組みを邪魔に思う人たちがいた。

ナモネ氏―談話には人の名前が出ないが、国際連盟の創設を提唱したのはアメリカのウィルソン(T.W.Wilson)大統領だということを忘れるべきでない。そして、国際連盟には立派なモデルがあったことも忘れるべきでない。ロシア皇帝ニコライ2(Nicholai U)の提唱で開催された万国平和会議だ。

特派員―えっ、万国平和会議?

ナモネ氏―万国平和会議。第1回は1899年ヨーロッパ諸国と日本、清国などが参加してハーグで開かれた3

放送局長―それがねじれて世界大戦につながるとは、一体全体どういうことだ?

[Cat willow 2015.8.15]

  

■ 戦後70年談話; ナショナリズムの反論 -A  -B

 

A Because of rain; Ella Fitzgerald and Her Orchestra

 

1 毎日新聞 20150814日 首相談話全文

2 明治天皇; ドナルド・キーン Donald Keen

3  wikipedia

 

▼ List 5 2次世界大戦

▼ List 8 歴史 日本と世界

 

 

 

 

 

 

 

 

 


       Updated 2015.8.14

特派員―広島と長崎で2度被爆した人について考えると、中世の亡霊が浮かび上がりますよ。

編集長―NHKが報道したな。ひどい冗談だと思ったよ。しかし、あの名前が問題だ。

はせ川食堂 1957

弘南バスの観光バス

半分半分放送局長―夢にも思わなかった。山口がシャドー・メッセージだとは…

特派員―201016日の記事は、その山口彊(きょう)さんが4日胃がんのため93歳で亡くなったことを告げて、簡単に歴史に触れている。長崎市の造船所に勤めていたとき広島市に出張して86日被爆、列車に乗って長崎市に戻ったが、89日に再び被爆した1

ナモネ氏―その出張は、言うまでもなく会社の命令だったな。

編集長―列車で帰れたというのは、幸運だ。

放送局長―しかし、長崎でも原子爆弾を体験することはないじゃないか?不可能なドラマだよ。

ナモネ氏―事実は事実だ。どうにもならない現実だ。

特派員―山口さんの広島行きは運命の悪戯と思っていたけど、〈有栖川宮とアリス〉で山口のジェノサイドを暴いてから、何だか空模様が怪しくなりましたね?

編集長―そう、あれから山口が指示記号として使用された可能性があるね。そのことに気づいたのは大きな一歩だ。

放送局長―暴力団山口組の存在にリンクして分かったよ。

特派員―あの国際的な暴力団は大正時代に神戸で成長した怪物ですよ2。世界のコウベ。

放送局長天皇と皇族などを震え上がらせる役割を巧妙に演じたわけだ。戦後は山口さんの被爆体験を語る活動を聞いただけで、地獄の駅前1丁目だな。

編集長―そう思うね。陸軍幕府のシナリオだ。

ナモネ氏山口という苗字は、大館橋のたもと、はせ川食堂にも登場する。1960年の安保闘争のころだが、ハンサム・ボーイを雇い入れた…

編集長―トモヤ。歌手のジェリー・藤尾に似ていて、ちょっと3枚目で人気があったね。自転車でラーメンを何段も肩に乗せるようにして出前する名人だった。ところが、秋、日比谷公会堂で社会党の浅沼委員長が演説の最中短刀を持った少年に襲われて死んだというニュースがテレビに流れた。犯人の名前は山口乙矢(おとや)。食堂の中が騒然としたね。名前が似てる、と言った記憶がある。トモヤは肩をすくめて困惑してたよ。

ナモネ氏―あれは地震みたいなもんだった。喜之助じいさんが亡くなったのは、その年の冬1230日だったな。ころんで骨折したと聞いたが、呆気なかった。

  

*原子爆弾と大館大火のリンク---山口のシャドー・メッセージ

 

A  Blue prelude; Woody Herman and Orchestra  1940

 

注記: 1960年当時の大館市長は社会党系の佐藤敬治。

石田博英は池田内閣の労働大臣。

 

1 NHK 201016

2 wikipedia

 

有栖川宮とアリス

▼ List 2 有栖川宮の歴史; 有栖川宮とアリス d 公卿と西の都山口

                      f 書かれなかった公卿の悲劇

▼ List 8 歴史 大館と米代川流域;

原子爆弾と大館大火のリンク---建築設計家山本勝巳

大館の庶民的な銘菓

▼ 山口製菓のアンドーナッツと十字架マーク

喜之助

▼ List 10 長谷川一族の風景

 

▼ List 1 敗戦後劇場; 大館大火の関連記事

 

 

 

 

 

 

 

 


☆ ☆ ☆     Updated 2015.8.4

ナモネ氏―ジープの話が出てから思ったが、舞台裏をよく知っていたのは山本嘉次郎でないか 1962年製作の日活映画《憎いあンちくしょう》は、ジープが主役と言っていい映画で、山本嘉次郎から映画作りを学んだ蔵原惟善が監督だ。

半分半分放送局長ジープがなければ、あの映画はできない。

ナモネ氏―石原裕次郎が演じる売れっ子タレント北大作、この名前が第一おもしろい。北はある日ジープを東京から阿蘇山の村まで運転して診療所に届けてほしいという広告を見て、自分で引き受ける。ラジオなどの仕事を投げ出して、な。

小坂町 康楽館

特派員―北がジープで南の国に行く…なるほど、ね。東京から大館にではない。

編集長―あのころ東京から大館に来るとしたら、敗戦後間もないときのように舗装道路が少ないから、舞い上がる土煙を撮影することになる。ジープに向いてる悪路だけど、映画にはならないよ。

放送局長―途中のドキュメンタリー・タッチのロケがすべてだめ、というわけだ。冗談ということにしよう。山田信夫のシナリオには誰かの原案があるのか 

ナモネ氏―もちろん原案を書いたのは山本嘉次郎だ。

放送局長―別に文句はないな。

アロマ―企画は水の江滝子。SKD(松竹歌劇団)1期生の〈男装の麗人〉で戦後映画プロデューサーになった1

ナモネ氏―テレビ番組にも出て、ターキーの愛称で親しまれた美人だった。

編集長―あの映画にも指示記号とメッセージ(指示内容)があるね。道路のシーンが多いから記号が多いのは当然だけど、印象的なのは連絡船で遠回りして四国の高松市に行き国道2号線にもどることだ。テーマから見れば、他の街でもいいはずだ。

ナモネ氏―そうだ。高松宮に挨拶だ。あれから私の記憶は高松宮が皇紀2600年を祝うために神戸から船で別府に行った旅行にリンクする。神武東征の逆コースだよ。

放送局長―映画館で怒った観客がいたかもしれないな。北大作は高松宮だ。

特派員―目的地の村でジープを引き渡すシーンが感動的でしたね。テレビ局の自分勝手な演出が白けさせて、診療所の医者小坂が当惑してる。小坂は小坂鉱山にリンクする。

編集長―あのジープについて何か分かったか ?

アロマ―あれは左ハンドルで、ウィリス・オーバーランドのジープを輸入したのか、と思ったら、三菱自動車が1955年から輸入部品の組み立てをして販売してる。三菱ウリス・ジープと呼んでる。でも、映画の中で使ったジープはアメリカ軍が持ってきたオーバーランドのジープだった可能性もある。

放送局長―なるほど。あのジープは東京からずっと国道の舗装道路を走るけど、マネージャー浅丘ルリ子がそれを追いかけて運転する車がジャガーだ。何かメッセージがあるか 

編集長―冗談半分で言えば、ジャガーというのはウルトラ・ライトのことだよ。

ナモネ氏―案外当たってる。

放送局長―ロバート中尉と房子を暗示するような何か?

