第4話 バラクーダ号


山場は「尻叩き、40回」。「仲間のために生きろ!」という、おじいの遺言をコナンは実践する。仲間のために犠牲になり激しく打たれる場面は、水島新司『ドカベン』にもあった。竹刀で叩かれているあいだ、山田太郎はずっと捕手の格好をしていた。一つの映像が記憶に残っているのは、似ている別の記憶と重ねられているからかもしれない。

ジムシーが、人間味豊かに描かれている。テキィが運んできたラナの髪を指に結ぶコナンに呆れる顔がいい。この回は前回までに比べて絵の仕上がりがいい。『コナン』は回によって上手に描かれてるときとそうでないときの差が激しい。


ところで、大山のぶ代をはじめとするアニメ『ドラえもん』の声優が来春には交代することになると聞いた。コナンの声は、のび太の声。ビデオやDVDで連続して見るときにはじきに慣れてくるけど、放送で30分だけ見ていると、のび太が戦っているように感じる。そう感じるのは、力だけは超人的でも、のび太と同じくらいコナンは無邪気な子どもだから。それがすこしずつ変わり、コナンの声に聞えるようになる。そして最終回でガルおじさんと話すときには、また無邪気な子どもに戻る。


印象深いジムシーの台詞。

やるよ、やりぁいいんだろう。

ジムシーは助けてもらったことに感謝するより、島を出ていくことがまだ不安だから、こんな言葉でしか感謝をあらわすことはできなかったのかもしれない。仲間というものを知ったジムシーの変化は控えめにしか描かれない。


『未来少年コナン』では、登場人物が少しずつ変わっていく。しかし、変化は一度では起きない。三歩進んで、二歩、ときには四歩も下がることもある。こういう演出は長丁場のテレビ・シリーズだから可能になったのだろう。

実際には、話を膨らませるために、わざわざ冗長にしているのかもしれない。いずれにしても、登場人物の緩慢で動揺しながらの変化が、作品のリアリティを高めている。