HALF AND HALF JOURNAL

                                                     

 

 

無 意味 な

破 片

 


無意味な破片

 

 

 

 

           

Fragments

HHJ

             inutiles

 

 

 

 

 

 

 

       Updated 2015.4.28

特派員―小畑候補は624年の実績を強調するけど、どんな実績ですか?

ナモネ氏―樹海ドームと医療機器メイカーなどの誘致企業の増加、市立病院の新築、看護福祉短大だろう。小畑候補は結果的に病院都市づくりをした。これは市民が予想しなかったことだ。

アロマ―そうね。環境問題でHHJと市民が予防に重点を置くように何度も要求したけど、すべて黙殺。

特派員―排気ガス汚染対策や水質汚染対策、花岡地区の中和施設改善など、だね。

半分半分放送局長つまり、病院と医療機器メイカーと薬品メイカーその他の組織がもうかるシステムをこっそりつくったということだな。

らせん階段

2004年 撮影

ナモネ氏―小畑市長が恐れられてきたという事実は忘れるべきでない。24年間で大館市に増えたのは迷信病だ。

放送局長―選挙が狂ってしまわないか、心配だな。

ナモネ氏―市役所職員と選挙管理委員会も心配だよ。公正な選挙というのは正しい日本語か?

特派員―HHJ特派員がときどき不安になるのは小畑元と警察の隠微な関係ですね。そういうバックを一言想い出させたい。それで民主主義の復活なんてありえない。

放送局長―小畑候補はインドネシアでタガログ語を覚えたそうだな?

特派員―ええ、タガログ語で呪文を唱えるような政治で、参ってますよ。

アロマ―福原候補のフランス語と対照的ね。

[cat willow 2015.4.25]

大館市長選 最終結果 26 22:45 NHK

有権者数63,900  確定投票率72.29%

 

*福原淳嗣 27,663(60.6%)

*小畑元  18,008(39.4%)

 

アロマ―北鹿新聞のインタヴューで福原さんは、勝因をこう語りました。〈大館を変えようという強い意志を持った人がこんなにたくさんいた。〉市長としてまず取り組みたいことは、という質問に対して、〈市政をうまく展開するために必要なことが三つある。一つ目は議会との建設的な議論が重要。二つ目は市が進める事業を私なりに習得し、ストップしていいものは止め、つくり出さなければならないものはやる。三つ目は公約を具体的に進めるため東京で動ける仕組みをつくりたい。〉1

編集長―楽勝だったな。毎回得点で、スリルがないゲームだった。

特派員―楽々勝ちましたね?

ナモネ氏―終わりと思えば、終わりだ。

特派員―正しい考え方をした市民が多いということですよ。

編集長―そう、正しい生き方につながればいいな。

アロマ―市議選の結果はこちらをクリックしてください。

大館市議選

  

■歴史の分岐点になる大館市長選 B  A

 

A Summer wind; Frank Sinatra

 

1 北鹿新聞 2015.4.27

 

▼ 新しい本庁舎建設に反対/市民文化の中心/取り壊しが第一目的

 

 List 1 V字型の階段の記憶

 List 8 歴史 大館と米代川流域

 List 1 大館大火の関連記事

 

 

 

 

 

 

 

 

 


       Updated 2015.4.25

ナモネ氏―小畑市長など市役所の人間はHHJの記事最初の大館市庁舎を設計した山本勝巳について〉を読んで、どう思ったかな

特派員―さあ、個人的に何か言うような人たちじゃありませんから、ね。

アロマ―困惑してるだろうな。計画の練り直しをする気にならないかな?

らせん階段

2004年 撮影

半分半分放送局長―良心がないことを宣伝するよりはましだろう。

特派員―小畑元候補は6期目の市長選の前に市議会で行政の透明化を推進すると語った。あいかわらず言葉と行動があまりにもちがいすぎる市長ですよ。

ナモネ氏―そう言えば、市長選演説会で新しい本庁舎建設計画について長い歴史と将来の二面性を象徴する建物が必要だと言った1。これは秋田杉と鉄筋コンクリートの和洋折衷建築を意味する。

特派員―コンテクストから考えれば、その危険性がありますね。

放送局長歴史悪用主義もいい加減にやめてもらいたい。

アロマ―戦後の歴史も歴史だわよ。

ナモネ氏―そうだ。忘却は絶対に許されない。

特派員小畑候補は忘却の多い人ですよ。将来の大館に産業と楽しさがなければいけないと言って、それが自分の責務であると歌ってるけど、陰で潰した芸術活動が記憶から抜けてる。

アロマ―市民生活にとって重要な芸術活動は二つあった。ハーフ・アンド・ハーフ・スタジオ花岡スウィング・ジャズ・バンド

ナモネ氏―市民生活と言っても、意味が通じない市長だよ。

放送局長―旧植民地で仕事をした官僚らしさが出てる。

特派員―考え方も古いから、工場と道路を増やせばいいと信じて疑わない。

アロマ―学校もそうよ。建築業者のために解体したり建てたりの繰りかえし。いつまでも同じことをやってる馬鹿ね。

放送局長―大館市の財政健全化度は全国で何番目だった?

特派員―全国789市のうち総合財政健全度626位。

放送局長―福原淳嗣候補は21世紀に適応してる。産業と楽しさを両立させる力があると思うね。

ナモネ氏―小坂鉄道とバスの戦いという風変わりな構図もあるな。

アロマ―でも、市民不在のバスよ。

☆ ☆ ☆

■歴史の分岐点になる大館市長選 A B

 

A Take the A train; Harry James and His Orchestra

 

1 北鹿新聞 2015.4.24

 

▼ 新しい本庁舎建設に反対/市民文化の中心/取り壊しが第一目的

 

 List 1 V字型の階段の記憶

 List 8 歴史 大館と米代川流域

 List 1 大館大火の関連記事

 

 

 

 

 

 

 

 

 


       Updated 2015.4.19

半分半分放送局長―大館市の市政だよりにある〈東京信建築事務所 山本勝〉をサーチしたら、やっと見つかったよ1

アロマ―それまで大館市役所が回答したとおり信建築設計事務所でサーチしても、むだだった2。ひどい。デマだわよ。

らせん階段

2004年 撮影

特派員―なるほど、ね。思ったとおりだ。大館市役所が情報戦みたいな真似をして長いあいだ市民を迷わせたことは、もう疑問の余地がありませんよ。

アロマ―有名な建築設計家だから、名前だけのサーチでもすぐ出る。メモを読むわね。

 

ウィキペディアによれば、1905年生まれ、1991年死去。東京出身。松山中学校(旧制)を卒業。1930年に東京美術学校を卒業後、岡田建築事務所(岡田信一郎の事務所)、大林組を経て1950年に独立した。

父は官吏で鹿児島県、愛媛県に勤めた。農学者の山本狷吉は兄(長男)、映画監督の山本薩夫は弟(三男)。松山在住時代に重松鶴之助、伊藤大輔、中村草田男、伊丹万作らと同人誌「楽天」を発行した。俳優の山本學、山本圭、山本亘3兄弟の父でもある。

 

特派員―山本圭と言えば、編集長もオールド・ファンの一人だから、ちょっと呼んでこなければ。

編集長―まさか、な。山本学と圭はTVドラマによく出ていた。渋いリベラルだったよ。

放送局長―そう、大人だったね。

編集長―山本圭は映画で小林多喜二を演じた。

アロマ―不思議だわ。

特派員―弟の山本薩夫は社会派の映画監督、ということは山本嘉次郎とつながりがあるんじゃないかな?

