北陸線・ローカル線の存続と公共交通をよくする富山の会
ニ ュ ー ス NEWS 2005年12月25日号
発行:公共交通をよくする富山の会・事務局 富山市湊入船町7ー13 電話076(432)2503 FAX(431)9479
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公共交通をよくする富山の会 第5回総会開催
12月10日第5回総会を開催しました。総会では、岡本勝則世話人から「2005年度活動報告」と「2006年度活動方針と予定」(下記掲載)が報告されました。また、富山港線の路面電車化について酒井久雄世話人が、並行在来線問題について渡辺眞一世話人が話題提供(下記掲載)をおこないました。参加者からは、様々な角度から活発な意見が出され、来年度の活動方向が確認されました。世話人は体調を崩した北村信孝氏、大泉哲氏を除いて再選しました。
2005年度活動報告
・12月18日…「明日の金沢の交通を考える市民会議」定例会にて講演 →会の活動内容と成果を報告
・1月22日…交通権学会に向けて、北陸の交通関係市民団体に呼びか けて相談会→(1回目)交通権学会の富山開催で意見交換
・1月26日…世話人会議(交通権学会の富山開催について)
・2月8〜10日…肥薩おれんじ鉄道視察・ヒアリング→肥薩おれんじ鉄 道、熊本県庁、鹿児島県庁を訪問すると共、香川先生(熊本学園大)と懇談。肥薩おれんじ鉄道の設立・経営につ いて調査を行った。また、熊本市電、鹿児島市電についても視察を行った。(視察リポートのパンフ作成)
・2月25日…交通運輸政策研究会(東京)主催「環境改善と生活交通を考えるセミナー」にて報告→会活動内容と成 果を報告
・3月12日…交通権学会に向けて、北陸の交通関係市民団体に呼びかけて相談会を行う→(2回目)交通権学会の富 山開催について意見交換
・6月25日…「明日の金沢の交通を考える市民会議」総会に参加
・7月8日…北越急行線(ほくほく線)視察・ヒアリング→北越急行本社を訪問。第三セクター鉄道の経営のあり方につ いて調査。(視察リポートのパンフ作成)
・7月11日…富山県並行在来線対策協議会に参加。その後交通権学会について記者会見
・7月23〜24日…2005年度交通権学会(富山大会)シンポジウムにて報告→「北陸新幹線開通と地域交通の課題− 先行事例調査を通じて−」と題し、しなの鉄道、肥薩おれんじ鉄道、北越急行について行った調査の結果 をめたものを会として発表。学会実施についても実質的に現地体制を担う。
・10月10日…土居先生(立命館大教授)による富山港線路面電車化の視察を支援
・10月10日…「明るい富山県政をみんなで作る小矢部の会」にて講演→交通権学会で発表した内容を一部改善して 使用
・12月4〜5日…糸魚川にて新潟県の交通関係諸団体と並行在来線問題の対応について意見交換
・以上の他、事務局会議を月1〜2回開催
2006年度活動方針と予定
@北陸本線及びその支線について、新しい提言の作成…2002年に作成・発表した「孫ひ孫の時代にも暮らしに便利 な北陸本線のために」の内容を現状に合わせて更新し、新たな提言まとめる必要がある。
Aシンポジウムの開催…考えてみれば、本会主催のかたちで、本会で行った調査結果を広く会員・一般に報告する 会合はこれまで開かれていなかった。今年度はこれまで行ってきた並行在来線、第三セクター鉄道についての調 査結果をとりまとめたものを、会員によって報告・討議する者を考えたい。6月ぐらいか。
Bいわて銀河鉄道・青い森鉄道の視察・ヒアリング…先行事例の調査先としては唯一積み残している、両鉄道につ いて関係者への聞き取りや現地調査を行いたい。なるべくシンポジウム前に行い、調査結果をシンポジウムに反映 させたい。
C枝線問題への対応…北陸本線の各支線(氷見線、城端線、高山本線)の取り扱いについては、自治体の意向とJR 西日本の意向には食い違いが見られ、北陸新幹線延伸後の取り扱いは未だ曖昧である。しかしながら、富山港線 の路面電車化という枝線経営分離の前例ができてしまったことから、今後の動きが注視される。そこで枝線問題に ついて、少し先を見すえて本会なりの考えをまとめ、提言に盛り込んでいきたい。
D富山県内自治体及び並行在来線協議会への働きかけ…先日、並行在来線協議会で定められたスケジュール に沿い、北陸本線で県による交通流動調査が行われた。例えばこのような関係自治体の動きについて、その内容 と結果の開示を求めていく。
E富山港線路面電車化への対応…2006年春には路面電車化される富山港線について、その運営に対する本会とし ての関わり方を検討したい。
F安全性確保に向けた情報収集…鉄道の安全性が話題となっている。本会が行ったこれまでの調査でも、並行在来 線運営会社・第三セクター運営会社においては、厳しい財政事情を乗り越えるための効率化が、安全性に影響を 及ぼしかねない傾向が見られる。そこで交通労働者からの情報収集を通じて、安全性についての情報収集を進め ていきたい。
E富山県内全駅調査の再開…一年近く滞っていたが、再開を検討したい
F他地域の交通関係市民団体との交流…並行在来線の問題を富山県内に止まるものではない。従って、特に北陸 域内の交通関係諸団体と連絡を取り合い、連携を深めていきたい。
新たな段階を迎えた並行在来線・北陸本線−創造的にどう取り組むか
−新しい「提言」作成に向けて今後検討したい課題について−
【1】並行在来線を巡る新たな変化
・2014年春北陸新幹線開業、北陸本線はJR経営から分離。7月11日富山県並行在来線対策協議会発足。
・三セクとなれば経験したことがないものに・・・@信越本線と北陸本線の2路線がJR経営から分離。A東北、九 州は2県にまたがるものであったが4県は初めて。さらに福井へと続く。BJR東日本とJR西日本の二 つの会社にまたがる。C距離に置いても比べものにならない。
【2】将来にわたって暮らしに便利な北陸本線に向けて
(1)北陸本線を将来も維持可能な鉄道とするために
@全線を守る−日常生活と産業(貨物)と環境問題から。A儲かる区間のJR経営はさせない。BJRの役割と責任を求めて(肥薩おれんじ鉄道へのJR貨物の資本参加、第三セクター会社へのJRの資本参加は「絶対ない」と言えなくなった)C国の役割−経営の維持など(国の補助制度)、安全の確保、譲渡の形態などD道路特定財源を巡る動き。E貨物−複線、電化でないと走れない。同時に、線路、橋梁などを傷める。貨物輸送の維持は第三セクターに過大な負担。F地域資本の参加。などの検討。
(2)住民と利用者に利便性の高い鉄道とするために
@安全、安定、信頼の保障。A鉄道に人が乗る仕組みをつくる。
(3)まちづくりと産業の振興に役立つ鉄道として
@生活と観光−住みやすい町は、来訪者が訪れやすい町。A駅とまちづくり−特急列車が止まらなくなる町はどうなる。Bイベント列車は一時的なもの。
(4)計画の策定、決定から実施まで住民参加のシステムを−これからの大きな課題−
@鉄道と市民参加の世界の流れ。A住民参加を計画の策定、決定、実施のすべての段階に、そのシステム。トップダウンではなく、ボトムアップが維持可能な鉄道を生み出している。
■新しい「提言」に向けて、みなさんのご意見などをお寄せ下さい。
◆まだの方は、「募金」にご協力をお願いします。
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