チカゴロの呉女7

7月3日(土) 久々の講義は……眠かった(笑い)
 昨日金曜日は、久々に「講義」という感じのものを受けました。一応「消費生活アドバイザー」という資格をもってい
るのですが(これでも合格するのはけっこうたいへんだった)、この資格は5年ごとに更新することになっていて、その
更新の条件が期限までに定められた単位数の「講義」を受けることなのです。その講義が東京で行われるのが今の
シーズン。昨日は「法律分野」。特商法の改正だの個人情報保護だの……というお話で、先生が流暢にしゃべって
90分の時間ピッタリで内容をかっちりとしゃべりきったのには感心したけど……眠かった(笑い)。というか、日ごろの
寝不足が(何で?)ここに出てしまった、という感じ。それに講師のソフトな語り口も眠気に拍車をかけた(笑い)。てなわ
けで、講義の内容については書けません(おいおい……そのうち復習しないとね) 以前は講義のあとに小論文試験
みたいなレポートを書かされたんですよ。そのほうが真剣度は高かったのだけど、最近は「消費者問題」も多様化し
て、浅く広くでもいろんな講義を受けたほうがいい、という配慮かな? まあ、とりあえず眠ってても一単位(笑い)。…
…以前はこの資格が縁でお仕事をしてたりしたのだけど、今後はやめといたほうがいいかしらん……。
 教室で周囲の人を見て感じたのは、この資格、女性の資格と思われるけど意外に男性も多いのです。ただし以前
は年齢制限(原則28歳以上)があったのが撤廃されて全体に若い人が多くなったのに、なぜか若い男の人は見かけ
ませんでした〜。それから更新講義はこの資格でものすごーく活躍している人も私みたいに全くそうでない人も平等
に受けることになってるから、教室で有名人(テレビなどによく出るような)を見かけることもよくあるのだけど、昨日は
見かけませんでした。
 今月中にあと三講義受けることになってるから、次回は前日によく寝て、眠らずに聞けるようコンディションを整えよ
う……。(←どうなることやら……←コイツ、資格剥奪したほうがいいのでは?)

7月4日(日) クムフラのレッスンと大山街道
 昨日はロサンゼルス在住のクムフラ(フラの師匠。いつもフラを教えてくださっている先生の先生にあたる)ケアリイ・
サバロス先生が来日して、私たちのダンススタジオのために特別レッスンをしてくださる日。ケアリイ先生は昨年のハ
ワイでのキング・カメハメハ・コンペティションでいくつも1位をとったようなクムフラですから、本当は私なんぞが直接習
えるような先生じゃないの、もう神々しいくらいなんですよ。朝も早く、会場はウチからは電車ではちょっと不便な場所
だったから、オオアマさまも早起きさせて、車で送ってもらって、いそいそと出かけました。
 私がケアリイ先生のレッスンを受けるのは去年の9月に次いで2度目。前回はステ
ップの基本もちゃんとわかっていなかったころだったから、クムフラ直伝のステップに戸
惑ったままで、振りを覚えるとか踊るどころでない状態だったのですが、今回はステッ
プもある程度理解しているし、踊ることにも慣れてきたから、2時間のレッスンの中で
一曲ちゃんと覚えてこれたし、すご〜く楽しかったです。英語でのレッスンも新鮮。日
本語より英語のほうがイメージをつかみやすいこともあったりしますしね。一通りのレッ
スンのあと、今度8月のチャリティーショーで踊る曲を先生の前でご披露……なんだけ
ど、オーディオの都合でCDが使えなくなっちゃって、やむなく先生がアカペラで歌って
くださったんです。先生の歌(ものすごくいいお声!)に合わせて踊る、というのがこれ
また普通に音楽で踊るのとは違う楽しさで、感激してしまいました。それからショーで
上級クラスの方たちが踊る曲も見せていただいたのですが、それが「ピイ ケ カイ」と
いう火の神ペレを表現しているとかいうフラで、ものすごく素敵なのです。フラというと
一般的に優雅なイメージですが、これはカヒコ(古典フラ)なのかな? すごく力強いん

レッスン後、気軽にサインや撮影に応じてくださるクムフラ、ケアリイ先生。
です。足でドンドン踏み鳴らしたり、迫力で感動〜。フラにはこういう世界もあるってこと、もっと知ってほしいと思いま
した。私もああいうの、踊れるようになってみたいけど、それには年をとり過ぎたかな? あ〜、もっと早く習いはじめ
ればよかった! ショーの本番でもこの踊りを見てみたいけど、その後に自分の出番があるのだから無理か……。早
めにスタンバイして舞台ソデからでもがんばって見ちゃお〜。本番まであと一ヶ月。果たして緊張せずに笑って踊れる
ようになるでしょうか?

 昼すぎにレッスンが終わるまで近くの図書館で待っていてくれたオオアマさまと車で帰る途中、溝口駅と高津駅の
間くらいに「大山街道ふるさと館」なるものを発見。大山はウチのマンションの前から仰ぎみる山で、大山街道とは江
戸から足柄峠を越えて静岡方面に抜ける江戸時代の道ですが、大山参りの人がよく利用したのでこの名があるので
す。当然ながらウチにもっと近いところにも大山街道はあります。それで興味をもって寄ってみたのですが、残念なが
ら現在は展示替え期間中とのこと。それでその近辺を少し歩いてみました。R246の一本脇にあたるので片側一車
線の狭い道路なのにすごい交通量。ゴミゴミガチャガチャしてるし。そんなだから見逃してしまいがちだけど、よく見る
と古い土蔵とか昔の商家の面影を残した建物がチラホラ。それにその商店街の多くの店が江戸時代に起源をもつ老
のようなのです。お菓子やさん、酒屋さん、薬屋さん、呉服屋さん……。今、5月に訪れた由比のように東海道の
宿場町などでも当時の面影の再現をねらっているところが多くありますが、東海道などでなく身近な場所でも、昔の
街道筋の面影って残っているかもしれないのね、と改めて見直したのでした。……ここ一ヶ月、私たちにはめずらしく
史跡めぐりを全くしていなかったので、こういうものに飢えていたのかもしれません。

大山街道、溝口あたり。

←お店は閉まっていましたが、かなり
レトロな雰囲気。


酒屋さんは現代風に改築しながら、な
んとなく老舗の風格です。    →

7月7日(水) カミングアウト
 七夕だから……というわけでもないけど、今日は(も?)萌え日記にします(笑い)。ネタはいっばいあるのです。
 私事から言うと、実は先日オオアマさまに告白しました。「私の頭の中はある年下のオトコのことでいっぱいです
と。だって最近さすがに私の「挙動不審」はオオアマさまにも気づかれてきたし、世間に公表しながら(笑)こんなに近く
にいる人に隠しているのもちょっと……。それに夏のボーナスと夏休みの予算計画をたてていたら「DVD買うの、冬
にしない?」とくるから「ダメっ!」。でも考えてみれば8月になったらオオアマさまの在宅時間が増えるから、その間
オオアマさまに隠れてしかDVD鑑賞ができないのも、また困る……。
 「年下のオトコ」は芸能人だとボカしたところで、オオアマさまは芸能人にはとんでもないくらい疎い人。私の好きな
俳優さんでも記憶にないだろう……と半日ほどは黙ってたんですが、やっぱり気になるらしく「で、誰よ?」としつこく
聞いてきた。「アナタもテレビを通さずに見たことのある人よ」とヒントを出したところで「なんだ、内野さんか」。ほ〜、
憶えてたんだ……。って、「エリザベート」の初演と2001年版はオオアマさまと何度か見に行ってるし(しかもいつも内
野バージョンだった) 去年の「レ・ミゼラブル」も内野さんの出演する日を選んで見に行ったし。今年の1月、2月あた
りは「コーチ!」と騒いでいたし……。けど、かなり重症なんだよっ。わかってる? カミングアウト以来、オオアマさま
は少し優しくなった気がします。「優しくしてくれないと、ホントに不倫するぞ〜」とオドシタせいかもしれません(笑い)

 そんなことより、内野さんは先ごろ、つい先日ここでも話題にしたばかりのNHKドラマ「蝉しぐれ」の演技でモンテカ
ルロ国際テレビ祭のフィクション部門において主演男優賞にあたるゴールドニンフ賞を受賞されました。すごいっ!お
めでとうございます! 「蝉しぐれ」自体がゴールドニンフ賞(最優秀作品賞)を受賞。NHKドラマの受賞は1996年の
「大地の子」以来なんだそうです。日曜の朝のニュースで受賞の映像が流れたそうで、ネット上でそれを見ることがで
きるんですが、モナコの会場の大きなスクリーンに内野さんの姿が……。内野さんはお若いわりには賞の受賞経験
が豊富な方ですが、こういう国際的なものははじめてなんじゃないかな? 現在は文学座の地方公演で東北をまわ
っていらっしゃる内野さん。朝早く海外から入ってすぐテレビに流れたらしいこのニュースを、内野さん自身はどういう
形で知ったのかしら? そのうち受賞コメントの記事でも出ないかな?
 かくかくしかじか、内野さんは実はかなりスゴイ方なのです。私がここでキャーキャー言ってると、軽い人にみられて
しまいますが。でもご本人は周囲からの賞賛と期待をよそに「自分は自分」と飄々としていらっしゃるようです。
 もうひとつ、秋に「エースをねらえ!」続編をスペシャルで放映決定。もっとも宗方コーチは本編の最後に亡くなって
いるから、回想シーンとか遺影とか(この出方、なんだかなあ……)の出演だろうけど、内野さんの言葉を借りれば「暴
挙」だったこの企画が成功したからこそのスペシャルですものね。今月23日にはビデオとDVDの発売。秋のスペシャ
ル前には再放送もされるでしょうね。「蝉しぐれ」も再々放送しないかしら? この二作は内野さんが久々に出演した
テレビ作品だから(特に民放連ドラは6年ぶり)、内野さんのお仕事選びは間違ってなかった、ということですね。
 あと今月末は今東北公演中の「モンテ・クリスト伯」の東京公演。今日発売の雑誌「レプリーク」にインタビュー記
事。「モンテ」と「蝉しぐれ」の話をされていました。写真も白黒だけど素敵。まるでエドモン・ダンテスそのもののよう
で。私、「モンテ・クリスト伯」は高校生のときに全7巻を読んで大好きな物語なんです。今ひさびさに少しずつ読み返
しています。今のところ、去年見た安寿ミラさん主演の「モンテ・クリスト伯」の舞台が頭に甦ってきてしまうのですが。
安寿さんは元宝塚の男役スターで女優になってもなぜか男役もやってる方。かつて宝塚でエドモンを演じた瀬戸内
美八さんも私にとっては神のごとき方。私の好きな方が次々と私の好きなエドモンを演じてくださる不思議……。
 ああ、私のビョーキはまだまだひどくなりそうな予感。ビデオ鑑賞報告もたまってますので(笑)、またそのうちに。