放送局長―ざっと調べたけど、点線だ。戦争前から敗戦後まで東宝で長く映画製作をやってたから、仕事の関係はあったはずだ。しかし、山本勝と嘉次郎は同世代で何となく顔が似ている。

アロマ―近い関係だわね。ナモネ氏?

ナモネ氏―なるほど。らせん階段とドームは映画のシーンのようだった。

編集長―それで建築設計家山本勝巳の作品は見れる?

アロマ―ええ、もちろん。全銀連会館(千代田区平河町)天山文庫富山市立郷土博物館会津武家屋敷日進館。美ヶ原高原ホテルと岐阜劇場は見つからない。

放送局長―美ヶ原高原ホテルっていうのは、名前だけホテルで、建物は旅館だ。洋風の建物を取り壊したのか?あきれたよ。山本小屋という宿泊施設もある。これは嫌味だな。

アロマ―情けないことに、洋風建築で現存するのは全銀連会館と大館市役所西側本庁舎だけらしいの。1953年の風呂屋町大火のあとに建設された最初の大館市庁舎。

編集長―分かった。あの〈永久建築〉には歴史的な暗い背景がある。

ナモネ氏―あれを取り壊したら、天罰だ。

  

 

A Imagination it’s magic; Glenn Miller and His Orchestra

 

1 最初の大館市庁舎に関する文書; 条例違反の行政文書目録を見る

2 最初の大館市庁舎に関する文書; 設計図書は散逸?

 

▼ 建築設計家山本勝巳の仕事がよく分かる

 

映画 小林多喜二

▼ List 1 V字型の階段の記憶; 2 長谷川テルという抗日戦線のヒロイン

▼ List 8 歴史 大館と米代川流域; 多喜二の死と築地警察署と築地市場

▼ List 6 立法・行政・司法; 多喜二追悼記念祭[記憶の共有]

山本嘉次郎

▼ List 1 敗戦後劇場; 映画監督のメッセージ

▼ List 7 芸術; 山本嘉次郎の《暗黒街》のメッセージ

▼ List 8 歴史; 大館と米代川流域; ハチ公ストーリー

▼ List 10 はせ川食堂; 大館橋のたもとに食堂がオープンしたころ A 

▼ List 1 V字型の階段の記憶; 43 第一ホテルで憲法草案とスウィング・ジャズ

53 新橋-大館橋 ジープ

 

▼ List 1 大館大火の関連記事; 最初の大館市庁舎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


       Updated 2015.4.14

特派員―県議選について何か一言聞きたいですね。

ナモネ氏―選挙公報を読むと、4人の立候補者が似たりよったりのことを言ってる。70才と60代後半の議員というのは頭が古くて、政治のハンドルを握るべきでないと思う。

旧比内町役場

アロマ―若いパワーが運転しなければ、だめね。明治維新のときのように。

半分半分放送局長―おれが発言するのは場違いだな。編集長が言ったように、自動車はただ優秀なエンジンを付ければいいというもんじゃない。

特派員―すぐぶっ壊れてしまう?

放送局長―当たり前だあな。

アロマ―そこを何とか?

放送局長―といっても、こういう島国はどうにもならないんじゃないの?

アロマ―さっき、〈燃料がない〉〈原料がない〉とひとり言みたいに言ってたけど?

ナモネ氏―なるほど。解読すれば、米放送局長みたいな自由勝手な才人のことだ。うまく使いこなさなければ、駄目だな、というのはよく分かる。大館は歴史的に場違いな人間が少なくない街だ。

アロマ―わざと場違いなことをやる人、米明。米明。米明。

ナモネ氏―自民党議員は一人でたくさんだよ。

特派員―71才の鈴木洋一と67才の佐藤賢一郎。

放送局長―4年後は7571だな。

特派員―鈴木は市営アパート建設請負グループ大館住宅開発の構成企業花岡土建社長の兄ですね。弟は何と読むか分からない漢字の名前だけど、砂利採取会社堀江建材社長で、保滝沢集落を囲い込み封鎖するような人権無視の活動をしてる。

ナモネ氏―鈴木は花岡土建の社長で地方自治法の兼職禁止に違反するという話があったが?

特派員―秋田県議会事務局は、本人の申告と会社の事業年度報告書を信用している。砂利採取の現場を調べても、不正なところは全然ないというわけです。

放送局長―誰があんなヒューマニズムに反する活動をしてる人間の言葉を信用できるか?

アロマ―そうよ。果実を見れば、その樹が分かる。

ナモネ氏―島国の人たちは文字で書かれたことをありがたがる。

特派員―7選目だから、多選禁止論を尊重してほしいですね。

ナモネ氏―佐藤賢一郎も福祉施設に力を入れてるな。比内町長のとき強引に大館市と合併したが、老人を尊重してアンケートを操作した疑惑がある。18才以上の意見も聞いた最初のアンケートでは反対が多かったもんだ。

特派員―ええ、それが国際テロ組織の手法に似てるから、ショックでしたね。何でもただでもらいたがる小畑市長に比内町をプレゼントですよ。

放送局長―そして、秋田県庁に逃亡だから、なあ。

アロマ―狂った選挙だったということよ。

放送局長―完成して数年後のあの町役場は、もったいないな。大館市の本庁舎にすればいいよ。

特派員―ナモネ氏は、返り咲きをねらう社民党の石田寛に投票ですね?

ナモネ氏―そう、憲法擁護を最優先しなければ、駄目だ。農業問題も気になる。

特派員―民主党の虻川信一は農業をやってる。

ナモネ氏―パンフレットに〈なんでも賛成のオール与党では秋田は発展しません〉とあるが、発展とはどういうことなのか、分からない。

特派員―しかし、市議のときから反対する勇気がある正義漢ですよ。

放送局長―目の悪い人と耳の悪い人と頭の悪い人が集まったら、どうすればいいか?それを考えなければいけない。

アロマ―編集長のせりふだわよ。

ナモネ氏―ともかく、今どこにいるのか、理解していないような話ばかりだ。

{cat willow 2015.4.13}

412日 県議選 結果

鈴木洋一(自民)------11,783

石田寛(社民)---------10,438

佐藤賢一郎(自民)-----9,218

虻川信一(民主)--------7,511

 

特派員―一言?

ナモネ氏―票の数え方が間違ってるぞ。鈴木がボーダー・ラインで転落だ。

放送局長―大地震でも地盤が崩れない自民党。

アロマ―支持者か?それとも奴隷か?

編集長―何度も言ってるけど、選挙劇でしかないね。

特派員―今日はどうもありがとうございました。最後に一言、佐竹知事と県議会議長の鈴木と佐藤は工学部系だけど、これをどう思いますか?

編集長―ハイ・テクノロジーに強いやつが支配するということだろう。

放送局長―科学と宗教の陰徳的関係の地獄。

☆ ☆ ☆

 

A Faithful forever ; Glenn Miller and His Orchestra

 

▼ アンチ・ヒューマンな組織がアパート建設

▼ 多数決の横暴、しかし、 数は機械仕掛けの神ではない

▼ 地方文化を貧しく不自由にするために

▼ 市町村の荒廃はハイ・スピード

 

 

 

 

 

 

 

 


       Updated 2015.4.10

ナモネ氏―オンブズマンの荒川代表は何と言った?

