水稲栽培記録

 ○ ここからは4月中旬植えコシヒカリの様子になります。


  5月24日  田植え後35日目

 
              
への字稲

 草丈・太さは慣行稲よりも大柄になり、そろそろ分けつ
 も出始めました。

 坪40株・平均2.5本植えで出発、現在の茎数は
 坪200本程度です。

               
慣行稲

 今年のコシヒカリは背が低く盛んに分けつしています。
 1株あたり15〜20本くらいになりました。

  坪70株・平均7〜8本植えで出発、現在の茎数は
 坪1000本を超えている計算です。



  6月2日  田植え後45日目




への字稲もようやく本格的に分けつを始めました。

  そろそろ出穂50日前が近いので、いつでも追肥が
  出来るように水を落としています。





 
 慣行稲は少し分けつが進みすぎています。
    今年は自然発芽の苗も非常に多く、すでに有効
    穂数をはるかに越えているものと思われます。


  6月2日  植え込み本数による分けつの違い

      1本

 扇の骨状に開いた分
 けつになります。(7本)

      2本

 1本植え同様、綺麗
 に開きます。〈12本)
      3本

 分けつがやや細く、
 株の開きが少なくなり
 ます。〈16本)
    4本以上

 株元は開かず、束状
 に分けつを出します。
 20本)


  6月3日  中期追肥


 平年値で計算すると出穂50日前になりました。
 中期追肥を行います。

 使用する肥料は即効性があり 切れの良い硫安が
 使いやすいですが、小さい区画の圃場では軽いが
 成分比が高い尿素が便利です。

 疎植の稲(↓左)は色落ちが緩慢で朝露が付いても
 葉が垂れません。
 慣行稲(↓右)は増えすぎた分けつを消すため肥効
 を落とします。  
下の写真は拡大できます。

 
詳しい追肥方法は こちらへ


  6月9日  中期追肥後1週間目


 への字追肥後肥効が現れ始めた状態です。

 色は黒くなりますが、株が開き葉先はあまり垂れません。

 印はこれまでに出た葉より一段と長い葉で、出穂
 40日前のサインです。
 一株の中に植えつけた親茎の数だけヒョロンと伸び
 上がってきます。

 追肥時の50日前という計算とは5日ほどのずれが
 ありますので、この後の田植分の施肥予定を修正
 する指標になります。
 


  6月16日  中期追肥後2週間目


 雨の日のへの字稲の圃場です。

 追肥後10日で肥効は最高になります。

 周囲の慣行田に比べるとカラースケールで2スケール
 高い状態です。

 分けつ本数が適切で、葉が直立していれば特に問題
 ありません。


  6月23日  中期追肥後3週間目 出穂30日前


 硫安など即効性の肥料で中期追肥を行うと、出穂
 30日前ごろ色が褪めてきます。

 特に早く色落ちした部分に重点を置いて2山目の
 追肥を行い、 出穂に向けて葉色を上げてゆきます。

 このころから穂作り・節間伸長が始まり、平らだった
 茎が丸みを帯びてきます。


  7月2日  出穂15日前

              慣行稲
 平年値では7月20日前後が出穂日なのですが、
 天候に変化が無ければ、今年は少し早まりそうです。

           への字稲
 株元に充分な余裕があり、下位の着葉数が少ない
 のが分かります。


 
これは、初期の生育を抑え、遅い分けつで茎数を確保
 したことによるものです。


  7月14日  出穂始め


 への字稲(左)と慣行稲(右)の施肥チッソ量は同量
 なのですが、葉色と生育量・活力の違いがはっきり
 分かります。

 下の写真は、等距離からのへの字稲と慣行稲ですが
 、への字稲のほうが株・茎共に太く、出穂位置が低い
 ため、安定した姿になっています。

  
下の写真は拡大できます。


  7月18日  出穂後4日


 への字稲は、慣行稲に比べ穂の出方が揃いません
 出穂が終わった順に穂が傾いてきます。


  7月29日  出穂後15日


 への字・慣行稲ともに穂が垂れてきました。

 草丈は同じですが、下葉の活力・穂の大きさは、
 への字稲が勝っているようです。

 下2枚の写真は等距離からの撮影です。


  8月7日  出穂後25日


 日を追うごとに穂が垂れてゆきます。

 への字稲は穂がアゼに付くほど湾曲します。

 刈り取りまで後10日といったところでしょうか。


  8月7日  倒伏

 今年は早い時期から気温が高く、分けつが
 多いので、穂肥の効いた圃場は背が高く
 なっています。

 この田んぼは先日の夕立で倒伏を始めました。


  8月12日  まもなく稲刈り


 への字、慣行稲ともに急速に色付いて
 来ました。
 お盆過ぎには稲刈り開始です。

 

 下 への字(左)・慣行稲(右)とも同じ
 距離からの撮影ですが、への字稲の
 方が明らかに穂が大きくなっています。
 




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