廃車体は生きている

ロンドンバス2・・・飲食店以外

ロンドンバスの活用方法の多くが飲食店ですが、ここではそれ以外の目的で活用されているロンドンバスをまとめてみます。

物販店

古着屋
ロンドンバス

撮影:名古屋市(2008.5.4)

レイランド・タイタンPD2

角ばっている上、屋根がシルバーの蓋のような形状のロンドンバス。
このお店の公式サイトによると、アメリカのロサンゼルスの教会に置いてあった廃車体を譲り受けたものだそうです。お店の名前の由来はその辺にあるようです。
フロントグリル下部にはNAL159という登録番号が入ります。
英国では、サウス・ノッツ・バス・カンパニー所属だったようです。

自動車関連施設

自動車整備工場のシンボル
ロンドンバス

撮影:大津市(2010.11.3)

レイランド・タイタンPD2

自動車整備工場で看板の代わりの役目を果たしているロンドンバス。ワンサイドキャブですが、後ろの乗降口は4枚折り戸という形態です。窓や屋根の丸みがあるスタイルから、若干新し目の車両のように見えます。

自動車学校の待合所
ロンドンバス

撮影:釧路市(2016.6.12)

AECリージェントⅢ

自動車学校の前に置かれた真っ赤なロンドンバス。現在ではシンボルとして活用されているようです。
ナンバープレートはLYR732です。なお、ボンネット脇にKDS946との番号が書かれていますが、これはこの自動車学校の略称と地名の釧路を組み合わせているので、後から入れたもののようです。
最後部のドア付近は、出入りがしやすいように改造されています。

教習所の待合室
ロンドンバス

撮影:横浜市(2008.5.18)

AECルートマスターRM

自動車学校で3台まとめて待合室となっているロンドンバス。車両自体は変わりばえのしないルートマスターですが、色が明るいブルーに塗られているのが特徴です。方向幕なども待合室とその番号を表す文字に入れ替えられています。

パーティバス

パーティーバス
ロンドンバス

撮影:栗原大輔様(青梅市 2010.5.23)

AECルートマスターRM

マクドナルドのパーティーバスの中では唯一の“本物の”ロンドンバス。車体脇のベンチではドナルドがのんびりと寛いでいるほか、子供が記念写真を撮る仕掛けがいくつか作られています。
正面グリル下の登録番号はWLT632です。
元はロンドン・トランスポートの所属。

楽天生命パーク
メトロバス

撮影:仙台市(2019.9.14)

MCW メトロバス(1982年製)
メトロバス

撮影:仙台市(2019.9.14)

楽天イーグルスの本拠地である楽天生命パーク宮城で、イベントに使われるために設置されているオープントップの2階建てバスです。
公式サイトによると1982年製で、2009年からはロンドン市内観光バスとして使用されていたとのこと。2018年にイギリスから輸入しました。
車内外には、市内観光バス時代の料金表や文字が残されています。
ナンバーはMXT179です。

その他の利用法

農園レストランのロンドンバス図書館
ルートマスター

撮影:高知市(2022.8.6)

AECルートマスター
ルートマスター

撮影:高知市(2022.8.6)

ベーカリーショップのある農園レストランで、「ロンドンバス図書館」になっているルートマスター。パン屋さんで販売しているパンを食べたり、ドリンクを飲みながら、バスに用意された本を読めるという空間です。
1階には子供が乗物遊びに興じる事が出来るスペース、2階には飲食できるスペースが用意されています。
ナンバープレートはKGJ188A、個体番号はRM1619

ルートマスター

撮影:高知市(2022.8.6)

ルートマスター

撮影:高知市(2022.8.6)

緑のロンドンバス
ロンドンバス

撮影:西尾市(2021.8.27)

レイランド・タイタンPD3(1967年製)

愛知県西尾市の名産品である抹茶の色に塗られたロンドンバス。
紹介看板によると、2021年に地元のまちづくり会社「株式会社城下町PRIDE」が活性化のため、地元での手作業で補修したとのこと。元々は、幸田市に置かれていた車両です。ナンバーはLJF17F
今後、観光スポットとして、またテナントに入ってもらって活躍する予定とのこと。

西尾市

西尾市

西尾市

西尾市には、あらゆるものが抹茶の色に塗られています。
郵便ポストも抹茶色、カテキン堂にはポストを載せたトヨペットコロナ、そして西尾交通のタクシーも抹茶色でした。

かみなり村
ロデッカ

撮影:岐阜県(2021.8.27)

ブリストル・ロデッカ(1966年製)

福祉施設に置かれたロンドンバスで、施設のシンボルともなっています。施設内のカフェには「ロンドンバス亭」の名前もついています。
側面に小さく書かれて文字から、1966年製で、1987年まで本国で使用されたことが分かります。排気量は9800ccだそうです。
2012年に御殿場市から移設されたもので、ナンバーはKWR911D

白い恋人パークのシンボル
ロデッカ

撮影:札幌市(2023.6.9)

