廃車体は生きている

飲食店等

「バスラーメン」は全国に相当数あることが分かりましたが、ラーメン店以外のお店にバス廃車体を活用する例はなぜか多くありません。
ここではそんな数少ない事例の中から、ラーメン屋以外の飲食店に利用されている廃車体を集めました。なお、ロンドンバスを使用した店舗は「ロンドンバス」の項目にまとめてあります。

定食屋「場巣」(閉店)    琴平参宮電鉄 日野RC320P、RE120
RE120

撮影:三富市(2022.8.6)

バス2台を活用した定食屋で、その名も「場巣(ばす)」。マスメディアでも有名なお店でしたが、残念ながら、閉店してしまったようです。
バスの中だけでなく、外でも食事ができたようで、櫓のような屋上が作られています。今でも「ギョーザ」「ワンコイン定食」「鳥の足」などの看板が出たままです。
車両は2両とも琴参バスで、手前のバス窓は前後ドアの路線車で、奥のメトロ窓は格下げ車で、やはり前後ドアになっているようです。

場巣

撮影:畦道ノスタルヂィ様(三富市 2018.5.4)

場巣

撮影:畦道ノスタルヂィ様(三富市 2018.5.4)

奥にあるメトロ窓の車両は、座敷になっています。写真は、後ろ側から前側を見たところ。
また、そのボリュームが人気だったという唐揚げ定食。

SUGA CAFE(スガカフェ)
DB100

撮影:上田市(2018.8.19)

トヨタDB100

かつて「カンカン号」という名前がついていたボンネットバスが、お洒落なカフェに生まれ変わっていました。
お店で買ったスィーツを車内で食べるという仕組みです。
記念写真のスポットとしても人気です。

カントリーキッチン風見鶏
RL320

撮影:富良野市(2018.7.23)

自家用 日野RL320

スキー場のホテルなどが立並ぶ幹線道路沿いの一角にある洋食屋さんに、黄色い中型バス。お店の目印でもあり、また車内で食事もできるようになっています。
壺焼カレー、チーズフォンデュなどの文字が、木材を使った看板類に並びます。

やき鳥 鳥政
B805N

撮影:苫小牧市(2018.11.9)

苫小牧市交通部 三菱B805N

焼き鳥屋さんの建物に完全に取り込まれてしまったバス。
呉羽自工の1973年以降のボディですが、窓下には「ISUZU」のロゴが付けられ、前照灯も新しいパーツに付け替えられています。ナンバープレートのようなものもついています。
このエリアでは、苫小牧市交通部で呉羽ボディが見られましたが、前面だけだと、判別は困難です。正面窓が2枚ガラスなので、観光タイプと推定。

鴨料理店 京成電鉄 三菱K-MP118M(1982年式)、千葉交通 いすゞBU05
MP118M

撮影:栄町(2018.11.22)

2台のバスを使った鴨料理店。バスの車内が座敷になっていて、団体客を受け入れられるようになっているとのこと。中央の建物部分が厨房です。
京成電鉄の富士重工ボディと、千葉交通の北村ボディの並びです。カラーデザインも特に手は加えていません。

バスのBAR
MS513R

撮影:横浜市(2012.5.12)

三菱MS513R

港町横浜の岸壁に止まっているレストラン・バー。濃紺に塗られたバスには、金文字で店名などが書かれており、窓からは不思議な店内空間が見え隠れします。
知る人ぞ知る店で、夜には店を開けるそうです。
車両は長尺のセミデッカー。屋根は雨漏り防止のためかシートが張られています。
型式は推定。
(2018年6月に、所在地を移動したそうです)

パキスタン料理の店
RC300

撮影:川崎市(2008.2.16)

日野RC300(1976年式)

京浜運河と東京湾に囲まれた川崎港の物流基地の一角に、自家用バスの廃車体。
見た当時思ったのはそれだけです。しかし、聞いたところによると、パキスタン料理の店とのこと。
確かに、ボディには「Lunch」とか「300\」とか書いてあります。知らないと単なるいたずら書きにしか見えません。窓には見慣れない文字の張り紙と、日本人に対してなのか「店を開きます。車を止めないでください」という注意書きも。
(撤去済み)

やきとり屋
RE100

撮影:徳島市(2013.3.2)

徳島バス 日野RE100

桜の名所の道路際に置かれたバスが「やきとり」の看板を上げていました。桜のシーズンに営業するのでしょうか。
金産ボディの車両で、側面最前部の窓のスタンディーウインドウに「徳島バス」の社名があります。

バスの居酒屋
MS613S

撮影:徳島県(2013.3.2)

山口市交通局 三菱K-MS613S(1982年式)
MS613S

撮影:徳島県(2013.3.2)

