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2012年08月07日
朝食後出発。
道は国道452線を夕張川に沿って進み、やがて旧大夕張炭坑の有ったところを通過し、大夕張トンネルに入る。カーナビがはるか上部の山中を飛んでいる。前方右手に建設中の橋に気を取られて下降点を通りすぎ、Uターンする羽目に。下降点は無舗装。途中から旧国道に合流するがすぐに右折してアーチ状の白銀橋を渡る。カーナビに沿ってペンケモユーパロ川上流に進み、高見に上がるとそこには産廃場の新設工事現場。市の財政上やむを得ない選択なのかも。そこをすぎてすぐ林道のゲートが現れる。ここは6月末まで閉鎖されているようで、終点の駐車場まで12−3kmはある。ユウバリソウが見たい方はここから歩く必要が有るそうな。
その道を順調に進む。林道終点近く、小さな駐車場と簡易トイレ+ゲートが現れるが、橋を渡り更に数百m進むと最終ゲートと駐車場につく6:50頃。
登山者用ポストが有り入山手続きと山のガイドパンフレットを入手。今日はすでに5パーティ8人が入っている。あとから2パーティ4人(熟年カップル&若いのカップル)がくるが、山頂までに2パーティ共に追い抜かれる。
7時過ぎ出発。10分ほど歩いた分岐点で左の夕張岳ヒュッテ経由馬が背尾根に向かう。後からきた熟年カップルは右の冷水コース(山頂まで6.7km)へ。
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写真左、写真中右はKTさん撮影 写真右:馬の背と冷水コースの分岐点
この選択が誤りであったが気づくのは山頂。ヒュッテ着7:19。熊出没の看板があるがじっくり読むと2年前と4年前。小屋のバイオトイレを交互に使い発7:38。沢沿いの道には5cmほどのザリガニが現れる。日本古来のやつ?
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写真左:夕張岳ヒュッテ、 写真中:熊出没案内、 写真右:ザリガニ(日本産?)
馬の背の取っつきは滑りやすい粘土質の登り。すぐに左右から笹が被さり、段々と高くなる。朝露対策でスパッツを着けるが膝上の笹には効果無し。そのうち背を覆うくらいに高くなり実に歩きにくい。時々蜘蛛の巣の顔面攻撃がある。近くの尾根にはガスがかかり、先行き不安。1時間ぐらい登った所に一の越、頂上まで5.3kmの立派な看板。登り100分なので合流点まであと30分ぐらいか。
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写真左:8:34一の越(KTさん撮影)、写真中:8:49笹の中、 写真右:9:02分岐点近くの上りと4.5km看板
笹の中をひたすら登り、頂上まで4.5kmの看板が現れてすぐの9:04冷水コースとの分岐点に着く。ようやく400mちょっとを登り切る。しばし休憩。
「北海道の山」、「三百名山ガイド」の地図では、ここから水平の巻き道が望岳台まで続くように書かれているが、ほかのガイドでは合流地点から200mほど急登がある。実際の道は後者でここからさらに登り。冷水コースが以前より違うルートで付け替えられているようだ。途中の石原平(9:40)付近ではシラネアオイの双子の実がなんとも楽しい限り。
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写真左:合流点、 写真中:9:24ツタアジサイ、 写真右:9:34頃 シラネアオイの双子の実(KTさん撮影)
石原平から道はほぼ水平道を上がったり下ったりが続き、ようやく望岳台9:52着〜10:12発。餌の補給休憩とするが遠くはガスでなにもみえず。
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写真左(KTさん撮影) 写真中:9:52りっぱなシシウド、 写真右:望岳台からの眺め
憩いの沢に向かうトラバース道で本日最初の登山者とすれ違う。次いでまた1名。駐車場を5:00出発12:00帰着の千葉県の方と、6:00発11:30帰着の東京都北区の方。
この辺りから前方に山頂らしいピークがガスの切れ間に見えるようになった。
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写真左:10:12ナナカマド、 写真中:10:20ガス間に山頂を見る、
写真右:10:20相変わらずの笹のトラバース(KTさん撮影)
憩い沢10:33着〜37発。
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写真背景:10:35憩い沢の上流方向、キンバイが咲き乱れ。同じく黄色のオオバミゾホウヅキ
沢中の笹道を少し登り、ひおうぎあやめの咲く湿原が現れる10:45。結構開けた前岳湿原から夕張岳のピークと山頂に人影も見える。この頃が一番遠くが見渡せた時間帯10:49。でも、天候回復傾向と判断しのんびり歩を進める。笹の道、湿原の木道、土道、木道・・・と色々変化。女岩、男岩、ガマ岩の命名の根拠はなにかなどのんびり話しつつ。
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写真左:10:44前岳湿原への登り笹道、写真中:湿原からの山頂(KTさん撮影)、写真右:10:49山頂に立つ人影