ブリストル・ロデッカ

札幌市にある白い恋人パークはロンドンの街並をイメージしていますが、その象徴とも言うべきロンドンバスが置かれていて、記念写真を撮ったり、車内で休憩したりできるようになっています。
ナンバーは501BTAですが、同じナンバーのロデッカが愛知県一宮市でレストランになっているため、こちらの方のナンバーはイミテーションだと思われます。

2階席
ロデッカ

撮影:札幌市(2023.6.9)

1階席
ロデッカ

撮影:札幌市(2023.6.9)

2階と1階の車内の様子です。
なお、ナンバー付のロンドンバスもあるようですが、移動販売車として使用されているため、この時には出会う事ができませんでした。

ロンドンタクシー
ロンドンタクシー

撮影:札幌市(2023.6.9)

ロンドンバスの隣りには、ロンドンタクシーも置かれています。こちらはナンバー付です。

ロンドンバスホテル
レイランド

撮影:白山市(2021.5.30)

レイランド・オリンピアン
レイランド

撮影:白山市(2021.5.30)

ロンドンバスをそのまま使ったホテル。2019年にオープンしました。
1階にダイニングや簡易キッチン、トイレ、シャワールームなどの水回りがあり、2階が寝室になっているそうです。
バスの後ろには英国国旗をデザインした自動販売機、バスの前には英国の電話ボックスが置かれ、雰囲気を盛り上げます。
車両は1980年代〜1990年代初めまでのモデルで、ボディはアレクサンダー製のようです。
ナンバーはH113 SAOです。

こども病院のシンボル
ロンドンバス

撮影:光市(2017.12.9)

AECルートマスターRM

こども病院のシンボルとして、病院の正面に置かれているロンドンバス。方向幕には「HUG TOWN」とか「BABY FRIENDRY HOSPITAL」とか書かれています。
病院の理事長さんが、小児科の診療所として使うために英国から買ってきたとのこと。エンジンは動くそうです(注2)
正面下部のナンバープレートはWSY353

観光酒蔵の休憩所
ロンドンバス

撮影:姫路市(2009.3.1)

AECルートマスターRM

酒蔵の駐車場に置かれたロンドンバス。2階は観光バス乗務員の休憩所、1階は一般客の休憩所になっています。後ろのドアは4枚折り戸になっていますが、これはオープンデッキを改造したものだと思われます。
行き先表示類はすべて撤去され、蛍光灯が覗くのみです。フロントグリル下部には796DYEという登録番号が入ります。

英会話スクール
ロンドンバス

撮影:四街道市(2011.12.9)

AECルートマスターRM

英会話スクールの看板代わりに使われているロンドンバス。こういう使い方は初めて見ました。車体には「ENGLISH MASTER」と書かれています。
正面下部の登録番号はMVS485、ボンネット脇の車両番号はRM1292と書かれています。

イングリッシュスクール
レイランド

撮影:堺市(2015.1.24)

レイランド・アトランティアン PDR1

英語スクールの看板代わりになっている2階建てバスです。
ほとんどの窓が白く塗りつぶされていますが、特に側面の窓は全体を塞いだ後に窓の形を白く描いてあります。
情報提供者によると、以前は同市内のレストランに使われていたそうです。また、ナンバーはCYS578Bだとのことです。
なお、学校の名前が「グレイハウンド・イングリッシュ・スクール」で、右に見える送迎車のカラーデザインがグレイハウンドと同じです。
(情報提供:Bob様)

サッカーチームのクラブハウス
ロンドンバス

撮影:横浜市(2011.5.14)

AECルートマスターRM

サッカーチームのクラブハウスとして使用されている黄色いロンドンバス。かつて湘南のホットドッグショップとして有名だった車両ですが、次の働き場所が見出されていました。

コミュニティFM局
ロンドンバス

撮影:今治市(2010.5.8)

レイランド・タイタンPD2
ロンドンバス

撮影:今治市(2010.5.8)

JAを中心にした商業施設の中のコミュニティFM局になっているロンドンバス。建物の間に頭を突っ込むような形で置かれており、全体像を拝むことは難しい状態ですが、前側に4枚折り戸の付いた車両です。
この商業施設のシンボルになるためには、もっと表側の目立つ所に置いてもらってもよかった気がします。

過去の物件

赤バス雑貨店
ロンドンバス

撮影:牧場主様(仙台市 2008.6.7)

AECリージェントⅤ(1967年製)

雑貨店の店頭に置かれたロンドンバス。以前別のお店だったときのサインもちょっと残っています。
方向幕などは抜かれていますが、登録番号KOW904Fが残ります。2階の正面窓下に小さな文字で「EMMA」と書いてありますが、これは会社名を意味するのでしょうか。その辺の細部は分からないことが多いのがロンドンバスです。
ドア側は後部がオープンデッキになった標準的な仕様で、そのオープンデッキ部分がお店の建物とつながっているようです。
(2019年10月、保管のため撤去)

パーティーバス
ロンドンバス

撮影:千葉市(2008.5.18)

AECルートマスターRM
ロンドンバス

撮影:千葉市(2008.5.18)

