入門その頃のバス

西日本車体(中型バス)

ボディ 西日本車体では、1981年から中型バスのボディ製造を開始しています。当初は、川重車体工業との提携での製造でしたが、1984年からは自社製大型バスをベースとしたオリジナルスタイルとなり、シャーシ4メーカーに架装するようになりました。その後も大型バスと足並みをそろえてモデルチェンジされ、2010年の会社解散まで生産が続きました。
なお、1988年に日産ディーゼル「スペースランナー」専用のボディが登場しています。このボディは、デラックス観光バスのハイデッカーと路線バスの低床車用に差別化が図られ、2004年まで生産されました。



川重型 1981−1983

西日本鉄道 いすゞK-CCM410(1981年)
西日本鉄道

画像:西日本車体公式カタログ(1982)

西日本車体では、1981年に西日本鉄道向けに初めての中型バスの生産を始めますが、川重車体工業の図面によるノックダウン生産であるため、外観は川重と区別がつきません。

シャーシの組み合わせ・・・いすゞ

B型

58MC 1984-1996
一畑バス いすゞU-LR332J(1994年式)
一畑バス

撮影:松江駅(2016.5.28)

1984年より、中型バスは西日本車体独自設計となり、大型バスB型を基本にしたスタイルになりました。併せて、4メーカーのシャーシとの組み合わせが可能になりました。
写真は、側窓の上下寸法が拡大された後期の車両。

熊本バス いすゞKC-LR333J(1996年式)
熊本バス

撮影:熊本交通センター(2018.11.28)

こちらは逆T字窓を採用した車両。
中型バスは前面窓が左右同じ大きさのB-Ⅰ型になります。

シャーシの組み合わせ・・・いすゞ、日産デ、日野、三菱

96MC 1996-2007
西日本鉄道 いすゞPA-LR234J1(2006年式)
西日本鉄道

撮影:西鉄久留米駅(2024.3.22)

大型バスと同じく、B型は1996年にモデルチェンジを行い96MCという、前照灯がバンパーに組み込まれたスタイルに変りました。

西武高原バス 日産デPB-RM360GAN(2007年式)
西武高原バス

撮影:軽井沢駅(2017.3.11)

96MCの中で、中ドア引き戸の一例。戸袋窓が上部の雨樋まで達していないため、他の車体メーカーと比べると、窓周りにボディカラーが目立つのが特徴です。

シャーシの組み合わせ・・・いすゞ、日産デ、日野、三菱

07MC 2007-2010
亀の井バス いすゞPDG-LR234J2(2009年式)
亀の井バス

撮影:別府駅(2018.10.17)

2007年に西日本車体で最後になるモデルチェンジを中型バスのみ実施しました。
見た目はこれまでの96MCとほとんど変わりませんが、側窓のサッシレス化や扉上部のRが大きい点などで区別できます。
(注1)

加越能バス 日産デPDG-RM820GAN(2010年式)
加越能バス

撮影:金沢駅(2018.10.10)

こちらは中ドア引き戸の車両。戸袋窓が拡大されており、外観的には変化がよく分かります。
このボディは、最終期の「スペースランナー」(RM/JP820)とそのOEM供給車である三菱「エアロミディ-S」に架装されるほか、一部いすゞ車への架装例があります。

シャーシの組み合わせ・・・いすゞ、日産デ、三菱

スペースランナー 1988−2004

富山地方鉄道 日産デKK-RM252GAN(2001年式)
富山地方鉄道

撮影:富山駅(2016.4.23)

熊本都市バス 日産デKK-RM252GAN(2000年式)
熊本都市バス

撮影:熊本交通センター(2018.11.28)

1988年に、日産ディーゼルの「スペースランナー」RBの専用ボディスタイルが西日本車体で用意されます。フレーム付で窓の大きい斬新なボディスタイルを実現しました。
初期モデルでも一部ワンステップ化を実現するなど低床化を進めたモデルでしたが、1998年にはクラス初のノンステップ車に採用されています。

自家用 日産デKK-RM252GAN
スペースランナー

撮影:山梨県(2021.4.24)

「スペースランナー」の観光用・自家用ボディは、路線バスと同じ前面スタイルですが方向幕はなく、側面窓は横引き窓(上部固定)になります。

自家用 日産デU-JM210GAP
スペースランナー

撮影:北海道(2022.6.11)

「スペースランナー」の観光用超デラックス仕様は、ハイデッカーになるとともに、前面窓や側面窓にカーブドガラスを採用し、標準タイプ以上に近未来的なフォルムを実現しました。1988年の通産省グッドデザイン賞を受賞しています。
1999年のJM252へのモデルチェンジの際、マスクの形状を富士重工の大型観光バスに似た形状に変更しましたが、2004年のモデルチェンジでハイデッカーが廃止されたことで、このスタイルも姿を消しました。

シャーシの組み合わせ・・・日産デ

F型 2004−2010

日産デPB-RM360HAN
スペースランナー

画像:日産ディーゼルカタログ(2004)

2004年の日産ディーゼルRMのモデルチェンジの際、観光バス用のツーステップボディF型が登場しました。
これまでの「スペースランナー」専用ボディを踏襲したかのようなスタイルですが、マスクは96MCと同形になりました。
2007年以降は、三菱ふそうへのOEM車にも採用されています。

シャーシの組み合わせ・・・日産デ、三菱

(注1)
07MCについては、Webサイト西日本車体資料館を参考にした。
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80s岩手県のバス“その頃”