北陸新幹線建設と並行在来線関連略年表(その2)
 
           2002年9月以降について掲載(主に富山県関係)。それ以前は、ここをクリック
2002年9月17日
 
県土木部長は、県境を越えた(並行在来線の第三セクター鉄道の)経営に関し「各県で輸送量に格段の差があり、各県ごとに経営収支を考えることが基本」と述べる
   9月24日 県は、在来線の高架化事業費は320億円(道路整備、関連事業を除く)以上必用との見通しを示す
   9月24日

 
北陸総合通信局は、昨年の京福電鉄の正面衝突事故で安全管理体制への関心が高まっているなか、北陸三県の鉄道事業者10社と国土交通省、学識経験者などで、衛生利用測位システムを利用して列車の安全運行や利便性の向上をはかる取り組みをめざすことにした
   10月2日
 
国土交通省は、全国37社の第3セクター鉄道のうち33社が赤字。経営成績の指標となる輸送密度は31社が「黄信号」とされる2000人を下回った発表した(「読売」10月2日)
   11月7日


 
北経連と経団連の懇話会で経団連の奥田会長は、北陸新幹線の整備について、「政治の世界の話」とし社会資本整備について「一方的なコスト計算を元に造れといっているが、現実は政治力次第だ」と述べる。北経連の宮本太郎会長は「30年経って半分も進んでいない」と不満を述べたが、奥田会長は「今までそういうことをやってきたから、失われた10年におちいった」と理解をしめさなかった(「富山」11月8日)
   11月15日 万葉線は、来年4月から最高運賃450円から350円、最低運賃160円から150円に値下げを申請した
   11月21日

 
自民党の整備新幹線建設促進特別委員会で森前首相は、「並行在来線は地方の在来線に大きな転換をさせる大問題。(JRから切りはなす)苦渋の判断をした責任は与党にある」とした。野沢委員長は「整備新幹線と並行在来線が共存共栄できるルールが必用だ」とした
   12月1日 東北新幹線盛岡〜八戸間開業。JRGいわて銀河鉄道、青い森鉄道が運転開始
   12月21日 国土交通省は、整備新幹線建設事業費2235億円のうち長野・富山間は530億円の配分とした
   12月26日

 
信楽高原鉄道とJR西日本の列車が正面衝突し、42人が死亡614人が重軽傷を負った事故で被害者が損害賠償を求めた控訴の控訴審判決が大阪高裁であった。判決は両社に計5億円の倍書を命じた一審判決を支持、JR側の控訴を棄却した。そのうえで、一審認定の賠償額を約1千万円上積みした
2003年1月 富山市は、2月から月岡グリーンタウンでデマンドバス実験を開始することにした
   2月13日
 
九州並行在来線の鹿児島・川内間(116.9キロ)の経営を引き継ぐ第三セクター鉄道・肥薩おれんじ鉄道に、JR貨物が資本金の6%1億円を出資し、資本参加することになつた。
   2月 富山港線沿線市議9人が「富山港線の路面電車化について」県に申し入れた
   2月26日



 
JR西日本の坂田政行総合企画本部副部長(東京本部長)は、富山港線、岡山県の吉備線で、路面電車にする構想を明らかにした。維持費は半分程度になるとした
(99年1月22日付北日本新聞は「乗客数減少が続く富山港線を路面電車にする構想が検討されている。JR西日本が、現在、路面電車にするメリット、課題などを探っており、今後実現に向けた可能性を具体的に調査する予定」と報道した)
   3月8日
 
とやま21世紀水ビジョン推進会議の地球温暖化専門委員会は、2020年代には県内の年間平均気温は0.6度以上上昇と予測。県西部と沿岸部で積雪ゼロの地域がひろがるとした
   3月9日 富山市は、富山港線を路面電車化し、市電に乗り入れを視野にいれるとした
   3月11 日

 
知事は、並行在来線は三セク会社が鉄道資産を取得することが基本としながらも、資産の取得で第三セクター会社の経営が厳しくなる場合は「初期投資や減価償却が軽減される上下分離方式の採用も考えられるが、この場合は県や市町村の負担が大きい」とし検討が必要だとした(2月定例県議会)
   5月15日
 
県道路課は、歩道に自転車と歩行者の専用の通行帯をそれぞれ分離して「りんりんロード事業」を富山市、魚津市、上市町の各駅周辺で実施する方針を固めた
   5月16日
 
公共交通をよくする富山の会は、知事、富山市長、JR西日本北陸地域鉄道部に対して「富山港線の『路面電車化』に関する質問と要望について」申し入れた。月末まで各機関から「回答」が届けられた
   5月23日
 
JR東海の須田寛会長は、「東海北陸自動車道が全線開通すれば、JR高山線は厳しくなる」「観光協会としては開通を望むが、JRとしては頭が痛い」と述べる
   5月23日
 
富山市は、2006年の開業を目指し、富山港線の路面電車化の本格的な検討に入ることにした。超低床車両の導入、新駅設置、奥田中学前から富山駅までは新設路線にするとした
   5月26日 富山市長は、市議会全員協議会で富山港線の路面電車化を表明した
   5月28日 北陸線を北方向15~34メートル移設するために初の地元説明会が行われた
   5月30日 富山港線の路面電車化について市の地元説明は終了した(北日本5月31日)
   6月12日 金沢貨物ターミナル駅が、発着線荷役駅として開業
   6月24日
 