特派員―残念ながら労災病院に検査入院中で、奥さんに請願書草案を渡してきました。それから市役所総務課で配置案1の詳しい資料がないか、聞いたら、発表した配置案だけだそうです。

ナモネ氏―特別委員会はあれだけで結論を出したというのか?

特派員―そうです。あいまいなプール跡の利用について聞くと、崖の近くにも駐車場をつくれば、庁舎敷地になるかもしれないという話でしたね。計画では現在の西側と東側の庁舎跡は駐車場になるけど、前庭もふくめて、だそうです。イベントのスペースも取る、と言っていましたね。

桂城公園入口

ナモネ氏―イベントの空間はあり余ってるぞ。たくさんだ。

特派員―それから大館駅に行って、弁当屋さんを探しました。

ナモネ氏―昔はプラットフォームを行ったり来たりしたもんだ。しかし、大館オンブズマンがいないと、苦戦するな。桜祭の宵を笑って過ごせればいいが。

アロマ―公文書管理法というのがあるんだけど、ナモネ氏は知ってますか?

ナモネ氏―いや、新しくできたのか?

アロマ―ええ、平成217月。

特派員―行政文書などの適正な管理と歴史公文書などの適切な保存および利用を図るために制定された法律ですね。アロマから聞いたんだけど、あの国会も意外なところでがんばっていますよ。公文書は〈健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源〉であると規定しています。したがって、行政文書ファイル管理簿は一般国民に公開して閲覧できるようにする義務がある。情報通信の技術などを利用して、つまりインターネットでアクセスできるようにしなければいけない。

アロマ―大館市は、と見ると、行政文書目録の公表の義務は大館市情報公開条例施行規則にも定められているけど、市役所の電子計算機でしか閲覧できないの。

特派員―それで、最初の大館市庁舎に関する文書に関して、総務課は設計図書が散逸したと幻想的な話をしたので、きのう30行政文書目録の閲覧を要望しました。

ナモネ氏―わざわざ行って、目を疲れさせるとは、ご苦労なことだな。

{cat willow 2015.3.31}

特派員―41日に総務課(桜庭)から回答がありました。設計と建設工事の受注業者名については大館市のホームページの過去の広報(1954520日号、195521日号)の記事で確認できるということです。行政文書目録は閲覧可能で、閲覧の日時を知らせて9日市役所に行きました。

ナモネ氏―情報公開室にコンピューターがあるのか?

特派員―いや、それがただの書類でして、ね。大館市の条例に違反すると文句を言いました。永年保存の文書を確認したけど、最初の支庁舎に関する記事はありませんでしたね。

ナモネ氏―担当者は黙っていたのか?

特派員―条例違反については無言でしたね。目録作成作業は小畑市長の指示か、と聞いたら、そうだ、と答えました。情報公開条例ができたので、必要になったそうです。

ナモネ氏―当時の担当職員は何とも思わなかったのか?

特派員―ええ、そういう質問をしたら、当時の担当職員は文書の不足に気づいたそうです。しかし、市政だよりに市庁舎建設関連の記事がのっていることが分かった。裏表1枚。それでインターネットの過去の広報にコピーした。

 

昭和3021日 大館市政だより

市庁舎完成[写真]

着工 2961

竣工 291220

工事施行者 株式会社 戸田組

設計者 東京信建築事務所

    山本勝己

 

アロマ―ちょっとちがうな。こっちは頭に東京が付いてる。人の名前も出てる。

特派員―山本という名前は嫌われてるね。

☆ ☆ ☆

 

A  Sans sous; Donald Byrd & Gigi Gryce Jazz Lab Quintet

 

 

▼ 最初の大館市庁舎に関する文書; 設計図書は散逸?

 

 

 

 

 

 

 

 


       Updated 2015.4.5

半分半分放送局長―あの長崎チャンポンの話は聞いたことがある。あそこで食べたのが一番だったそうだ。

アロマ―ラーメンはあまり食べない人なのに、ね。

桂城公園 市民体育館

放送局長―知性もチャンポンになってたら、大変だったよ。

特派員―大学に入れなくて、あの真っ暗な施設に…

編集長―そういうジョークをしゃべるだろうと思ってた。

特派員―あれ、チャンポンですよ。編集長。

編集長―どうでもいいけど、ね。

アロマ―あれから東京生活ですね。

編集長―奇妙に思ったことがあるよ。何でもないのに、店の人が〈すいません〉と何度も言うことだ。つり銭をよこすときも、そう言う。〈ありがとう〉の意味にも使ってる。

放送局長―あの風習はおかしいんだよ、な。

アロマ―東京チャンポンだわ。

編集長―混ぜていいかどうか、混ぜ方をどうすればいいか、考えなければ、な。〈すいません〉についてノートに書いたのは、次の年70年の秋だった。市ヶ谷で三島由紀夫と盾の会が決起したニュースを見て、これは〈すいません〉とは何事か、と怒った事件だと思ったね。

特派員―えっ、誰に対して?

編集長―政治家、自衛隊、一般国民に言ったことだよ。キャンパスが鉛色だった。

放送局長―おれはよく覚えてるよ。説明はいらない。

アロマ―混ぜ方がとてもうまいと思うわ。

  

 

A  Moon love;  Glenn Miller and His Orchestra

 

▼ 運命的な長崎チャンポン

盾の会の決起

▼ 石原慎太郎の小説《亀裂》

 

 List 1 敗戦後劇場

 List 5 2次世界大戦

 List 12 安全保障

 

 

 

 

 

 

 

 


       Updated 2015.3.29

創造的な生活; 環境を自分に合わせてつくる

人は環境に適応して生きる。まず環境につくられる。それから大人になれるにつれて環境を自分に合わせてつくり、創造的な生活ができる。

最初の大館市庁舎

西側庁舎

それに失敗すると、日本精神のネガティブな面が出て、滅びに適応してしまう。なお悪いことには思想化して文化に仕立て上げる。こういうパトスは水商売女の厭世的な歌に似ている。

[cat willow 2015.3.23]

▼ List 11 仮面について ギャルリー; 3 女森の桜とリンゴ

特派員―〈わび、さび、ほろび〉3人組の古くさい演奏を否定するのが最初の大館市庁舎ですね。

ナモネ氏―うまく言ってくれたもんだ。雪が多い北国に住んだら、そんな観念的な美学は長生きできない。

アロマ―本当ですね。

半分半分放送局長―ハセは幾何学が好きだったから、ああいういわゆる日本的な芸術思想をきらっていたな?

編集長―そういうことだ。〈最初の大館市庁舎〉の記事を読んで、やっと理解したな。靄と霧のような作品も、ぼくは好きじゃないな。

放送局長―京都の貴族文化は幾何学だよ、な?

