一般路線バス
十和田南の車両
東北地方の国鉄バスは、青森、岩手、宮城、福島の4県は東北自動車部の管轄なので車種も共通性が高く、車両の転出入も頻繁でした。一方、秋田、山形の2県は信越自動車部の管轄なので、日産ディーゼルの車両が多いなど、東北自動車部とは一線を画していました。ここでは、十和田南線に使用されていた車両の一部を紹介します。
秋22あ1006
撮影:十和田南営業所(1986.5.3)
日本国有鉄道 日産デK-UA31L(1980年式)
秋田県には、岩手県では見られない日産ディーゼルの車両がたくさんありました。また、管轄する運輸局の違いからか、観光路線であっても2ドア車が多く地味な印象でした。もっとも、こうして見てみると、冷房付、エアサス車で、見た目よりもデラックスな装備であることが分かります。
車番は「538-0903」です。
秋22あ1526
撮影:十和田南営業所(1986.5.3)
日本国有鉄道 日産デP-U32L(1986年式)
落成したばかりの新車で、当時最新の5E型ボディです。岩手県内にもいすゞの同タイプの車両がありましたが、秋田の車両は大型方向幕で冷房付きなので、その分豪華に見えました。
車番は「538-6452」です。
熊22か1561
撮影:十和田南営業所(1986.5.3)
日本国有鉄道 三菱P-MP518N(1984年式)
路線シャーシに観光タイプの2ドアボディを乗せた国鉄独特の車両です。三菱ですが、車体は富士重工製で、この組み合わせも国鉄バスには多くありました。
ただ、この写真でそれ以上に面白いのは、この車両が熊本ナンバーだということです。九州の車両が、観光客輸送の十和田湖へ応援に来ているもので、国鉄ならではのものでした。そういうことなので、方向幕は入っていません。
車番は「534-4971」です。(注1)