水稲栽培記録



  5月24日  田植え後20日目


 元肥一発・への字稲共に生育が進んできました。

 お隣も今年は結構疎植にしているので似たような姿です。

 成苗を植えた分への字稲が大柄になっています。
 


  5月24日    慣行稲                        への字稲


 分けつが始まりました。

 坪60株・平均5本植えで出発、現在の茎数は分けつ
 を含め坪400本前後とおもわれます。

 草丈・太さは慣行稲よりも大柄になりましたが、
 分けつはほとんど出していません。

 坪40株・平均2.5本植えで出発、現在の茎数は
 坪100本の計算です。


  5月30日  田植え後25日目







 
左の田は盛んに分けつしており、への字稲は
   どんどん背丈を伸ばしています。





 ↓への字稲は全体に大柄な生育ですが、風通しの
   良い姿です。


  6月9日  田植え後35日目 出穂45日前


←追肥適期になりました。
 手前が無肥料、奥の圃場が慣行栽培のコシヒカリです。

 疎植の稲はこの時期色落ちしません。
 周囲の稲より葉色が濃くてもかまわず追肥を行います。


↓左 元肥一発のコシヒカリです。
  背丈が低く分けつ旺盛。(茎数1200本/坪))

↓ への字稲は背丈が高く分けつはゆっくりです。

   (茎数800本/坪))

  詳しい追肥方法はこちら


  6月20日  中間追肥後10日目  出穂35日前


 ← への字稲の肥効が最高の時期です。
 慣行稲は葉色がもっとも落ちる時期なので、
 極端な色の差になります。

 

 ←下 慣行稲の葉色はカラースケールで3〜4、

 →下 への字稲の葉色は5〜6になります。


 真上からの写真です。 慣行 60株5本植え               疎植 40株2本植え


 密植の稲は、条間には空間がありますが、隣の株と
 干渉し合い窮屈な状態です。


 疎植の稲は、株の周りに充分な空間があり、
 まだ余裕があります。


  7月2日  出穂15日前


 遅く植えたコシヒカリは、平年に比べると10日以上
 生育が早まっているようです。

 への字稲(右)は、空間をうまく使って生育しています。


  7月10日  穂孕み期

            慣行稲

 今年のような高温多照の年は、肥料の消耗が激しく
 、生育初期に分けつが40〜50本にも増えた圃場
 では、せっかく出来た株の半分以上が枯れてゆか
 ざるを得ません。

 穂肥の施肥がどうしても必要になるのですが、
 時期と量を誤ると倒伏・穂イモチの発生につながる
 ので苦労することになります。
 
           への字稲

 この時期には、開いていた株元が立ち上がり、出穂の
 準備期間になります。

 無駄な葉や分けつを出していないので、生育を調整
 する必要はありません。
 葉色の色落ちが大きくなければ穂は葉必要が無く、
 このまま稲刈りまで水管理だけを行います。

  
左右共 写真は拡大できます。
 


  7月14日  出穂始め


 今年も、への字稲の方が先に出穂を始めました。
 これは4.5葉苗を植えたことによるもので、圃場で
 管理する期間が短いことも省肥のために有利に
 なります。

 下の写真は等距離からの慣行稲とへの字稲です。


  7月29日  出穂後15日目


 右:先日沖合いを通過した台風5号に伴う強風で、
 松阪周辺の5月植えのコシヒカリに被害が出ました。

 伊勢平野は地形的に、台風の吹き戻しの西風が
 フェーン気味の乾いた強風になるため、脱水症による
 白穂が発生します。

 下:への字・慣行稲とも、穂が出揃いました。

   


  8月12日  出穂後1ヶ月目


 への字稲(右)の方が早く色付いて来ました。


 下 等距離からの撮影です。

 への字稲の方が草丈が長いのですが、穂が大きく
 垂れ込んだ分見かけの背丈が低く見えます。


 左の慣行稲は腰が高く、倒伏の危険があります。


  8月26日   刈り取り開始


 上左) いつもの観測点の稲が刈り取られていました。
     への字稲は1穂粒数が多いため、出穂開始から
     刈り取りまでの期間が、慣行稲に比べて1週間
     から10日ほど長くかかります。

 上右) 
への字稲だけの圃場です。収穫一週間ほど前
     から一気に穂が垂れ、茎が大きく湾曲してきます。
     田の字にアゼが交差しているのですが、両側の
     穂が覆い被さってきて歩くことは出来ません。

 下) よく出来たコシヒカリの穂はオレンジ色がかっていて
    他の品種ほど綺麗な黄金色ではありません。
          
         

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