建物の間にある水路の上のスペースに押し込まれた観光バスは、もつ鍋の店。
正面の大きな方向幕が特徴的ですが、特急バスなどに使用されていた車両で、側面にも方向幕を持ちます。どうしてこの地に流れてきたのかは分かりません。

バスのカラオケ屋さん
CJM500

撮影:松原市(2009.12.31)

金剛自動車 いすゞK-CJM500

「バスのカラオケ屋さん」という看板が出ています。正面と側面の方向幕のガラスには「酒処」の文字が入っています。前ドアのところがシャッターになっていますので、「出口」表示がありますがこちらを入口として使用しているのだと思います。
前事業者名は、現在ある場所や車両仕様などから推察しました。

喫茶・軽食「BUS STOP」
RC301

撮影:ヒツジさん様(飯山市 2004.3.27)

川中島バス 日野K-RC301(1982年式)

軽食・喫茶「BUS STOP」。中ドアにアルミサッシのドアが設置されているほか、方向幕がお店の看板として使われています。側面方向幕には「営業中」と表示されています。「エビスタ西宮」のバスショップを連想しますが、多分こちらのほうが先輩です。外装全体もこぎれいに塗り直されており、廃車バスの活用法の好例だと思います。
RC301 元を正せば京王帝都電鉄の車両。
(2010年には撤去を確認)

居酒屋「BUS」
MP118M

撮影:高崎市(2009.11.28)

群馬中央バス 三菱P-MP118M(1984年式)

元々アメリカをイメージしたバーだったせいで星条旗のデザインになっているお洒落な居酒屋。中で建物とつながっています。
車両は群馬中央バスで使用されていたものですが、ドアガラスの位置が独特な呉羽ボディ製。神奈川中央交通から譲受した車両で、群馬中央バスで方向幕の大型化改造などを行いました。
ブルドッグ 「雑貨屋ブルドッグ」の敷地内にあるというのも何かの縁でしょうか。
(2010年には撤去を確認)

ピザ屋
MK116J

撮影:多古町(2010.2.13)

千葉交通 三菱K-MK116J

ピザ屋さんになったバス。前のほうは建物の中に隠れています。後ろドアが開き戸に交換され、ここがお店の出入口になっています。戸袋の中に「営業中」の看板があるのに、出入口表示に「しめきり」と書かれているのはちょっと残念。
車体のカラーは商品のパッケージにも使われるこの店のイメージカラーのようです。
(2015年1月に撤去を確認。店舗は新築した建物に移っていました)

健康食品の店
U31LA

撮影:旅男K様(北九州市 2010.1.10)

北九州市交通局 日産デK-U31LA
U31LA

撮影:旅男K様(北九州市 2010.1.10)

ハーブなどの食料品を扱っていると思われるお店で、バスの中が厨房になっているとのことです。
緑色1色に塗られた車両は、前後を簾に覆われてよく見えませんが、西日本車体の最終期のモノコックボディ。正面は大型方向幕で、中ドアは4枚折り戸。西鉄バスにも存在した仕様ですが、出入口表示が表示板外付けなので、北九州市交通局だと思われます。

観光ヤナ場の厨房
LV314K

撮影:下呂市(2010.8.29)

岐阜市交通部 いすゞP-LV314K
LV314K

撮影:下呂市(2010.8.29)

下呂温泉近くの飛騨川沿いで、採れ立ての鮎を焼いて食べさせる観光ヤナ場にバス廃車体を見つけました。
左写真は外側から見たところ。大型テントの中に2台のバスが互い違いに並べられているのが分かります。初期のいすゞキュービックです。2台のバスはドア側が向かい合うように並べられ、その間にホームのようなデッキが設けられ、従業員の出入が容易なように作られています。
右写真は外側と店内。まさかこの中にバスが隠されているとは思いもよらない大型テント。その中でお客が焼き立ての鮎を味わっています。

居酒屋
HT2MPAA

撮影:茅野市(2017.3.11)

千葉海浜交通 日野U-HT2MPAA

3扉の路線バスを使った居酒屋です。中ドアが出入口になっており、提灯や灯りがぶら下げられています。前と後ろのドアの所には地元の日本酒銘柄の幟を立てて、呑兵衛を誘っています。さらに正面の方向幕の場所には「ホロ酔行き」の文字が。
前ドアの後ろドアの横の窓に方向幕の形跡がありますので、元は千葉海浜交通の車両だと思われます。正面の日野のマーク、側面の日野ボディのプレートは後で取り付けられたものでしょう。

注意事項
本ページは、「廃車体は文化遺産である」という趣旨によって作成しております。当サイトを訪れる方は、この趣旨を御理解いただける方だと思いますが,万が一,本ページの悪用による廃車体への損傷等があった場合は,本ページ及び関連する事項は即刻削除いたします。
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80s岩手県のバス“その頃”