編集長―優秀な建築はそうだな。その反対が中世以後の〈わび、さび、ほろび〉の思想だろう。安定した形が崩れてゆく予測できない世界だ。

ナモネ氏―なるほど。3人組の演奏を甘受すれば、無為に過ごして行動できなくなるよ。

特派員―サムライの滅びの美学はその反対ですよ。

編集長―しかし、どっちもニヒリズム。生命の退廃だ。

  

 

A  On the sunny side of the street; Tommy Dorsey and His Orchestra

 

▼ List 1 大館大火の関連記事; 最初の大館市庁舎

 List 7 文化

 List 4 思想

 

 

 

 

 

 

 

 


       Updated 2015.3.25

特派員―佐藤敬治市長が言った完全自治〉の概念を知りたいですね。

ナモネ氏―私は聞いたことがないが、石田博英のよし夫人が〈独立王国みたいな大館〉と言った、あの言葉を想い出した。憲法ができてから地方自治というのは流行語だったよ。

大館市庁舎

1954

大館市史より

半分半分放送局長―完全自治は極端な地方自治の形態だと考えていいんじゃないか?最終的には独立だ。社会党の市長だから、自然だよ。

ナモネ氏―最初の市庁舎の落成式には、オールド・レッドの石田博英衆議院議員が出席した。記事に名前が出ないが、この理由は想像するまでもない。

特派員完全自治は大火の教訓だと思いますね。灰の中に見つけたダイヤモンドですよ。

ナモネ氏―民主主義の政治にとって自治と防災が表と裏の関係にあることを自覚したから、完全自治と言ったと考えたい。防災がだめになれば、自治は崩壊する。逆も真実だ。

放送局長―その認識が忘れられたな。

アロマ―はい、そこでストップ。〈完全自治体〉という用語は他にもありますよ。平成24年からスタートした第2次地方分権改革が〈完全自治体〉という表現を使っている。これは今村教授が批判して、〈その表現は、都道府県知事の直接公選が制度化された戦後改革の成果を論ずる文脈で用いられることが多かった〉と指摘して、さらにこう言っています。〈地方政府の確立は、自治行政権、自治立法権、自治財政権を有する完全自治体を目指す取組みであり---こうした取組みは、将来の道州制への道筋をつけるものである。〉1

放送局長―完全自治体とは道州制である、と言いたいわけだな。

ナモネ氏―市町村はどうなるのか、ねえ?

放送局長―自分が住んでる街劣化均一セールだよ。

特派員地方自治法では県と市町村は上下関係がありませんよ。

アロマ―形式だけの自治なら、意味ないね。

☆ ☆ ☆

 

A  So what; Tommy Dorsey and His Orchestra

 

1 今村都南雄 中央大学教授 地方自治総合研究所HP

 

完全自治体

▼ 最初の大館市庁舎; 〈不燃の街と都市的景観〉-

独立王国

▼ 言葉の樹 5; 大館らしさ 

 

▼ List 6 立法・行政・司法

 

 

 

 

 

 

 


       Updated 2015.3.14

編集長―ロバート中尉から受け取った手紙にはいろんなことが書かれていたと思うね。

半分半分放送局長―そうかもしれないけど、妄想にならないようにして、話を進めたい。手紙を読んだあと、ハルさんは花岡鉱山でその年の630日夜起きた中国人労働者の暴動について話した。ロバート中尉は、その事実を知っていると言った。ハルさんは、中国人労働者の拷問虐殺について人から聞いたことを打ち明けた。ロバート中尉はメモを取り、隊長のデ・バーグ大尉に伝えた。

連合軍捕虜収容所跡 ?

ナモネ氏―やはりハルさんだな。若いころ下川沿駅の踏切り番をしたことがあるそうだから、な。小樽に住む前から小林多喜二の親などと知り合いだったということもありうる。

放送局長―そこがこの世界の恐ろしいところだ。ハルさんは、それから強制連行された中国人労働者の宿舎というより収容所の建物についても話した。建設を請け負わされた業者には長谷川木工所も入っていた。これは花岡事件のストーリーを疑わせるよ。

編集長―そう、怨念のシナリオがあっただろうな。その話は、晩年祖父が頭痛に悩まされたことに結びついたね。頭痛止めの薬〈ノーシン〉を飲んでいた。連合軍捕虜収容所の建設も請け負わされたんじゃないか 

特派員―事実は、GHQのデ・バーグ大尉が報告したとおり106日連合軍捕虜の解放に行って、どこかで中国人捕虜の大量の死骸を発見した1。つまり、偶然ということですね。

ナモネ氏―滝ノ沢沈殿池の底に沈んだ収容所と周辺で、だと思うが、それから鹿島組による強制労働と非人間的な虐待が問題になった。

特派員―連合軍捕虜収容所はどこにあったか、と言えば、観音堂38番地。これはインターネットでやっと探し出しました。大森川(旧花岡川)の上流、信正(しんしょう)寺の西北。編集長に聞いたら、今は何もない原っぱだそうです。

編集長―連合軍捕虜収容所の跡だとは思わなかったな。

大森川(旧花岡川)

信正寺前の橋から撮影

左の支流に沿って観音堂に行く

特派員―2kmの距離と位置を考えると、そこから滝ノ沢に行くはずがありませんよ。

ナモネ氏―地元の人の情報で行ったと考えるべきだな。中国人労働者を哀れに思った人たちもいたもんだ。

編集長―たぶんね。祖母が話したというストーリーは、慈愛にあふれた人柄からしても、おもしろい。1900年生まれで、女たちの中心にいる女でもあった。

特派員―デ・バーグ大尉の報告書は、読みましたか 

ナモネ氏―いや、残念だが、関係者に聞いたら、何でも国会議員しか閲覧できないという話だった。今はどうか、分からないが。

アロマ―鉱山の連合軍捕虜収容所のことが話題にならないっていうのは、変ね。それに触れた記事も番組もない。

特派員―小坂の連合軍捕虜収容所については編集長が1986年ルポルタージュを書いた。あとは全然だね。

アロマ―それでいいのかな?

ナモネ氏―そんな忘却は罪だ。花岡鉱山の連合軍捕虜について教えてくれないか 

特派員―終戦のときに収容されていたのはアメリカ軍人245人、オーストラリア軍人43人。死亡した軍人が6人。〈使役〉した企業は小坂鉱山の藤田組で、労働させられていた2小坂と同じくBC級裁判で所長などが裁かれていますね。

放送局長―花岡の人が少年のころ共楽館での拷問を目撃したと話してくれたよ。耿諄(コー・ジュン)隊長が指揮した蜂起が失敗したあとの拷問だ。戦争が終わったら、その中国人の一人がニワトリを食べたがってニワトリの真似をしたそうだけど、花岡の人も中国人の真似をして両手をばたつかせたから、残酷な感じがしたな。

 

  

       V字型の階段の記憶 54

 

A  Whatever will be ( Que Sera Sera); Doris Day

Tommy Dorsey and His Orchestra

 

1 デ・バーグ大尉の調査報告書 

2 POW研究所

POWPrisoner of War戦争捕虜研究会 2002創設

 連合軍捕虜収容所メモ; POW共同代表 笹本妙子

 

▼ List 1 V字型の階段の記憶; 2 長谷川テルという抗日戦線のヒロイン

下川沿駅 小樽

▼ List 10 長谷川一族の風景; 喜之助とハル 大正時代の東京で

 List 8 歴史 大館と米代川流域; 多喜二の死と築地警察署と築地市場

▼ List 6 立法・行政・司法; 多喜二追悼記念祭に無関心な国と大館市

花岡と小坂の収容所

 List 10 はせ川食堂; 水色のカーテンの翳り

▼ List 1 敗戦後劇場; 6月の最後の夜 [ルポルタージュ]

耿諄さんの新鮮な認識と反抗の歴史的意義

ニワトリの真似

 List 7 文化; 日本のニワトリの悲劇

 

 

 

 

 

 

 

 


       Updated 2015.3.4

アロマ―〈北海道シチュー コーンクリーム〉の味が劣化したっていう記事、早く読みたいな。

特派員―あのシチューはたしかに塩味が濃くなっていたね。

ハウス食品

アロマ―ルウのフォルムが四葉型に変わったから、まさかな、と思ったら、コーンの味も薄くなってた。あれはすごく人気があるのよ。

特派員―でも、編集長の仕事だよ。そういうテーマ、特派員は苦手だ。

ナモネ氏―何でも編集長だな。甘すぎる。

特派員―食品の話というよりも感覚に関することですから、ね。

アロマ―食品業界と政治の問題だわよ。

特派員―ハウス食品だから、建設業界にも関係するな?