7月11日(日) 久々の史跡&グルメ +α

箱根田遺跡周辺には大場川などいくつ
かの川が流れています。背景に富士
山が見えていたら、素敵だったのに。
 昨日は久々に二人共にフリーな土曜日でした。6月の一ヶ月間、全然史跡巡りをしてなかったのがオオアマさまにもストレスになってきたらしく、今日は雨が激しく降ったり止んだりする不安定な天気の中、またまた隣の静岡県までドライブしてきました。行った史跡はオオアマさまのリクエストなんだけど、またマイナーなんだなあ……。最近オオアマさまは古代の祭祀遺に興味があるらしい。律令制下で国司や郡司が国家的に行っていた水辺の祭祀。ゴールデンウィークに富士市博物館で見た企画展もそんなテーマだったし。昨日行った三島市の箱根田遺跡もそういう遺跡で人面墨書土器がまとまって発掘された場所……なんて説明を聞いていて「ああ、去年の『発掘された日本列島展』でみた讃良郡条里遺跡(大阪府)とおんなじね」「そういうことだけはさすが呉女だね」。そりゃあ、さらら様にゆかりの土地の遺跡だもの。面白い人面墨書土器や絵馬がたくさん展示されていたわ。でも箱根田遺跡なんて行ってみると現場には大型店舗が建っちゃって、なんの面影もないの。歩いて少しのところに流れる大場(だいば)川を見
て「ここから水を引いたのね」と想像する程度。でもこの北あたりには伊豆国田方郡の郡衙があったらしいし、現在の三島市にあたる地域は伊豆の
国分寺や、具体的な場所がはっきりしないようだけど(候補地はある)伊豆国国府もあった。それに白鳳寺院の跡もい
くつも発見されている、7世紀ころからけっこう発展していた地域のようです。もっとも地形的に見て、伊豆国の中では
ここしかそういう場所がなかったのでしょうけど。7世紀の伊豆といえば、大津皇
子事件の礪杵道作や、かの役小角が流された場所としても興味があります
ね。この日は天気が悪くて北の富士山も南の天城山も見えなかったけど、天城
の木材でつくった軍船は白村江まで行って活躍したんですって……。 

 三島の古代寺院めぐりは次の機会にまわすことにして、大場川が流れ込む狩
野川を下って、その河口の町、駿河国の沼津にランチを食べに行きました(これ
が主目的だったりする)。沼津といえば漁港近くにならぶ寿司屋街。オオアマさ
まの職場の人たちは飲み会というとわざわざよくここまで来るんですわ。だから
オオアマさまも常連なのです。そのたび私が聞くと青くなるような金額を使ってく
る (私もチケット代があるから言えないけど)。今日もおそるおそる会計をしたら、
食べた分量や質が職場のおじさんたちとは違うらしく、さほどの金額でなくて
ッ……。私が沼津にお寿司を食べに行ったのは2度目だけど、さすがにここの
はおいしいです。本当に。握り寿司ってあっという間に平らげてしまうのが残念
だけど……。

寿司屋街にて。オオアマさま行き着けの店は違うけど、この「丸天」という店が話題らしくて一番賑わっていました。私はむしろその隣の商店の名前にドキドキ(アホかっ) 

日吉廃寺の塔跡。後ろにすぐ東海道
本線の線路があります。
 
 さてさて、帰り道、沼津にも白鳳寺院跡があるというので、何冊かの本や資料をひっくり返してその「日吉廃寺」を探しあてました。東海道本線に三島から西へ乗れば沼津の少し手前で南側に接して見えます。車だと住宅に隠れてわかりにくいですが、沼津信金大岡支店をめざしていけばわかる場所。飛鳥寺の伽藍配置から中金堂をぬいたような伽藍配置だったという大きな寺院が7世紀後半から9世紀あたりまで存在していたようで、現在はそのの礎石が残されています。久々に7世紀のオーラを浴びました。

 ところで+α。オオアマさまが行った先で資料集めのために図書館に寄ったのです。ふと帝劇で「エリザ」公演中の静岡新聞に内野さんの記事がのったらしい、ということを思い出し、バックナンバーを探してたら、ありましたっ!大きな素顔の写真入りで「舞台で怪しい魅力……内野聖陽」。その写真が
とっても素敵で記事はもちろん「エリザ」の話だけど、内容もいい。「舞台で数々の難役をこなす一方、知的な風ぼうを
生かした二枚目役でも魅力を放つ」。コピーの申し込み書には「調査、研究目的以外のコピーはできません」と書い
てあったけど「これは研究です」と勝手に決め付けコピーしてきました。白黒になっても素敵。思わず顔がムニ〜っとし
てしまうのもそれこそ怪しいので、オオアマさまにも「ホラっ」とコピーを見せちゃいました。当然あきれられました(笑
い)

7月13日(火) キトラ古墳の被葬者
 明日香のキトラ古墳の被葬者の骨と歯の鑑定で「被葬者は熟年から老年」という結果が出たそうです。新聞によっ
て「50代から60代」と表現しているものもあるし、熟年は「40代から50代」と定義している新聞もあるから(40代は熟年
なのか……)、かなり幅は広いですね。その年代で7世紀後半から8世紀初めに亡くなった人物……。私、データ的
なことには弱いので、それ以上聞かないでください(笑い)
 今日の朝のニュースでは確か白石太一郎先生が「阿倍御主人」説、猪熊兼勝先生が「年齢的にはギリギリだけど
高市皇子説」を主張していらっしゃいました。記録上では高市の墓は広陵郡にある、ということになっているのです
が、具体的に見つかっているわけではないし、その記録が絶対視されているわけでもないんですね。私としては高市
のお墓参りができたら嬉しいし、この骨がもしかして高市の……と考えるのも、まあいいんだけど。高松塚古墳の被
葬者候補にも高市はけっこう挙げられるし、今回も。なんだかそうやって大好きな高市が話題になるのか嬉しいだけ
で、実際にどうなのか、ということになると、わからないのがいいのかな、なんて思ってしまいます。実際にはキトラ古
墳は風葉さんの車に乗って前を通ったことがあるだけで、ちゃんと行ったことはありません。明日香の観光コースから
ははずれているんです。でも一度は行かないといけませんね。
 壁画のほうは剥がして保存の方向にいくようですね。なるべく現状維持が理想とは思いますが、高松塚の現実を考
えるとしかたないのでしょう。それでも現物公開は難しいんだろうなあ。それはそれでしかたないのでしょう。まずは保
存ありき、ですから。

7月14日(水) おかげさまで2周年。
 フランス革命の記念日(オスカルさまの命日)にこのサイトを公開してから、今日でちょうど2年たちました。結婚してか
ら11年があっという間であったことを考えると2年なんてすごく短いはずなのですが、サイトを始めてから……と考える
と、けっこう長かったように感じます。年をとって時間がびゅんびゅん飛んでいってしまうような感覚がある中で、長か
ったように思う2年って、シアワセなことなんじゃないかな? 今では私の生活に欠かせないものになっていますし。
長いわりに成長してない、進んでない、こんなに更新が進まないとは思わなかった……反省ばかりですが。特に最
近の自分には(笑い……ごとじゃないのよっ)。
 それでも変らず訪れてくださる方がいらっしゃるのに、本当に心から感謝しております。よく来てくださる方が「いい加
減に更新しないのかなあ」とあきれながら覘いてくださっているのか、それともどこかから検索してとか、もしかして里
中先生のサイトからとか、新しくいらしてくださる方なのか、わからない (たぶん前者だ思う……)ので、カキコなりメー
ル(「このサイトについて」の中にアドレスがあります)なりをいただけると嬉しいのですが、私も他のサイトさんについて
はほとんどROMの人ですから、あまり言えないですね(笑い)
 2周年を機に初心にたちかえり、更新作業はこまめに(一度滞るとなかなかエンジンがかからなくなるのは私の性
質だから)少しずつでも続けるよう、心がけるようにしよう。
 どうかこれからも「さらら紀行」をよろしくお願いいたします。

7月16日(金) デジカメの修理
 今日は「消費生活アドバイザー」更新講座で都会に出ていく機会があったついでに、ここのところゴマカシゴマカシ
使っていたデジカメを修理しに、メーカーの窓口へ行きました。私みたいな大雑把な人間はゴマカシで使っていても
「ま、いっか」という感じなんですが、几帳面なオオアマさまは使ってくれないもので(笑い)
 このデジカメを買って1年半。パソコンみたいに自分で落としたとかぶつけたとかいうことはないのですが、すでに保
証期間は過ぎているから、ある程度の費用がかかることは覚悟していました。受付の女性に不具合を説明すると「メ
イン基盤の部品を取り替える必要があります」とのことで、修理代が約17000円とのご提示。同じ機種の修理に来て
いた隣にいたオジさんが「そんなにするの〜? 高いね〜」と反応していました。小心モノの私は「はい……けっこう
です……」(笑い) 心の中では「高いな〜。でも新しく買うよりは安いからいっか〜。しかしイタイな〜」。ところがその
後技術者の方が見たところ、メイン基盤以外に一年半くらいの使用では劣化するとは思えない箇所がダメになってい
るのが見つかったので「今回は無償でけっこうです」とのことで、結局修理代はとられませんでした。ラッキー! (修
理代金ってあってなきがごときものなのか、とも……)。 授業が終わってから修理済みのデジちゃんを引き取りにい
って修理完了。……結局、私らがこのデジちゃんを酷使しすぎただけなんじゃないか、とも思うんですけど(一泊の旅
行で史跡写真なんかだと100枚以上平気で撮るもんね。旅行頻度高いし)。ごめんね、デジちゃん。でもこれからも頑
張ってね。