編集長―分からないな。若いとき見た映画だ。テーマはジープを縦軸にした恋愛とマスコミ批判か ?…大気汚染に悩まされた男と女の関係だよ。

特派員―〈自然に帰れ〉

ナモネ氏―ジープの説明でもあれば、もっとおもしろい展開になったと思う。

アロマ―そう、それは言える。あれはアメリカ軍の象徴的な車だから。

特派員―〈歴史に帰れ〉

放送局長―《憎いあンちくしょう》というタイトルについて一言。平仮名の〈あん〉でないのは、どういうトリックか、と思案してみたら、片仮名の〈ン〉が〈ソ〉に見えてきた。つまり、〈アソ〉なんだ。阿蘇山が憎いっていうのは変だよ、な。

ナモネ氏―第一、そんな綴り方が狂っている。〈綴方教室〉という名画の監督は、誰あろう、山本嘉次郎だ。第2次世界大戦がはじまる前の年1938年の製作だ。

アロマ―そういう変な味を混ぜたのは誰かな 

放送局長―あんが嫌いなやつさ。

アロマ―参考のために言うと、同じ年NHKはドラマ二つの橋〉を放映した。

  

☆ V字型の階段の記憶 57

A  Southern scandal; Stan Kenton and His Orchestra

 

1 wikipedia

 

 

神武東征の逆コース

▼ 高松宮日記メモ ; 高松宮、背広姿で湊川神社に参拝

小坂鉱山

▼ List 1 V字型の階段の記憶; 54 連合軍捕虜収容所

オーバーランドのジープ

▼ List 1 V字型の階段の記憶; 53 新橋-大館橋 ジープ

山本嘉次郎監督

▼ List 8 歴史 大館と米代川流域; ハチ公ストーリー

▼ List 1 敗戦後劇場; 映画監督のメッセージ

▼ List 1 V字型の階段の記憶; 43 第一ホテルで憲法草案と

スウィング・ジャズ

▼ List 6 環境サイン/記号問題; 支配管理のためのメッセージ

 

 

 

 

 

 

 

 


       Updated 2015.8.1

特派員―〈広島の桜〉には言いたりないことがあるけど、今日はアロマが見つけた事実を聞いてもらいたいと思いますね。

ナモネ氏―誰でも言いたりない思いだ。

半分半分放送局長―どういう事実なんだ?

風呂屋町交差点

アロマ―最初の大館市庁舎を設計した山本勝巳が1944年自分の建築事務所を閉鎖されたあと1945年(昭和20)陸軍広島東部6部隊に入ったということです1何月か分からないけど、敗戦後9月までいたから、被爆したかもしれない。この事実は、KIT(金沢工業大学)建築アーカイヴス研究所が開催した公開展示会の案内にあった。

編集長―ぼくも見たけれど、うっかり忘れていた。一言、〈広島の桜〉に書けばよかったな。被爆してもしなかったとしても、山本勝巳は広島市の地獄の底で救助活動をしたはずだ。

特派員―ハチ公と共演して広島で犠牲になった俳優丸山定夫の悲劇のように山本嘉次郎監督には特別な衝撃だったかもしれませんね2

アロマ―山本建築事務所が閉鎖されたというのは、国が強制的に止めさせたと考えていいの?

編集長―そうだ。文化学院について話したとき、その歴史に触れたな3。あれは自由主義の思想が嫌われた。山本勝巳はどうだったか?

ナモネ氏―次男の山本圭が1974年に小林多喜二の映画で主演した4。拷問された遺体も演じた。

放送局長―しかし、高松宮ネットワークと関係があったかもしれないな。東宝の映画製作に協力して。

編集長―そういう人が1953年の風呂屋町大火のあと防火帯建築第1号の片町連鎖店舗を設計、54年には最初の大館市庁舎を設計してドームとらせん階段の芸術作品をつくり上げた。

ナモネ氏―どう考えたら、いいのか?

放送局長―広島の地獄を生きた設計家だから、大火の廃墟にふさわしい作品をつくれるだろうと誰かが考えたんじゃないか?5

編集長―たぶんそうだろう。才能だけで選んだのではない。大館大火は原子爆弾が落ちた広島と長崎のイメージに重なるところがある。それを予期した人がいたと思うね。

特派員―非常に息苦しい話だけど、仕方がないですね。大館の歴史を正しく伝えるために事実をできるだけ集めて再構成しなければならない。それなのに、片町連鎖店舗と最初の大館市庁舎に関しては建築設計関連文書がいつの間にか紛失して4月まで設計家の名前が分からなかった。市民にその異変が明らかになるまで市役所当局は20世紀末から知らん顔でごまかして逃げていた。これを異常でないと言う人は大館市から出て行ってもらいたいですね。

☆ ☆ ☆

      *原子爆弾と大館大火のリンク---建築設計家山本勝巳

 

A  No bleus; Wynton Kelly Trio

 

1 JIA-KIT 建築アーカイヴス 公開展示会

JIA建築アーカイヴス KIT(金沢工業大学)建築アーカイヴス研究所HP

2 ▼ EN PASSANT; 広島の桜

3 ▼ List 1 V字型の階段の記憶; 8 ロシア人の年老いた銀髪の婦人

9 文化学院というのは芸術学校…

4        ▼ List 1 V字型の階段の記憶; 2 長谷川テルという抗日戦線のヒロイン

5        ▼ List 8 歴史 大館と米代川流域; 最初の大館市庁舎 

らせん階段とドームの背景

 

建築設計家山本勝巳

▼ List 1 敗戦後劇場; 大館大火の関連記事 最初の大館市庁舎

▼ List 7 文化; 最初の大館市庁舎 消された建築設計家山本勝巳

▼〈不燃の町〉のシンボル的なアパート群は全滅の運命に

▼ ドームと連鎖店舗、市長室と連鎖店舗に類似点を見る

▼ 防火建築第1号片町連鎖店舗の建設に関する文書が〈不存在〉

▼ 防火建築第1 片町連鎖店舗の今 2015 video photo

山本嘉次郎監督

▼ List 8 歴史 大館と米代川流域; ハチ公ストーリー

▼ List 1 敗戦後劇場; 映画監督のメッセージ

▼ List 1 V字型の階段の記憶; 43 第一ホテルで憲法草案と

スウィング・ジャズ

これから?

▼ 反動的な歴史まちづくり法に反発して

 

 

 

 

 

 

 

 


       Updated 2015.7.26

編集長―〈アンチロマン、ポスター、現象学〉という記事を覚えてるだろう?

特派員―ええ、他で聞けないような楽しい会話でしたね。映画館のポスターの古い話もあって。《あの橋ので》という映画のポスターを見たときから思いがけないドラマがはじまる。

田町の坂

白い自動車の前方が洋服店跡

編集長―そう、中劇(中央劇場)映画館の大きいポスター。高校3年のときだ。帰りに自転車で田町の上の十字路を曲がってペダルをこがないで大館橋まで行く、という遊びは、その映画ポスターを見て思いついたんだけど、食堂の手前が限度だった。ところが、ある日十字路を曲がると、すぐ後ろから来た乗用車が左に、つまり自転車を道路わきにどけようとハンドルを切った。助手席の男の顔が見えた。ひどい嫌がらせだ。自転車は左に流されて、店と店のあいだの用水路に落ちた。自転車は壊れなかったね。

半分半分放送局長―人間はどうなったんだ?

特派員―それも聞きたいな。

編集長―モルタルの壁の谷間で、ね、ぼくは自転車から離れることができたけど、谷間に飛ばされて壁に両腕を伸ばした。用水路の上でX字の恰好だよ。田町球場の外野が見えた。

アロマ―3中野球部のヒーローが久しぶりのファイン・プレイですね、街の真ん中で?

編集長―でも、インタヴューはあとで。

放送局長―運動感覚がすぐれてる人でも、怪我をするような事故だ。

編集長―さいわい自転車もぼくも何でもなかった。あれが悪意だということは疑いようがなかったね。高校生のときは3中時代とまるで反対に陰険な出来事が増えて、前後関係を忘れたけど、象徴的なことがあった。化学の授業中に小声でおしゃべりしてると、沢口先生が突然癇癪玉を破裂させて、〈長谷川、なめんなよ!〉と叫んだのだ。おかしな化学変化だ。先生は決まり悪そうにしてた。

放送局長―分子の思いがけない運動だ。長谷川と言ったのは、深いわけがあるよ、な。長谷川木工所、はせ川食堂、それから、それから…

編集長―問題は、向かって左側の店が〈山本洋服店〉だということなんだ。

特派員―山本洋服店?まさか…

編集長―そのころ繁盛していたセンスがいい洋服店だった。我が家のお気に入りで、ぼくの服もよく買った。70年代後半に我が家の前の空き店舗に移り、〈えちぜんや洋服店〉と名前を変えた。

特派員―それは知ってる。愛想のいい人だった。

編集長―何気なく山本という名前について母に聞いたら、若いころ世話になった人の名前だそうだ。越前谷は本名なんだ。

特派員―山本洋服店の山本は漢字ですか?