自民党整備新幹線建設促進特別委員会の野沢太三委員長は、「沿線自治体とJRが年内にも、開業後の並行在来線の経営分離区間などについて基本合意しておく必要がある」と述べた
   7月1日 富山市長は、「市財政は極めて厳しく、黄信号が点灯した状態」と述べた。
   7月4日
 
富山駅の南北一体的なまちづくりへ「富山駅周辺整備協議会」を発足。八嶋商工会議所会頭は「中心部へのマイカー乗り入れを禁止する程の意気込みを持ち、路面電車投資を惜しまないよう求めたい」と述べた
   7月10日

 
富山商工会議所と富山駅周辺協同組合は、駅周辺の開発・整備に関するアンケートをまとめた。5年前に比べ「やや活気がない」を含めると65.7%が活気がないと答えた。活気がない要因として83.6%が「郊外化の進行」、56.2%が「景気の停滞」、50.7%が「駅周辺の開発が不十分」となっている
   7月11日 県新幹線対策協議会と建設促進県民協議会は「富山−南越」一括認可を求めて決起大会を開く
   7月21日 公共交通をよくする富山の会は「富山港線探訪と路面電車を考える集い」を開催。120人が参加
   8月21日 公共交通をよくする富山の会は、富山市に富山港線の路面電車化に関する2回目の「質問」を提出した
   7月24日
 
石川県の調査では、「のと鉄道は今後どうあるべきだと思うか」の問に、「収支がよい区間以外はバス転換」31.2%、「全面的にバス転換」30.8%、「地域の足として維持」28.0%となった(7月23日「中日」夕)
   7月25日 富山港線路面電車化検討委員会が初会合を開いた
   8月25日

 
8月25日付「日経」は、富山港線の路面電車化について、第三セクター、民間のどちらが経営主体になっても「運賃収入だけで経営できるようにし、設備投資は行政が全面的に支援する実質的な上下分離方式を考えている」とする望月明彦富山市助役の言葉を掲載した。
   8月25日 ロシア大統領は、京都議定書発効へ、批准審議を承認した
   8月27日
 
国土交通省は、JR富山駅周辺の連続立体交差について「調査」から「着工準備個所」に格上げした。05年度にも着工される見通しとなった
   9月1日

 
県土木部長は、自民党県議・北陸新幹線対策特別部会で、北陸新幹線開業後の北陸線の取り扱いについて「経営や運行の形態は決まっていない」「各県の輸送量に格差があり、第三セクターの場合は県ごとに経営収支を考えることが基本」とし、列車運行は「住民の利便性を考えると、共同運行が望ましい」と述べた
   9月2日 富山市豊田で、富山港線の路面電車を考える集いが開催される
   9月4日


 
富山県議会新幹線・総合交通対策特別委員会で、県側はJR富山駅周辺の連続立体交差で高架にされる在来線は2面4線とし、高山線が通るホームは切欠式とするとし、来月に富山市、鉄建公団、JR、富山地鉄とともに協議会を設置する。富山港線は路面電車化を基本方針としてすめる。 現在の位置で高架化される富山地方鉄道はホーム2面、3線となることを明らかにした
   9月4日 公共交通をよくする富山の会の富山港線の路面電車化についての質問に「富山市の回答」届く
   9月23日
 
富山市建設委員会で市は、路面電車化する富山港線の終電時刻を繰り下げするとした。また、80人車両なら最低7台必用と発表した
   9月29日 公共交通をよくする富山の会は、富山港線沿線にアンケート用紙を配布した
   9月29日 富山港線沿線自治振興会と富山市の超党派市議団は「富山港線を愛する会」の設置を決めた
   9月29日 公共交通をよくする富山の会は、森市長にJR富山港線の路面電車化についての「提案」を提出した
   9月30日
 
富山市は、富山港線の路面電車化は、周辺地域の人口減などから開業15年後も6000~9000万円の単年度赤字が続くと試算した。
   9月30日
 
富山市と富山商工会議所は、市中心部の平成15年度歩行通行量調査結果をまとめ発表。前年に比べ平日で9.7%、日曜日で17.6%減となった。全体の通行量は平日81004人、日曜75600人
   10月2日 鉄道運輸機構(旧鉄建公団)は、富山駅東で、北陸本線移設のための用地交渉に着手
   10月
 
「富山港線と公共交通をよくする豊田の会」は、新設駅、城川原駅の整備、旧貨物跡地の活用、運賃や踏切などについて申し入れた。永楽町の地権者の会は、新設ルートの変更などを申し入れた
   11月5日 県は、富山駅高架化にともない、牛島蜷川線、堀川線の二線を四車線、平面化するとした
   11月9日 富山市は岩瀬で、富山港線の路面電車化、新幹線、駅周辺整備などをテーマにシンポジウムを開催した
   11月13日
 
北経連と経団連の懇談会で、経団連の奥田会長は、「整備新幹線を推進すべき」とし、予算配分については「先生方(国会議員)や国土交通省への熱意の示し方によって決まる」と述べた
2004年3月 九州新幹線の熊本県新八代〜西鹿児島間開業、肥薩おれんじ鉄道開業予定
2013年頃 北陸新幹線が富山まで開業と想定される(政府・与党の申し合わせ)
資料出所:「北日本」「富山」「読売」「中日」「朝日」「毎日」「日経」「産経」「山陽」「交通新聞」「赤旗」の各紙 <作成者:世話人WS>