北陸新幹線建設と並行在来線関連略年表 (その3)
                             (2003年12月~2004年12月16日)
 
略年表のその1は、  その2は 
2003.12.15

 
「できるだけ安価に鉄道資産を引き継ぐことが、第三セクターの経営安定につながる。JRの積極的な協力を得られるように粘り強く協議していく」県盛岡土木部長・予特委で。
   12.17
 
北陸新幹線は「(松任)車両基地がないと機能しない。前倒しで造っておく必要がある」(与党プロジェクトチーム座長久間氏)
   12.21
 
国土交通省は、長野−富山間04年度工事費は776億円とした。総額は2115億円で、国費は686億円、地方自治体705億円、JRからの既設新幹線の譲渡収入724億円。
   12.22

 
国土交通省は、整備新幹線進捗率を発表。長野・富山間170qの総工事費は1兆400億円、H16年度までの累計額3171億円で進捗率30%、石動・金沢間(スーパー特急)24qで総工事費は1950億円、進捗率76%と発表。
2004. 1.16
 
富山駅周辺整備協議会は、駅は「使いやすさ」「にぎわい」「美しさ」を重視するとした。
   1.22

 
JR西の垣内社長は、富山港線の路面電車化に「ローカル線の経営に加わったことはない」「今後無償譲渡を含めて検討する」(売却相当額を寄付するなど実質無償譲渡も検討に)
   1.29
 
富山港線の路面電車化に向けて市、富山商工会議所、地元企業などの設立発起人に就く予定の関係者が初会合を開催。
   2.3

 
JR西日本の垣内社長は、金沢以西の完成時期を明確にすることを条件に、長野・金沢間の暫定開業を容認する方針を出した。JRは「金沢開業では受益が少ない」としていた。
   2.13


 
富山市は、JR富山港線の路面電車化に伴い2億円を出資することに決めた。県や民間からの出資も合わせて4億9800万円、併せて富山市は施設維持費などに充てる資金確保のため、市拠出1億円を含む5億5000万円の基金を創設する。県は市の半額を出資する。
   2.25


 
富山市は、富山港線の鉄道資産を運営主体となる第三セクター会社で所有「上下一体」方式とすると発表。市と新会社の役割分担は、「公設民営」方式とし、新会社がJR資産を所有し、施設全般の整備、車両の更新など多額の費用を要する場合は、市が責任をもつ。
   3.11

 
与党PTによれば、北陸新幹線の未着工区間の富山・石動、金沢・松任基地は17年度に新規着工される見通しとなった。既設新幹線の譲渡収入を担保に前借りすることなどを建設財源の確保を急ぐとしている。
   3.13

 
九州新幹線、鹿児島ルートの鹿児島中央・新八代の約120qが開業した。1973年の整備計画から30年余り、本格着工以来13年を経ての開業。八代・川内間約117qはJRから経営分離され、第三セクター「肥薩おれんじ鉄道」が開業した。
   3.18
 
与党PTは、2005年の富山・南越間の一括許可を見送り、段階的に建設をすすめる意向。
   3.24



 
富山港線の路面電車化、第三セクター会社の設立発起人会が開かれ、新会社の名称を「富山ライトレール」に決定。発起人は、富山市、富山商工会議所、北陸電力、インテック、富山地方鉄道、北陸銀行、富山第一銀行、日本海ガス。資本金は4億9800万円、発起人8者で7260株(一株5万円)、沿線企業などの縁故株で2700株を割り当てる。
   3.25

 
国土交通省は、北陸新幹線の工事費を四年ぶりに再試算した。長野・富山間6829億円(400億円減)、石動・金沢間427億円(40億円減)、富山・松任間3900億円(700億円増、石動・金沢間を除く)、松任車両基地・南越6600億円(100億円減)
   4. 05年3月で第三セクターのと鉄道の穴水・蛸島間61qの廃線の方向となった。
   4.27
 
鉄道建設・運輸施設整備支援機構北陸新幹線第二建設局は、富山市に「富山鉄道建設所」を開設。
   5.29 講演「北陸新幹線建設で北陸本線はどうなるどうする」を開催。
   6.1
 
JR西日本が富山市のまちづくりに対し、新たに10億円の協力金を寄付することで合意した。市では、当面赤字が見込まれることから経営資金に充てたい考え。
   6.3 富山駅周辺整備協議会は、駅下東西に商店街などつくる整備計画を発表した。
  6.
 