編集長漢字だったな。最初の大館市庁舎の設計家が山本勝巳だということが分かったとき、山本嘉次郎監督の次にそれにリンクがついた。

放送局長―消された建築設計家。消されかけた高校生。

  

             ★ 山本シリーズ A

 

A Misterioso ; Thelonious Monk

 

▼ List 1 敗戦後劇場; 大館大火の関連記事 最初の大館市庁舎

▼ List 7 文化; 最初の大館市庁舎 消された建築設計家山本勝巳

▼ List 1 V字型の階段の記憶; 37 エビスビールの王様とブルーバード

山本嘉次郎監督

▼ List 8 歴史 大館と米代川流域; ハチ公ストーリー

▼ List 1 敗戦後劇場; 映画監督のメッセージ

 

 

 

 

 

 

 

 


       Updated 2015.7.22

田町球場

アロマ―三菱マテリアルは三菱鉱業という会社名だったとき、第2次世界大戦で日本の捕虜になった連合国の軍人を国内の鉱山の収容所に送り、強制労働させていたけど、アメリカの団体〈捕虜 日本とアメリカの対話〉が数年前から謝罪を呼びかけて、719日ついに実現した1

ナモネ氏―やっと歴史のページに書くことができたな。三菱鉱業は4か所の鉱山で約900人のアメリカ人捕虜を使役していたようだが、そのうち494人が花輪の尾去沢鉱山に収容された。収容所は19449月8日に開設とある2

特派員―他にイギリス人50人、オーストラリア人1人。収容所で亡くなった人が8人、というのはショックですね。小坂鉱山、花岡鉱山、尾去沢鉱山は連合軍の空襲を避けるために連合軍捕虜を盾に置いた、そうぼくは考えてるから。

ナモネ氏―しかし、人間扱いしたとはとても思えない。

編集長―いつまで生きられるか、と疑ってたかもしれない。明日のことは分からなかったはずだ。

ナモネ氏―そうだ。収容所から解放されても、悪夢がこわいよ。

アロマ―終わりまで言わせて。三菱マテリアルの木村光常務執行役員と岡本行夫社外取締役はロサンゼルスで元捕虜のジェームズ・マーフィーさんと遺族に会って、謝罪の言葉を述べた。

 

〈道義的責任を痛感している。おわびは過去の不幸な出来事を反省し、よりよい未来に向けて一層の努力を重ねる決意を示すものだ。〉

 

マーフィーさんは、フィリピンで1942年〈バターン死の行進〉を経験して2年後秋田県の尾去沢鉱山に送られた人で、こう言った。

 

〈歴史的だ。私たちは70年間これを望んでいた。〉〈他の日本企業にも広がってほしい。〉

 

公式の謝罪は、日本政府が2009年と10年にしたけど、日本の大企業は初めてだそうです。

特派員―毎日新聞が一番ていねいに報道してる。NHKは仕方なく、という感じ。

アロマ―イギリスのBBCニュースとAFP(フランス通信社)もその歴史的な出来事を広く世界に伝えてる3AFP20Youtubeで謝罪のシーンを流した。

編集長―それもすごいニュースだな。この機会にもう一歩進んで、連合軍捕虜収容所跡に第2次世界大戦中の歴史を伝える記念碑を建てるべきだと思うね。

ナモネ氏―そう、自治体は動かないが、地域の人たちは協力を惜しまないよ。

編集長―旧三菱財閥の企業の謝罪という事実で歴史を見るときの不安な感情が減るだろうね。

特派員―それが持つ意義は小さくないですね。安全保障関連法案で国会が揺れてるときだから。つまり、安倍内閣批判だと受け取れる。

編集長―それはどうかな?未来の安全保障のために、だったら、ちょっと心配だ。

アロマ―そうね。言葉だけでいいなら、何とでも言えるわよ。日本には人種差別も民族差別もないなんていう美しい俗説があるけど、事実はその反対なんだ。目に見えるかたちで公平に歴史を伝える責任がある。

  

 

A Yesterdays ; Stan Getz Quartet

 

 

1 毎日新聞 20150720日 2001

共同通信 2015/07/20 11:39 

2 POW研究所

3 Japan's Mitsubishi makes prisoners of war apology

19 July 2015 BBC

Mitsubishi demande pardon aux prisonniers de guerre US 

20/07/2015 - 11:50 AFP

 

▼ 大森川のページ:連合軍捕虜収容所跡はどこか?

▼ List 1 敗戦後劇場; 6月の最後の夜

            耿諄さんの新鮮な認識と反抗の歴史的意義

サイパン陥落と本土空襲

▼ List 3 高松宮日記メモ; 昔どこかで見たようなクーデター計画

 List 5 2次世界大戦

 

 

 

 

 

 

 

 


       Updated 2015.7.19

アロマ―はい、雪印のクリームチーズ。

特派員―サンキュー。撮影してから食べよう。

ナモネ氏―いいタイミングだ。

アロマ―クリーミー・ランド北海道の味。

クリームチーズ

半分半分放送局長―北海道新幹線が開業したら、行ってみたいな。その写真はちょっとやばいよ。

ナモネ氏―アートだな。

特派員―それ、ジョークですか?

ナモネ氏―アートはアートだよ。

放送局長―That’s art of creamy land.

[cat willow 2015.3.15]

アロマ―北海道では生乳生産量が減っていないのね?

特派員―そうだね。グラフを見ると、都府県の生産量が2004年から下がりつづけてる。原因は何か、地球温暖化と大気汚染の影響ではないか、というのがリヴァー・ユートピアの疑問だ1

Selon une étude de la société Lallemand,fabricant d'aliments et levures pour les animaux d'élevage, au-delà de 22°c les bovins commencent à souffrir de stress thermique et leur production de lait s'en ressent. «Il suffit de 4 heures passées en condition de stress léger, c'est-à-dire à des températures au-dessus de 22°c, pour réduire la production laitière d'environ 1 litre de lait par jour», souligne les auteurs.

 

Avec la canicule les vaches donnent moins de lait

 

編集長―紫外線にも疑惑の目を向けたいな。あれは透過力が強いから、メカもやられてしまう。

アロマ―フィガロの環境問題の記事を見たら、常識だけど、乳牛は気温の上昇に敏感なのね222度を超えると、熱ストレスに苦しみはじめて、生乳の生産が影響を受ける。外に4時間いると、生乳の生産は1日約1リットル減少する。

特派員―北奥羽と北海道のような冷涼な地域が乳牛の生活にはいいんだね。

アロマ―ヨーロッパで熱ストレスの影響を受けてない地域は、びっくりしたけど、アイルランドとイングランドだけ。

編集長―乳牛の管理は非常にむずかしいだろうな。

アロマ―人間が危機感を強めないと、これからもっとそうなるね。日本人の動きはにぶい、なあ。

特派員―まず第一に自治体がまじめに行動しないと、だめだな。

編集長―役所には椅子を置かないことだよ。

  

 

A Icecream Konitz; Lee Konitz Quintet

 

1 言葉の樹; バターと北海道の生乳の関係

2 Avec la canicule les vaches donnent moins de lait

Par Eric de La Chesnais Mis à jour le 01/07/2015 à 12:01 le figaro

 

 EN PASSANT; 紫外線の過激化/石炭による温暖化/車と呼吸の関係

 EN PASSANT ; 広島の桜

 List 9 自然 環境

 

 

 

 

 

 

 

 


       Updated 2015.7.9

特派員―安全保障関連法は非常に危険ですね。戦争の導火線ですよ。国際平和支援法は国際社会の平和と安全のために国連加盟国が国連憲章の目的にしたがった共同行動だから、特派員は大目に見ることができるけど。もちろん賛成できません。

