■日本史がだいっ嫌い
【2003.4.30】 |
「祇園精舎の鐘の音(声)、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理あり(をあらわす)」だったかな?こんなことがぺらぺらっと言えたらかっこいいよね、なんてずっと思っていた。とにかく高校のときは日本史がだいっ嫌いで、通信簿の赤字の2(これは落第点という意味)しか取ったことがなかった。というのも担当の女の先生が理由もなくだいっ嫌いで、ぜんぜん勉強しなかったからなのだ。では、どうしてその女の先生がだいっ嫌いだったかというと、ただ顔が嫌いだったからなのだ(今思うとほんとに失礼な話です)。顔がブタに似ていて眼鏡をかけているところへもってきて、笑わない、澄ましている、でちょっと更けた教育ままそのものという感じだったのだ。それはさておき、そんなわけで今になって急に日本の昔に興味が湧きまくりで、昔のことが書いてある本を読みあさっているという始末。とにかくなんにも知らなくて真っ白しろの白紙なものだから、見ること、聞くことがみんな目新しくて何と新鮮なことか。こんなに面白い対象を残しておいてくれたなんて、今ではあの日本史の先生に感謝の気持ちで一杯です。
ところで最初の「くだり」に話を戻すと、これはご存知、平家物語の始まりのところで(ん?待てよ、これは日本史というよりも古文だろうか?そう言えば古文も嫌いだったっけ!)、先週、平家物語の現代語版(しかも1冊のダイジェスト版)を読破したのだ(すごい)。後の解説を読んだら平家物語は仏教文学だと書いてあり、そうだったんだと感心。これまでは平家が栄えてから滅亡するまでのいきさつを記述した歴史書だとばっかり思っていた。で、結局、この最初の文章にこの物語で言いたいことのすべてが凝集されていることもわかった。「ゴーンという鐘の音がうら悲しくて、世の中の無常を感じてしまう、華麗な花もいつかは色褪せてしまうように、栄えるものはみな滅んでしまう、あの平家のように」という意味なのだね。すばらしい!と一人感動している不勉強な私でした。こんどは源の頼朝か?! |
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