入門その頃のバス

7mサイズ小型観光バス

シャーシ 1980年代後半から、中型バスと共通イメージを持つ全長7m未満の小型観光バスが登場しています。全長は小型バスと変わりませんが、車幅は約2300mmの中型サイズを確保しています。隙間市場として人気を博した仕様です。
これは、小規模貸切バス会社やレンタカー業者などに好んで購入されています。それまでのマイクロバスでは見劣りするため、中型バスに近い外観と居住性を確保して商品価値を上げようという目的があったものと思われます。
ここで対象とするのは、基本的に前ドア設置が可能で、ハイデッカータイプなどの設定がある車種とします。
1986年にいすゞ、三菱、1987年に日野が市場に投入しています。日産ディーゼルはかなり遅れて1994年に「スペースランナー7」を発売しています。


いすゞ ジャーニーQ 1986-1995

表5-13-1 いすゞ ジャーニーQ MR/GR
年式1986-19881989-19901990-1995
原動機型式
(出力)
6BG1
(175PS)
6BG1
(180PS)
6HE1
(195PS)
軸距3230mmP-MR112DP-MR112DU-MR132D
3750mm  U-GR432F
(1991〜)
備考 
ジャーニーQ MR 1986-1995
いすゞP-MR112D(1988年式)
MR112D

画像:いすゞ自動車公式カタログ(1988年発行)

1986年に小型バス「ジャーニーQ」をフルモデルチェンジしたもので、フレーム付フロントエンジンのままで前ドア設置を可能にした、全く新しいタイプの小型バス。従来のモデルより車幅を大きくとり、リアオーバーハングにトランクの設置も可能にしました。大型観光バス「スーパークルーザー」と共通イメージを持つボディスタイルとなっています。
画像は、スィングドア、スモークガラスの「ハイカスタム」。

いすゞP-MR112D
MR112D

撮影:長野県(2018.8.12)

こちらは平床で、非冷房の「スタンダード」。立席付の45人乗りで、大型ナンバーとなっています。
1990年に平成元年排ガス規制に対応してU-MR132Dとなりますが、1991年にミッドシップエンジンのGRが登場すると、主軸はそちらに移り、平成6年排ガス規制への対応はせずに、1995年で生産は終わりました。
(路線バスタイプは、小型バスの項目で解説します)

1989年に、床面に傾斜をつけ、屋根に大きな段差をつけた「ロイヤルデッカー」が登場します。後部が大きくせり上がった外観はインパクトがあり、横並びだった小型バスの差別化に寄与しました。

全長・・・6,990mm、全幅・・・2,295mm

ボディの組み合わせ・・・北村

自家用 いすゞP-MR112D
MR112D

撮影:farewell song様(旭村 2004.6)

ジャーニーQ GR 1991-2001
自家用 いすゞU-GR432F
GR432F

撮影:長谷川竜様(釜石市 2014.6.21)

1991年にミッドシップエンジンのGRが登場します。これまでのフロントエンジンのMRに比べ、出入口や客室スペースを広く取れるなどのメリットがあります。車幅も大型車並みの2,470mmに広がりました。ハイデッカーのみの設定です。
外観的には、角形2灯式ヘッドランプを採用し、1994年以降の大型観光バス「スーパークルーザー」を先取りしたスタイルになっています。
1995年のマイナーチェンジ後は、同じボディスタイルでいすゞバス製造のボディに変わっています。

全長・・・6,990mm、全幅・・・2,470mm

ボディの組み合わせ・・・北村、いすゞバス製造

三菱 エアロミディ 1986−2007

表5-13-2 三菱エアロミディ
年式1986-19881988-19901990-1993
原動機型式
(出力)
6D15
(175PS)
6D16
(185PS)
6D16
(185PS)
軸距3510mmP-MK126FP-MJ117F/MJ527FU-MJ117F/MJ527F
備考MJ527=前輪独立懸架エアサス 
エアロミディMK 1986 - 1988
新潟交通西 三菱P-MK126F(1987年式)
MK126F

撮影:樋口一史様(潟東営業所 2004.5.8)

1986年に三菱が発売した7mサイズの貸切バスは、中型バスMKをベースにエンジンを横置きしたものです。ボディスタイルはMKと同じですが、メトロ窓3枚という窓配置が特徴。
発売当初から「エアロミディ」の愛称がつけられていました。