スタジオ

編集長―あまり刺激したくないな。しかし、今まで話し合ったことで自然に分かるのは国際平和支援法があれば、日本と密接な関係にある他国を支援するための平和安全法制整備法は必要でないということだ。後者はあいまいで、いい加減だ。

ナモネ氏―われわれの話し方もすっきりしないところがあったが、とにかく自民公明連立政権はその2本立ての法案を今度の国会で何が何でも通そうとしてる。

特派員―9月27日まで会期を延長しましたね。戦後最長の95日。公明党は〈国民の理解を深め国民的なコンセンサスをつくる〉ために延長したそうです1

半分半分放送局長―強行採決は暴力だよ。

アロマ―そんなプロセスで焼きあがったパンなんて、ね。

特派員―そうだよ。他の国連加盟国が迷惑だ。国連には集団安全保障の理念がある。自分の国の法律だからといって、外国で勝手な単独行動は許されませんよ。

半分半分放送局長―かならず非難されるね。平和安全法制整備法は明らかに国連憲章に違反してるんだから、な。

編集長―集団的自衛権の行使は〈国連加盟国に対して武力攻撃〉が発生した場合にかぎられると明記しなければ、国連の安全保障理事会が適当なリアクションを議論することになるかもしれないな。

放送局長―舞台裏で修正させるのが一番だな。

編集長―密接な関係にある他国と安全保障条約を交わすことも絶対に必要だね。あらかじめ文書で決めておいて議会の批准と国民の了解をえなければ、民主主義とは言えない。他国の主権を脅かす可能性があるから、な。

放送局長―地球を一回りしたような感じだ。今までその問題が国会で議論されたか?

アロマ―そういう記事は見てない。

特派員―見てないな。

ナモネ氏―自分の国が他国だったら、日本のそんな粗野な法律をどう思うか、想像しなければいけなかったな。60年安保のときの騒動よりもひどい事態にならないともかぎらない。

  

 

A Marshmallow; Lee Konitz Quintet

 

1 NHK 622 1433

 

 

▼ List 12 安全保障; 憲法違反の集団的自衛権に反対

▼ List 12 安全保障; 平和憲法 背景にある歴史を消し去ったら、解釈が変わる

 

 

 

 

 

 

 

 

 


       Updated 2015.6.27

特派員―北鹿新聞によれば、9日の一般質問で明石宏康市議はこういう趣旨の質問をしました。

―発言のばらつきが散見される。拙速とも取れる発言もある。

福原市長は大館市役所の本庁舎問題に関する質問であると理解して、こう答えました。

JR花輪線 東大館駅

大館(大町)大火の出火地点前

video

 

―庁舎の建設場所について、パブリックコメントでは〈現庁舎敷地およびその周辺敷地〉を支持する意見が全体の6割を占め、私自身も〈現庁舎敷地およびその周辺敷地〉での建設を考えている。また、現庁舎敷地およびその周辺敷地は遺跡の発掘が必要な区域。史実の確認という意味で重要な要素となることから、本庁舎建設は歴史まちづくり構想と並行して進めたい。

 

パブリックコメントはパブリックでない。反対意見が消されてる。ともあれ、北鹿新聞は関連する記事を第1面にのせていますね。〈(福原市長は)市役所本庁舎の建設場所については「歴史まちづくり法によるふるさと大館の再生を検討する中、桂城公園は城跡公園として、歴史と文化を発信する拠点となることから、庁舎との一体的な整備を想定している」と説明。基本構想では市民体育館付近を第1候補地としていたが「景観を含め桂城公園の整備との整合性を図る観点や、パブリックコメントの意見を踏まえ、建設位置の詳細は今後、議会と協議したい」と述べた。/合併特例債は「活用しないということではなく、財源確保のためのあらゆる方策を探りたい」との考えを表明。建設基本計画の策定については「基本構想を最大限尊重することに変わりはない。要望の多かった比内、田代庁舎の活用や、コストの軽減を念頭に置き、議会に相談しながら最善の方法を考えたい」などと理解を求めた。〉

特派員―歴史まちづくり法は、明治の文明開化以前の歴史の再現をめざす反動的な法律ですね。

ナモネ氏―市長選前から問題にしていたな。公約のパンフレットにあった。

アロマ―国土交通省の説明と実例を見ると、封建時代の町の復原ですよ。

特派員―歴史と言っているけど、それが歴史のすべてじゃない。公平さが全然ない。

ナモネ氏―建物を作ることは難しくないだろうが、歴史を作ることはそう簡単でないよ。

特派員―ええ、そうです。その法律を考えた人たちはどんな町のどんな歴史環境で育ったのか?

ナモネ氏―秀才だから、自分の家とコンピューターで成長した生きものだろう。町と歴史について語る資格はない。

アロマ―HHJは全体的な構想の中で考えなければならないと言ってる。でも、市役所は桂城公園との連関でしか未来を見ていない。あとで仮縫いのドレスみたいに、とても着ていられなくなるわよ。

特派員―そう、人間は自由に動かなければいけないから、ね。

ナモネ氏―しかし、福原市長の話だと、歴史まちづくり法によるふるさと大館の再生を検討してるな。城跡公園として本庁舎との一体的な整備を想定とあるから、財源はその法律の補助金かな ?

特派員―それも当てにしてるでしょうね。合併特例債というのはいつ金がもらえるか、問題で、特派員の推理を言えば、日本政府の都合次第です。市役所も悩んでいますよ。そんな仕掛けで無理に建設工事に取りかかるのは、ちょっとおかしいんじゃないかな 

ナモネ氏―とにかく城跡公園の整備というのは、反対だ。江戸時代のあの城の歴史には悪いイメージがあるから、な。郷土博物館に模型と文献資料を置けば、それで十分だ。

アロマ―あんなのを城と言っていいか、疑問ね。

ナモネ氏―合併した比内町と田代町の議員がこの問題に関係することも考えさせられる。本庁舎も桂城公園も馴染みがなかった人たちが〈大館を変える〉?私は嫌だね。冗談ではない。

特派員―分かりますよ。あの人たちは文字どおり客観的なんですよ。客観的

[cat willow 2015.6.10]

アロマ―あら、キーさん。待ってましたわ。

編集長―時計が狂ってね。

アロマ―反動的な歴史まちづくり法をめぐるおしゃべりに何かつけたすことがありますか?

編集長―そうだな…高松宮喜久子妃がエセーの中で徳川と江戸の町火消し連中について打ち明け話をしてる。次の将軍になるはずだった16代徳川家達(いえさと)が死んだとき、江戸の町火消しの子孫たちが葬儀に出た。1940年だ。特別な関係にあるらしいと喜久子妃は思った。おもしろいだろう?

アロマ―どういうこと?

ナモネ氏―なるほど。江戸の町火消しは映画でも人気があったもんだが、本当は怪しい組織だったかもしれない。

編集長―あれを単純な防災組織と思ったら、馬鹿を見る。エセーを読んでから、疑惑の煙が消えませんね。

ナモネ氏―伝統的な破壊消防というのが、昔はよく問題にされたもんだ。どういう手法かと言うと、延焼を未然に防ぐために風下の建物を容赦なく潰してしまうのだ。炎はそこで自然にストップ、という計算だな。建物の持ち主は大変な迷惑だ。

特派員―明治以前には損害賠償などという観念はなかった。伝統的な、とは、あんまりじゃないですか?

編集長―確かに、破壊消防は一種の安全対策でも、目的が政治的にずれてしまわないとは言えない。そうなれば、テロだよ。

特派員―大館大火でも破壊消防がありましたね?