11:02ガマ岩の根元には立入禁止の場所があり、なにやらピンク色の花が咲いている。遠くてはっきり写らない。夕張岳固有のユウバリコザクラはとっくに花期は終わっているし、正確に判断するには、帰りにでもじっくり撮り直そう・・・。
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写真左:11:02ガマ岩への道、写真中:11:03ガマ岩の下部の植生、写真右:拡大(シャープネス・コントラスト処理後)
ピンク色はタカネナデシコみたい。
ガマ岩を回るとひょうたん池11:08。池の向かい側を先行する仲間を撮る。食害調査用の囲いもある。 ↓青枠線の絵はクリックすると拡大可
写真左:11:08ひょうたん池の向こうの3人、 写真右:ひょうたん池(KTさん撮影)の向こうの1人
ここからすぐに露岩地にでる11:10。
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写真背景:11:10露岩地。右手は裸地の傾斜面 足元には後で大量に出てくるピンク色の花。
それとなんかネギの仲間?進むに連れ足元にも現れてくる。やっぱりらっきょうみたい(実際はシロウマアサツキであった)。実有り、枯れかけ花あり、開花直後あり、つぼみあり。
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写真左:11:21つぼみ、 写真中:11:23満開、白い花はハクサンボウフウか? 写真右:11:14実
おなじ赤紫色のナガバキタアザミ(トウヒレン?)、黄色のアキノキリンソウ、青のリンドウ(ミヤマ?リシリ?エゾオヤマ?・・・識別不可)も出てくる。
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写真背景:11:13笹と這い松の登り道、赤点は無名の山腹を巻く登山ルート。
とにかく下ばかり見て進む。いつの間にかガスが舞ってきたのも気が付かず。山腹を巻き終わり、緩やかになった湿原上の木道を進み、途中には高山植物保護と頂上まで1.2kmの看板。その足元には黄色く色付き始めたミツガシワ。・・・ン?今日はまだ8月7日なのにもう黄葉??。
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写真左:11:25湿原の道、エゾリンドウ?、シモツケソウ(エゾ?普通の?) 写真右:11:28釣鐘岩(写真左のピーク)とミツガシワの黄葉
登山ルートはこの釣鐘岩の右に見える鞍部を乗り越しているのが見える。
乗越しまでの足元には、濃いピンクのシモツケソウ(エゾ?普通の?)、薄紅色のタデの穂、薄黄色のトラノオ、毒々しいトリカブト(ホソバ?)・・・・、そのうち白花のシモツケソウも。
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写真左:エゾヒメクワガタ 写真中:ニガナの仲間? 写真右:ウサギギク(エゾ?)の群落
いつのまにかガスが舞い始め、鞍部直下に有る草原にウサギギク(エゾ?)の群落があるがちょいと残念な眺め11:36。そこで見つけたエゾヒメクワガタ。
5分ほど前に着いていたKTさんによると今ガスがかかったところのよう。実際の写真(2枚ともKTさん撮影)は次の通りで遠くが見渡せていた。
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写真左:11:33ウサギギクの群落地から来た道を振り返る。 写真右:11:33ウサギギク(エゾ?)の群落の草原
名前の判らない赤紫の花を見て、鮮やかな赤紫のユウパリリンドウ(ユウバリリンドウ)と遭遇。行けども行けども顔を合わせるやつ。 ↓青枠線の絵はクリックすると拡大可
写真左:11:41シオガマの仲間? 写真中〜右:11:42ユウパリリンドウ(ユウバリリンドウ)
やがて吹き通しにつく。ここは花の宝庫の場所だがいささか少ない。じっくり眺めていると昨日も逢ったヒオドシチョウがひらひらして、バタっと石に止まる。
その周りにはユウパリリンドウ、エゾタカネツメクサが咲き、ユウバリソウ(ウルップソウの白花種)は葉っぱのみが見える。
登山道の反対側には咲き終わって実が成りかけているユキバヒゴタイも。(葉っぱの裏側が白い。ユキバの由来)。
WEBで見てもトウヒレンとヒゴタイの区別がつかないのだが。もっともおなじあざみの仲間だから似たような花。
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写真左:11:45ユキバヒゴタイ 写真中:11:45エゾタカネツメクサ 写真右:11:43ヒオドシチョウのいる風景
11:47金山への分岐点を過ぎ少し急登を登る。15分ぐらいで山頂直下の神社に出る。そこから2分で一等三角点百名山の山頂着12:04。先行していたKTさん、Nさんは11:56には着。10人ほどがたむろする(写真中&右:KTさん撮影)。
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写真左:金山への分岐点 写真中:山頂直下の三峰神社 4年前の熊の出没箇所 写真右:山頂からの俯瞰
