【第2回】 働くべきか、休むべきか |
フランスに来て最初の日曜日、生活の立ち上げに必要なものをデパートへ買いに出かけました。ところが、中心街に着いてみると、なんだか様子が変です。駐車場に車は一台もなく、町全体が閑散としています。見ると、開いている店など1軒もありません。そう、フランスのお店は、日曜日は休みなのでした。あとで聞いたところによると、パン屋やごく限られた小さなスーパー、観光地の店などを除き、日曜日は営業してはならないと法律で決まっているのだそうです。 でも、お店などが閉るのは、日曜日だけではありませんでした。平日のお昼に郵便局に行ったところ、なんと、お昼休みでクローズ。お隣の銀行もクローズ。そのあと、中心街へショッピングに行ったら、これまた、どこもかしこもクローズ。ほとんどのところが、1時間半から2時間、お昼休みのため閉るのでした。どうやら、フランスは「お客様第一」ではなく、「働く人第一」の国のようです。 休みと言えば、バカンスのことを書かないわけにはいきません。フランスは世界で初めてバカンス法を制定した国で、年最低5週間の休暇を取る権利が法律で認められています。在仏20年の日本人の知人は「フランス人は5月に入ると働く気がしなくなるらしい」と言っていますが、確かに、フランス人のバカンスへの意気込みはかなりのもの。これだけ長い期間休めるのですから、わからないでもありませんが……。 バカンスシーズンになると、町の人口は目に見えて減り、レストランが1ヵ月間クローズというのも珍しくありません。ハイウェーでは何台ものキャンピングカーが走り、(長期休暇ゆえ荷物も多いのか)キャリングカーを付けた乗用車もたくさん見受けられます。中には、大きな縦長の箱を引っ張っている車もあります。その中身が馬だとわかったときはびっくり。まさに家族・動物総出でバカンスという感じです。 さて、まだまだ1週間の連続休暇がやっとの日本。有給休暇すら使いきれずに捨ててしまうサラリーマンに、年中無休のコンビニ。こういう日本をフランス人はどう思うのでしょう。 |
第1回 | 第3回 | 第4回 | 第5回 |
Copyright (c) 2002 BABEL and MOMO. All Rights Reserved.