魔法の道を究める

 UOにおいて、魔法使いが果たすべき役割は非常に多彩です。3種類の魔法のどれを使うかによって、その性質も大きく変わりますが、魔法によって出来ること、期待されることを少しまとめてみようと思います。  以下では呪文名の後のカッコ内に、「魔法」ならサークル数、「霊媒(ネクロ)」なら"N"、「織成魔法」なら"A"を付けています。

魔法で攻撃

 攻撃魔法の最大の特徴は「タゲさえすれば確実にダメージを与えられる」ということです。通常攻撃のように回避されることは基本的にありません。・・ありませんでしたが、侍だけは見切り(Evasion)で回避でき、それゆえに色々とバランス面の問題を指摘する声も多いですね。それでも、確実な攻撃手段として魔法はやはり欠かせません。使用するときは、そのダメージ属性と付随効果を考えておくと良いでしょう。ダメージそのものを軽減するには防具を装備して抵抗値を上げる必要があり、「耐性」はあまり関係しません。
 特効が付いたスペルブックを装備して、攻撃魔法を使った時の威力は半端ではありません。それゆえに上位特効のスペルブック非常に貴重と言えるでしょう。
 「魔法」では、各サークルに攻撃呪文が用意されています。それぞれのダメージ属性は以下の通りとなります。
 Magic Arrow(1):炎属性、Harm(2):冷気属性、Fireball(3):炎属性、Lightning(4):エネルギー属性、Mind Blast(5):冷気属性、Energy Bolt(6):エネルギー属性、Explosion(6):炎属性、Chain Lightning(7):エネルギー属性、Flamestrike(7):炎属性、Meteo Swarm(7):炎属性、Earthquake(8):物理属性。
 攻撃呪文の中では、Energy Bolt(6)のバランスが良いと言われます(実際使い易いです)。Mind Blast(5)と Explosion(6)はタゲった後、実際にダメージが入るまでに若干のラグがあり、魔法を使った連続攻撃に組み入れられるようです。
 高位になると、Chain Lightning(7)や Meteo Swarm(7)、Earthquake(8)のように範囲ダメージを与えることも可能と言えば可能なのですが、マナ消費との対効果を考えると微妙なのが実情です。スキル上げには使いやすいですけどね。
 Mind Blast(5)以外の攻撃呪文は、全て「評価」スキルでダメージが決まるため、一緒にこのスキルも上げていなければなりません。普通に使っていれば上がっているはずですね。
 Fire Field(4)も、何気にダメージを与えますが「魔法」スキルのみでダメージが決まるようです。
 「霊媒(ネクロ)」の攻撃呪文は、どれも特徴的です。いずれの呪文もそのダメージに「霊話」が関係します。普通にネクロマンシィの呪文を使っていれば、上がっているはずですね。
 Pain Spike(N)は一時的にダイレクトダメージを与えます。それでHPが無くなれば倒れますが、時間経過で戻ります。重ねがけするとダメージは微量になりますが、効果時間を2秒延長するようです。
 Poison Strike(N)はタゲった相手とその周囲に対し、毒属性のダメージを与えます。周囲に与えるダメージは、タゲった中心から離れるほど弱くなるので、おまけ程度に考えておいた方が精神的に楽です。
 Wither(N)は、実質ネクロマンシィの主力攻撃呪文と言えるかもしれません。自分を中心にして冷気ダメージを与えます。敵に囲まれた時に非常に有効です。これが無理なく唱えられるぐらいにはスキルを上げておきたいですが、射程は4マスなので 有効範囲に敵を誘う=自分が殴られる可能性も上がる、というジレンマはあります。
 Strangle(N)は、毒属性のダメージを継続して与えます。重ねがけすると効果時間が延長されます。
 「織成魔法」の攻撃呪文は輪をかけて特徴的で微妙になっています。威力には Arcane Circle(A)で作られた Arcane Focusが絡むほか、スキル値÷24が威力のレベルとして影響します。正直、最大人数(6人)で作った Arcane Focusが無いと、本来の効果は得られないと思います。
 Thunderstorm(A)は自分の周囲(Arcane Focusにより範囲は広がる)にエネルギー属性のダメージを与えますが、ダメージ量は微妙です。付随効果として、5秒間キャストリカバリに6のペナルティを与えます。このペナルティは「耐性」スキルで受ける確率を減らせます。
 Essence of Wind(A)は自分の周囲(Arcane Focusにより範囲は広がる)に冷気属性のダメージを与えますが、ダメージ量は微妙です。付随効果として攻撃速度を僅かに落とし、ファストキャスト−1させます。このペナルティは「耐性」スキルで受ける確率を減らせます。
 Wildfire(A)は割と広範囲(Arcane Fcousにより範囲は広がる)に炎属性のフィールドを張ります。効果時間は Arcane Focusにより延長されます。フィールド内の対象が多いほどダメージは分散され、どんどん微妙になっていきます。付随効果も無しです。
 Word of Death(A)は一時期猛威を振るいました。この魔法は対象のHPがある割合(Arcane Focus無しで5%)以下だと、対象を死に至らしめます。ただし、その割合以下でもHPが300以上残っていたら、300のカオスダメージを与えます(これが最初はダイレクトダメージだったため、ボス格モンスターに対し非常に強力な攻撃となった)。それ以外の状態か、かけられる対象がPCだった場合は、そこそこのカオスダメージで終わります。

