その後の廃車体

八戸市交通部1(いすゞ)

青森県八戸市の八戸市営バスの廃車体をまとめてみます。
現在では一部に民間譲渡が始まるなど、各地の公営バスと同様の傾向が見られる八戸市ですが、かつては東北地方では珍しい前後ドア車の採用や冷房車の導入などこだわりが見られたものです。

廃車体
BA741

撮影:八戸市(2023.10.13)

八戸市交通部 いすゞBA741

公園の廃車体が、塗り替えられて、さらにそこから数年を経た状態で残されていました。

廃車体
BA741

撮影:牧場主様(八戸市 2006.5.12)

八戸市交通部 いすゞBA741
BA741

撮影:牧場主様(八戸市 2006.5.12)

その出で立ちから異様さが際立っている廃車体。車体の下半分が鉄板で覆われておりフェンダがふさがれています。同様に後部のエンジン通気孔の形状も分からないのですが、前照灯やウィンカー形状等から下の車両と同形と思われます。
車体は川崎航空機で、このスタイルにモデルチェンジした極初期のものです。
(注1)

廃車体
BA741

撮影:牧場主様(八戸市 2006.6.4)

八戸市交通部 いすゞBA741
BA741

撮影:牧場主様(八戸市 2006.6.4)

上の車両と同形と思われる車両で、後面のエンジン通気孔の形状からBA741であることが分かります。1960〜61年式と推定されます。厳密に言うと屋根上のベンチレーターの形状が、上の車両に比べて角ばっていると言う相違点がありますが、どちらが古いかの決め手にはなりません。
車番は121です。

廃車体
BA20

撮影:牧場主様(八戸市 2006.5.7)

八戸市交通部 いすゞBA20(1973年式)

ショートサイズのワンマンカーで前中折り戸。正面方向幕に幅広の枠がついていることから年式が分かります。
車番は365

廃車体
BA20

撮影:牧場主様(八戸市 2006.6.11)

八戸市交通部 いすゞBA20(1975年式)

上の写真と同じタイプの車両ですが、正面方向幕が標準的な形状をしている車両。年式は車番の888から推定しています。
住宅街の中にあり、窓にはカーテンがかけられ、入口には階段状の石も積まれていますので、勉強部屋か何かに使われているのでしょう。

廃車体
BA20

撮影:牧場主様(八戸市 2006.5.7)

八戸市交通部 いすゞBA20(1975年式)

八戸市営バスは後面方向幕を持っていますが、この辺の年式の車両は黄色い文字で「八戸市営」と書かれており、幕としては使用されていなかったようです。
車番は、893

廃車体
BA20

撮影:牧場主様(八戸市 2006.6.4)

八戸市交通部 いすゞBA20

同じ形の車両の廃車体がたくさんあるということが、単純にこのタイプが多く走っていたと言うことにはなりませんが、何せ数が多いようです。
車番は、701901と読めます。

廃車体
BU04

撮影:牧場主様(八戸市 2006.5.7)

八戸市交通部 いすゞBU04(1975年式)

八戸市営バスのワンマンカーはやがて大型化されます。中ドアは引き戸に変わっています。
車番は1143

廃車体
BU04

撮影:牧場主様(八戸市 2006.5.7)

八戸市交通部 いすゞBU04(1977年式)

前ドアの窓が拡大された1977年式と思われる廃車体。下半分が黒く塗られていますが、元「ペインティングバス」だそうです。戸袋窓に「八戸市営」と貼った跡も残っています。

廃車体
BU04

撮影:牧場主様(八戸市 2006.9.9)

八戸市交通部 いすゞBU04(1978年式)

同じく川崎ボディで折り戸の窓が大きい後期車。
車番は1710

廃車体
BU04

撮影:牧場主様(八戸市 2006.6.25)

八戸市交通部 いすゞBU04(1978年式)

八戸市営のいすゞ車はある時期から川崎ボディに混じって富士重工ボディも入るようになりました。しばらくは前中引き戸で、取り立てて特徴のない仕様でした。
この廃車体の車番は1706です。後ろ側には同年式の川崎ボディもあります。

廃車体
BU04

撮影:牧場主様(八戸市 2008.5.5)

八戸市交通部 いすゞBU04(1979年式)

一時期の標準タイプでもあった川崎ボディの前中引き戸車。この角度から見ると、後面にあるアンダーミラーがよく分かります。
この廃車体の車番は1859です。

廃車体
CLM470

撮影:牧場主様(南部町 2008.5.5)

八戸市交通部 いすゞK-CLM470(1981年式)
CLM470

撮影:牧場主様(南部町 2008.5.5)

1980年代に入ると八戸市営バスは前後ドアを採用します。引き続きいすゞ車で、ボディは川崎と富士の両方が導入されています。
非常口が中央部にあるのは、川崎ボディの前後ドア車の標準仕様です。しかし、正面大型方向幕が屋根のカーブ収まっていないのは少数派の仕様で、また折り戸の窓の位置には独自仕様が見られます。
車番は2340です。

廃車体
CLM470

撮影:岩手県交通ファン様(下田町 2004.5)

八戸市交通部 いすゞK-CLM470
CLM470

撮影:岩手県交通ファン様(下田町 2004.5)

八戸市営バスの廃車体で、富士重工製ボディのいすゞ車。同型車が同じ場所に3台あります。
八戸市はそれまで前中扉車でしたが、ちょうどこの車両の頃から北東北では唯一とも言える前後ドア車を採用しました。非常口が中央部にあるのは珍しいですが、これは川重車体の前後ドア車に合わせたためでしょうか。公営交通には、こういった独自仕様が多く見られたものです。

廃車体
CJM470

撮影:牧場主様(八戸市 2006.5.12)

八戸市交通部 いすゞK-CJM470(1983年式)
CJM470

撮影:牧場主様(八戸市 2006.5.12)

富士重工製5Eボディを架装して颯爽と登場したいすゞ車。引き続き前後ドアで、やはり非常口は中央部にあります。
せっかくのスマートなボディですが、後面は方向幕を独立させた独特のスタイルで、窓が小さくなってしまいました。

廃車体
CJM470

撮影:牧場主様(八戸市 2006.6.4)

八戸市交通部 いすゞK-CJM470(1983年式)

上と同形の5Eボディの廃車体。その後ろ姿はこのように方向幕が独立しており、ガラス部分がかなり少ないスタイルです。
車番は2621です。

廃車体
CJM470

撮影:牧場主様(八戸市 2006.6.29)

八戸市交通部 いすゞK-CJM470(1983年式)
CJM470

撮影:牧場主様(八戸市 2006.6.29)

5Eボディの廃車体が2台置いてある山間の場所。
独特な使用の後ろ姿や非常口側がよく見えます。

廃車体
CJM470

撮影:牧場主様(おいらせ町 2006.6.4)

八戸市交通部 いすゞK-CJM470(1983年式)

こちらも富士重工5Eボディで、廃車体というにはきれいに塗られており、お店として活用されているようです。各部の特徴から元八戸市営バスであることは容易に分かります。方向幕のところには何と書かれているのでしょうか。

注意事項
本ページは、「廃車体は文化遺産である」と言う趣旨によって作成しております。当サイトを訪れる方は、この趣旨を御理解いただける方だと思いますが,万が一,本ページの悪用による廃車体への損傷等があった場合は,本ページ及び関連する事項は即刻削除いたします。
(注1) 撮影者によると、この廃車体はリンク先の八戸鉄道・バス研究会別館ブログ「ツーマンバスの廃車体?」(2006/04/02) の情報を参考にして探したそうです。
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80s岩手県のバス“その頃”