[cat willow 2015.2.11]

特派員―クリーム・シチューをご飯にかけて食べるのは、ぼくも真似っこしてる。

編集長―あれが自然な食べ方だよ。

特派員―でも、伝説のマヨネーズ・ライスはちょっと真似できないな。

編集長―マヨネーズとライスがおいしくないと、だめだろうな。

アロマ―あれはファースト・フードね。マヨネーズ・パンと同じよ。

編集長―HHJはファミール(Faamiel)のレアチーズ・ケーキを忘れてたな。いつの間にか消えてしまった。

アロマ―5年ほど前かな?なつかしいレアチーズ・ケーキだわ。冷凍で、あんなに味がいいなんて。

特派員―横浜のメイカーだよ。大館で人気が出たら、急に売らなくなったという感じだった。

Faamiel

編集長―地方差別の味がするよ。背後でそんなずるいことをする組織があるから、人口が減る一方なんだ。

ナモネ氏―そうだ。人はおいしい食べものがあるところに自然に集まるもんだ。しかし、あれがおいしいと宣伝するマス・メディアはあっても、あれがまずくなったとか消えたとか、問題にしないな。HHJは立派だ。

アロマ―街のグルメは創造的ですね。

編集長―グルメというのは70年代後半に東京の街中に出てきた言葉だ。変なメッセージがあった。街の買い食いマニアと言ってほしいね。

特派員―はせ川食堂時代のくせですね?

編集長―そう、どら焼きもつくって売ってたから、な。

ナモネ氏―あのころは弘前美人がアルバイトに来たもんだよ。

アロマ―汽車に乗って?

ナモネ氏―当たり前だ。栄町も中心街だったんだぞ。

編集長―洋菓子類の原材料のグラフを見て、思ったけど、製造量が増えるかどうかは端的に国の援助次第なんだな。つまり、法律と補助金で決まる。

ナモネ氏―肥料をやれば、アスパラガスもニワトリもブタも大きくなるもんだ。

アロマ―街中の店の配置も、たぶんそうね。

特派員―バターとチーズも政府が怪しげな調整をやってるよ。

☆ ☆ ☆

 

A Chattanooga choo choo ; Glenn Miller and His Orchestra

 

▼ List 10 はせ川食堂; ホーム・メイドのアイス・クリーム

 List 7 文化

 

 

 

 

 

 

 

 


       Updated 2015.2.25

編集長―亜硫酸ガスの犠牲になった人間のイメージは、プロメテウス神話にあるね。

半分半分放送局長―分かった。人間に火を使うことを教えた。

編集長―火を利用して人間は人間らしい文化を創造することができた。

アロマ―料理ができるようになれば、立派な文化生活ね。

平川 湯ノ沢鉱廃水処理場

編集長―そう、しかし、ゼウスはプロメテウスにそれを禁じていたので、彼をコーカサスの山の岩にしばりつけた。それ以来、大鷲が夜飛んできてプロメテウスの肝臓を食らったが、朝になると、元の肉体にもどった。そういう神話だ。

特派員―アリストファネスの喜劇《鳥》にも出演していましたよ1。神々と鳥たちの平和調停役。ゼウスに見られないようにマントで顔を隠して、ね。

ナモネ氏―あの喜劇の中では鳥が神々より古い世界の支配者だ。それで理想のポリス(都市国家)を建設したら、人間が犠牲を捧げなくなって、神々を困らせる。あの臓物(ぞうもつ)は鳥のものか、な?

編集長―ぼかされてるけれど、犠牲になるのは鳥だけですね。

放送局長―鳥たちは安全保障のために理想のポリスを建設したというわけだな。

アロマ―ニワトリの悲劇はひな祭りと何かリンクがあると思ってるけど、どうなのかな?

編集長―ニワトリのひな鳥をガス検知器として使った疑いがあるね。

放送局長―死んだら、川に流して片付けるのか?片付けるっていう言い方はよくないな。

ナモネ氏―流しびなという風習の起源だろう。厄払いと言われているが。

編集長―なぞめいてることにニワトリと関連がありそうなイメージが表に出てないんだな。

ナモネ氏―ああいう祭や風習には何かこわいところがあるもんだ。ただ〈ひな〉という言葉が残るだけだ。黒沢明の映画《夢》のエピソードでも、そうだった。女の子たちとお雛様の飾り、それから役者が桃畑の段で演じる天皇や公家、官女。

放送局長―しかし、かわいい少女がひとり姿を消す。あれが問題だよ。

アロマ―それより天皇や公家たちの華麗な人形飾りが問題よ。江戸時代から一般に広まったそうだけど、天皇は京都御所に閉じこめられていたから、まるで籠の鳥よ。

編集長―何か裏があるね。平安貴族の祭が起源だったから、反幕府の色彩が強く現われたのかな?

放送局長―そう、自覚的にそうした人たちもいたはずだ。

☆ ☆ ☆

  *日本のニワトリの悲劇 B  A

 

A  Apollo jump; Lucky Millinder and His Orchestra

 

1 ギリシア喜劇全集 2; 岩波書店

 

▼ List 11仮面について; 仮面を付けた人物の墓碑柱

理想的な表現

黒・白・赤、15

▼ List 2 有栖川宮の歴史; キリシタンと朝廷

有栖川宮とアリス

▼ List 8 歴史 世界と日本; 天皇の幽閉生活

 

 

 

 

 

 

 

 

 


       Updated 2015.2.17

特派員今言っていいか、分からないけど、哲学者は山口の大虐殺事件で公卿たちの運命について触れていない。これは検閲に引っかかったんですか 

キリスト教会 藤崎町

編集長―和辻は東京で空襲におびえながら書いたけれど、検閲で削られたとすれば、参考にした文献資料だろうな。海老沢による研究書とヤソ(イエズス)会の書簡の翻訳書、それにフロイス(Luís Fróis)の年報の翻訳書だ。書簡はポルトガル語で、帝国学士院会員の村上直次郎という歴史学者が大正末期から昭和の軍国主義の嵐の中で翻訳して出版した。哲学者は主にそれを参考にして書いたと《鎖国》の序文で言ってる1。出版は1950年だ。

ナモネ氏―仕方がないことだな。しかし、あの本のおかげで昇天の聖母教会の建設を読むことができて感激したよ。

アロマ―そうね。人間が生き生きしてたわね。

半分半分放送局長―あの残酷劇場でキリスト教徒の犠牲者が一人もいなかったというのは、本当かな?

編集長―そう書いてるけれど、疑惑が浮かんで当然だな。あれは予想されたクーデターのような反乱だけれど、無差別的に民衆の大量殺人と略奪を行なった。《鎖国》の表現をそのまま引用すれば、〈殺戮と掠奪〉だ。それだけでなく、放火の疑いもある。目的は何なのか?

放送局長―キリスト教の信者を殺すこと、だろう?しかし、信者と宣教師がみんな無事だったとあるから、反乱軍の作戦がいい加減だったか、キリスト教徒の知恵が勝ったか、だ。

編集長目的がキリスト教徒殺害にあるとしたら、完全な失敗だよ。

特派員―それはおかしいな。計画的だったはずですよ。

編集長―キリスト教徒殺害という目的はないと考えると、どうなるか?民衆に襲いかかったとき偶然被害者の中に何人か信者がいるはずじゃないか?