魔法で回復・支援

 魔法による他者のサポートは欠かせません。後ろから回復魔法が飛んでくるだけで、戦士が戦う時の安心感は格段に上がります。
 Heal(1)・Greater Heal(5)や Cure(2)による回復の他、Resurrection(8)による蘇生も重要な役割と言えるでしょう。「評価」が上がっているなら、Agility(2)、Cunning(2)、Strength(2)、Bless(3)の効果も地味に効きます。
 Gift of Renewal(A)も総回復量は思ったより多く、毒を受けていたら解毒も可能です(一度掛かったら、その後の効果時間中に毒を受けても解毒はしませんが)。Gift of Life(A)はあらかじめかける必要はありますが、ペットにかけることで、テイマー以外では初めてのペット蘇生手段ともなります。
 乱戦になっている時は、味方のステータスバーを出しておいて、適宜 回復魔法を掛けてあげるだけで非常に有効な支援になります。バーが緑色の時は毒を受けていますから、先に解毒してあげましょう(でないと HP回復が出来ません)。
 Night Sight(1)はダンジョンで死んで蘇生してもらった時に 掛けてもらうと非常にありがたいものです。
 Create Food(1)はランダムで食料を作りますが、これがうまくいけばペットの餌をあっさりと調達できます。意外に便利です。
 自分が戦う場合、自分しか対象に出来ない魔法による支援効果を計算することも出来ます。代表は Curse Weapon(N)で、これにより武器攻撃によりHPを回復できます。前線で戦う者が「霊媒(ネクロ)」を覚える理由でもあります。
 Immolating weapon(A)は武器に炎属性追加ダメージを付与します(武器の振りが遅いほど高ダメージになります)。Attunment(A)は直接ダメージを防ぐ盾となってくれます。どちらも Arcane Focusにより威力は増幅されます。Arcane Empowerment(A)も術者を若干ですが強化します。
 Reactive Armor(1)、Magic Reflection(4)は、両方とも使えば、多少ペナルティは軽減できます。それでも抵抗値の変動には注意し状況に応じて使い分けることになるでしょうね。使うたびに効果をOn/Offできると思えば良いです。
 Protection(2)はダメージによる詠唱障害を防げるのは実は大きいです。懐に飛び込まれないように注意すれば、こちらのダメージを気にせずに魔法を発動できるので、かなり強かったりします。・・ただ、Arch Protection(4)は大きなお世話なのでやめたほうがいいでしょうね。

タゲ切り

 モンスターからタゲられたときに、それを解除します(※ターゲットについては こちらも参照)。支援に含まれますが、かなり重要なので別項目にしています。
 Invisibility(6)は姿を消す呪文で、これが掛けられた者に対するモンスターのタゲが全て外れます。自分に対するタゲを外すのにも多用すると思います。効果時間があり、Reveal(6)で確実に見破られるため、完全に安全と言うわけではありませんが、一時的にでもタゲを切れる効果は大きいです。
 「隠蔽(ハイド)」があるなら、この状態から比較的安全に隠れた状態になります。これなら、効果時間を気にしなくてなります。また「隠密(ステルス)」があるなら、Invisibility(6)で透明になった状態から移動するだけでステルス状態に移行できます。
 Ethereal Voyage(A)は誰にもタゲられていない時に限り使用可能で、使用することで meer mageの姿に変身し、その間はモンスターからタゲられなくなる、という特殊な魔法です。タゲ切りには使えませんが、タゲを防ぐ効果はあります。

