― Kodou ―

『 鼓 動 』




【ILLUSTRATION】のほうにある、ゴシック風『鼓動』と同じものですが、
こちらはテーマを変えて、和風な感じに仕上げてみました。時間のかかった絵です。

というのも、初めはゴシックなトップイラストを描きたいな〜と漠然と思っていたのですが、
テーマが一向に見えてこず、このまま白い紙に向っていてもしかたがないかな〜…と
気分転換に花見に出かけたのが、そもそもの始まり。(苦笑

私の住んでる市には、世界にたった一本しかない樹齢400年以上にもなる
貴重な桜の古木が寺の跡地にあるのですが、その桜を見に行ったのですよ。
ザラザラとした黒い幹は、古くなった枝を支えきれなくなっていて、あちこちが折れて
傷んでいるのにもかかわらず、根元からは若木が芽吹いていました。
去年、その若木の一部を、保存のためにいくつかの神社と駅前に移植したそうですが…。
そうすると、世界にたった一本ではなくなるのかな?などと思いながら愛でて来ました。

話がそれましたが、その古木を見ていて、ふと、
「桜の木の精霊がいるとしたら、爺さんな気がするな〜」と、なんとなく思ったんですよ。
昔話の『花咲じいさん』みたいな。
じゃ、根元の若木は、きっと若くて美しい(←何故;)青年に違いないわvv と妄想していたら、
…描ける!と。(笑
気分転換はするもんですね〜。で、こんな絵になりました。
傷みながらも現代に甦るカンジにしたかったのですが、さて??

ありふれてますが、人物が寝っころがってる構図と、初めは桜の花を散らそうと思ってました。
でも、もっと幻想的な、夢の中の空想の花みたいのを描きたいな〜と考えていたところ、
日本の伝統模様でもある、『辻が花』という着物の模様を思い出しました。
室町・戦国時代に流行った模様なんですが、それ以降、伝承されなくなったがゆえに
'幻の花'とも言われているんですよ。
ちょうど、その桜の古木が生れたのもその頃かもなぁ〜と、
いにしえに想いを馳せたりしながら描き上げました。
絵に欲が出てくると、思わぬところで時間がかかってしまいますな。(苦笑


【ILLUSTRATION】のほうのゴシック風『鼓動』では、
ちょっぴりテクニック的なことを語ってます。(笑
よろしければそちらもご覧くださいv