放送局長―それが普通だな。あれは信者だと分かっていなければ、な。

特派員―なるほど。つまり、反乱軍は500人の信者をあらかじめ知っていた。それは信者を殺さないために必要な情報だった。

放送局長―見せしめと脅迫のためだろうな。

編集長―そう、ポルトガルという国とヨーロッパの存在は非常に大きいと思うね。

ナモネ氏―宗教の争いという芝居は大変なもんだ。一般民衆の殺戮がなぜ行われたか、分かった。

アロマ―信者がみんな無事というのはフィクションだと考えれば?

編集長―参考にした文献資料のフィクションだな?

放送局長―そうだとしたら、公卿たちはキリシタンだったんじゃないか?

アロマ―ええ公卿たちは信者になったから殺されたっていうわけなのよ。でも、公卿が信者になったことを世間が知ったら、大変な影響が出る。殺されたという事実はもっと悪い結果につながる。

編集長―歴史の偽造がある。あの〈相当の身分の人〉というのは公卿だったと考えていいだろうな。

アロマ―ええ、そして、その戦争で重要なのは、宣教師トルレス(C.Torres)が書いてるように道で出会った兵士たちも寺に仕方なくかくまった坊さんもキリスト教の西洋人が来たことが戦争の原因だと思ってるという事実よ。それが本当だわよ。

放送局長―兵士たちが宣教師を捕らえようとしなかったのは、おもしろいな。

  

    有栖川宮とアリス f  e 

 

A April in Paris; Doris Day, Les brown and His Orchestra

 

1         和辻哲郎 京都帝国大学教授

 

 

 

 

 

 

 

 


       Updated 2015.2.8

ナモネ氏―ニワトリを見ると、ゲロが出そうな感じになるよ。

特派員―それは極端ですね。

編集長―ぼくはフライド・チキンや唐揚げが好きだけれど、骨付きは嫌いだね。理由は言うまでもない。

アロマ―ニワトリの煮込みなんて、料理じゃないわね。《仮面について》のエセーを読んだら、ニワトリがかわいそうになって、人間は本当に残酷だな、と思った。

板戸川 養鶏場

編集長―そうだな。銅製錬で亜硫酸ガスが空気中から消えたかどうか、調べるために日本ではニワトリを使った。運悪く亜硫酸ガスを吸った生きものは内臓が飛び出して苦しんで死ぬ。

ナモネ氏―そのニワトリを供養していれば、天罰はなかった。内臓を鍋に入れて煮込んで食うようになったから、世の中が狂ってしまったもんだ。

編集長―影響を正確に計ることはできないけれど、精神の何かが変わるんじゃないかな?そう、ギリシア喜劇、アリストファネス(Aristophanes)の《鳥》には人間にいじめられた鳥たちが革命を起こして鳥の国をつくるというドラマがある。

ナモネ氏―とにかく鉱山のある地域はこわいところだ。

アロマ―じゃあ、日本列島だわよ。

特派員―精神のボーダーを越えてるっていうオールド・ニュースがあるよ。

[cat willow 2015.1.26]

半分半分放送局長―空を自由に飛ぶ鳥が人間にいじめられたという話は現実的じゃないと思ったけど、あのエセーで現実だと理解した。フィクションどころか、歴史の舞台裏だった。それで連想したけど、警察の取調べをただの調べと言わない理由はそこに起源がある、な?

編集長―そう考えていいね。取り壊しとか取り繕いの取りという言葉には、取るという本来の意味は残ってない。犠牲の鳥が象徴的に表わす一連の悲劇が暗示されてる。

特派員―そう取り決めることにしますか?

ナモネ氏―その言い方は間違いだ。話し合いで何かを決定するということだ。

放送局長―文法的には取りは動詞の頭に付く接頭辞だという説明を読んだけど、歴史的な考察がない。しかし、今だから言えるけど、何となく危険な意味が感じられるな。

アロマ―ドラマチックな、と言ってもいいんじゃない?

放送局長―そう、劇的な状況だ。

特派員―話し合って真実を取り決めたいところだけど…これもどうも変な感じだな。

編集長―製錬所で鳥が飛び立てば、清浄な空気だという証拠なんだ。それで幸福のメッセージになる。バードを付けたのは、おまじないの意味もあったんじゃないかな?

放送局長―鳩は平和のシンボル。

特派員―しかし、取調べ室から飛び立つなんて哀れなイメージですよ。いくら社会はハッピーでも、ね。

アロマ―そうよ、ね。絶対あの言葉には鳥を調べるという暗黙の意味がある。

ナモネ氏―賛成だ。そんな古い言葉は処分しなければ、駄目だ。

☆ ☆ ☆

 *日本のニワトリの悲劇 A  B

 

A Bird Of Paradise ; Charlie Parker Quartet

 

▼ List 11仮面について; 黒・白・赤、15

 

 

 

 

 

 

 

 


       Updated 2015.2.1

半分半分放送局長―ある国のおかしな言語体系について聞いたことがあるけど、ね…

特派員―ぼくは、いいですよ。あとで。

アロマ―あたしも、関心ないわね。

放送局長―旅先で知り合った人がこんなことを言うんだ。ある国のアラビア語は、たとえば馬が走ると言うとき、全然ちがう名詞を使う。状態が変わると、馬という単語でなくなる。おもしろいだろう?

特派員―それで、米さんは何と言いましたか?

別所川 十二所 

放送局長―日本語なら馬という名詞に動詞や形容詞をつけくわえればいいから、単語の数が少なくて楽だな、と言った。

アロマ―そうね。あたしなんかボキャブラリーが貧しいと何度からかわれたか、分からない。

放送局長―しかし、日本語にも似たようなケースがある。水と湯。水が熱くなれば、湯という。

特派員―なるほど。日本語を知らない外国人は水と湯をちがう事物だと思ってしまうね。

アロマ―water and hot water.

[cat willow 2015.1.16]

ナモネ氏―熱い水を全然ちがう名詞で湯というのは、歴史的に考えれば、分かることだ。湯には特別な意味がある。中国から由来したと思うが、それは鉱山の製錬を暗示する。

特派員―神社の湯立て?

ナモネ氏―そうだ。煙と湯気は似ているから、魔力を流用して災いや病気を追い払った。温泉と鉱山に深いつながりがあるのは、常識だな。

編集長―イギリス人は単純に考えた。余計な思い入れがないな。

アロマ―水が冷えると、冷水、cold waterと言ってる。

放送局長―冷えて固まれば、氷、iceというちがう単語だよ。

編集長―どっちにしても水の性質だ。化学式H2Oは変化しない。それはイギリス人も日本人も生活の中で経験的に理解していた。

特派員―氷やiceという単語を新たにつくる必要があると思ったのは、なぜなのかな?

編集長―川や沼の表面が氷になっているかどうか、それを認識して人に伝えるのは生命あるいは生活にとって重要なことだったから、だろう。魚が取れなくなる、船が使えない、歩いて向こうに渡れる、そういう適応を迫られる季節だ。

ナモネ氏―そう言えば、湯は危険な状態でもあるな。

特派員―事物を区別することが言語の重要な役割だけど、日本語はその反対の例が多い。これが必然的にできたということは編集長が暗に書いてましたね?