移動

 長距離移動が出来るのも、魔法があればこそです。
 ルーンがあれば Recall(4)で自由に移動できます。そのルーンは、Mark(6)があれば自由に作れるようになります。Gate Travel(7)により、ルーンを焼いた場所に自分以外の人たちも連れて行けるようになります。
 「魔法」を上げる目的の一つは、やはり Recall(4)を使えるようにすることでしょう。もちろん、ルーンブックのチャージを使えば「魔法」スキルは不要ですし、種族がヒューマンなら Recall(4)のスクロール("リコスク"とよく称されます)があれば「魔法」スキルのリアル値が0でも一応使えるはずです。
 メイジであれば Mark(6)により自由にルーンを焼けますが、イルシェナーのルーンは焼けません。また、家の中でルーンを焼いた場合、ハウスルーンと呼ばれるルーンになり、その家の看板の下に移動先が固定されます。なお、焼いたルーンには、焼かれたファセットも記述されますので、行き先がフェルッカになっているルーンでむやみに跳ぶのはやめたほうが良いかもしれませんね。もっとも、そのほかのファセットでも、飛んだ先がモンスター激湧きの危険地帯、という通称"死にルーン"になっていることもありますが・・。
 それから Gate Travel(7)で作られるゲートは、通常は青いのですが、行き先がフェルッカの場合は赤くなります。フェルッカはネガティヴ行為上等の世界なので、知らない人が出した赤ゲートにむやみに飛び込むのは避けた方が良いとされます。
 Wraith Form(N)で変身している場合、「魔法」がリアル値0でも、Recall(4)だけは 100%成功するという効果を得られます。ネクロマンサーの隠れた(?)移動手段です。
 Teleport(3)は視線が通っていれば柵等も乗り越えます。モンスターも積極的に使って接近離脱をしますので、注意しましょう。

状態変化

 敵に対して、こちらが有利になるような状態変化を起こさせます。どちらかというと、モンスターに使われて具合が悪くなることも多いですけどね・・。
 Clumsy(1)、Feeblemind(1)、Weaken(1)、Curse(4)、Mass Curse(6)といったステータスを悪化させるものの他、Poison(3)や Paralyze(5)、それにそのフィールド版である Poison Field(5)や Paralyze Field(6)もこれに入りますね。
 Mana Drain(4)や Mana Vampire(7)でマナを減らすことにより、魔法などの特殊攻撃を封じることも可能ですが、どちらかというと モンスターに使われて冷や汗をかく方が多いかもしれません。
 また、Blood Oath(N)、Corpse Skin(N)、Evil Omen(N)、Mind Rot(N)も、敵に使われると かなり感じの悪い魔法です。ネクロマンシィ魔法も使ってくるモンスターが最近はいますので注意したいところです。



召喚と使役

 魔法には様々なモンスターなどの召喚が可能なものが含まれています。比較的非力なことが多い魔法使いの代わりに戦ってくれる頼りになる仲間です。ペットと同じようにコントロールスロットを消費するものが殆どで、沢山呼ぶことは出来ませんが、召喚すれば必ずや力となってくれるでしょう。
 Blade Spirits(5)・Energy Vortex(8)・Nature's Fury(A)は、自分で指示は出来ませんが付近にいるモンスターに自分から近づいて攻撃をしてくれます。
 Vangeful Spirit(N)は、Revnantを召喚してタゲった相手を攻撃させます。相手が隠れてもその場所を暴いて攻撃します。相手が死ぬか一定時間が経過したら、Revnantは消えます。
 メイジの第8サークルには召喚魔法が6つ含まれています。このうち Energy Vortex(8)を除く5つは召喚後、ペットと同じように術者の指示に従います。時にはこちらの方が使い易いかもしれません。Daemon(8)はコントロールスロット4消費ですが、とても派手ですが、使用するとカルマが下がります。Earth Elemental(8)は魔法こそ使いませんが非常に打たれ強く、コントロールスロットも2と少ないので2体召喚して充分護衛として使えます。他の Elementalは、皆 魔法を使います。Air Elemental(8)は2、Water Elemental(8)は3、Fire Elemental(8)は4のコントロールスロットを必要とするので、自分の空きに応じたものを呼ぶことになるでしょう。
 Summon Creature(5)は戦力として考えるのは難しいにしても、現われる動物はランダムなので、色々と呼んでみると面白かったりします。Summon Familiar(N)は、選んだ1体しか連れ歩けませんが、術者に様々な特殊能力を与えたりします。
 Summon Fey(A)・Summon Fiend(A)は、クエストをこなさなければ使えない召喚魔法でペットと同じように命令に従います。・・が、pixieや impなので戦力としてはちょっと微妙です。直接攻撃せずに魔法だけで支援してくれれば、それなりに強力なんですが、そこまで指示は出来ません・・。
 それから召喚とは若干意味合いが異なりますが、Animate Dead(N)は死体からアンデッドモンスターを作り出します。コントロールスロットは使わず術者の指示にも従いませんが3体まで作れます。基本的に術者を守るように動き、自動的にモンスターに攻撃します。強い者の死体にかけるほど(正確にはフェイムの高いものほど)、強力なアンデッドモンスターになります。最強は骨竜だったかな。これを馬の死体にかけると、騎乗可能な骨馬になりますが、時間経過で消えてしまうのが残念ですね。
 Dryad Allure(A)は武器の亜人種特効が効く相手にかけることで、こちらの味方にできます。傭兵などと同じ扱いで、こちらの命令に従います。Ogre Lordや Titanあたりをスカウトできれば、かなり有用な戦力になります。ただし、厩舎には入れられずログアウトすれば消えます。リリースすると、場から消えるので 強力な亜人種モンスターを排除するのに、実は便利かもしれません(リリースせずに使役した方が どう考えても得ですが)。