ナモネ氏―失敗だった。

特派員―木造の建築物を街中にずらりと並べたら、国の安全保障政策と絶対的に矛盾しますよ。

編集長―そう、無責任すぎるね。

ナモネ氏―いくら秋田杉の産地でも、なあ。

編集長―しかし、歴史を見れば、そういう伝統は支配者の政策に他ならないね。支配された人々が本当に望んだことと区別しなければいけない。

特派員―しゃべるだけの民話は幸運ですね。弾圧から逃れやすい。

☆ ☆ ☆

 

A Round midnight; Thelonius Monk Trio

 

本庁舎の建設場所

▼ List 6 立法・行政・司法; 新しい本庁舎建設に反対/市民文化の中心/取り壊しが第一目的

高松宮喜久子妃エセー

▼ List 2 有栖川宮の歴史; 菊と葵のものがたり

破壊消防

▼ List 1 敗戦後劇場; 大館大火の疑惑 C

 

 

 

 

 

 

 

 

 


☆ ☆ ☆     Updated 2015.6.19

花岡観音堂

連合軍捕虜収容所跡(推定)

 

特派員―安倍首相は、集団的自衛権は〈海外派兵〉ではないと26日衆議院本会議で答えたけど、〈海外派兵〉とは何か、と言えば、民主党の岡田代表の質問書にこう答えています1〕。〈武力行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土、領海、領空へ派遣すること〉です。そして、〈一般に、自衛のための必要最小限度を超えるものであって、憲法上許されない。〉

編集長―目的というのは考えさせられるね。調子のいい自分勝手な話だ。

ナモネ氏―一触即発の状況で誰が本当の目的を知るか?それを信用できるか?

特派員―ええ、引っかかりますね。

半分半分放送局長―相手を悪だと決めつけてるんだから、新3要件の解説書を送ったって、即戦争だよ。

特派員―落語ですね。安倍首相はそのあとこうつづけていますよ。まあ、静かに聞いてください。〈他国の領域における武力行動でいわゆる自衛権発動の三要件に該当するものがあるとすれば、憲法上の理論としては、そのような行動をとることが許されないわけではないと考えてきており、このような考え方は、新三要件の下で行われる自衛の措置としての「武力の行使」にもそのまま当てはまるものと考えられる。〉結果的に武力による紛争解決になるというドラマチックなニュースを見るとしたら…

放送局長―視聴率がかせげるけど、国の金庫は病原菌でいっぱいだ。空っぽだよ。

編集長―攻撃する国から見ると、日本の自衛隊が敵国の領域に入れば、それだけで邪魔な存在だろう。日本と同じ理由で紛争を拡大させるおそれがある。日本は必要最小限度の実力行使では片づかないだろうね。そういう実例は歴史のページにも今もたくさんある。戦争になれば、いつ終わるか、保証がないよ。本当に平和を願うなら、国連安全保障理事会の決定を待って、アメリカやヨーロッパの先進国と相談しながら慎重に考えるべきだ。

[cat willow 2015.6.16]

放送局長―運が悪ければ、他国を攻撃した国の同盟国や支援国が日本の自衛隊を攻撃するかもしれない。

特派員ええ、そういう状況を引き起こす原因になるような行動を自衛権の発動と呼んでいいんですか、ね?自衛権は自衛隊の権利じゃないですよ。戦場から遠くても、最悪の場合、日本の国土が攻撃されるおそれもある。

編集長―そうだな。そういう自衛権はおかしい。中国への侵略戦争も反省すれば、日本の場合、やはり自衛権という単語は専守防衛の意味で限定的に使用するべきだ。

アロマ―〈国民を守るために他に適当な手段がない〉と新3要件にあるけど、武力紛争や戦争になった場合、一般国民に対して責任を取れるのかな?

放送局長―そんなことは考えない国だよ。

ナモネ氏―先進国との協力関係は大事だな。エネルギー危機を回避するためには絶対必要なことだ。しかし、中国とロシアの位置がどこにあるか、分からないもんだから、始末が悪い。

編集長―日本政府には相互協力の意思がないな。経済関係もあまり発展させたがらない。しかし、ぼくが何度も言ったようにエネルギー資源などはロシアと中国にもっと依存すれば、構造的に国民の安全な生活がたもたれる。誰も否定できないことだ。

特派員―国連憲章は国際社会の〈共同の利益の場合を除く外は武力を用いない〉ことを前文で宣言しています。国連は、加盟国が国際社会の平和を自国の利益より優先することで成り立っていますよ。これは第2次世界大戦の教訓だけど、日本のいわゆる集団的自衛権は国連の崇高な理念と対立する。

放送局長―想い出してほしいけど、日本国の自衛権は憲法に明記されていない。国連憲章のおかげで間接的に認められてる。

編集長―そう、常識だ。砂川事件の最高裁判決は1959年当時の自衛権について判断したにすぎない。集団的自衛権をも容認したとしたら、反政府的な判決だ。

ナモネ氏―そのとき問題になっていたはずだな。

アロマ―それについては、批判が多い。早稲田大学の長谷部恭男教授は〈憲法9条のもとでも固有の自衛権は否定されない〉などと指摘した最高裁判決について〈この裁判で問題となったのは日米安全保障条約の合憲性であって、日本の集団的自衛権は全く争点になっていない。〉慶應義塾大学の小林節名誉教授は〈当時は日本が占領から解放されたばかりで、個別的自衛権があるかないかの議論がなされていた。集団的自衛権などは当時の時代背景として問われていない2〕。〉憲法学者の反対も非常に多いですね。

ナモネ氏―最高裁は憲法裁判所でない。それを創設しなかったのは長年の自民党政権の責任だ。

編集長―そこにも愚劣な戦略が隠れてる。安全保障関連法は廃案にするべきだな。

  

 

A Just you just me; Buddy Rich and His Orchestra

 

1 〈我が国と密接な関係にある他国〉とは?

2  NHK 615 1904

 

▼ 安全保障関連法と現実 A  B

▼ List 12  安全保障

▼ List 2 日本とロシアの関連記事

▼ List 5 2次世界大戦

 

 

 

 

 

 

 

 


       Updated 2015.6.16

特派員―いつもとちょっとちがうケーキですね?

編集長―グラノーラを混ぜたんだ。オーツ麦、クルミ、アーモンド。

アトリエ

アロマ―おいしい。本ものの味だわ。

特派員―本ものとにせものを見分ける簡単な方法がありますか?

編集長―製品の表示と中味がちがえば、にせものだよ。

特派員―単純明快な記号論だ。

アロマ―表示がなければ?

編集長―表示がない場合にせもののカテゴリーに入れなければいけないな。現実にそんな製品があるとしたら、法律違反だ。

アロマ―表示と中味が一致していても、本ものと完全に同じ香水〈エゴイスト〉は?

特派員―にせものに決まってるよ。コピーでしかないんだから。

編集長―そういうことだな。海賊版というのは、いくら本ものそっくりでもオリジナルの模倣だ。オリジナルが存在しなかったら、コピーは存在しえない。

半分半分放送局長―人間について考えると、複雑な問題だ。表示と中味が一致しないように思える芸術家がいるだろう?

特派員―ええ、半地下のアトリエにも、ね。

編集長―作品がすぐれていれば、問題はない。しかし、人間と製品を同じようにあつかうのはナンセンスだよ。人間は可能性の存在なんだから。きのうと明日に少しも変化がない存在だとしたら、どう思う?

アロマ―おかしな、というより現実にはありえない生きものね。

ナモネ氏―作品と言えば、何か混ぜてるのが多いぞ。

アロマ―にせものね。

編集長―そう、メッセージが分裂すれば、悪い作品だ。

ナモネ氏―そういうことを悪意でやってる国がある、な?

編集長―思想的に、ね。迷惑なことに敗戦後の日本で無意識的に受けたのは、にせものに価値を与えるということなんだ。あれも一種のニヒリズムですよ。

ナモネ氏―敗戦後にせもののレッテルを張られたように思った人はいたかもしれないな。

編集長―そういう連中のにせものに賭ける執念はすごいよ、な?

放送局長―文句を言っても仕方がないよ。天皇制の帝国主義の国が民主主義の国に変わってしまい、社会の価値観も反対になった。

ナモネ氏―公職追放の処分を食らった人たちは頭に来たはずだ。正しい行動だったと信じていたら、な。

特派員―にせもので復讐するという狙いを持ってる組織があるから、市民がにせものを追放しようとがんばっても、むだなわけですね。

ナモネ氏―にせものの実例は無数にあるよ。にせものだらけだ。

  

 

A Fiesta ; Charlie Parker Quintet

 

▼ 無名の芸術家から ; 思いちがいしないように一言

 List 7 文化

 

 

 

 

 

 

 


       Updated 2015.6.12

半分半分放送局長―〈我が国と密接な関係にある他国〉というのは、どんな定義?