ショッピングセンターの一角に置かれたロンドンバス。主目的はパーティーバスですが、子供の遊具と化しています。
ちゃんと説明板があり、「1955年から1965年の間に2760台が製造され」、この車両はボンネットの番号により「1384番目」に作られたRM型であると書かれています。
後部は開き戸になっており、こちら側の2階部分と反対側の1階部分に非常口と思われるドアが増設されていることから、国内で運行された実績のある車両かもしれません。1990〜2000年頃には、虎ノ門でカフェになっていましたが、その時には非常口はありませんでした。
正面ナンバープレートには384CLTの登録番号が入っています。
元はロンドン・トランスポートの所属でした。
(情報がないため、撤去されたと思われます)

中古車ショップのシンボル
ルートマスター

撮影:しばとら様(御殿場市 2011)

AECルートマスターRM

中古車販売店のシンボルとなっていたロンドンバス。色はきれいに塗り直され、ロンドントランスポートのマークもついています。ナンバープレートは未補修でナンバーが読み取れませんが、ボンネット脇の車両番号はRM496とのことです。
(2011年に横浜の雑貨店に移動、2013年頃には栃木県那須町の輸入雑貨店に移動、その後閉店しています)

中古車ショップの倉庫(参考掲載)
RL100

撮影:しばとら様(御殿場市 2011)

日野 RL100

上のルートマスターと同じ店で、倉庫として使用されていると思われる中型バス。ロンドンバスとイメージを合わせるため、赤に白帯に塗られ、ロンドントランスポートのマークすら入っています。
車両は、日野の中型バス。後部が補修されてエンジン通気孔がありませんが、フェンダーの形状などから初期のRL100と思われます。前後に付けられたダミーのナンバープレートの1032は何を表すのでしょう。
(2013年7月に場所移動を確認)

中古車ショップのシンボル
ロンドンバス

撮影:御殿場市(2011.5.14)

ブリストル・ロデッカ(1966年製)

中古車販売店の店先に置かれた2階建てバス。車名のロデッカが強調された装飾となっています。
車両はフロントエンジンのワンサイドキャブですが、窓の大きい明朗なスタイルです。
正面のグリル下にはKWR911Dの登録番号が書かれています。
(2012年に、岐阜市の福祉施設に移動しました)

バス会社の事務所
ロンドンバス

撮影:一宮市(2007.11.17)

AECリージェントⅢ

観光バス会社の事務所として使われている2階建てバス。バス会社のシンボルとしての赤い2階建てバスは効果抜群かもしれません。後部のオープンデッキの部分に、事務所玄関を新設しています。
車両は沖縄のカフェバーと同形のように見えます。側面のマークはロンドントランスポートのマークにも似ていますが、横棒が長いようです。
(2016年に、常滑市への移動を確認)

外車販売店事務所
ロンドンバス

撮影:東大阪市(2008.9.23)

ダイムラー・フリートラインCRG6LXB
ロンドンバス

撮影:東大阪市(2008.9.23)

外車販売店の事務所として使われている2階建てバス。4枚折り戸の前ドアと、リアエンジンと言う組み合わせが年式の若さを感じさせます。車体はアレクサンダー製。
色はライトグリーンに塗られていますが、元は通常の赤色でお店のイメージカラーに合わせて塗り替えられたようです。
正面グリル下にはNWA250Kの登録番号が入っています。
(注3)
(2014年現在、店舗ともども姿を消しています。)

注意事項
本ページは、「廃車体は文化遺産である」という趣旨によって作成しております。当サイトを訪れる方は、この趣旨を御理解いただける方だと思いますが,万が一,本ページの悪用による廃車体への損傷等があった場合は,本ページ及び関連する事項は即刻削除いたします。
用語について
AEC (Associated Equipment Company) ・・・ アソシエード・エクイップメント社。イギリスで2階建てバスを生産していた自動車メーカー。
レイランド (Leyland) ・・・ イギリスで2階建てバスを生産していた自動車メーカー。
ブリストル (Bristol) ・・・ イギリスで2階建てバスを生産していた自動車メーカー。
ディムラー (Daimler) ・・・ イギリスで2階建てバスを生産していた自動車メーカー。
リージェント (Regent) ・・・ AEC社製の2階建てバスの車名。
ルートマスター (Routemaster) ・・・ AEC社製のフロントエンジン式2階建てバスの車名。1959〜68年に2760台がロンドンに納車されているそうです。
タイタン (Titan) ・・・ レイランド社製のフロントエンジン式2階建てバスの車名。
アトランティアン (Atlantean) ・・・ レイランド社製のリアエンジン式2階建てバスの車名。
ロデッカ (Lodekka) ・・・ ブリストル社製のフロントエンジン式2階建てバスの車名。
VR・・・ ブリストル社製のリアエンジン式2階建てバスの車名。
フリートライン (Fleetline) ・・・ ディムラー社製の2階建てバスの車名。
(注2)
2014年の病院の建て替えの際、このバスの移動を請け負った大森運送の公式サイトによる。
(注3)
当初「レイランド・アトランティアンPDR」と記載していましたが、Bob様のご教示により「Daimler Fleetline CRG6LXB」であることが判明した。
ページ上部へ戻る
メニュー

80s岩手県のバス“その頃”