バス廃車体全国版

長野県5(千曲バス)

長野県ある千曲バスの廃車体です。
千曲自動車は、上田市、小諸市、佐久市など東信地区と呼ばれる長野県東部を営業エリアとするバス事業者で、1983年に千曲バスに社名を変更しています。独立資本でしたが、1988年に東京のグリーンキャブの傘下に入っています。
いすゞ、日産ディーゼル、三菱の3メーカーの車両が中心で、ボディも北村、富士、呉羽などが見られます。かつては梁瀬自動車のボディもあったようですが、さすがにそんなボディの廃車体は見つかっていません。

廃車体
ボンネットバス

撮影:ヒツジさん様(真田町 2004.4.3)

千曲自動車 ボンネットバス
ボンネットバス

撮影:ヒツジさん様(真田町 2004.4.3)

千曲自動車のボンネットバスの廃車体。ボンネット部分は欠落し、車体にはかなり錆が進んでいます。
ボンネットがないためシャーシメーカーは不明、車体メーカーについても色々な本をめくってみたのですが、同じものは見当たりません。丸みの大きいフロントガラスや、大きなスタンディーウィンドウが特徴でしょうか。もっとも、この時代のボンネットには改造車なども存在するので、推測は難しいのかもしれません。
小型の方向幕とその両脇の明かり窓の形状は、1950年代前半の特徴のようです。
(撮影者によると、2005年5月現在撤去済み)

廃車体
R280

撮影:ヒツジさん様(真田町 2004.5.29)

千曲自動車 三菱R280
R280

撮影:ヒツジさん様(真田町 2004.5.29)

千曲自動車のツーマン車ですが、見慣れない傾斜窓と後面2枚窓は、呉羽車体が独自路線を貫いていた頃のスタイルです。
エンジンルーム付近はほとんど失われていますが、側面に三菱のプレートがあり、正面にもおなじみの三菱のエンブレムの形跡が残っています。恐らくフレーム付リアエンジンバスのR200系列。窓の数からR280と推察します。
(2010年7月に撤去を確認)

廃車体
R280

撮影:ヒツジさん様(小諸市 2004.7.7)

千曲自動車 三菱R280
R280

撮影:ヒツジさん様(小諸市 2004.7.7)

上の車両と同じ物と思われる車両が、もっといいコンディションで残っていました。
後部のエンジン点検蓋には、シャーシのものと思われるMITSUBISHIのプレートが残っています。
なお、この車両、千曲バスのカラーの上に手塗りで別のカラーを塗った形跡があります。
(2010年7月に撤去を確認)

廃車体
R280

撮影:佐久市(2005.9.17)

千曲自動車 三菱R280
R280

撮影:佐久市(2005.9.17)

呉羽ボディのツーマン車。傾斜窓からモデルチェンジを図り、新三菱ボディに歩み寄った最初のスタイルです。上の2枚の次のモデルで、正面スタイルから傾斜がなくなりました。ただし後面のスタイルやエンジン通気孔はまだ前世代(上の千曲自動車)と変わらないようです。なのでR200系列と推察しました。はっきりした根拠はありません。
窓が板でふさがれるなどで、原型がよく分かりませんが、「クレハコーチ」のプレートが側面に残っています。
(2011年7月に撤去を確認)

廃車体
RF101S

撮影:ポンコツ屋赤木様(長野県 2016.5.10)

千曲自動車 民生RF101S
RF101S

撮影:ポンコツ屋赤木様(長野県 2016.5.10)

こういうものが隠れているんですね。
富士重工のR11型ボディ自体珍しいのですが、これは日産ディーゼルの前身である民生デイゼルのシャーシを持つ「コンドル号」。2サイクルのUDエンジンを横置きしたリアエンジンバスです。側面最前部に「UD」のバッジが見えます。後の日産ディーゼル4R系の前身ではありますが、エンジン配置の違いから、後ろ面の通気孔の形も大きく異なります。
窓配置などから、WB5,300mmのRF101Sと推定。そうなると、年式は1959〜60年になるようです。

廃車体(長2あ2780)
BA741

撮影:ポンコツ屋 赤木様(長野県 2013.5.1)

千曲自動車 いすゞBA741(1962年式)