ナモネ氏―同盟国と書いてないな。国名もない。

特派員―ええ、それに関しては民主党の岡田克也代表が去年12月質問主意書を提出していますね。

炭谷バス・ストップ

犀川

 

〈8 第一要件にある「我が国と密接な関係にある他国」について、総理は、同盟国・米国に限定されるものではない旨答弁しているが、それでは「我が国と密接な関係にある他国」とはどういう関係の国なのか。その定義を明らかにされたい。〉安倍首相は1月こう答えています。〈新三要件の第一要件にいう「我が国と密接な関係にある他国」については、一般に、外部からの武力攻撃に対し、共通の危険として対処しようという共通の関心を持ち、我が国と共同して対処しようとする意思を表明する国を指すものと考えている。いかなる国がこれに当たるかについては、あらかじめ特定される性質のものではなく、武力攻撃が発生した段階において、個別具体的な状況に即して判断されるものであり、お尋ねについて一概にお答えすることは困難である。〉

編集長―そうすると、同盟国は外部からの攻撃に対して共通の危険として対処しようという共通の関心を持っているが、現実に紛争が起きたときに日本と共同する意思を表明しなければ、日本は集団的自衛権を盾にして行動できないことになる。

放送局長―アメリカは単独で戦えるから十分だ、と言うかもしれないな。

アロマ―日本が勝手に参加できないというわけね。安心した。

編集長―しかし、こういう法律はナンセンスだ。〈我が国と密接な関係にある他国〉と書くなら、密接な関係とは何か、あいまいさがないように規定しなければならないよ。国会の議論では原油など経済的に深いかかわりがある国が実例としてあがってるけど、数年後にどうなるか、予想できない。主観的な解釈次第だ。世界各地の紛争に自衛隊が参加する可能性がある。それで世界情勢がどう変化するか、ということも予測できないだろう。

ナモネ氏―まるでアメリカみたいな世界防衛軍だ。迷惑に思う国は当然あるな。

特派員―もっと悪いと思いますね。自分の国と他の国の区別が分からないような成り行きで、戦火が拡大するおそれがある。歴史的にそうですよ。

放送局長―世界平和のためには今までどおり国連に任せたほうがいいね。多国籍軍があれば、十分だよ。

アロマ―そうすれば、食生活が貧しくならなくていいわね。消滅可能性都市なんてお断り。

特派員―自衛隊の肥大化の陰で、ね。

編集長―因果関係がありそうだな。

放送局長―どこが危ないか、と言えば、やはり朝鮮半島だろう、な?

編集長―たぶんな。北朝鮮が38度線を越えたら、韓国軍とアメリカ軍の後方支援を日本が引き受けるという状況になる。

ナモネ氏―しかし、北朝鮮は同時に日本をも攻撃するという記事を読んだことがあるが、そうなったら、日本は専守防衛の自衛権で迎撃も一生懸命やらなければならないぞ。

編集長―憲法9条を守れば、それだけで平和を守ることになる。朝鮮半島をかき乱さないように注意して、日本の本当の安全保障を考えるべきだね。

☆ ☆ ☆

 

A Lover come back to me; Artie Shaw and His Orchestra

 

▼ 安全保障関連法と現実 A  B

▼ List 12 安全保障; 憲法違反の集団的自衛権に反対

憲法9条と自衛隊---PKO

 

 

 

 

 

 

 


       Updated 2015.6.1

特派員―集団的自衛権で専守防衛の概念がどう変わるか、と言うと、存立危機事態への対処ですね。

ナモネ氏―どういう危機なんだ?

旧小坂鉄道花岡線跡

特派員―それを定義して対応するために新たな3要件を設定しましたね。〈(1)我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること(2)これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと(3)必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと〉1

アロマ―安倍総理大臣はこう説明していますよ。〈例えば、石油などのエネルギー源の供給が滞ることにより、単なる経済的影響にとどまらず、生活物資の不足や電力不足によるライフラインの途絶が起こるなど、国民生活に死活的な影響、すなわち、国民の生死に関わるような深刻重大な影響が生じるか否かを総合的に評価し、存立危機事態に該当するかを判断する〉2

編集長―客観的な基準なしで自衛隊が武力を行使できるというのは、横暴だ。国民生活に死活的な影響が出るとしたら、そんな対応からだろう。

ナモネ氏―保守的な人たちの考え方でない。戦後70年、あれほど非人道的な侵略戦争をしたにもかかわらず奇跡的な復興と先進国の仲間入りができたから、今までどおり最小限度の自衛の線を越えまいとするのが普通でないか?

半分半分放送局長―何を今さら、だ。地球のあちこちで専守防衛したら、防衛関係予算が膨らみ放題になる。赤字で国が沈没だよ。

アロマ―あたしたちの日常生活がどう変わるか、ということも想像しなければ、だめよ。

編集長―そう、よく気づいてくれた。集団的自衛権のために民主主義憲法や地方自治法その他の法律が実際どう汚されてゆくか、心配だな。

放送局長―通信の自由はないな。これはもう絶滅だ。

アロマ―パンケーキなら、国民の生命と自由および幸福追求の権利なんていうのは味を悪くするミックス。

編集長―ブラック・ユーモアのミックスだな。

特派員―専守防衛については、国会で議論がありましたよ。安倍首相が新たな要件を満たせば〈専守防衛〉であると答えたので、民主党の長妻代表代行は、〈定義を変えた〉と言え、と反発した3

ナモネ氏―やはり軍国主義の二の舞だ。表示と中味が全然ちがう。世界中が疑いの目を向ける。

編集長―現実問題として日本は地理的に安全な位置にある。国際外交で失敗しないかぎり外国から不意に攻撃される不安はそう大きくないはずだ。

特派員―アメリカとの同盟は二重の盾ですね。

編集長―国連の存在を忘れてるような人たちがしゃべって、安全なわけがない。国連憲章第39条には、〈安全保障理事会は、平和に対する脅威、平和の破壊又は侵略行為の存在を決定〉するとある。存立でなくて平和と言ってる。常識的に考えれば、国土が武力攻撃されない場合は戦うべきでないね。そうでない場合は国際社会で正当化できるかどうか、問題になるだろう。

ナモネ氏―満州事変の二の舞だ。

特派員―国連憲章は第6章で紛争の平和的解決を義務づけていますよ。日本の平和憲法は第9条で武力による紛争の解決を禁止しているけど、これは同時に集団的自衛権の禁止だと思いますね。

放送局長―危ない仕事はアメリカ軍に任せればいいんじゃないか?

  

■安全保障関連法と現実 -B

A Sixteen tons;  The Platters

 

1         平和安全法制の概要; 内閣府

2        NHK 526 1655 

3        TBS 2722:06

 

▼ List 12 安全保障; 憲法違反の集団的自衛権に反対

憲法9条と自衛隊---PKO

 

 

 

 

 

 

 


☆ ☆ ☆     Updated 2015.5.30

特派員―大館は涼しいけど、国会議事堂は熱くなっていますね?

