KPM ラブレター「手紙を読む二人の女性」

作品２５．２×１９．２cm （額装４６．２×３７．２cm）


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　非常に繊細で多色の筆のタッチは大変見応えがあります。表情はもとより、手紙の文面の一文字一文字まで細かく描き込まれています。 女性の指輪や服の襟の柄などといった、細部にいたるまで実に丁寧に表現されています。写真では表現しきれないのが残念ですが、本当にすばらしい作品です。この描き込みと焼成の繰り返しに費やされた労力と時間は、想像を遙かに超えるものでしょう。
　作品のモチーフは、離れた身内からの写真同封の便りに、心弾ませるといった状況でしょうか。１９世紀末、当時の女性の風俗をよく表した希少性の高い一品です。
　作品の原画作者とタイトルがわかりました。Franz von Defregger フランツ フォン・デフレッガー（1835 - 1921）ドイツの画家です。Der Liebesbrief（ ラブレター） 1884年の作品です。

原画　Franz von Defregger　Der Liebesbrief (1884)


陶板画は、原画よりもかなり精細に表現されています。　
左下には絵付け師ワーグナーのサインがあります。
非常に優秀な絵付けですが、作家の自信の表れを雄弁に物語っているようです。

ベルリン王立磁器製陶所（KPM Berlin）　Konigliche Porzellan Manufaktur Berlin
　ベルリン王立磁器製陶所（KPM Berlin）は、1763年9月19日、プロイセン王国・フリードリヒ大王（フリードリヒ2世）によって創業されました。
　フリードリヒ大王は、西洋初の白磁として成功したザクセン王国・マイセンのヨハン・フリードリッヒ・ベトガーが、地元ベルリンから逃亡し別の地で成功したことに忸怩し、大王自ら指揮を執りマイセンから技術者を集めるなどして、ベルリン王立磁器製陶所を最高水準へと高めました。
　KPM.ベルリンは王国が消えた現在でも、ベルリン市が出資する会社として、「ベルリン王立磁器製陶所」と伝統ある名称を受け継いでいます。またドイツ政府の公式晩餐会の食器として使用されています。 ベルリン王立磁器製陶所 クリック

　KPM陶板画は、陶板画の中でも最高級品ですが、本作は特に水準の高い作品です。