変身

 魔法は様々な姿に術者を変身させます。時に様々な能力を術者に与えてくれます。
 Incoginito(5)で別人になったり、Polymorph(7)でモンスターなどの姿に変身したりできます。Polymorph(7)は効果時間が再詠唱するまでになったので、使い易くなりました。ただ、どちらも能力が何か変わるわけではありません。
 Wraith Form(N)、Horrific Beast(N)、Lich Form(N)、Vampiric Embrace(N)は、それぞれメリット・デメリットがありますが、使い方を間違えなければ 非常に有効な能力でキャラクターを助けます。
 Reaper Form(A)、Ethereal Voyage(A)は、かなりマニアックな変身かもしれませんね。

モンスターの分断

 これはかなりテクニカルな部類に入りますが、旨く活用できると 魔法使いの醍醐味を味わえます。
 Wall of Stone(3)や Energy Field(7)はモンスターの移動を阻害するため、モンスターの接近を阻止したり、集団を分断したりするのに使えます。狭い道などで特に有効でしょうね。ただし、Energy Field(7)は飛行するモンスターの移動は邪魔できないようです。
 Wall of Stone(3)はモンスターとの間に出して接触していれば、視線を遮って「隠蔽(ハイド)」で隠れることも可能なようです。



魔法の無効化

 魔法の効果を消し去るのも、やはり魔法使いの役目です。
 Dispel(6)・Mass Dispel(7)は召喚したモンスターに、Dispel Field(5)はフィールド系魔法(Gate Travel(7)で出したゲートにも効く)に使うことで、それらを消し去れます。魔法を使えるモンスターは、こちらが召喚したものに対し、これを積極的に使う傾向があります。
 なお、Dispel Field(5)は1マスにしか効かない(通常 field系の呪文は3×1マスで生成されます)ので、全て消すためには何度か使わなければいけません。
 Reveal(6)は Invisibility(6)で隠れたものを確実に見つけ出します。「隠蔽(ハイド)」「隠密(ステルス)」で隠れている者は、そのスキルに応じて成功率があるようですが、こちらが Invisibility(6)で隠れたと思ったら、モンスターが この呪文で それを無効化することもありますので、油断はしない方が良いです。

宝箱

 レベル1であれば、トレハンを独力でこなすことも可能です。ただし、前もって地図の解読はしてもらう必要があります。
 Unlock(3)は「魔法」が50以上あれば、レベル1トレハンの宝箱の鍵を外せます。あとはGMまで上げて レベル2、伝説(120)で レベル3なので、あまり現実的ではないかもしれませんが、パラゴンボックスを開ける時などに使える時もあります。
 そして一般シャードでは、鍵を開けた後は ちょっと離れて Telekinesis(3)を使うのが常套手段となっています。これにより、箱に掛かっている罠をわざと発動させてしまえば、安全に開けられるからです。離れてないと発動した罠を受けてしまうので気をつけましょう。まあ、街にある箱だと複数の罠が掛けられていることもあるので、念入りに魔法を掛けて安全を確保しましょう。
 無限などのハードコアルールのシャードではこの方法が使えず、「罠解除」のスキルで本来の手順どおりに罠を解除しなければなりません。
 Magic Trap(2)と Magic Untrap(2) は互いに対応していますが、あまり使う機会はありませんね。昔は APB(Anti Paralyze Box)を作るのに、Magic Trap(2)が利用されていたようですが、受けるダメージが大きくなってしまったため、今は低スキルの細工罠箱が使われるようです(麻痺はダメージを受ければ解除されるので、わざとダメージを受けて すぐに麻痺を回復させるというのが、APBの考え方です)。
 細工罠箱を使う場合は Unlock(3)と Magic Lock(3)の呪文を使用する必要があったりします(作り方は「細工」スキルを参照してください)。