7月18日(日) ちょっと学問的な週末
 この暑いのに、おとといに引き続き昨日も「消費生活アドバイザー」更新講座を受けてきました。今月初めの眠かっ
た(こら)法律の授業に引き続き、おとといは消費者行動、昨日は午前が環境で午後が消費者被害、とテーマは多
彩。
 受講前は消費者行動が面白いかな、と思っていたのですが、そうでもなかった(笑い)。なんてったって「モノを買っ
たあとでそれが期待したほどのモノではなかったので次に買うときにはもっと考えて買わなきゃ、と思うこと」、これを
学問的に言うと「ヒューリスティクスの精緻化」。……うーん、学問的な理屈の中身をひとつひとつ具体的に掘り下げ
ていったらそれなりに面白いのかもしれないけど、90分の授業の中ではそこまで行かなくて、なんとなくサラっとなで
ただけでストンとこない感じだったのが残念。
 昨日の環境(主に温暖化の問題)は刺激的な内容でよかったけど、環境の話って理系が入ってくるんで、そのへん
がチンプンカンプン。私たちって長生きすればあと30年40年生きてしまうわけで、そのくらいたったときに地球がどうな
っているのか……。すごく悲観的にもとれるし、環境にとっては人口が減ることはむしろ好ましいことだから「人口が
減っても活力を失わない社会のモデルができたなら……」人類にとって希望がもてる、と。このあたり、すごく興味あ
ります。私なんぞ、すでにダウンサイジング社会に対応している人間のようなもんですが……私みたいなのが社会に
繁殖したら活力は……なくなるでしょうな(笑い)
 意外に面白かったのが被害者学。消費者行動の授業で研究史みたいな説明をされたときにも学問の方向性って
すごい勢いで変化しているんだな、と感じたのですが(私が流通業界で働いていたころのマーケティング理論なんて
すごーく古い!)、「被害者学」なんてものも生まれたのはたかだか20年くらい前のことで、注目されるようになったの
は周知のとおりごく最近のこと。今回の講師は法学部の先生だったけど、社会学とか心理学とか、体系的な学問の
分類の中では捉えることのできない学際的分野。この学際的という言葉は大学の学部が従来の学部の境界をこえ
て「学際的」になってきた、というようなところでウチの夫婦の日常会話にもフツーに出てくる言葉なんですが(笑い) 
本当に最近の学問の傾向なんだなあ、と実感したわけであります。面白い。内容的に興味深かったのは近年の消費
者被害の社会的背景のひとつが「社会的弱者に対する共感性が欠如」してきたこと、という話。確かにこれは社会全
体の雰囲気としてすごく感じることなのだけれど、その主な原因に核家族化で高齢者や子どもと生活を共にする経験
が減ったことが挙げられていました。「なるほど」とも思うし、その理屈でいえばおじいちゃんやおばあちゃんと同居し
ていれば社会的弱者に対する共感性が育つはずだけど、どうもそうとも思えない気もする……。同居したことがない
よりはマシ、という程度なのかな?
 今の私がこういう勉強をしたからってどうなるものでもないのだけど、たまにはいろんな分野の講座を受けるのも新
鮮で面白いですね。探せばいろいろな講座はあるのだけど、たいてい社会人向けだから夜の講座で敬遠してしまう。
もっと平日昼間の主婦向けにもちょっと学問的、社会的な講座、やってくれないかな。眠ってるかもしれないけど(笑
い)
 しっ、しかしっ! まあ、これは2日続けて勉強したからだけではなく、数日前から首から肩にかけてのコリというか
ハリというかがひどくて、夕方ついにマッサージに駆け込みました。もともと肩こりは持病みたいなもんだから、マッサ
ージにはよく行っていたのですが、最近は別のところにお金がかかるでしょ(笑い) それでマッサージ禁止令を自分
に出していたんです。それに、その「別のところ」のせいで血行が良くなったのか(笑い)最近肩こりはわりと平気だっ
たし。でも昨日はもう耐えられなくて、ハンドマッサージを30分。これが効きました〜。やっぱりマッサージはよいな
〜。でもこのゼイタクはまたしばらく封印だ。そうあっちこっちにお金はかけられませんから。

7月21日(水) 住宅ローン完済!
 昨日、住宅ローンを完済しました。今日通帳記帳して最後の引き落としを確認しました。これは我が家にとって記念
すべきこと。昨晩は横浜で記念ディナーを食べました。
 完済までに10年。わりと効率よく返すことができた要因は、頭金をなるべく支払って借入額を最低限におさえたこと。
当時は「ゆとり返済」という最初の5年は返済額が少なく、それ以降突然高くなるしくみがあって、これを当然のごとく
勧められたけど、教師は「構造不況業種」だから、特に私立の教師の給料はいつまでも出ると思うな、と親の代から
厳しく教えられていた私は(だったらわざわざ私立の教師と結婚しなくていいのに……)「給料がまともに出ているうち
に、払える分は払ってしまえ」と「ゆとり返済」は拒否しました。実際この制度は後に問題となって、今はなくなりまし
た。あのとき「ゆとり返済」を選んでいたら、と思うとゾッとします。それから、最長の35年ローンを勧められましたが、
いろいろ計算して30年に圧縮しました。これだけでも総支払い額はずいぶん違います。その上、支払いをはじめた直
後から、貯金がたまると「繰上げ返済」を繰り返しました。繰上げ返済は早くすればするほど得なのです。とにかく借
金というのは余分に返さなきゃなんない。このデフレ時期にそんなん絶対損!の一念で頑張った。その結果の10年
返済。 何のかんの言いつつ、ちゃんと働いて稼いでくれた上に「この分は貯金」「この分は旅費」などの計画性を常
に示してくれたオオアマさまのおかげです。それに家計の遣り繰りをした私の功績も少しはあるかしら?
 あとは今までのローン分を貯蓄(老後資金)に回せるといいのだけど……。でもさ、老後なんて来るかどうかもわから
ないのに……とも考える私は、今の若者風かしら。

7月24日(土) 怒涛のような……「モンテ・クリスト伯」観劇日
 昨日は文学座の「モンテ・クリスト伯」の観劇日。要因としてはそれだけなんだけど、怒涛のような一日でした。
 劇場の「アートスフィア」は「ミセスシンデレラ」の重要な場面で使われる場所で、その周辺もロケ地として出てくる
のです。まずはそれを確認すべく、りんかい線の天王洲アイル駅から歩きながらキョロキョロ。前日にビデオで確認し
た場所をアホと思いつつカメラにおさめてしまう……。劇場の中は写真に撮れないので、外だけ、ね。

ドラマでは正面入口に見えるが実は
海側。左部分が劇場「アートスフィ
ア」。前広場はビアガーデンみたい。

光が向こうから走ってくる。みずほは
それを感じて立ち止まる。そして二人
が再び出会う……横断歩道

話は進んで。家を出て働き始めたみずほは、ローマに帰ったと思っていた光と思い出の場所で再会する。
 それから、たまたまネット上で知り合い、同じ観劇日だった方とお会いしてランチ。お互いのサイトのこと、ウィーンの
こと、「モンテ・クリスト伯」の原作のこと、内野さんのこと……。こういうことを直接しゃべるのって楽しいですね〜。い
よいよ劇場へ。パンフレットを買って……ん?ポストカードがすでに売り切れって何よ!? あとで聞けば一日限定数
があったのですって。そんなんジャンジャン売れるに決まってるのに、文学座って商売っけなさすぎ〜。くやしいっ!
 「ミセシン」で内野さん演じる光さんが走り出てきた3番扉から客席に入る(笑い←ここまで考えてるアホはあの劇場
内にもそうはいないかも) 今まで何度もこの劇場へは来ているはずなんだけど……意外にこじんまりした劇場だった
んだなあ。端のほうの席だったけど、舞台が近い。いよいよ開幕。
 ああ、この3ヶ月、あまりにもこの頭の中を占めすぎて、もう実在の人ではありえないくらいの存在になっている内野
さんが実際にそこに存在している! しかも大好きなエドモン・ダンテスとして息づいている! ナマの声が耳に響い
てくる! そんな卒倒しそうな幸せのつまった3時間。その間に内野さんのエドモンはどんどん変化します。最初のマ
ント姿から、俊敏に動く若々しい21歳のエドモンへ。絶望した囚人姿から知性を得て成長した囚人へ。そして第二部
の40代になって伯爵に変身し、今度はゆったりした動きであのトートのようなサディスティックな微笑みがよみがえ
る。そして一見揺るぎないようにみえながら、揺らいでいく、苦しんでいく、乗り越えていく……。今までにいくつかの
舞台化、映像化された「モンテ・クリスト伯」を見て、それぞれにかなり印象が違うのだけど、今回のものがいちばん
清々しかった。それに、3年前の文学座の初演はテレビ中継でサラリと見ているのですが、その印象とも全然違う。
かなりシャープで研ぎ澄まされた感じ。それに私は文学座の舞台を見るのははじめてで、何ていうのかな、「芝居に
命かけている人たちの舞台だな」と思いました。そういう緊張感みたいなもの、そして、たくさんの人に活躍の場があ
る芝居だから、それぞれの役が粒立って、その中に主役としての内野さんもいる、という感じで、うまく表現できない
のだけど、今まで見てきた「商業演劇」とはどこか違う雰囲気を感じました。もっともこの演目は、文学座にとっては異
色の作品なのだそうですが。 そんなこんなで3時間はあっという間に過ぎて、カーテンコールではまた「エリザベー
ト」のときのように、腕がちぎれるかと思うほど拍手している自分がいました。
 終演後、ものすごくなつかしい方とバッタリお会いしたりして、これがまた私にとってはうれしい事件。そのあとは同
じ回を観劇していた、時々このサイトにもいらしてくださる洋皇女さまと連れ立って、6時からのWOWOWの番組の内
野さんのインタビューが見れないものかしら?と電気量販店に行ってみたものの、残念ながら見ることができず、あき
らめてお食事に行きました。今見た舞台の話、内野さんの話……はずんでいるうちに時はたって……あら、もう終バ
スに間に合わない時間。お会いできてとても嬉しかったです〜。
 家に帰ると、気の毒にも風邪気味のオオアマさま(教師に夏休みはまだ来ないので出勤してます)が、暑さで寝苦し
そうにウナっていました。「呉女に宅急便が来てたようだから、電話して受け取っておいたよ」……あ、その中身は
日発売になった「エースをねらえ!」他、内野さんの出演作のDVDセットです。スミマセン……(とはいえ、まだウチで
はDVD機器がないから見れないんだけど)。で、風邪に冷房はよくないし私もここ何日か冷房の冷えが一因と思う頭
痛に悩まされつづけていたので(そういえば舞台をみている間に頭痛はどこかに行っちゃいました)、片手にうちわ、片
手にオシボリタオルでオオアマさまを介抱。するとオオアマさま「やけに今日はやさしいじゃない……」。うーん、浮気
した日はやさしくなるとかいう世間の話、ちょっと理解できる気も……。

