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50mの深海から50cmの浅瀬までハゼ三昧の西表

久しぶりに石垣を計画していたのですが、するずると時期がずれ込み気がつけば10月末に。
文化の日も入れて5日間の日程になったため、急きょ行き先を西表へ変更です。
結果的には毎週のように来た台風をさけることができてラッキーでした。
高知から伊丹経由だと10時30分関空発石垣直行便への乗り継ぎの時間に無理があるため、
前日徳島の実家へ泊まってバスで関空へ向かいました。
無事チェックインの後は昼食の買い出しです。
物価の高い空港内で唯一リーズナブルなのが地下のローソン。
意外と知られていない穴場です。

離陸後、早めの昼食を取ると眠気に襲われ、気がつくと石垣上空でした。
川平湾を越え、空港へ向かう低空飛行の間、必死にマンタを探しますが、当然無理でした。
空港からはタクシーで石垣港へ。
初乗りが390円と安かったのですが、メーターが回るのが早く、結局930円かかりました。
石垣港からは西表の船浦港までは40分。
この航路はすこし時化るとすぐ欠航になるそうで、その場合には大原行きに乗らなくてはいけません。
船浦港から民宿のある上原まで安栄観光の乗り合いバスで10分ほどでした。
後で知ったのですが、上原港行きの八重山観光の船だと民宿まで歩いて行けます。

石垣港"   安栄観光"


宿泊したまるま荘は6部屋プラス離れのこじんまりした民宿です。
奥さんは東北出身なので、沖縄独特の無愛想なおばさんではありません。
裏には機材の洗い場もあり、ダイバーには快適そのもの。
プライベートビーチもあり、ハンモックに揺られながらのうたた寝は最高です。
部屋が狭いのとシャワーの湯の調節が難しいのが唯一の難点でした。
上原は民宿やダイビングサービスが密集した西表で一番大きな集落だそうですが、
近くにはスーパーが一軒と民芸品店が数軒あるだけでした。

まるま荘"   川満"


西表に来るにあたって、一番迷ったのがどのダイビングサービスを使うかということ。
選択の条件は、
(1)せっかく遠くまでいくのだから、ある程度マクロに詳しいガイドがいる。
(2)ある程度水中で自由にさせてくれる。
(3)レギが渋くなるまで潜らせてくれる。
(4)ダイコンがピーっとなっても気にしない。

数軒リストアップしたなかから利用したサービスはダイブサービスYANO
ヤノダテハゼの名付け親、矢野維幾さんのお店です。
別にヤノダテハゼが見たかったわけではありませんが。

店"   カンバン"


ダイブサービスYANOの特徴以下のとおり。
大型クルーザーとやや小振りのボート(それでも40フィートある)の2隻所有。
今回はクルーザーが修理中のため小さい方を使用。
シャワーやトイレはないが休憩時には上陸するのであまり問題にはならなかった。
屋根がないので雨が降るとつらいかも。
夏場は非常勤スタッフがいるらしいが、ダイビングシーズンは10月の連休までのようで、
今はすでにシーズンオフで矢野さん1人で船長兼ガイド。
ゲストが多くなるとしんどいが,あまり手の掛かるダイバーはこないらしい。

船"   フネ"


水中では基本的には自己管理。
定期的に残圧をチェックされることはないので自己申告。
最大水深が深いので浅場で長めに時間をとるため,エアが少なくなった頃はすでに船の近くにいる。
エアが無くなれるか寒さを感じた時点でエギジット。
船下にもけっこう被写体があるので残ったフィルムは浅場で消費できる。
ポイントによっては減圧前提のダイビングもあり。
(ただしゲストの技量に依存)
一応減圧が長く出たときは早めに申告。

ダイビングスタイルはすべてボートダイブで、
アンカリングあるいはブイに係留しドリフトはやらない。
上原から船のある祖内まではバンで移動。
午前1本、昼食を挟んで午後に1本。
帰港後希望者だけ3本目。
3本目はだいたいがマニアックな湾奥のポイント。
朝出航するとダイビングが終了する夕方まで宿へは帰らないので、
フィルムや電池の予備はボートに持ち込む。

TITILE

船浮湾内がホームグランドなので、仲ノ神島やヨナラ水道には天気や良くてもあまりいかない。
したがってボートでの移動時間は短く、ダイビング時間は長い。
タンクはアルミの10リッターで時間は60分以上。
ポイントについてからのブリーフィングは図鑑を見せながら念入りに行う。
各ポイントの定番だけでなく、未記載種なども豊富。
水中ではスレートに書いて説明してくれる。

ハゼなどはじっくり撮るために放置プレーも容認。
少し離れた場所で他の被写体を見せながらゆっくり移動してくれるので、
撮影後に本隊に容易に合流できる
(50mで客を置き去りにして自分だけさっさと帰るどこかのサービスとはえらい違い)。

モエギ"   アオギ"   踊り"


外洋へ出てマンタやイソマグロなどの大物が見たい人には不向きなサービス。
希望すれば行けると思うが,真剣にガイドしてくれるかどうかは疑問。
大物が見たければオガンを売りにしている他のサービスへいった方がいい。
一応ワイドも持っていったが,1枚もシャッターを押すことはなかった。
最終日にはドームポートがマクロポートに代わっていた。

ログ付けは9時半から。
3ダイブで疲れている上に微妙な時間帯なので,脱落者も。
いちいち見た魚を挙げてくれるわけではないので、こちらから聞かないと何も教えてくれません。
常連さん曰く,話が弾まないとテレビを見るだけで終わることもあるとか。
ツボにはまると,他の魚との見分け方なんかを延々説明してくれる。

花"   ドラゴン"



3日間で合計8ダイブ。
消費したフィルム9本。
使用した機材、主に Nikon F4+105mm、ケンコー2倍テレコン。
ベストポイント、タコ崎。
どうしても見たかったオイランハゼも無事撮影でき、
期待していなかったモエギハゼも一応確認。
写真を撮れたかどうかは別にして、ほぼ100%リクエストに応えてくれた矢野さんはえらい。
次回はベストシーズンに来たい、けど台風も心配。

詳しいログはこちらへ


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