半分半分放送局長―あの建物はそろそろ取り壊したほうがいいよ。21世紀に似合わないから、な。

ナモネ氏―最後に鳥が飛び立てば、人間の平和は残る。人間と言っても通じる内閣か、疑問だが、戦後70年の反省が死文化しないようにしてもらいたいもんだ。

花岡観音堂 連合軍捕虜収容所跡

2015

編集長―国際社会はもっと情報の洗練度を高めなければいけないね。国境線があるのは、だめだ。鎖国的な政治を劣化させるだけだ。

ナモネ氏―外面のいいことをしゃべった裏では小林多喜二追悼記念祭の存在を黙殺してる。もう歴史の中のドラマでしかないよ、と思ってるな。

編集長―花岡の連合軍捕虜収容所に関しても、そうだな。歴史資料を整理して、市立図書館に置いたり現地に記念碑を建てたりして、国際的に記憶を保存共有する努力が必要だ。

アロマ―ヒューマニズムが欠けてるの、ね。日本人かどうか、じゃない。不法かどうか、正しいかどうか、そういう基準で考えるべきだわよ。

編集長―そう、連合軍捕虜は人間の盾だったから、根が深い問題だな。

特派員―いつまでも無責任な国家では困りますよ。

ナモネ氏―国民一人一人に責任を負わせて逃げる癖がある。不存在の国家だよ。

放送局長―これほど明白な戦争犯罪をやっておきながら敗戦後すぐ経済復興して豊かな国になった、その仕掛けがおもしろくないね。

編集長―冷戦をうまく利用した。

ナモネ氏―対立の陰で笑っていた。

特派員―日本の安全保障についてもニヒルですよ。

放送局長―軍国主義の侵略戦争を観念的に反省しても、失敗する。それを裏付ける事実はざらにあるよ。ナモネ氏やハセのように、今現実はこうだ、と世の中を想い出させてやらなければ、効果がない。

アロマ―よくあることね。ちょうどいい記事がある。スプートニク日本版、527日付け。〈さぁ、一緒に月面着陸だ! 露中が合同で準備開始〉ロシアと中国は2028年に共同で月旅行する予定なの。

放送局長―うらやましいハネムーンだな。日本と北朝鮮は何か言ったか?

アロマ―何も。

編集長―スペース・テクノロジーは地域の争いに無関心でない。それが現実だよ。

放送局長―世界征服は宇宙征服になる。

特派員―国際政治にもどって、現実の断片を見せた実例を言うと、こういう記事があります。〈アメリカはクリミアをめぐり戦う用意はない。駐ロシア大使だったマイケル・マクフォールの発言。クリミアのロシア編入は歴史的事実であり、ウクライナ当局は現実主義者となる必要がある。〔1〉これは当然ユーラシアの東にも聞こえたはずです。

放送局長―重大発言だ。東シナ海の北方に浮かぶ島々のマス・メディアが国民に伝えないとは、何という政治小説だ。

  

■安全保障関連法と現実 -A

A Blues for Nica;  Kenny Drew Trio

 

▼ List 12 安全保障; 憲法違反の集団的自衛権に反対

 

小林多喜二追悼記念祭

▼ List 6 立法・行政・司法; 多喜二追悼記念祭に無関心な国と大館市

多喜二追悼記念祭などに関する市民の要望; 黙秘みたいに思える無反応ばかり

連合軍捕虜収容所

▼ List 1 V字型の階段の記憶; 54連合軍捕虜収容所

55オーヴァーランド製ジープの活躍

56極東国際軍事裁判の前

 

1 sputnik 20150425 15:36

 

 

 

 

 

 

 


       Updated 2015.5.26

曲田聖堂

編集長―あの〈相当の身分の人〉が公卿だったと考えていいと言ったけど、事実を追ってみると、公卿が死んだということしか分かっていない。これに焦点を当てる。殺害されたとあるのは三条公頼(56)、二条尹房(55)、持明院基規(じみょういんもとのり 59) 1自害したとあるのは尹房の次男二条良豊(15)持明院基規2。巻きぞえになったという説には公卿皆殺しの結果が反対する。公卿たちは山を越えて日本海に面した長門まで逃げた。いくらか真実に近いのは、軍隊が芸術文化派を激しく憎んだという説だな。芸術文化の国際化を恐れたとしたら、一面の真実だ。

半分半分放送局長―なるほど。あそこの青海(おうみ)島の海は非常に美しい色で、皇居に東山魁夷が描いた壁画がある。気になるのは持明院基規の存在だよ。権中納言で朝廷の書役(かきやく)とあるのだ。書記かと思ったら、そのとおり〈文書の草案を作ったり,記録書写したりする役職〉だ。文書の草案、記録の書写ですよ3

ナモネ氏―自信たっぷりなわけだ。

放送局長書役は世襲制で、平安時代から世尊(せそん)寺流の書家が勤めたが、後奈良天皇の時代に後継者が絶えて、基規の父から持明院流の書家に代わった。そういうことだ。

特派員―書役がそのとき生活のために西の都に逃げてきたとは、漫画にもなりませんね。表向きは何であれ、重大な任務のためですよ。

編集長普通なら御所から離れられない人だろうな。世襲制は当然だ。朝廷の秘密を守らなければならない。他人には教えられない事柄もあるように思える。

放送局長―そうだな。想像をブレンドすると、持明院基規は天皇の要請を山口の領主大内義隆と三条公頼、二条尹房に伝えて、平戸にいるザビエル(F.de Xavier)に会談を申し入れた。山口の臨時内閣は天皇の権力を取りもどすためにキリスト教との共同戦線を提案した。日本での伝道の自由をも認める。ザビエルはそれを受け入れて、再び山口に行く。反対派は性的なデマをばらまいて邪魔したが、むだだった。

ナモネ氏―しかし、共同戦線というのは過激だと思う。国際芸術文化派がマカオにいるポルトガルの船を味方にしても、海岸では勝てるだろうが、な。妄想的な計画だ。

放送局長ポルトガルは貿易とキリスト教を切り離さない政策だったから、可能性はある。

編集長―ヨーロッパ文化を取り入れることが第一目的だったと思うね。そのために妥協した。しかし、内戦を止めることができればいいと当然考えていただろうな。

特派員―放送局長が語ったストーリーが真実だとしたら、京都御所に書役が書いた文書があるはずだけど、これはおそらく焼却処分。

編集長―京都御所は江戸時代に何度か燃えてる。火事にはご用心だ。

特派員―しかし、ポルトガルやバチカン法王庁に文書が保存されているはずですね。

放送局長―運が良ければ、な。

☆ ☆ ☆

  有栖川宮とアリス g    f  h

 

A Take it easy; Duke Ellington and His Orchestra

 

1 wikipedia

2 wikipedia 美術人名辞典

3大辞林

 

▼ List 2 有栖川宮の歴史 ; キリシタンと朝廷

 

 

 

 

 

 

 

 


       Updated 2015.5.18

特派員―鹿島組の冷酷さも理解しましたね。GHQの命令で信正(しんしょう)寺に400余りの遺骨を置いたのは11月ですよ。それまで遺骸は野原でゴミあつかい1

放送局長―鹿島組の幹部は裁かれないと計算していただろう。

新屋布止バス・ストップ

小又川

編集長―実際、そのとおりになった。ぼくは大学に入ってまもなく国家を理解したね。夏休みのあと、江戸川公園近くの印刷製本屋でアルバイトしたとき、普段着の紳士と作業しながら何となく話をしたけど、ぼくが大館の長谷川だと分かると、姿勢をただしてこう言った。〈花岡事件の三浦署長です。〉

ナモネ氏―蜂起を鎮圧した大館警察署の三浦太一郎署長だな。有罪、懲役20年、のちに恩赦を受けた。二度と会わなかったのは、何と言うか、悲しいな。

半分半分放送局長―一日だけのアルバイトだったのか?

編集長―他に想い出せない。極東国際軍事裁判の前だから、大館のアメリカ軍部隊は非常に危険な仕事をやったな。レポートは第一生命ビルのGHQ本部に送られる…

放送局長―連合軍捕虜収容所と中国人強制労働収容所のBC級戦争犯罪を告発する。

編集長―しかし、A級戦犯を起訴する証拠資料としても価値があった。東条英機内閣が中国人の労務者狩りと強制連行を決定したんだから、当然だ。それで、主導した商工大臣岸信介の責任が問われる。

ナモネ氏―起訴されなかったが、残念だ。首相になったときは、声が出なかった。

アロマ―レポートはどこで作成されたか ?…もちろん新橋第一ホテル。

放送局長―やっとロバート中尉が房子と再会するシーンだな。

編集長―あのロカードというのははじめて見る名前じゃないか 

放送局長そう、フランス系か?