7月25日(日) 介助?同窓会?……夏祭り!
  昨日の午後はおとといとは全く違う世界に生きてました。それがすっごく充実していました。
 高校の同級生Nさんが勤めている福祉施設(障害をもつ方のための授産施設)で毎年恒例の夏祭りがあって、その
介助者の一人として参加&研修をしてきたんです。Nさんとは高校時代はかなり親しいほうだったのだけど、その後
ずっと会っていなくて、近年になって同期生のメーリングリストができたことから交流が少しずつ復活してきたのです。
彼女の私に対する印象は「ヅカファンだった」というのが強烈らしい。昨日も昼頃から施設に入り、皆さんといっしょに
食事をしながらキャッキャといろんな話をしていると「呉女(←もちろんこうは呼ばれていない)は昔も今もシアワセそう
だねえ。悩みとかないでしょ」と言う。そう見える? うそ〜。こんなに悩み多き人生なのに……(←ウソつけ!) 
 何度かその施設には顔を出させていただいていたので、すでに私がNさんの友人だと覚えてくださっている方もけ
っこういらっしゃるし、私が介助につかせていただいたSさんともすでに顔馴染み(少なくとも私はそのつもりでいる)。
それにここのいいところは……何度か行くうちにわかってきたけれど、働いている職員(まだ10代のピチピチのオンナ
の子も〜)や保護者の方やボランティアの方と障害のある方との間に垣根がなくて、「いっしょに」何かやっている、と
いう感じであること。だから研修も兼ねていたはずなんだけど、単純に私もいっしょに楽しんできたというか、どちらが
お世話したのかわからない、というか……。
 Sさんは多分私より年上の、とっても落ち着いて笑顔をたたえたやさしい方で、電動の車椅子を巧みにあやつり、パ
ソコンもおやりになる。フラ仲間の息子さんで私が時々遊びに行く大学生のTくんもそうだけど、肢体が不自由という
だけで他は健常者と同じです。むしろ不自由な部分がある分、他の部分は普通より優れたり発達したりしているんじ
ゃないかと思う。お祭りの準備をするのを手伝ったり、出かける前にSさんのお着替えなどの準備を手伝ったり。若い
方たちは浴衣を着たりして華やいでる。私も来年は浴衣着よう、っと気の早いことを考えてる(笑い)。 
 4時前、少し離れた会場に移動すると、そんなに広い会場ではないながら、ステージ
があり、この施設に協力している方や企業や保護者の方が出す出店が取り囲み、さっ
そくお祭り気分になってビールが飲みたくなってくる〜(笑い……実際生ビールがとっ
てもおいしかった!)。ステージではフォルクローレや和太鼓などの演奏が繰り広げら
れ(そのうちフラダンスも踊らせてもらおうっと)、Sさんも楽しみにしていると聞いていた
地元のグループによる沖縄のエイサーでは、もうみんな参加で大盛上がり! 施設の
広報誌の編集長もやっているSさんはデジカメ撮影をしたり、出店では意外とギャンブ
ル好きなのか?景品のあたるくじ引きに何度もトライして楽しんだり。
 そのうち、高校の同期たちがやってくる。Nさんの熱意にひかれ、同期たちがいろい
ろこの施設に協力しているのです。私が「命の研修」でお世話になったAさん(来月この
施設で同じ研修をするそうだ)、この施設のテーマソング(お祭りでもみんなで歌って感

夏祭り風景

テーマソングを歌う
動的でした)をつくってCDにしたSくん、私も含め同期のパソコン初心者のインストラクターKくん、同期生同士で結婚した数組のうちの一組、ОくんEさん夫妻。Eさんとは同じクラスだったこともあるのに、なぜかほとんどしゃべったことがなかったのが、昨日はじめておしゃべりして、とても楽しかったぁ〜。卒業して何年? あまり数えたくないね。でもみんなあんまり変ってないんだ、不思議と。
 そのうち仕事を終えたオオアマさまも登場。会場がウチからは電車バスを乗り継いで行くより車のほうがずっとラクな場所なので迎えきてもらったというのと同時に、教育者としてこういう施設や障害のある方、それを支える方々の姿を見ておくのもいいと思って誘いました。帰りに「福祉施設での研修が必要っていわれるのもわかるな……」と言ってましたから、いろいろ感じることはあったのでしょう。 
 8時前、お祭りの最後はなんと本格的な花火大会! 施設の中に花火師の免許をもった方がいらっしゃるのですっ
て。まあ会場は山の中、みたいなところなのですが、会場のすぐとなり、近い距離から頭上に打ち上げられる花火は
迫力満点でした〜。
 てな感じですっかり私は楽しんでいて、Sさんのお役にたってたんだかどうだかは……???なんだけど、今日は
共に楽しませていただくのもそれはそれでいいのかな?と勝手に解釈した、やっぱり都合のいいシアワセな呉女で
ありました。

7月28日(水) 「モンテ・クリスト伯」再び
 昨日、文学座の「モンテ・クリスト伯」公演が千秋楽を迎えました。千秋楽を見に行ったわけではないけれど、あの
舞台がこの世から消えてしまうという寂しさと、公演中の一週間はどうにも落ち着かなかったから、これで少しは私も
落ち着くか、というホッとした気持ちと。
 23日の観劇から、時間がたつごとに余韻が増すかのように私の心が揺れる……ああ、もう一度見たい! 当日券を
買うためにはその前日に電話予約をしなきゃならない、というのは宝塚の人気演目などでは使うテだけど、これを「当
日券」って言うか?……と思いつつ電話に向かう。私チケットの電話予約って架かったためしがないのです。今回もま
ず自宅で架けたのはダメだったけど、翌日、出先の公衆電話で周到にトライしてみたら、架かった! ラッキー!
 ということで二回目を見ることができましたので、その話を。前回ポストカードが部数限定で買えなかった話を書きま
したが、ウワサはネットなどで伝わるせいか、ポストカードを買うために開演の2時間以上前から劇場前に行列ができ
ていました。でも私は当日券に並ばなければいけないので、そっちの行列には参加できないわけです(涙) 開演1時
間前、文学座の方が「当日券の整理番号順に点呼をとります!」。ああ、「点呼」なんて言葉、久しぶりに聞いた! 
宝塚ファン時代はチケットのための「並び」で「点呼」とか、よくあったよなあ……。もうこういう生活はすまいと思ってた
のに(笑い)。それで当日券を買ったあとに即ポストカードのほうに並びましたが、私の前十数人くらいのところで「ポス
トカード完売しました〜」。あ〜あ。……ゼイタクは言うまい。
 当日券は3階のセンターブロック縦半分とその後ろの補助席でした。前回は1階の前方端だったので、オペラグラ
スを使わずに直に内野さんの姿を見ることと舞台全体を見ることに徹しましたが、今回は違う角度から心おきなくオペ
ラグラスで内野さんを追いかけることができました。そして不思議なことに、内野さんをひたすら追っかけて見ていた
にもかかわらず、「内野さん、素敵!」という以上に、むしろ一回目よりも「ドラマを見た」感覚が強くなったのです。
 第一部の若い溌剌としたエドモンに、ああ、生身のオトコだ、と。というのは比較の対象が……そう「エリザベート」
のトート、あれは「死」という抽象的な存在の役。内野さんのトートは「人間的」を越えて動物的ともいえるような野生す
ら見せるけど、今思えばあきらかにトートは人間ではなかった。それに比べてエドモンのなんてナマミであることか!
第二部の復讐をねらう伯爵になると、衣装も黒一色になり一見トートに近いような気もするけど、伯爵の顔をのぞきこ
んでいると、むしろ……本当にトートと同じ人だろうか? 全然違う。伯爵は伯爵でしかない。トートより骨太な実在
感。そして前回見て、どうしても頭から離れずうなされたのがメルセデスが息子の命乞いにくるシーン。この直前のシ
ーンから伯爵の苦悩が始まる。おそらく、ここのシーンのためにそれまでのお芝居があるんだ。見ているほうもつらく
なる、切なくなるこのシーンのために。そして次なる再生のために。一回目は複雑な人間関係と復讐のプロセスに気
をとられてしまっていたけど、二回目はもっと全体の大きな流れみたいなものを感じ取ることができて……ラストの手
紙の台詞「待て、そして希望せよ。エドモン・ダンテス」で、もう、もう涙がジワっ、と……。
  トート閣下には黄泉の国に連れていかれて喜んでたり、光さんには空飛ぶじゅうたんに乗せられたりしていたけ
ど、今回のエドモンには……風に吹かれて広い海に航海に出されてる感じかな。胸にキリリと切なさを残しつつ。

7月29日(水) 続・笑う練習
 今日はフラの稽古日。チャリティーショーまであと10日ほど。先週、衣装もできあがってきました。衣装は一人一人採
寸して作ってもらったのですが、試着してみたところ、私だけスカート丈が長いのです。フラの場合はひざを折った状
態で踊るから、丈が長いと踊りにくい。それで私だけ丈をつめなきゃいけなくなったんです。理由はわかってます。私
は胸と肩が極端にないものだから、その分下へいってしまうのです。だから胸にパットを入れ、肩パットもつけ、それ
でも長い分を裾上げすることになりました。ええ、もちろん自分でやるのです。この体型のおかげで、余分な手間がか
かります。も〜。
 それより、笑顔で踊れない、という悩みを以前書きましたが、最近は少しは笑顔が出せるようになった気がします。
今日のホイケタイムでは、私をマン前で見ていたお姉さま方が私の色気に悩殺されてましたから(……ンなわけない
だろっ!)。ま、当日緊張さえしなければ、去年のホイケのときのように「こわい顔して踊ってる」とまでオオアマさまに
言われなくてもすむのではないか、と思っているのですが。この「緊張」がクセものです。今回は20人ほどが3列で踊
る最前列。端から2番目という位置はちょうどよいけど。私の場合チビですから、どうしても最前列に出されやすいの
はしかたないのですが、何がイヤって、振りを忘れた場合、前に人がいればその人の振りを見てマネすればいいとい
う安心感があるけど、最前列は前に人がいない→振りを忘れたらどうしよう→緊張〜ということになるのです。ああ、
どうしよう。せっかく笑えるようになってきたのに、また顔の筋肉がひきつっちゃったら。まだ笑う特訓が足りないか
な?