全長・・・6,990mm、全幅・・・2,290mm

ボディの組み合わせ・・・呉羽

エアロミディMJ 1988 - 2007
越後交通 三菱U-MJ527F(1993年式)
MJ527F

撮影:十日町営業所(2014.11.15)

1988年のモデルチェンジで、中型バスMKと同時に丸みのあるボディに変わり、またクラス初の前輪独立懸架エアサスの設定を加え、7mサイズ貸切車に大型バスに匹敵するサービスを可能にしました。
この世代から「エアロミディMJ」という愛称となり、中型バスの「エアロミディMK」と区別されています。
写真は、ハイデッカータイプでリクライニングシートを備えた「エクシード」タイプ。

ヒノヤタクシー 三菱P-MJ527F(1988年式)
MJ527F

撮影:ソルティドッグ様(鶴岡市 2013.11.16)

こちらは標準車高の「ロイヤル」タイプ。
正面窓は2枚ガラス、側面窓も開閉式になっています。

自家用 三菱U-MJ117F
MJ117F

撮影:山中湖村(2011.7.23)

こちらは自家用バスなどに使われる「デラックス」タイプ。
ヘッドライトは丸型4灯で、折り戸、ローバックシートという仕様です。

全長・・・6,990mm、全幅・・・2,290mm

日野 レインボー7M/7W 1988−1998

表5-13-3 日野レインボー7M/7W
年式1988-19901990-1995
原動機型式
(出力)
W04C
(165PS)
W06E
(165PS)
W04C
(165PS)
HO7D
(195PS)
軸距3530mm  U-RH1WFBA(1991〜) 
3670mmP-RH160AA U-RH1WFAA(1990〜91) 
3710mm P-CH160AA U-CH3HFAA
備考RH=リアエンジン、CH=ミッドシップエンジン
岩手急行バス 日野P-CH160AA
CH160AA

撮影:長谷川竜様(本社営業所 2014.9.27)

日野自動車は1987年に、小型観光バス2車種を発売しています。
一つはホイールベース間にエンジンを縦置き直立搭載し、ハイデッカー構造とした「レインボー7M」で、その構造から前ドアの設置と床下トランクの設置を可能にしています。
若干丸みを帯びたボディにバンパーと一体化した角型2灯を組み合わせたスタイルは、まもなく中型バスRJ/RRにも採用されます。

全長・・・6,990mm、全幅・・・2,300mm

自家用 日野U-RH1WFAA
RH1WFAA

撮影:長谷川竜様(八幡平市 2013.6.1)

1987年に発売された小型観光バス2車種のうち、後部にエンジンを置き中ドア方式をとった「レインボー7W」です。こちらは路線バスへの展開も想定しており、床は高くありません。

全長・・・6,990mm、全幅・・・2,300mm

自家用 日野U-RH1WFBA
RH1WFBA

撮影:山中湖村(2015.10.17)

1991年に前ドア対応にモデルチェンジされ、外観的には「レインボー7M」に近くなりました。ただし、全高はハイデッカーの「レインボー7M」より200mほど低くなっています。側面最後部にエンジン通気孔がある点も見分けられる部分です。
前中ドアの路線バス仕様もあります。
1998年に「メルファ7」にモデルチェンジされています。

全長・・・6,990mm、全幅・・・2,300mm

日産ディーゼル スペースランナー7 1994−2003

表5-13-4 日産ディーゼル スペースランナー7
年式1994-19951995-1999
原動機型式
(出力)
FE6TA
(235PS)
FE6E
(195PS)
FE6TA
(235PS)
軸距3650mmU-EN210DANKC-EN211DANKC-EN250DAN
備考EN211DAN=西工ボディ、EN250DAN=富士重工ボディ
日産ディーゼル U-EN210DAN
EN210DAN

画像:日産ディーゼル公式カタログ(1994)

日産ディーゼルが初めて製造した小型バスで、クラスでは最後の参入となります。
日野と同じミッドシップエンジンで、縦置きエンジンを採用する富士重工製ボディと横置きエンジンを採用する西工ボディの2種類が存在します。
商品名は中型車と同じ「スペースランナー」で末尾に長さを表す7が付きます。

全長・・・6,990mm、全幅・・・2,320mm

ボディの組み合わせ・・・富士、西工

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80s岩手県のバス“その頃”