無料楽譜作成ソフト abcm2ps / おんがく・ぽこ・あ・ぽこ / つれづれにぽこあぽこ

abcm2ps って?

無料楽譜作成ソフト abcm2ps の紹介など

パソコンで楽譜を作るのはお金がかかる

 パソコンで楽譜を作成するというのは長い間とてもお金のかかるものでした。 数万円(もっと?)するソフトを買わなければ楽譜の作成なんてできなかったんです。

 最近は、ソフトの値段も下がってきましたし、 Finale NotePad のような 大変強力なソフトがフリーで提供されるというようなうれしい状況になってきました。 (楽譜作成という特殊なソフトの需要がどれだけあるか謎ですが…)

 で、「楽譜を無料で作成したい!」と思ったら、上記ソフト Finale NotePad で十分だと思うんですけど、 それでもあえて私は abcm2ps を使用しています。

abcm2ps は何がいいのか?

 実際問題として、ソフトの分かりやすさ、導入のしやすさ、使いやすさなどは、 Finale NotePad の方が abcm2ps よりもはるかに上だと思います。

 「じゃあ、Finale NotePad を使えばいいじゃん!」 と思うかもしれませんが、ひとつだけ abcm2ps の方がはるかに優れている部分があって、その部分の重要性から私は abcm2ps を使い続けています。 (まあ、Finale NotePad がリリースされる前から使い続けているというのが最も大きな理由なんですけど、それは置いといて…)

 その abcm2ps が優れている部分とは…(!)

楽譜の作成が早い!

ってことです。で、2つのソフトで何が違うかというと、楽譜の編集方法です。

Finale NotePad 音符パレットから音符をつまみ上げて五線譜の上にひとつずつ置いていく
abcm2ps 「ABC言語」 という楽譜作成用の言語をお好みのテキストエディタで編集し、 それを abcm2ps に渡して、テキストを楽譜に変換する

 abcm2ps …、面倒くさそうですね…。 そして、この編集方法のため、非常にとっつきにくく、 でも、慣れると楽譜の作成がかなり早いということになります。 (実際、慣れると手書きよりもずっと早いと思います)

意外と簡単 ABC言語(うそ?)

 さてさて、では、とりあえず ABC言語というやつがどんなもんなのか、 その例を下に書いてみましょう。曲は「赤とんぼ」。

X:1
T:Aka Tombo
L:1/4
M:3/4
K:F
%
C/F/ F>G | A/c/ f/d/ c | d/F/ F G | A2 z |
A/d/ c>d | f/d/ c/d/ c/A/ | c/A/ F/A/ G/F/ | F2 z |]

 ここでは、"%" よりも上側がヘッダ部分で、曲に対する情報を書いています。 "%" の下側が楽譜本体で、音符の羅列になっています。 ("%" 自体はコメントを表していて、 "%" 以降は行末まで無視されます)

 カンのいい方ならもうある程度読めるんじゃないでしょうか?

 まずは、楽譜本体部分ですが、 "A" とか "B" とか "c" とか "d" の英字が音程を表し (大文字か小文字かはオクターブの違いです)、 "z" が休符を表しています。 "/" は音符の旗です (正確には違うんですが、大雑把にはこんな理解でいいでしょう)。 "C" で四分音符、 "C/" が八分音符、 "C2" なら "C" の2倍の長さで二分音符という感じです。 わかりずらいのは "F>G" の表記ですが、 ">" は「タッカ」というようなリズムを表現していて、 ここでは、"F" が付点四分音符、 "G" が八分音符ということを表しています。 最後に、 "|" は小節線、 "|]" だと終止線(細、太の2本)です。

 次にヘッダ部分。 "X:1" は曲番号です。 ABC言語ではひとつのファイルに何個もの楽譜を書けるので、 「ここから何曲目」ということを明示してあげています。 2曲目なら "X:2" となります。 "T:" はタイトル、簡単ですね。 "L:" の説明はちょっと飛ばして、 "M:" は拍子、 "M:3/4" で四分の三拍子の意味です。 "K:" は調、 "K:F" ならへ長調で、シの音に♭がつきます。 最後に飛ばした "L:" ですが、これは基本音符を表します。 ここでは "L:1/4" としていて、 これは「四分音符を基本とする」という意味。 つまり、単に "C" と書けば四分音符になるという意味です。 本体部分の説明では当り前の様に書きましたが、 例えば、"L:1/8" としておけば、 "C" が八分音符、 "C/" はその半分の十六分音符、 "C2" は2倍で四分音符ということになります。 ( "/" が旗のようなものといった意味がわかりかけてきましたが、 まだ正確な説明ではありません)

こんな楽譜ができてしまうのさ

 では、上の例で書いた「ABC言語」が、 どんな楽譜になるのかを紹介しましょう。

Aka Tombo

 はい。こんな楽譜になりました。

 この画像だと旗の部分とかがちょっとガタガタに見えるかと思いますが、 実際には、もっとなめらかな線で楽譜ができます。 紙に印刷して使ってもまったく問題ないです。

 では、長々とした簡単な説明(!?)はこのくらいにしまして、 もし興味がありましたら、 abcm2ps の導入と使い方 とか、 ABC言語のイロハ とかも見ていただけると幸いです。 どんな楽譜ができるのかサンプルが見たい方は サンプル楽譜集 へどうぞ。 もっと情報がほしい方は リンク集 から飛んでいきましょう!


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