8月2日(月) 「大英博物館展」の新潟へ その1
  先月末、新潟へ一泊旅行をしてきました。今年は新潟に縁があるのかな? 目的は「大英博物館の至宝展」(8月
29日まで)を見ること。昨年末に東京でやっていた展覧会ですが、オオアマさまの日程がとれないままに見逃してし
まったので、その先の展覧会の予定を見て「夏休みになったら新潟へ」というのが半年以上にわたって頭に刷り込ま
れていたのです。いざとなると「何しに行くんだっけ?」とか思いつつ出かけました。
 だいたいこの目的のためなら日帰りでも十分なのですが、新潟は数年前に行って以来、何となくお気に入りの町な
ので「シティリゾート」気分で一泊してこよう、と。だから、その日は午後に着いて展覧会だけ見ればいい、とのんびり
していたのに朝5時半から叩き起こされる。実は新幹線でなくバスで行くため。料金は半分。時間は2倍。料金ってよ
くできていますね。しかもオオアマさまはバスの出発地の池袋までの時間さえすごーく余裕をとっている(私ならギリ
ギリに行くのに〜)。「性格の不一致!」と私はブツブツ。実際池袋には早く着きすぎ。も〜。

バスの中から弥彦山と新潟平野
 でも、時間がかかってもバスで行く、というのは私もキライじゃない(はっきり言ってスキ)。上越新幹線だとトンネルでくぐりぬけてしまうような景色も楽しめる。関東平野を北上し、群馬県に入ると西に榛名山、東に赤城山が見えてくる。上毛高原あたりを走り、トンネルを抜けると新潟県へ。山間部を抜けると新潟平野が広がる。4月に弥彦へ行ったおかげで今まであまり意識しなかった弥彦山が神のごとく日本の米作地帯を見下ろしているのがわかる。それにしても気になるのは先日の三条市一帯の水害のこと。ちょうど被害のあった近くを通るけど、高速道路上から見ている限りでは、至極平和な風景にしか見えないのにかえって胸を痛めたり……。
 5時間にわたるバス旅は終わって、新潟のバスセンター前で降車。歩いてすぐの「ホテル新潟」にチェックイン。 
 数年の間に新潟の町には大きな変化がありました。万代橋が信濃川の最も河口に近い橋だったのに、さらに河口
柳都(りゅうと)大橋ができて、その近くに昨年「朱鷺メッセ」という大コンベンションセンターができたのです。展覧会
の会場はその中の「県立万代島美術館」。ホテルから数分歩くのが暑い!前日の天気予報を見る限りでは新潟はこ
の日、日本で最も暑い都市だった。なんでそんな町にわざわざやって来て、炎天下歩いてるんだろ、この夫婦。 
 確か朱鷺メッセは橋だったか建物の一部が突然壊れた、とかいうニュースがあり
ましたが、行ってみるといかにも今風の高層ビルと平べったいビルの組み合わせ。
昨年春にオープンしたばかりとあって、すごくキレイ。さっそく美術館へ。私は予習
不足だったけど、なにせ最近は世界史も教える先生同伴。「瀕死のライオン」の浮
彫の前で「アッシリア。圧政と重税がキーワードです」なんていう解説がつきます。
「それで強く見せるためにこんな飾りがたくさんつくわけね〜」。次にエジプトの部
屋。ミイラとその棺。あいかわらず棺ばっかり見る人生だなあ(笑い)。でも歴史をや
ってりゃそんなもんなのかも。人間の興味とか欲望なんて多分古今東西さほどの
違いはない。「死」というのはいつの時代でも、強い「生」を生きた権力者の場合は
特に、最大の興味の対象であり、自分の永遠を祈り続けたに違いない。
  この展覧会のコンセプトは「世界一周1万年の旅」。ヨーロッパ、アジア(日本も)、太平洋……と展示をまわって感じ
たことは、それぞれの地域に特徴がありながらも、人間って時空を超えてあまり変らないんだな、ということ。印象に
のこったのはイースター島の石像。あのモアイ像みたいに大きくて洗練されたものではなくて、小さくて素朴な……明
日香の猿石に驚くほどそっくり! 展覧会最大の大きさの展示物はハワイの神像で、いけにえを飲み込むという大き
な口がおそろしい……。でもこの像を見てるとカヒコ(古典フラ)のリズムが聞こえてきそう。フラってこういう神の前で踊
っていたものなんだなあ、と実感してちょっと身震い。そして神様の前でペコリッ!
 ゆっくり展覧会も見たところで(東京では人が多くてこんなにゆっくりは見れなかったかも)、とりあえずこの旅の目的
は達したわけです。
 
8月3日(火) 灼熱のシティリゾート、新潟 その2

クルーズ中。万代橋と朱鷺メッセ。
 さて、展示を見終わったあとは、真下に流れる信濃川をプチクルーズしよう、ということで「信濃川ウォーターシャトル」の最終便に乗ってみることにしました。ところが乗船場には誰もいないし看板以外は何もない。不安に思っていると、対岸から渡ってきた船の上からお兄さんが「そこの方!ウォーターシャトルに乗られますか?」と叫んできた。こちらが頷くと船は目の前に横付けされて、乗せてくれました。他にお客さんは誰もいませんでしたが……土日ならもっといるのかな? 船室内ではアルコールやソフトドリンクをいただけるようなのですが、そう長い時間乗るわけでもないので私はずっとデッキで町を眺めつつ川風に吹かれていました。と〜っても気持ちいい! 20分くらい川を遡ったでしょうか。町のはずれに近い県庁前で下船。これで一人400円は安い。川から見る町は素敵だし、新潟観光に私はオススメするなあ……。
 県庁前からバスで町に戻ります。新潟の繁華街、古町で降りて買い物。そ
こからブラブラ歩きます。新潟のシンボル、万代橋から遠くに弥彦山が見え
て、気持ちいい(オオアマさまはツカレタ〜とブツブツ)夕方の散歩でしたが、
その間私を悩ませ続けたのは、頻繁に通るバスの大きな行き先表示「内野」
の2文字でした……(郊外に「内野」という大きな住宅街があるそうです)。
 夕食はホテル内の居酒屋で。とはいえ、オオアマさまは一切飲めないし、
私も日本酒はダメなのがここではとっても残念。セットを注文すると、お造り
に枝豆に冷奴に「のっぺ汁」。前回来たとき、のっぺ汁が冷たいのにびっくり
したものですが、お味噌汁がついてきたところを見ると、のっぺは汁ものとい
うより煮物なんですかね〜(新潟出身の母親に育てられても知らんかった)。
具は鶏、ほたて、ごぼう、里芋、インゲン、なめこ、えのき、ぎんなん、人参、
かまぼこ、こんにゃく、しいたけ。おいしかったし、安かったし、大満足!

新潟の郷土料理、のっぺ汁

沼垂の町はお祭りの準備中でした。
 翌朝は……起きてみたらもう暑い。日差しがまぶしい。それでも昼間よりはマシだろう、と朝食前に散歩に出ました。これもホテルから歩いてすぐの「垂(ぬったり)」の町です。渟足(沼垂)柵(ぬたりのさく)は7世紀、647年に設置された最古の城柵で教科書にも出てきますが(つまり大和政権の支配が及ぶ先端だったということかな)それを引き継いだと思われるこの地名が残っているのです。新潟駅からも近いわりに素朴な町。以前来たときも歩いたけれど、もう一度歩いてみたくて。このあと県立図書館に行って(なにせ暑いからこういう場所へ逃げる!)調べたところでは、大河の河口の町ゆえ沼垂の町も何度も移動しているそうで、もともとの渟足柵がどこだったのか、諸説あるのですが、現在有力視されているらしい「王瀬」という場所は今の沼垂よりもう少し先の港の近くのようなのです。
 午後にはもう一度新潟の町を見渡してみたくなり、朱鷺メッセを再訪。30階の展望台へのぼりました。城柵……つ
まり砦のイメージから、渟足柵は少しは丘みたいになった土地にあったのでは?と思っていたのですが、古地図から
昔このあたりで丘だったと思われるのは、まさに今朱鷺メッセがたっているあたりなのだそうです。そこから沼垂の町
や、王瀬らしき土地を見下ろしていると「渟足柵が……」なんて話している、お友達になれそうな若いカップルを発見
(笑い)。ここからは信濃川の河口も、新潟の町も(私はマンハッタン島みたいだと思う。川に囲まれたその形から)、そ
の向こうの日本海も、そしてその向こうの佐渡島も手に取るように見えます。

信濃川と遠くに弥彦山。日本海は左のほう。

これが日本一長い信濃川の河口です。

朝歩いた沼垂あたり。
 この海の向こうの国。日本の先輩であるにもかかわらず、不幸な歴史をも
つ国。すぐそこの浜辺で起こった不幸な事件。この港に入る船……。古代と
現代とを行ったり来たりしながら(いつものことだけど)新潟の町をあとにしまし
た。帰りは新幹線にしたら、あっという間に帰ってきました(笑い) 
 やっぱり、新潟、大好きです。

8月7日(土) 本の返却ついでに三島古代寺院跡散策&グルメ 
 先月、静岡県三島市の遺跡に行った話を書きましたが、そのときオオアマさまはなんと三島市の図書館で本を借り
てきてしまったんですね。返却期限を延長していただいていたのですが、そろそろ返さなきゃ、とわざわざ三島までま
たまたドライブ。ご苦労なこと……その上になんでまた私がついていく? それは、ついでに三島の古代寺院跡めぐ
をしよう、ということだったから。

