第3回 ワインのお話 |
フランスといえば、やっぱりワイン。でも悲しいかな、私はほとんどワイン(アルコール)が飲めません。グラス半分も飲もうものなら、心臓はバクバク、全身真っ赤になってしまいます。でも、私のように体質的にアルコールに弱いということが、フランス人にはどうもピンとこないらしく、その意味をすぐには理解してもらえません。「宗教的理由か?」と聞かれたこともあります。どうやら、彼らの身の回りには、ワインが体質的に飲めない人なんていないらしいのです。さすがワインの国だと、妙に納得してしまいました。なにしろ、彼らは水のようにワインを飲むのですから。その消費量たるや、1人当たり年間100リットルにもなるそうです。このような事情からか、空ビンは24時間いつでも捨てることができます。 ところで、フランスでは、どんなに小さなスーパーにも必ずワイン・コーナーがあります。郊外の大型スーパーともなれば、その品揃えは驚くばかり。値段も日本よりずいぶん安いようです(夫が言うには、日本の3分の1程度らしい)。さらに驚くことには、ずらりと並んだワインはすべてがフランス産です。ワイン専門店にでも行かない限り、他の国のワインはまず買えません。どうしてなのかフランス人に尋ねると、「なんで他の国のワインが必要なの?」という答えが返ってきました。これには絶句。自国のワインに対する思い入れは相当なもののようです。 そして秋になると、あちこちでワイン・フェアが催され、大型スーパーでは、ワイン・コーナーが拡充されます(このときだけは、イタリア産や、スペイン産などのワインもほんのちょっとだけ置かれています)。自宅にカープがある人は、このフェアで1年分買いだめするとか。みんな、広告やメモを片手に、テイスティングしたりしながら、時間をかけて選んでいます。ワイン選びの一番の楽しみは、安くておいしいワインを見つけることのようです。 ワイン抜きの食事なんて考えられないこの国のこと。「飲んだら乗るな」の日本と違い、当然のごとく、飲んでも車の運転はOKです。だいたいグラス2杯が目安といわれています。でも私の場合、それだけ飲んだら運転どころか、意識がなくなってしまうでしょう。 |
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