編集長―そう、同じ発音の単語は意図的につくられたはずだ。国や専制的な集団の支配階層が環境世界をあいまいにしたり複雑にしたりするために。

ナモネ氏―飴をなめたら、雨が降った。

編集長―アクセントがちがう。アメと雨は見かけのアナロジーから来てる。

ナモネ氏―例外は当然あるな。とは言っても、やはり言葉は権力の道具だ。

編集長―もちろん。環境世界をあいまいにしたり複雑にしたりするために、という目的は地図の製作と似ている。正確な地図を発行していれば、近代社会と言っていいね。

ナモネ氏―鉱山が多い国というのは正確な記号を人に教えることを嫌うもんだな。謎の発生源だ。

アロマ―例と霊が似てるのはおもしろくないけど、理由があるの?

編集長―さあ、ね。礼儀と霊魂は関係がありそうだけど…

  

 

A  These foolish things; Charles Mingus and His Orchestra

 

▼ List 11仮面について; 仮面を付けた人物の墓碑柱

 

 

 

 

 

 

 

 


       Updated 2015.1.24

特派員―マツカサの謎がやっと分かりましたよ、編集長。

編集長―マツカサ?

特派員―〈マツカサがマッカーサーで…〉と連関のない単語をつないでしゃべりまくる精神分裂症患者のことですよ。

アロマ―マツカサはクリスマスのデコにあるわよ。

編集長―マツカサとマッカーサーは発音がよく似てる。しかし、それだけだ。単語のあいだに現実的な関係がない。

阿仁合駅

特派員―それが見つかったんですよ。いわゆる松川事件。1949817日に東北本線松川駅近くで起きた旅客列車脱線転覆事故。レールが1本外されていた。

編集長―一字ちがいだな。その人は松川駅での列車テロのニュースを聞いたときマツカサを想い出したんだろうね。そのマツカサは日常生活の連関からずれた存在で何となく気になっていたはずだ。よくあることだな。

アロマ―予告みたいに思えたのね。

編集長―そうだろうな。あれは戦前のテロリストたちの犯行だと考えたら、目の前が真っ暗になるほど恐怖にふるえるね。無実で刑務所生活。

特派員―調べてみると、GHQによる赤狩りの陰謀だといううわさが流れていた。そこでマッカーサーにリンクする。

編集長―なるほど。分かった。マツカサからマッカーサーまで距離が短すぎるな。

[cat willow 2015.1.24]

特派員―おや、米さん。いいときに来ましたね。

アロマ―ロール・ケーキ、どうぞ。

半分半分放送局長―サンキュー。NHK秋田放送局からの手紙だ。

編集長―返事がないところだから、期待しなかったな。2か月おくれ、16日付けの回答書だ。しかし、答えてないね。

特派員―19NHK放送センターに著作権侵害の問題で質問書を送ったんですよ。公共放送としての責任の自覚に欠けている、と批判して。それは、秋田支局が指示を受けて仕方なく書いたものですね。

放送局長―挨拶は余計だな。

特派員―秋田局の〈ニュースこまち〉はキャスターが年2回ほど地域の生中継をしてる、と前置きを言って、それから、何を聞かせてくれるか?〈1113日と14日は内陸線の角館駅と阿仁合駅からの生中継で地域のニュースや話題をお伝えするとともに、地元のみなさんにも番組に参加していただきました。〉

放送局長―あとは、よろしく、だ。

編集長―署名がないのは見たことがないな。怪しいよ、これは。

アロマ―秋田支局のウェッブ・サイトを見てみると…局長市川克美。

編集長―責任者と思っていいんだろうな。

特派員―問題は列車の中で放送したか、だけど、それに触れてない。独創的なプログラムを宣伝したけど、予定を変更したと受け取れますね?

放送局長―馬鹿な。そんな人のいい組織か?

編集長―そう、これは脱線して問題から逃げてるよ。予定どおり列車の中で放送したなら、内陸鉄道の経営者も責任をまぬがれないね。

特派員―不利な事実があると疑っていいでしょうね。

放送局長―ニュース番組なんだから、図々しい。独占放送をねらってる。民主主義の発展を妨害する専制放送局だよ。

アロマ―地域の文化もぶっこわしてる中央集権放送局だわよ。

編集長―そう、NHKは公正でなかった。歴史に関しては明らかに右翼政治の道具だった。

  

旅の雑貨屋 19

 

A  I know why; Glenn Miller and His Orchestra

 

▼ List 6 環境サイン/記号問題

▼ 突然NHKが内陸鉄道で生放送

▼ V字型の階段の記憶; 12 13 14 15

▼ List 4 メディア・ストーリー

▼ List 1 敗戦後劇場; カレンダーのある事件

 

 

 

 

 

 

 

 


       Updated 2015.1.21

編集長あれがザビエルの最初の公式訪問だというのは、問題だ。山口の領主大内義隆だけか、公卿たちとも話がついていたんじゃないか?公卿が天皇の考えで動いたか、独断で動いたか、それは分からないけど、ね。

旧真中橋

ナモネ氏―アマテラス以来の権威を取りもどそうと願わない天皇がいるか 

アロマ―平和も取りもどさなくてはならない。

特派員―逆に内戦が激しくなる。

編集長後奈良天皇は公卿たちの悲劇を知って嘆いたにちがいないな。1545年伊勢神宮に皇室と国民の復興を祈願した慈悲深い人柄だったようだ1

アロマ―なぞなぞ集を残してる。ユニークで、意味ありげだわ。天皇と公家のなぞなぞ遊びは生活が苦しくなった戦乱の時代から流行したそうよ。

編集長―なぞなぞ集、ね。貧しい生活も不思議だ。

半分半分放送局長―それは本当だ。天皇と公卿たちがキリスト教について何か話をしたか、想像するしかないけど、ヒントはある。平城天皇は即位した年に元号を大同に変えた。

編集長―混乱の時期に出る合言葉だ。

ナモネ氏―大同小異と言えば、似たりよったりだ。荘子の言葉らしいな。

放送局長大同は、大辞林によれば〈大筋において同じであること〉〈目的を同じくする者が一つにまとまること〉〈中国で公平で平和な理想的社会〉を意味する。3番目は儒学の思想をまとめた〈礼記 らいきにある。孔子の孫子思の思想に由来して朱子学の創始者朱(しゅき)が注釈した1

ナモネ氏―朱子学と言えば、徳川幕府御用達だ。鎖国制度と妙な関係だ。

放送局長―そういう次第で満洲帝国の元号としても使われた1。建国の年1932年から1934年まで。中国人が偽帝国と言うようにこの大同には強烈な嫌味があるね。

編集長後奈良天皇は平城天皇をまねて大同つまり既存の政治体制を選んだと思われそうだな 

放送局長―そう。しかし、天皇の影があまりにも薄い内戦の時代だから、独占的に金と権力を振りまわす寺の坊主が後奈良という着物を選定したと考えるほうが現実的だ。

編集長―その着物は真実の隠蔽だな。

放送局長―そういうこと。つまり、天皇はキリスト教に興味を持っていたが、ザビエルと会うことはできなかった。しかし、天の計らい、西の都山口で暮らしている公卿たちがいた。天皇の願いに応じて、公卿たちと大内義隆はキリスト教の宣教師と公式の話し合いをした…そういうストーリーがあったのだ。

特派員―天文の時代ですから、ね。

☆ ☆ ☆

  有栖川宮とアリス e  d 

 