白鳳寺院の塔心礎
 三島市内に入るとまず市役所で史跡の地図などをいただいて、申し訳ないけどそのまま車を駐車して炎天下を歩く……。つくづくへんな夫婦だよね。でも今回の史跡は市役所のすぐ近くで、一本東の道を南へ歩くとすぐ郵便局の横に「伊豆国分尼寺址」の碑が。東へ狭い道路を入ると祐泉寺という小さなお寺があります。ここが「市ヶ原廃寺」と呼ばれる薬師寺式の伽藍を持つ白鳳寺院の跡です。白鳳期の三島には「大興寺」という豪族の私寺があり、その寺が9世紀に伊豆国分尼寺が消失してから代用国分尼寺として使われたらしいのです。発掘調査の結果それが市ヶ原廃寺にあたるらしいことがわかったそうです。祐泉寺の境内に西塔の大きな塔心礎が置いてあります。なかなかの迫力です。
 郵便局前の道へ戻ると、北の突き当たりに三島大社の鳥居が見えます。三島大社は伊豆国一之宮。源頼朝以来、特に武士の崇敬を集めた大社ですが、7〜8世紀にはまだこの地になかったらしく、境内の発掘調査で建物の跡などが見つかり、これを「塔ノ森廃寺」と呼ばれる白鳳寺院、とみる説もあるのですが(三島市の観光マップにもそう書いてある)、実際には同時期に同じような規模の寺が存在するには市ヶ原廃寺と近すぎることなどから、こちらは寺ではなく、何か役所関係の建物だったのでは、とも言われてるようです。
  歩いた距離はほんの少しなのに、ひっくり返りそうなほど暑い! こんなに暑くて三島に来たのなら、ちょっとゼイタ
クしてを食べるしかないでしょ、ということになり、オオアマさまおすすめの店「桜家」へ車で移動。三島は富士山の
伏流水が湧き出る水の町。その水で鰻がおいしくなるんだそうです。少し遅めのお昼でしたが、店内は人でいっぱ
い。少し待たされて出てきた鰻は確かに絶品。私好みのあっさりめのタレで、あっと言う間に平らげてしまいました。
 食後は「桜家」から歩いてすぐの伊豆国分寺へ。ここは以前にも来たことがあるのですが、今も「国分寺」の名をつ
ぐお寺の本堂の裏に七重の塔の礎石の北側の半分が残っているのです。国分寺の跡って全国各地あちこち行った
けど、こんなにセセコマシク縮こまったところって他にあまり記憶にないから、かえって印象的だったりするのです。 

伊豆国一之宮、三島大社

桜家の鰻重。勢い余って写真を撮る
前に一口食べてしまいました。

伊豆国分寺の七重塔跡
 ということで、少なくとも三本は塔がそそりたっていた古代の三島って、けっこう都会だったんだろうな〜、と思いつ
つ、炎天下の史跡めぐりは無事終了。めでたし、めでたし。
 私はこの後、オオアマさまの車から電車に乗り換え、フラの舞台本番前最後の臨時レッスンに出かけたのでした。
帰ってきたらフラフラでした……。

8月9日(月) 笑う練習の成果は如何に?
 昨日は骨髄バンクチャリティーショーでフラを踊る本番の日。このいろんなお教室の発表会
をつなげたようなショーは午前中から夜まで続くのですが、私たちの出番は昼過ぎなので、
午前中から会場入り。すでに会場全体がごった返していました。私たちの準備場所に指定さ
れた大会議室では、衣装.メイクの準備は万端のフラメンコの団体が最後の特訓中。その前
で私たちも負けじとメイクに励みます。先生の「アイシャドーとアイラインが薄すぎ」「眉は太す
ぎ」などのダメ出しを受けつつ、普段とはかけはなれた濃い顔ができあがっていきました。か
なり時間をかけたはずだけど、その間ずっとフラメンコの練習は続いていて、廊下に出れば子
どもたちがクラシックバレエを踊ってる。私たちも動きたいと思えども場所がなくてウロウロ。ウ
チのスタジオの主宰の先生も貫禄はあるのだけど、まだまだお若いから、百戦錬磨とお見受
けするフラメンコやバレエの先生方に比べれば押しが足りないというか……ああいう世界で
は自己主張が強すぎるくらいでなければダメらしい。それぞれが自分の世界に入り込んでい
るすさまじさ……なんか客観的に見るといろんな人がいるなあ、と面白かったりして。

今回のイデタチ
 いよいよ出番でステージへ。リハーサルはおろか「場あたり」すらない、ほとんどぶっつけ本番の舞台。直前にはじめてステージをソデから見て、「このくらいの広さなら隣との間隔は?」「前列はどの位置から出る?」などと騒いでいるあいだに順番が来てしまいました。ステージでライトが入ると、あらかじめ私の位置を教えておいたので、ちょうど真ん前の五列目くらいにオオアマさまがいるのがわかりました。ちょっと緊張して手が震えたけど、顔の筋肉が引き攣るほどではなく、けっこう楽しく踊れたかな? オオアマさまには「写真なんて撮ってたらあっという間に踊りは終わっちゃうから実物を見ることに専念してね」と言ってカメラも私が持って出たにもかかわらず、オオアマさまったら携帯で写真を撮ろうとしてる。ウチの携帯は古くて写真の性能は悪いんだし、ムリだよっ!写真はいいから見てなさいって言ったのにぃ〜、と踊りながら立腹してました(笑い)

←といいつつ、オオアマさまが携帯で撮ってくれた写真。雰囲気はわかるかな……。
  前列真ん中に写っているのがワタシです。 
 昨年の発表会ではオオアマさまに「呉女はコワイ顔で踊ってる」とさんざん言われたので、そのあたりの感想を聞い
たところ「去年よりはよかったかな。口は笑ってた。でも目はまだちょっとコワイ」とのこと。鋭い……。確かに笑う練習
をしていて、普通の人は口で笑えばだいたい笑っているようには見えるのだけど、私の場合は目と眉も笑わないと笑
顔には見えないことに気がつきました。先日、はじめて会った方(最近ネットで知り合った方とお会いする機会が増え
て嬉しいです)に「江角マキコに似てますね」と言われましたが(これを言われたのは何回目か……母親にも言われた
もんナ)てことは、やっぱり目がキツイんだよね、私。本番が終わったとき「口は笑ったけど、目で笑う余裕まではなか
ったな」と自分でも反省していたのです。来年への課題ですね。眉の描き方も研究しようかしら。それに普段からもっ
ともっと「アロハ〜」な笑顔を心がけようっと(気味悪いって……)。
 本番って本当にあっという間でした。終わってしまうとなんだかさびしい……。この「あっという間」のためにさく一見
ムダなエネルギーこそ尊いものなんだろうなあ……多分……。

8月10日(火) はじめての法務局
 住宅ローンを完済したら、あとはボーっとしていればいいのではありませんでした。法務局に行って登記の抵当権の
抹消手続きとやらをやってこなければいけないんだと……。なんだかよくわからないけど、せっかくのオオアマさまと
私の共有財産なんだし(頭金で私の貯金なども多少出しているので、その分は私の持ち分になっている)、二人で法
務局へ行ってみました。
 この年まで縁のなかった場所なので(あったかもしれないけど、親に代理で行ってもらったような……)なんだかオソロ
シゲなところに思えたけど、相談窓口のおじさんがすっごく気さくなやさしい方でとても安心しました。「この書類の数
字は固有名詞以外1、2、3は壱、弐、参と書いてください」と言われたとたん、これはオオアマさまのシゴトだな、と
任せることにしました。実際オオアマさまは喜んで書類に向かいはじめ、たくさん出てくる数字に「他の数字も漢字で
書いちゃだめなの? 中途半端だな〜」なんて言ってます。というのは、オオアマさまがよく正倉院展なんかで読んで
いる文書(もんじょ)、正税帳とか封戸祖交易帳とかの数字の記述は4以上も「肆、伍、陸、漆、捌、玖」と書くのです。
普通知らないですよねえ……。
 書類は上記のちょっとタイヘンなものからカンタンなものまで3枚くらいあって、説明を受けて書いて提出するまで1時
間くらいかかりました。あとは書類に問題がなければ後日取りに行って、それから銀行へ行けば手続き終了だそうで
す。「ちょっとオトナになった気分だ」とオオアマさまは言ってます。

8月18日(水) 夏の関西。大文字の送り火
 日曜の夜、夜行バスで関西に来ました。最近のバスっていろいろ心配はあるんですが、安いし時間が効率的に使
えるし、オオアマさまがバス好きだし(笑い)
 月曜日。まずは奈良へ。目的は奈良博の「黄金の国、新羅展」(29日ま
で)。主に5〜6世紀の古墳から出た遺物が中心で、写真でよく見る金冠など
が見れて、その輝きにウットリ。あわせて日本の古墳の出土物の展示をして
いたけど、本当にそっくり。いい展示でした。思ったより見るのに時間がかか
って、気がついたらもうお昼。ランチを食べて、オオアマさま平城宮跡近くの
奈良文化財研究所(奈文研)へ。奈文研が出している資料で見たいものがあ
るというのでネットで調べたら、研究所の建物の中に図書資料室があって一
般人も使えるとはじめて知りました。オオアマさまによれば、基本的に閉架
式で読書室は小さいけど、奈文研で出している本については開架で販売も
しているとか。オオアマさまもコピーをとるより買っちゃえ!と、決して安くは
ない大きな古代の官衙関係の本を買ってきました。「呉女も使える本だと思
うよ」。なるほど。そのあとオオアマさまは京都にとったホテルでお昼寝。