アロマ―サーチしたけど、ないのね。Rocadeというつづりなら、フランス語では2都市間を結ぶ高速道路。

放送局長―すると、東京と大館のロカードだ。おもしろいジョークだ。

編集長―ぼくはそれがロバート中尉だと思ってる。事件の黒幕が意図的に名前を消してロカード中尉に変えたのだ。

アロマ―そのメッセージを理解した人は誰かな?

特派員―それは別にして、ジープという言葉が印象的だけど、あれは羨望の的だったんですか?

ナモネ氏―そうだ。4輪駆動の車で、強くて格好良く見えたもんだ。

アロマ―悪路でも平気なジープが憎たらしく見えたのよ。

編集長―そうだな。山奥でも楽に走れ回れるから、な。ついでに言うと、長谷川秀之が最後に乗り回した車は4WD小型のワゴンだったよ。あれを見て冷やかしたときは、まさか米代川源流から日本海までの撮影に使うとは思わなかったね。

  

☆ V字型の階段の記憶 56

 

A  Nightmare;  Artie Shaw and His Orchestra

 

1 大森川のページ

 

 List 1 V字型の階段の記憶; 53 新橋-大館橋 ジープ

▼ List 1 敗戦後劇場

 

 

 

 

 

 

 


       Updated 2015.5.15

小袴バス・ストップ

引欠川

特派員―デ・バーグ大尉の調査報告書は、19986月大館労働福祉会館で開催された〈花岡事件GHQ資料展〉で翻訳版コピーが展示されました1。しかし、ガラス・ケース入りで表紙とこんな説明書きしか見れなかった。〈冒頭:〈この中国人捕虜収容所は、私が近くの連合国軍捕虜収容所の調査に行った際に発見した。〉〈コピー: アメリカ公文書館資料。国会図書館に保存されている。〉デ・バーグ大尉という軍人は花岡事件の文献資料には出ないので、黒い煙がただよいましたね。

ナモネ氏―大館市史は花岡事件について裁判も含めて誠実に事実を並べたが、矛盾する点がいくつかある。まさか、と疑いたくなる点もある。当然のことだ。権力に弱い普通の人たちのドラマだ。

特派員―それを要約してみると、まず〈アメリカ軍による死体発見〉の項では、107日アメリカ軍が尾去沢、小坂、花岡の〈欧米人俘虜(1170) 〉を解放するために大館に進駐、ロカード(Rocade?)中尉一行5名がジープで花岡を訪れた。鹿島組の証言によれば、法務将校が隔離病棟で棺桶に詰めこまれた中国人の死体を発見して、ジープで大館にもどり、写真屋を連れてきて現場を撮影させた2。鉱山病院らしいですね。事件の調査はその日からはじまった。法務将校だけは名前がないけど、デ・バーグ(Des vergues?)大尉かもしれない。

編集長―たぶんそうだろうな。〈隔離病棟〉〈写真屋〉にも疑問符をつけていい。

ナモネ氏―大尉は別格か?大館に進駐したアメリカ軍の隊長は中尉だったよ。

特派員―ええ、〈占領軍と大館〉の項にあります3915 アメリカ軍が山形県新庄から秋田に入った。194人の先発隊が大館に到着して、役場向かいの公会堂を接収、宿舎兼事務所に改造させる。数日後、リッデル(Rocade?)空挺隊中尉他30数人が進駐する。そして、車庫と自動車修理工場などを建設させた。その数日後、新たに横手からスミス隊約20人が大館に来た。総勢60人近い軍隊ですよ。

ナモネ氏―〈占領軍と大館〉の項の執筆者はアメリカ軍を悪意で描いてるよ。花街の新開地で歓迎会を開いたなんてことを書くから、信用が置けない。

半分半分放送局長―日付が合わないな。公会堂が宿舎だったというのは自然だ。

ナモネ氏―自動車修理工場は木造の建物だけだな。これは理解した。

  

☆ V字型の階段の記憶 55

A These foolish things;  Charles Mingus and His Orchestra

 

1         HHJ  デ・バーグ大尉の調査報告書 

2 大館市史 昭和61930日 発行 大館市史編さん室

5章第3節 花岡事件 ; 庄司時二 証言---鹿島組 松岡直彦

3 大館市史 6章第1節 終戦下の種々相 ; 金釜武治

 

 List 1 敗戦後劇場; 6月の最後の夜

                      耿諄さんの新鮮な認識と反抗の歴史的意義

現地

▼ 大森川のページ

 

 

 

 

 

 

 


       Updated 2015.5.7

特派員―4月末の共同通信の世論調査によれば、日本とアメリカの防衛協力ガイドラインに半分近い4.9%が反対と答えましたよ1。賛成は35.5%にすぎません。理由は書いてないけど、反対する気持は分かりますね?

ナモネ氏―当然だな。第一そのガイドラインは国会の承認が必要でない。

編集長―安倍内閣の暴走だね。しかし、連携の強化は21世紀の安全保障のために重要だ。そうでなければ、現実離れした無益な安全保障になる。

駒橋バス・ストップ

犀川

アロマ―どうせなら、アメリカ軍の歯車になってほしい。自衛隊をオープンにすればいいのよ。

特派員―アメリカ軍もオープンにならなければいけない。どっちも独立的でないな。

編集長―要点を読むと、ガイドラインは安全に対する脅威の可能性を細かく並べてるけれど、あれは非常におかしいよ。そのときに連絡を取り合って行動すれば十分間に合うことなら、文書で取り決めなくていい。大げさに言えば、憲法を理解すれば、米粒を拾うような法律文は必要でないのだ。

ナモネ氏―あれこれ考えてみたが、日本政府には不信が深く深く根を張ってる、なあ。

編集長―おもしろい解釈ですね。北方4島の帰属問題でアメリカは日本を支援できないという発言をしたから、日本政府はショックを受けて裏切りみたいに思ってるかもしれない。

ナモネ氏―被害感が強まると、関係がもつれるから、アメリカは安心できる後ろ盾であることを保証しようとしてると思う。

アロマ―アメリカは世話好きだわよ。国連安全保障理事会が改革されて日本が望むとおり常任理事国入りすることを期待していると約束するなんて、ね。以前はブッシュ大統領が反対した。

編集長―しかし、これは譲歩ではない。ロシアが拒否権の切り札を出さないように仲良くする必要があると言ってる。

ナモネ氏―日本の出方によっては、あだな希望だ。

特派員―ついでに、裏切った場合についてもガイドラインに書いておけばいいんですよ。

編集長―裏切りの定義をしなければいけない。

特派員―その規定がないと、裏切りという行為もなくなる。

ナモネ氏―国連憲章にはないのか?

特派員―そんな馬鹿なことはどこにも書いてませんよ。

編集長―実例がある。1943年のイタリア。ムッソリーニ(B.Mussolini)首相を倒した国王派のバドリオ(P.Badoglio)政権が連合国に降伏したとき、ナチス・ドイツは同盟国の裏切りを非難して、イタリアを侵略、ムッソリーニのイタリア社会共和国を立てたので、内戦になった。

アロマ―《虐殺の島ケファロニア》という映画で見たけど、一夜明けたら、ドイツ軍とイタリア軍が戦ってる。

ナモネ氏―それが戦争というもんだ。明治維新のとき、南部軍は南部鉄の大砲で無慈悲に秋田を攻撃したが、奥羽越列藩同盟を裏切ったというのが口実だった。戦争しないための軍隊でなければ、駄目だ。

編集長―あれは裏切りでなくて、自由と言わなければならない。明治の明るい政治を選ぶための自由。

☆ ☆ ☆

 

A Ultra; Harry James and His Orchestra

 

1 北海道新聞 共同通信 04/30 17:58 

NHK  428 304   428 2303

 

▼ 戦後70年談話; 平和に対する安倍総理の暴言〈もう一度書く必要はない〉

国連常任理事国に日本を、とフランス大統領が思いやり提案

▼ List 12 安全保障

北方領土

▼ List 2 日本とロシアの関連記事

同盟国の裏切り

▼ List 3 高松宮日記メモ: 1945 終戦までの影のストーリー---a

奥羽越列藩同盟を裏切る

▼ 明治維新の記憶を浮かび上がらせる早口村出身の小畑天皇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                                                                                                                  

                       

                                               

 

Atelier Half and Half