富士重工R11型ボディの廃車体。中ドアは折戸のツーマン車。
この種のボディが現存していること自体貴重なのですが、この廃車体は、ある意味で有名だそうです。
それは、正面のいすゞエンブレムや前照灯の配置からいすゞ車であることは明白であるにもかかわらず、車内の富士重工の銘板が民生「コンドル」の型式を示しているとのこと。製造時からなのか、途中で変わったのかは不明です。

廃車体
BA741

撮影:ヒツジさん様(群馬県 2004.11.3)

千曲自動車 いすゞBA741

北村製作所の丸型ボディ。ウィンカーが丸型で、ヘッドライトの位置が低い初期型です。1961年式くらいと思われます。
窓ガラスはすべて割られた状態で山中に放置されている感じです。

廃車体
BA741

撮影:ヒツジさん様(望月町 2004.7.19)

千曲自動車 いすゞBA741
BA741

撮影:ヒツジさん様(望月町 2004.7.19)

民家の片隅に置かれたツーマン車の廃車体。ヘッドライト2灯なので1963年式くらい。富士重工R13ボディの最初期のものです。正面窓上には水切りが見えますが、千曲バスの仕様でしょう。

廃車体
BA741

撮影:Kj様(長野県 2015.1.26)

千曲自動車 いすゞBA741
BA741

撮影:Kj様(長野県 2015.1.26)

千曲バスの中ドアツーマン車です。上にある車両とよく似た仕様ですが、こちらは前照灯4灯で、側面のエンジン通気孔の形状がL字形なので、1966〜67年式くらいだと思います。
なお、前後とも標識灯がヒサシに組み込まれています。後面に方向幕はありません。

廃車体
BA20

撮影:ヒツジさん様(小諸市 2004.2.28)

千曲バス いすゞBA20(1967年式)

1966年以降のボディで、ツーマン車として製造され、ツーマン車として一生を終わった車両です。この時代までは、北村製作所製ボディはまだ各地のバス会社で見かけることが出来たものです。
北村のボディと言うと、何か古いスタイルと言うイメージが強いようですが、前後の方向幕を完全に枠内に収めたボディを発表したのは、北村製作所のこのスタイルが最初です。
(2011年7月に撤去を確認)

廃車体
BA20

撮影:川上村(2005.11.5)

千曲バス いすゞBA20(1967年式)

上の車両とたぶん同じ形。北村ボディのツーマン車です。

廃車体
BA30

撮影:川上村(2005.9.17)

千曲バス いすゞBA30

1965年以降、川崎ボディは斬新なサッシ窓を取り入れ、他メーカーに差をつけます。これは千曲バスの車両で、前中折り戸。
非常口が開閉式の2段窓になっていますが、川崎のこの時期のボディには散見された仕様です。
(2011年7月に撤去を確認)

廃車体
B806M

撮影:ヒツジさん様(望月町 2004.7.24)

千曲自動車 三菱B806M

千曲バスの観光バスの廃車体。観光バス専用カラーに塗られています。
富士重工R13型初期スタイルの観光型のリア面は、このようになります。年式は1967〜69年。型式は推定です。

廃車体
B806L

撮影:長野県(2006.9.7)

千曲バス 三菱B806L
B806L

撮影:ポンコツ屋赤木様(長野県 2016.5.11)

千曲バスの貸切バス廃車体です。富士重工ボディの三菱車で、後面スタイルは窓の大きい1970年以降の形をしていますが、FOHが短い1971年までのシャーシ。型式も推定です。
私が前側の写真を撮ってから10年以上後の画像をポンコツ屋赤木さんからいただいていました。老朽度合いはそれほど変わっていません。

廃車体
5RA106

撮影:畦道ノスタルヂィ様(長野県 2022.5.9)

千曲バス 日産デ5RA106

千曲バスの観光バスです。後面のエンジン通気孔の位置、形状から4R系であることが分かります。後面窓が大型化された1970年以降のスタイルなので、型式を推定。出力や長さにより、6RA111など、異なる型式かも知れません。

廃車体
B806N

撮影:長野県 (2021.5.22)

千曲バス 三菱B806N

千曲バスの観光バスで、1980年代カラーに塗り替えられています。後面のエンジン通気孔から三菱B8であることが分かりますので、型式を推定しました。
情報提供:ポンコツ屋赤木様

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