奈良博近くの奈良風景。
  そして奈良でオオアマさまと別れた呉女は風葉さんと待ち合わせしてティータイム。風葉さんとは明日香でお会い
したことは何度かあるけど、考えてみればゆっくりお話するのはこれがはじめて。最近りりえのひめみこさまと「乙女
の会」という自分の「萌え」について語る会が定例化していますが、今回は「乙女の会関西バージョン?」(笑い)。もち
ろん一般人としてのかなりマトモな話題もしますよ〜。いや、しっかし楽しかったわぁ……。
  夜、私が京都に着くと、さすがに8月16日の京都はヒトと車でごった返していました。夕食はお気に入りの喫茶店の
軽食ですませ、いざ、大文字の送り火を見に出かけました。
私たちが大文字を見るのは3回目。1回目は市内の義姉宅から見たのですが、最近のマンションラッシュで見えなくなっちゃったそうです。2回目は正式なものではないけど20世紀最後の日、御所前から見ました。そして今回は先日葵祭りで行った賀茂大橋から見ようと京阪電車で出町柳に出ましたが、橋の上は立ち止まっちゃだめと警官が立ってる。河原におりてくださいというわけ。橋の上からは暗いからよくわからなかったけど、橋の下を見ると暗闇の中に笑えるくらいヒトがびっしり! 私たちもその中に居場所を探して座り込みました。8時。真正面に大の字が浮かびあがると、拍手がわきあがりました。お盆に帰ってきていた精霊を送る火なんだから(起源については諸説あってはっきりしない)拍手をするような種類のものではないのだけど、それでもなんか感動して自然に拍手が出てしまう、というのはわかりますね。
 赤々燃える大の字にひとしきり感動したところで、ヒトとひしめきあいつつちょっと移動して、
本当は糾の森の東側、河合橋に行けば「妙法」の字が見えたのだろうけど、そこまではたど
り着かず、西側の出町橋から川の東を少し北上して、なんとか舟型を見ることができました。
舟……。そういえば新羅の古墳でも魂があの世へ行く乗り物として「馬型」を埋葬する話が
出てきたのですが、舟も精霊をあの世に連れて行く乗り物なんだろうなあ。「妙法」と「鳥居」
があるということは神仏に見守られ、もしかして「大」の字はもともと人型だったんだろうか…
…? こんなことを都を取り囲む巨大な空間でやるんだから、すごいよなあ、京都って……。
来た道を戻ると河合橋から消えかかった大の字と「法」の字が見えました。消える直前は薄
すぎて写真には写らないのですが、実際に見ると、この儚さがなんともいえなくて、大文字で
も山焼きでもそうですけど、火が消えていくときの風情が私は好きだったりします。たいてい
の観光客はそこまで見てはいないようなのですが。
 翌日は京都市内の菩提寺に墓参りと、電車で1時間ほどの義母の家へ。今日は京都市内で義姉と姪に会い、そ
のあとオオアマさまは仕事のため帰宅、私は途中下車して現在、名古屋です……。
←ちなみに京都は駅を降りたとたんにこの盛り上がり、町
には「新選組マップ」を持った観光客がウヨウヨ。(この隣に
はってある大きな新選組マップはかなりマニアックかも) 後
ろは京都タワー。

 そして来年の大河の先取りか? 新幹線側の八条口の
待ち合わせスポットには30分ごとに牛若丸と弁慶が登場し
て踊るのだと小学生の姪が連れてってくれました。→
(写真の左が牛若で右が弁慶。わかります?)

8月19日(木) はじめてのマチソワ。「エリザベート」三昧in名古屋 その1 
 名古屋も暑いのですが、たまたま割引資格のあるお安いホテルをとったら、中日劇場へ歩いてすぐのところで、一人で今日一日劇場とホテルを往復するだけの生活でお日様をほとんど浴びてません。食料の買出しも地下だけですんでしまうし、不健康〜。でもって、あの不健康な「エリザベート」(笑)を、昨日はマチソワ(マチネとソワレ。つまり昼の部と夜の部を同じ日にいっぺんに見ること)してしまいました。ヅカファン時代はよくやってましたけど、ヅカにはマチソワなんてシャレた用語はなかったぞ……(最近はあるのかな?)
 お昼、劇場へ。ホテルにいるときは意識しないようにしていたけど、建物を見ると「この中に内野さんが」と考えるだけで足がすくみそう……。

←名古屋、栄のド真ん中。中日劇場はこのビルの9階です。
 ロビーに入ってまず売店をのぞきます。今回の楽しみの一つは新発売のポ
スター。今までのポスターは2000年の初演当時のものだったのですもの。ビ
ジュアル的にも進化をとげている今の内野さんのトートと全然違う。今回のは
舞台写真でトートがルドルフの棺から出てくるシーン。ミュージカル誌の表紙
になった写真と同じものだと思うけど、これ、私すっごくお気に入りで枕元にミ
ュージカル誌を置いて寝てたくらいなんです〜。うれしくって即買い! それ
からマグネット(こちらはプログラムにのってる舞台写真)も買っちゃったんです
けど、私、部屋にポスターを貼ったり、マグネットを冷蔵庫に貼ったりはしない
んです……落ち着かないもん。携帯の待ち受けとかPCの壁紙とかもダメ。
急に内野さんの姿が出てきたらドキっとしちゃう。心の準備をしてから好きな
ときにファイルからピっと出すのがマル。さて、このポスターとマグネットはど
うしましょう……。

 コレがポスター。いいでしょっ?!
 これはマチネの「本日の出演者」掲示板。今日はマチソワでトート、フランツ、ルドルフと主要3役の役代わりが見れました。名古屋ではそういうキャスティングになっているんですね。帝劇の千秋楽近くにはこの掲示板の前に携帯で写真を撮る人が群がってたんです。私も撮りたかったけど当時デジカメは調子が悪く、私の携帯のカメラは性能が悪くて撮れなかったのです(帝劇の掲示位置はやたらと高かったし……)。考えてみればあんまり意味はないのかもしれないけど(一般的には)、この掲示板、撮りたかったので、なんか嬉しい。もしかして他の方は「今日のキャスト」のメモのつもりで撮るのかな? 私は違うのですけど。
 さてさて、肝心の舞台の話。中日劇場は帝劇に比べてコンパクトと聞いていたけど、本当に一回りは小さくした感じ
(ソワレで2階席の後ろから見たらそれほど小さいとは思わなかったけど)だし、舞台と客席が近い上、舞台の高さが
低い。マチネ(内野バージョン)はこれ以上は前でなくていいや、と思うくらいの席で見ましたが、帝劇でこのくらいの席
なら舞台が少し上にある感覚だと思うけど、ここでは明らかに下にある。舞台全体の印象でも「器」の違いでこんなに
違うかなと思うほど。「エリザベート」という作品が天から降りてきたみたいな感覚で、すっごく不思議。特に私は帝劇
ではほとんど遠い席から見ていたから、ということもありますが。
 それだけに当然内野さんのトートもすごく近いわけです。オペラグラスなしでも表情が十分わかるくらい。それでもや
っぱりオペラグラスを使ってしまう。使うとなかなか離せなくなってしまう。内野さんは前髪が無造作に顔にかかる髪
型だから(それがまたいいんだけど)オペラグラスのほうが表情が見やすいということもあるし。……いやもう、ドギマギ
で困ります(笑い) ちょっと前までエドモンであり伯爵だったはずの方が……もうその片鱗もなく、まさに死神、トート
閣下でありました。
 そう、内野さんのトートはまた「死」そのものに近づいていました。おそらく、すごく根本的なところで役づくりを微妙に
変えられたのではないか、と。名古屋に来る前にネットでラストシーンの演出が変わったとか、内野さんの歌い方が
変わった部分とかの情報は得ていましたが、このことは書いている方を今のところ見かけないので私自身の感覚な
のかな……? 帝劇での内野さんのトートは表は「陰」でも根底のところに「陽」の要素があった気がするのですが、
今回はそれが跡形もなく消えていました。目がけわしくなって、よりクールになったというか、よりこわくなったという
か。それだけ確かに「死」になった。すごく納得できるんですけど、帝劇のトートに慣れすぎ、それを頭で反復しすぎた
せいか、その変化に戸惑ってしまっている感じ……。
 ソワレで山口閣下。客席に入るだけで山口ファンの迫力を感じます。内野閣下に比べるとと〜っても健康的! 今
回の内野さんがますます「不健康」度を増しているだけに……。山口閣下が太陽、内野閣下が月、というのは言い得
て妙だなあ、と。山口さんもすでにその独特のトートの世界をつくりあげているし、いや、別に悪くないのですけど、や
っばり……私は……内野さんがいい〜〜〜〜〜〜っ!とまたもや確認してしまいました。スミマセン。フランツは鈴
木さんも石川さんもそれぞれいいと思うし、ルドルフも浦井くんもパクくんもそれぞれいいと思う。でもトート閣下は……
ゴメンナサイ。
 明日はマチネの内野バージョンをもう一度見て帰ります。ベストコンデションで見るために今日はもう寝ます。