富山市は、富山港線の路面電車化で犬島新町、千代田町、永楽町、牛島新町の四ヵ所に新駅(停留所)を設置する。
  7.6

 
JR西日本は、山陽新幹線などのトンネルや橋の定期検査をめぐり、未実施の検査を実施したかのように見せかける虚偽記載や、検査日の書き換えなどの記録改ざんが04-05年度に岡山、神戸両支社で621件あったと発表。
   7.17.18 台風の豪雨でJR越美北線の線路・橋梁流出
   7.23






 
富山港線の路面電車化は、総事業費58億円、当初見込み45億円の1.3倍となる。富山駅北・奥田中学前で15億5000万円、鉄道区間(奥田中学前・岩瀬浜駅)で24億円、車両費18億5000万円。財源は、市の街路整備事業費8億円、国の連続立体交差事業の補助費33億円、鉄道事業補助費4億円を想定。残る13億円はJR西日本からの寄付金、市の補助金で賄う。富山駅北口・奥田中学校前は、樹脂固定の軌道を導入する。開業は06年4月上旬。朝ラッシュは10分間隔、昼15分、早朝と深夜は30分間隔で、最高速度は新設区間が40キロ、既存区間60キロ。(富山市建設常任委員会)
   7.27


 
高岡駅南口の改札は、市が観光協会に補助金を交付し北日本警備保障に業務を委託していた。高岡イオンの開業などで一日平均3000人程度から4200人まで伸び、市からJRに移管することになった。市は1100万円節約、JRは指定券の端末など扱いサービス向上ためとした。
   7.


 
鉄道・運輸機構、JR西日本、JR貨物は、北陸新幹線の富山駅乗り入れと駅周辺連続立体交差事業に備え在来線移設に向け、工事協定の最終調整に入った。工事は、JR西日本に委託する。神通川から赤江川付近まで約2.2q、在来線移設に4年、高架化に5年の計9年が必要。
   8.23
 
「毎日」は、23日社説で「国はより積極的に、自動車重量税など道路特定財源をLRT拡充に振り向けることを、真剣に考えるべきだ」
   8.25

 
富山県北陸新幹線対策連絡協議会の研修会で、作新学院大大学院の石井晴夫教授が講演。「第三セクターとして運営される並行在来線について、厳しい運営が予想されるとして運賃収入以外の増収策の必要性を強調した」(「富山」26日付)
   9.9

 
福光町長は「JR側から古屋谷−福光間を来年三月に廃止したいと申し入れがあり、町としてねばり強く交渉する考えだが、加越能バスにお願いすることもある」と述べた。
   9.13
 
富山県知事は、北陸新幹線の県内区間の来年度から完成までの県の実質負担額は約900億円となる見通しと述べた。
   10.1 富山市呉羽の呉羽商工会が主体となった地域自主運行バスの試行運転がはじまる。
   10.20 台風23号が飛弾地域を襲い、高山線が大被害をうける。
   11.9 国土交通省は、富山港線の路面電車化の鉄道事業を許可、軌道事業の特許を認めた。
   11.9
 
公共交通をよくする富山の会は、路面電車とバス運賃の一体化、バスの富山駅北口への乗り入れ、車両トラブルの防止などについて市に申し入れた。
   11.11

 
国交省は、整備新幹線の新規3区間の収支採算を発表。試算によると開業後の30年間の平均利益は、富山、金沢を営業するとJR西日本年80億円、区間の利用者15800人(人キロ/日・q)、新青森・新函館で45億円、6500人(人キロ/日・q)。
   11.17
 
第三セクター鉄道・神岡鉄道は12月末で神岡鉱山の製品を運ぶ貨物輸送を休止する。休止は、旅客を含めた鉄道全体に大きな影響を与えそうだ。(「北日本」17日付)
   11.17
 
県都市計画審議会は、富山駅高架下西口にバス・タクシーの「交通広場」を設置するとした
   11.17

 
富山市で開催された経済懇話会に出席した日本経団連の奥田会長は「(新幹線を要望している)どこの地域からも協力を言われる」と優先順位をつけられない立場を説明したうえで、側面支援を約束し「陳情の強さがものを言う」とした。
   11.30 富山ライトレール ICカード乗車券にデポジット制導入へ
   12.1 神岡鉄道、廃線の視野の検討へ
   12.11 公共交通をよくする富山の会が高山線の台風被害を調査
   12.16


 
政府・与党は、整備新幹線検討委員会を開催し、長野・金沢車両基地を一括してH26,年度末完成。富山・金沢車両基地、北海道新幹線の新青森・新函館、九州新幹線の長崎ルートの武雄温泉・諫早、福井駅を新幹線予算でH17年度初めに着工H20年度末の完成をめざし、南越・敦賀は工事実施計画の認可申請を行うことにした。
資料出所:「北日本」「富山」「読売」「中日」「朝日」「毎日」「日経」「産経」「山陽」「交通新聞」「赤旗」の各紙 <作成者:世話人WS>