山頂には冷水コースを進んだ熟年カップルと我々より後に出発した東京江東区からの若いカップルがいる。聞けば冷水コース経由。ほんの少しまで見渡せていたが今はすっかりガスがかかってNGなのだとか。「残念ね」と言われてしまう。思えば前岳湿原を過ぎてからだれともすれ違っていないので、長い方は1時間20分ぐらい居る勘定。少し話をして2+2+3の計7人は下山してしまう。
ただ、3人連れが三角点の上に腰掛けて休んでいる。しばし餌を詰め込みつつ空きを待つが15分ほど要す。
そこで記念撮影。しかし、周りはほとんど白。かろうじて夕張岳の南峰がガス間に見える程度。足元はガス一色。
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写真左:11:57夕張岳山頂 (KTさん撮影)。一等三角点百名山
写真中:12:22三角点 真北と磁北の違い 写真右:12:29夕張岳南峰
しかし幸もある。12時半前、神社の左手からピーと鳴き声が上がってくる。もしやと思いカメラを向けて撮る・・・・が1枚目は岩のみ。再び顔を出して鳴くので撮るが、カメラがぶれてはっきりしない。感度をISO1600まで上げたら画が荒れてしまいX。ストックを一脚がわりにして撮ろうとすると・・・・・もう隠れていなくなった。
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写真:大きな目に見えるのは兎の耳で、目はその先。
12:42下山。神社にお賽銭をあげ、周りを一回りして道中無事を祈り、薄暗くなったガスの中を下る。さすがに見晴らしは悪く、帰路は立ち止まることなく進むのみ。
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写真左:12:43神社から山頂を見上げる(KTさん撮影) 写真右:12:57吹き通しから山頂を見上げる
13:22にはひょうたん池通過。ガスが濃くなりガマ岩そのものも霞んでいて、ガケ下のピンクは見ることも出来ず。
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写真左:13:22ひょうたん池 写真中:13:27ガマ岩のシルエット 写真右:13:35前岳湿原のキスゲ
13:42憩いの沢着13:50発。ここで一休み。望岳台14:07〜14:14でも白一色で一休み。ただただ下るのみ。
14:45分岐点から冷水コースに入る。全コース笹だらけの山かと思うくらいにあった笹が急に少なくなる。道も広めで笹が通行をじゃまするところはほとんど無い。15:04冷水の沢の水場着。少々休み、快適な下りをすすむ。
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写真左:15:05冷水の沢の水場 写真中:15:30下山道1 写真右:15:40下山道2
途中で山頂にいた3人連れを抜き、分岐点着15:46。途中の沢で汚れた靴とスパッツを洗浄中に3人連れに抜き返され、16:00本日最終組として駐車場着。
登山者名簿を見ると、熟年2人連れは15:41着なので予定通り馬の背コースをたどったよう。若い2人連れは14:50着なので冷水コースのよう。
いつの間にか駐車場には営林署の車と我々のしか無くなる。
16:15過ぎ出発。林道で3台ほどすれ違う。ヒュッテ止まりかな。
順調に下り、国道452号線に乗り、横目にはシューパロ湖と建設中の橋脚、遠く夕張岳方向(山頂は見えない)がちらっと見える。長いトンネルを出たところに炭坑の鉄道保存地があった。
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写真左:登山者名簿 写真中:452号線からの夕張岳方向(ただしガスの中)と右下に白いアーチ状の白銀橋
写真右:ラッセル車(三菱大夕張鉄道保存)。上段:全景、下段:拡大
17時前、昨夜の宿に着く。メロン売場をたずねるとコンビニの隣。「言っといたから」の声を背に向かうが今日は完売との事。熟れすぎてしまった大玉2個で980円があるが今日食べるには良いが送るには不可。明日9:30に入荷するとのこと。
で、今夜の宿に向かう。今夜だけは宿は豪華。レ−スイの湯に入り汗を流すが学生多数で少々うるさい。
皆が先に食堂に行く中、汚れ物を洗いバスタオルでくるんで乾かし、明日からの工程に備える。
ひとしきり干して、さて行こうとすると鍵が見つからない。持っていったのかなと携帯するが出ない。やむなく部屋の鍵は開けたまま3Fの食堂に急ぎ、とって帰って8階の部屋を施錠する。実にあわただしい。
バイキング形式で好きなものを取れるがビールは有料。いちおう3杯。カニ足を少しと寿司若干ほか幾つかを食す。メロンの1/8カットを2つ。 KTさんは7つ食べたのだとか・・・・。
食堂前の売店でユウバリビールとユウバリ石炭ビール(いわゆる黒ビール)を手に入れ部屋に帰る。ゆっくり味わいつつ、明日の時間割をするが、函館−青森間が定まらない。いつのまにかビールを飲み干し、気が付けば皆さんもう就寝。10時を回ったし明日は何とかなるさで寝る。
本日の歩程30600歩
コースタイム 予定(=北海道の山から)、実績(=休み含む)
予定:登山口−分岐点−憩沢−山頂−憩沢−分岐点−登山口=1:50+1:00+1:20+0:50+0:40+1:20=7:00
実績:登山口−分岐点−憩沢−山頂−憩沢−登山口=2:04+1:30+1:30+1:45+1:10=9:00(うち休憩1:20)
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