8月20日(金) トート閣下の術中にハマル。「エリザベート」in名古屋 その2 
 昨日の時点ではまだ落ち着いていたんですが、今日のマチネを見て、熱が出てきました。ああ、ダメ。もう……。
今日は席も真ん中、列も前過ぎず後ろ過ぎずでちょうどよし。昨日感じた根本的なところを陽から陰に徹底させた感じ
はやっぱりする。それだけに全体がシャープになって、メリハリがついたというか。ルドルフをひっかけたところの笑み
なんか、もうドキドキしてたいへんでした〜。私の戸惑いはいつのまにか消えてました。多分、内野さんは演技、表
情、手の動き、体全体の動き……すべて計算づくなんですよね。ということは私らはその術中にまんまとハマッてい
るわけ。悔しいけど、いいじゃないの。ここまできたらとことんハマっちゃおうじゃないのぉ……!
 ……てことで、他のいろいろなサイトさんに刺激され、長くなるけど今日はちょっと細かい感想まで書いちゃいます。
 「最後のダンス」のラスト。帝劇では「ちょっとシャウトでもしてみようか」という感じだったけど、今回は「この歌はこう
やって歌うもんだっ!」って感じ! 頭をクルンと回す振りも堂々として素敵。そういえば、ルドルフくんのシーンの唯
一のダンスシーンの振りも頭クルンに変わりましたね。前のセクシーな動きも印象的だけど、ダンスとしてはこのほう
が自然でいいような気がします。
 今回、演出の変化以外に内野さんの演技で大きくかわったのはハンガリーのデブレツィンだと思います。長女ゾフィ
ーの棺を出してくるところで、帝劇のふわっとした投げキスや胸に手をあてる慇懃なお辞儀がなくなったけど(このお辞
儀が昨日は別のところに出てきたと思ったんだけど、今日はなかった……あれは気のせい?角度のせい?昨日と今
日とで違ったの?他にも違うと思ったところはあったんだけど……)、あそこで今回のトートはエリザベートが自分のと
ころに来てくれると思って、手を広げて待っている。それが「許さないわ〜」とトートにとっては意外な反応がかえって
きて、それはそれはさびしそうな表情をするんです。この後だんだん拒否され慣れて(?)強くなるけど(本当にこういう
表現でいいのか?)、このときのトートは同情するくらい、かわいいと思うくらい切ない……。それから、このシーンのラ
スト。トートの歌の後で山口閣下の場合は拍手がおこるけど、内野閣下は拍手がおこらない、というかおこさない、の
だと思うんです。ここで去っていく内野閣下の後ろ姿が木枯らしの音とすごく合っているから、拍手でこの木枯らしの
音を消したくない、と内野ファンはみんなきっと思っていて、ここでは拍手しない、という暗黙の了解ができているんだ
と思うのですよ、多分。うん、多分。少なくとも私はそう思ってるもの。
 それから今日のラストシーンでハプニング発生! 内野さんのマイクが入ってなかったんです。「今〜こそ〜おま〜
え〜を黄泉の〜せか〜いへ〜」って聞こえてはいるんだけど、明らかにマイクを通した声じゃないの。もうどうしよう
か、と。内野さんは動揺も見せず、もうこうなったらナマ声で歌い通してやるぞとばかりに「沈む、世界に、別れをつげ
〜たなら〜」の部分を歌いあげました。最後の「それでも〜おまえ〜は」までにはマイクさんも頑張ったらしくてちゃん
と入ったので「それでも〜」はかなり大きな声が響きましたが、すぐ調整して……ああよかった〜、本当にドキドキしま
したよ〜。でも多分、観客でもそのハプニングに気づいていない人も多かったと思う。別にざわつきもしなかったし。今
思えば本当にあったことかな、と思うくらい。内野さんのナマ声が聞けて得した気分です。ラストの演出が変わったの
は……個人的にはお姫様抱っこの帝劇のほうが好みだけど、トートがキスをすると相手は死んでしまうというルール
を忠実に適用した、という意味では正解でしょう。小池先生もいろいろ考えますねえ。
 今まで私の「エリザ」の感想に登場したことがなかった、今回の影の主役、ルキーニの高嶋政宏さん。あまりにこの
作品の中にいい意味で居ついてしまった人で、それでつい忘れてしまうんです。初演時より今回の帝劇ではテンショ
ンを落としたな、という感じがしていたのですが、名古屋ではそれをすごくいい具合に調整して、強弱緩急をうまくつけ
て見事です。もしかして一番エネルギーを使う役かもしれない。それをお一人で演じ切っている。脱帽です。もう一人
脱帽すべきはもちろんエリザベートの一路さん。私、なんだかんだ言ってもこの劇中で一番好きなナンバーは?と聞
かれたらエリザベートの歌う「私だけに」だし、今回すごくいい歌だな、と発見したのはエリザベートとパパの魂が歌う
二部の「パパみたいに」だし、精神病院のシーンも「夜のボート」も好き。内野さんしか見てないわけでもないんです
(笑い) いろんな意味でエリザベートという人には共感もし考えさせられたりもする。まあ「宮廷生活に適応できなかっ
た皇后……彼女を救ったのは結局『死』だけだった」なんて内容のミュージカル、宮内庁の人が見たら顔をしかめそ
う。世が世なら上演禁止でしょう。今は世の中が19世紀とは違うんだから、雅子さまには同じ運命をたどらずに、幸せ
になっていただきたいもの、と心から思います。
 それはともかく、相変わらず熱いカーテンコール。もちろんスタンディング。舞台が近いせいか地域性か、キャーキャ
ーいう声が多い気がします。内野さん、劇中での目がすごくけわしいだけに、カーテンコールでの自然な表情がすご
く優しく美しい……。ホレボレしつつ腕が折れそうなほど拍手拍手。
 どの回でも、終わったあとの観客どうしの会話で「よかったねー」「また見たいねー」「何度も見る人がいるのがわか
るねー」なんていうのをよく聞きます。そうでしょ、そうでしょ。次は博多はちょっとガマンして大阪だあ〜〜。(以前と言
ってることがびみょ〜に変化してますけど)

 こうして、古墳やら棺やら精霊の送り火やら死神やら……の旅から帰ってきました。名古屋ではきしめんも味噌カツ
もひつまぶしも食べなかったけど(天むすだけは食べた)、まあいいのです。
 明日からは気持ちを切り替えて別のことに突っ走りたいのですけど、トート閣下は私を放してくれるでしょうか……?

8月28日(土) トート閣下と(?!)韓国へ 
月曜から5日間、韓国へ旅して昨日帰ってきました。「冬ソナ」ツアーではありません。私、韓ドラって見たことないん
ですもん(見たらハマるかもしれないし)。私とオオアマさまが行くのですもの。ソウルも行きましたけど、中心は百済の
都、扶余と新羅の都、慶州です。いや、す〜っごくよかったです〜!! 今もかなり興奮状態。日本の古代史の本で
もよく見かける場所などを実際にこの目で見ることができて、日本の7世紀に関する認識もちょっと幅が広がったか
な? 本当ならもっと予習してから行くことができればよかったのでしょうが、それを言っていたらいつまでたっても行
けないし。
 まあ、この旅に出ることが具体的に決まり8月に入ってからはなるべく他のことより韓国の予習を優先させようと思
ってやってはきたんですけど……トート閣下にジャマされたりしたでしょう(笑い) 帝劇のときには完全に私が黄泉の
国に連れていかれていましたが、今回は「今は黄泉の国へは行けないんです!」と私が必死にふんばって……トート
閣下のほうを韓国に連れていきました(笑い) アタマの中で連れていく分はに減るもんじゃなし、公演にも支障はきた
さないし(あたりまえじゃ)いいですよね〜。行った先でも古墳の模型の中に入ったり実際の古墳の中に入ったり……
いつものことながら、あの世とこの世を行ったりきたりしているようなものだったから、トート閣下も喜んでくださったこと
でしょう(そうかあ〜?) 
 今回の旅は、このサイトのメインテーマ(古代史の旅)にも関わる重要な旅なので、詳細レポを近日中に書き始める
……予定です(こうしてまたも予定が積み重なっていく……)

8月29日(日) 相模国分寺ドシャ降り現説と、遅ればせながら山南さんの死
 旅で体は疲れているのに、二人ともなんだか興奮状態で昨日も一日休む
でもなくウロウロ。今日は今日で二人して「相模国分寺の講堂跡発掘、現地
説明会」へ行ってしまいました。午後は二人とも別の用事があったので午前
の部に出かけたところ、「小雨決行」とあったけどあれは小雨じゃなくて大雨
です! しかも横殴り。全身、アタマ以外はズブ濡れで、なんでこんなになり
ながらも遺跡を見なきゃいけないのか、と……(行こうと言い出したのはオオ
アマさまよっ! ホイホイ着いて行ったのは私だけど) 説明が一通り終わっ
たあともオオアマさまは質問なんかしに行ってるしぃ。
 なんでも今回発掘調査をしなおした講堂の跡で、相模国分寺の講堂の規
模は全国でもいちばん大きかったことがわかったそうです。国分寺の規模で
デカいといえば武蔵国分寺なんです。なんでまた、武蔵といい相模といい、
こんな当時の田舎でドでかいものつくったんでしょうねえ。よほど経済力のあ
る地元の豪族がいたとか、それとも田舎のコンプレックス?。

この雨の中、説明する大学の先生もタイヘンだし、説明を聞きに行くほうもいくほうですよねえ……。
 あまりにズブ濡れになったので、とても電車やバスにそのまま乗るのは恥ずかしく、かといってタクシーに乗るのも
悪い気がして、海老名駅前ビナウォークのユニクロ飛び込んで、二人して着替えを買ってしまったので、予想外に高く
ついた現説でした。まああれだけ濡れて風邪をひかなかっただけでもモウケモンかな。

 さて、夜は話題の大河「新選組!」。先週先々週と出かけていて見てなかったのですが、山南さんの死にいたる
重要な場面だったので韓国から帰ってから見ようとビデオには撮ってあったんです。オオアマさまお気に入りの山南
さんだし、りりえさまと「乙女の会」をするようになって山南さん(堺さん)はとても他人とは思えないので(笑い)
 ところが、今夜の回を見る前にビデオを見ようと、昨日から「山南さんのビデオ、見ようよ」とオオアマさまを誘うと気
のないナマ返事しかかえってこない。しかたなしに昨日は一人で前々回の脱走回を見たのです。それで今日の夕方
いよいよ前回の切腹の回を見ようということで念のためオオアマさまに声をかけたところ、よく聞いたら「あんまり山南
さんがかわいそうで見る気になれない」んだそうで(絶句)……ま、気持ちはわかるんですけど。で、見ないなら見ない
でいいんですが、私が見だしたら結局その後ろ、隣の部屋との境くらいに突っ立ってる。それで途中で「オレ、仕事し
なきゃ。あのメモどこにいったっけ」とかって私のまわりをウロウロする。「あの〜、せっかく感動して見てるのに、落ち
着かないんですけどぉ」「あ、スミマセン」と探しものを見つけて部屋を出ていく……のかと思ったら、結局もとの場所
で突っ立ったまま最後まで見ていたみたいです。私はそのオオアマさまがおかしくて、感動が半減しちゃいましたよ
ぉ。どうしてくれるぅ〜!
 泣き所はいろいろあったけど、明里さんは山南さんが切腹することを知っていた、というところが私は一番グっときた
かな。でも、山南さんが「自分がいなければ」みたいに思った感情、わかったりします。私も、ちょっと経験あるから。
自分さえいなければ、この組織はうまく動くんじゃないかって。私の場合やめても切腹する必要なかったから、やめれ
ばすんだけど、山南さんは……。山南さん、お疲れ様でした。このドラマで山南さんのことはたくさんの人の心に永遠
に行き続けることになりましたからね! それにしても、死ぬのはともかく切腹は痛そうでいやですよね〜〜。やっぱ
り安らかに死にたいよね。できたらトート閣下にチュッってされて死ぬのがいいな〜〜!(←無理だってば)


    
9月の日記へ

インデックスへ戻る    




チカゴロの呉女9 〜10
チカゴロの呉女9 〜10