A  I love you yes I do; Lucky Millinder and His Orchestra

 

1 wikipedia 

 

▼ List 3 高松宮日記メモ ; 陸軍幕府の問題

▼ List 5 2次世界大戦; 満州帝国 影の国連

 List 2  V字型の階段の記憶; 14 川向こうのソ連軍に対する謀略放送

 

▼ List 2 有栖川宮の歴史; キリシタンと朝廷

▼ List 2 有栖川宮の歴史; アリスと有栖川宮

 

 

 

 

 

 

 

 


       Updated 2015.1.7

編集長大内義隆は芸術文化を愛する開明的な人で、信仰の自由も認めた。一緒に旅をした宣教師トルレスは、山口で〈日本人がキリスト教の植え付けに世界のどこの国の人よりも向いている〉と思った1。大勢の武士や〈相当の身分の人〉が帰依して、信者が500人できた。その一人若い琵琶法師ロレンソはその後目覚しい功績をあげる。

 

右岸の真中橋跡 

2011 左岸から撮影

放送局長―あの地方は明治の文明開化でも中心的な役割を演じたな。

編集長道理にしたがう人が多いということだ。

特派員〈相当の身分の人〉とは公家のことですか?

編集長―たぶんそういう人もいただろうな。誰なのか、まだ分からない。トルレス(Cosme de Torres)の書簡にあるとおり〈仏教の僧侶に対して一般の人たちは表面的に尊敬するが、実は憎んでいる。〉ザビエルが豊後に去ってまもなく9月末、仏教が戦争を起こした。家臣の陶(すえ)隆房の軍隊が反逆して町を冷酷な大量殺人と火災の劇場にした。この戦いは領主大内義隆と冷泉家の女を母に持つ家臣の冷泉隆豊の死で終わった。しかし、公卿が殺される悲劇があった。三条公頼、元関白右大臣二条尹房(ただふさ)、権中納言持明院基規(もとのり)が犠牲になった2《鎖国》にはその人たちの名前が出ないが、信者はみんな無事だったと書いているから、冷泉と公卿たちはキリシタンでなかったということだろう。宣教師たちは2昼夜隠れて脱出した。

放送局長―暴力による最初の迫害だな。公卿たちは運が悪いのか?

編集長―書かれていないストーリーを見なければいけない。三条公頼の子孫には明治の王政復古で岩倉具視と並んで副総裁になった三条実美(さねとみ)がいる総裁は有栖川宮熾仁親王。

ナモネ氏―教会堂がどうなったか、知りたいもんだ。

アロマ―教会堂は焼け落ちたように思えるけど、そうでなかった。奇跡的に残り、1552年の暮れに長老のガゴ(Balthasar Gago)など宣教師がみんな集まり日本で最初のクリスマスを開いた。それからイエズス会の初期の教会堂がどこにできたか、調べたら、1553年豊後の府内、今の大分の町に教会堂が建設された。領主は大友義鎮(よししげ)。宣教師ガゴ。ザビエルが山口から来た2年後だった。貧民救済に熱心な人が多く、3年後に慈善病院も建てられた。同じ年1556年ポルトガル貿易の港町平戸に美しい教会堂が完成した。領主は松浦隆信。宣教師ガゴ。1558年には博多に教会堂建設。博多もポルトガル貿易の港町で、領主は大友義鎮。宣教師ガゴ。しかし、仏教の反撃を受けて平戸と博多の教会堂はあっけなく1年で壊滅してしまった1

編集長―宣教師が教会堂を描いた絵があるはずだけど、な。

アロマ―あたしは見たことがない。

ナモネ氏―教会堂の存在は大きい。あれは霊魂が住む場所だ。

☆ ☆ ☆

  有栖川宮とアリス d  c 

 

A  Harlem nocturne; Les Brown and His Orchestra

 

1 鎖国~日本の悲劇; 和辻哲郎

2 wikipedia デジタル版日本人名大辞典

 

▼ List 2 有栖川宮の歴史; キリシタンと朝廷

▼ List 2 有栖川宮の歴史; アリスと有栖川宮

 

 

 

 

 

 

 

 


       Updated 2015.1.3

アロマ―昇天の聖母教会が完成したのは1577年。ザビエル(Francisco de Xavier)がはるばる後奈良天皇に会うために京都を訪れたのは26年前の1551(天文20)年。これは失敗したから、教会堂の十字架は感動的ですね。

ナモネ氏―宣教師が京都御所に入ったという記録は読んだことがない。ザビエルが天皇に会うことができなかった理由も明らかでないな。

編集長《鎖国》によれば、1549ザビエルは鹿児島に上陸して南蛮貿易の港町平戸に移り、そこから京都に向かったが、100年つづいている戦乱で御所は荒れて〈みすぼらしく〉そして、近づくすべもなかった1天皇と将軍が政治の二つの中心軸だったが、機械はすでに壊れていた。

半分半分放送局長―後奈良天皇はキリスト教をどう思ったのかな?

アロマ―文献資料がありません。

放送局長名前の由来が気になるね。

アロマ―さすが米放送局長。それを言おうと思ってました。奈良天皇というのは存在しないけど、平城(へいぜい)天皇が奈良帝と呼ばれたことから後奈良天皇というおくり名がついたそうです1。平城天皇は京都に都を移した桓武(かんむ)天皇の子で、どういうわけか、奈良の平城京に都をもどそうと計画して失敗した。

編集長―古いファッションがいいということだろう。それから考えれば、後奈良天皇は新しく日本列島に入ってきた西洋の宗教を拒否しているね。

ナモネ氏―なるほど。西洋から来たキリスト教宣教師の情報は都に飛んでいたはずだな。寺の坊さんが一番心配したにちがいない。

特派員―宣教師と聖書をどうするか、悩んだり夢を見たり、十人十色でしょうね。

編集長京都よりも、銀の輸出で栄える山口とヴェニスに似た自治都市堺がキリスト教にふさわしい印象をあたえたらしい。ザビエルは京都に向かうとき山口に立ち寄り領主大内義隆に会ったが、伝道を許されなかった。しかし、山口は京都の戦乱を逃れて公卿や文化人が移り住んだ西の都と呼ばれる文化都市で、ポルトガル人の宣教師が行ったころは朝廷の一番上にいる公卿、左大臣三条公頼(きんより)が暮らしていたようだ2

放送局長―真実が見えてきたな。山口は日本で最初に教会ができた町で有名だ。

編集長―そう、ザビエルはポルトガルのインド総督と司教の書簡を持って平戸から再び山口に行った。公式の訪問だ。大内義隆は書簡と時計その他ヨーロッパのめずらしい品ものをもらうと、伝道を許可した。1551年春のことだ。そして、カトリック教会などの説明によれば、廃寺の大道寺を与えられて教会堂にした3。ただ《鎖国》には寺の名前がない。

特派員―廃寺…それ、南蛮建築ですか?

編集長―最初は寺の屋根に十字架を立てたんじゃないかな?これには問題があるけれど、あとで考えたい。

  

  有栖川宮とアリス c  b

 

A Serenade in blue ;  Glenn Miller and His Orchestra

 

1 鎖国~日本の悲劇; 和辻哲郎

2 wikipedia

3 wikipedia  laudate カトリック中央協議会HP 

 

▼ List 2 有栖川宮の歴史; キリシタンと朝廷

▼ List 2 有栖川宮の歴史; アリスと有栖川宮

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                                                                                                                  

                       

                                               

 

Atelier Half and Half