馬車道に残る馬の水飲み場""
馬車道十番館前の公衆電話 神奈川県立歴史博物館

久しぶりに関内へ行った。馬車道で昼食を取ってから県立歴史博物館へ。

企画展は「横浜開港160年 横浜浮世絵」。開港後の横浜を描いた浮世絵の数々。今では横浜といえば神奈川県東部の広い地域を指すが、元々は港と外国人居留地の狭い区画を指す地名だった。

波止場があり、西洋風の商館があり、遊郭があり、アメリカ、オランダ、イギリス、ロシアの人々で賑わっている。各国人がディフォルメされて描かれているところに当時の人たちの外国人への関心の高さが伺われる。

横浜が浮世絵のモチーフになるほど栄えていたのは 開港の1858年から鉄道が敷かれる1872年までで、以降、商業や外交の中心は東京に移り、浮世絵の主題も鉄道の図とともに東京へ移動していく。横浜浮世絵の時代は思いのほか短い。

さらに現代の馬車道はというと、賑わっているとは言い難い。観光客も買い物客もみなとみらい地区へ奪われてしまったよう。今ひとつ寂しい。


有隣堂イセザキ店 有隣堂のブックカバー

県立博物館から馬車道を関内駅まで戻る。伊勢佐木町の商店街にある有隣堂イセザキ店に入る。6階建の大型書店。おそらく横浜市内では最大だろう。東京にはこれ以上に高層大型の書店があるので、ここでも少し寂しい感じがする。

横浜や神奈川の歴史や観光に関する本がたくさん置いてある。カフェや街歩きの案内書が多い。有隣堂が出版している新書もある。

6階から店内をゆっくり見ながら下りていく。結局、博物館よりも長い時間、書店にいた。本屋は背表紙を見ているだけでも楽しい。1階の売り場を見下ろすことができる中2階がこの書店の特徴。

有隣堂のブックカバーが好きなので、珍しく文庫本と新書を一冊ずつ買った。

気温も湿度も高いので疲れた。商店街は歩かずにそのまま地下鉄に乗り、実家へ帰った。


さくいん:横浜