【提言3】の関連資料
<3−1>並行在来線のJR経営からの分離
−1996年12月25日政府・与党合意−(抜粋)
4、並行在来線については、以下のとおりとする。
(1)建設着工する区間の並行在来線については、従来どおり、開業時にJRの経営から分離することとする。
(2)具体的なJRからの経営分離区間については、当該区間に関する工事実施計画の認可前に、沿線地方公共団体及びJRの同意を得て確認する。
(3)JRからの経営分離後の並行在来線について安定的な鉄道輸送を確保するため、当該鉄道事業に係る固定資産については税制上の所要の処置を講ずる。
<3−2>全国新幹線鉄道整備法第1条
この法律は、高速輸送体系の形成が国土の総合的かつ普遍的開発に果たす役割の重要性にかんがみ、新幹線鉄道による全国的な鉄道網の整備を図り、もって国民経済の発展及び国民生活領域の拡大並びに地域の振興に資することを目的とする。
<3−3>国における公的支援システムの確立について
「欧米では、地域交通の維持・存続に対して、国の責任、地方の責任、事業者の責任が明らかにされている場合が多く、わが国においても『セーフティー・ネット』を構築する上で、国の関与は避けて通れない」「第一に、国は総合交通体系における地方交通、とりわけ地方鉄道のあり方に関して総合ビジョンを示さなければならない」「第二に、並行在来線の下部インフラについて、3分の2程度を必要最小限とする公的負担制度を確立し、国がその2分の1を負担する」「利用者負担の原則を基本としながらも、国・地方公共団体が共同して事業者を支援するシステムを確立する必要がある」
(「しなの鉄道の経営改革と新幹線並行在来線問題」石井晴夫作新学院大学教授「運輸と経済」02年9月号)
<3−4>しなの鉄道経営対策委員会の「国への提言」より
しなの鉄道経営改革検討委員会は、昨年4月「しなの鉄道経営改革に向けての提言」を発表。そのなかで、「国への提言」として国の財政支援を求めている。
@総合交通体系における地方鉄道交通のあり方に関してのビジョンを示すこと。
A並行在来線の下部インフラについて、3分の2程度を必要最小限度とする公的負担制度を確立し、国がその2分の1を負担するとともに、地方負担分について地方交付税算入等所要の財政措置を講ずること。
B省エネ型車両への更新、ホーム嵩上げ、車両更新などへの補助制度の創設及び拡大などあげている。
<3−5>直江津〜敦賀間 年間33億円の赤字
〇「富山県など北陸新幹線沿線4県は14日、自民党本部で開かれた同党交通部会で、新幹線開業後にJR西日本から第三セクターに経営分離される並行在来線の収支は、直江津−敦賀間で年間33億2千万円の赤字になるとの試算を初めて公開した」「試算では、運賃などによる収入が年間115億6千万円であるのに対し、支出は148億8千万円となっている。ただ、収入には経営分離後にJR貨物から第三セクターに支払われる線路使用料が含まれておらず、実際の赤字額は試算を下回るものとみられる」「新潟県はさらに、同県内の直江津−糸魚川間について、年間9億円の赤字になるとの独自試算を示した」「終了後に記者会見した橘康太朗部会長は『JR西日本からは年間260億円の赤字になると聞いており、試算結果とはかなりの開きがある』と述べ、運輸省にも第三セクターの経営見通しについて検討するよう指示したことを明らかにした」(「富山新聞」00年12月15日)
<3−7>北陸本線を第三セクター化した場合の概要収支見込み (単位;億円)
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三セクで資産を取得 |
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区間 |
初年度 |
5年目 |
10年目 |
富山県東部
新潟県境・富山間 |
△4.8 |
△5.4 |
△5.8 |
△10.2 |
△9.2 |
△7.7 |
富山県全域
(参考) |
1.6 |
2.7 |
5.5 |
△7.3 |
△3.6 |
2.4 |
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三セクで資産を取得しない |
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初年度 |
5年目 |
10年目 |
輸送密度 |
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△3.2 |
△3.9 |
△4.0 |
7,100
(人/キロ) |
△7.4 |
△6.5 |
△4.7 |
4.3 |
4.9 |
7.7 |
9,800
(人/キロ) |
△2.6 |
0.6 |
6.4 |
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(上段;償却前損益、下段;償却後損益)(01年11月、当「会」の質問に対しての県作成資料より)
<3−8>県境を越えた第三セクター経営に否定的
〇9月富山県議会で、県土木部長は、北陸本線の第三セクター化について「県を越えた経営に関しては『各県で輸送量に差があり、各県ごとに経営収支を考えることが基本』とし、否定的な考えを示した」(「北日本新聞」02年9月18日)
<3−12>整備新幹線建設の財源スキーム
既設新幹線譲渡収入 |
公共事業関係費 |
地方公共団体 |
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国2 |
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地方1 |
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・既設新幹線譲渡収入=平成3年10月にJR東日本、東海、西日本に既に建設された新幹線鉄道施 設(東 海道、山陽、東北、上越新幹線)を譲渡した際の代金の一部。
・既設新幹線譲渡収入は年間724億円。2017年でなくなる。(「読売」02年11月12日)
<3−13>北陸新幹線建設費
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区 間 |
建設費(億円) |
路線延長q |
高崎〜長野 |
8,282 |
117 |
長野〜富山 |
10,400 |
170 |
石動〜金沢 |
1,950 |
24 |
計 |
20,632 |
311 |
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・建設費は平成11年4月価格
(資料出所:2002年数字で見る鉄道) |
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<3−14>北陸新幹線に係る富山県負担額(予想) (単位:億円)
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区 間 |
総工事費 |
県内工事費 |
県負担額・予想 |
糸魚川〜魚津(スーパー) |
2,110 |
1,199 |
383 |
石動〜金沢(スーパー) |
1,960 |
180 |
55 |
新黒部〜石動(フル) |
4,800 |
4,800 |
1,600 |
合 計 |
8,870 |
6,179 |
2,038 |
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・平成9年4月時点の価格 (資料出所:平成11年6月14日県新幹線交通政策課)
<3−15>JR職員の推移 (単位:人)
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北陸本線 |
富山港線 |
氷見線 |
城端線 |
高山線 |
1986年(国鉄最後) |
545 |
11 |
73 |
35 |
53 |
2000年 |
160 |
0 |
7 |
4 |
12 |
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(国労富山県支部調べ)
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