ハイギアの装着


< 能書き >

私の現在のアドレス、プーリーの変速終了が80km/hあたりにあるようで、
いつも計測の基準としている90km/hまでの残り10km/hは
エンジン回転の上昇により速度を上げている状態です。

0〜80km/h辺りまでは、ほぼ10km/1秒のペースで速度を
持ち上げますが、80km/h過ぎからは、途端に勢いが無くなり、
加速力がガタ落ちになってしまいます。

この変速が終了する80km/hを90km/h以上に上げる事が
出来れば、90km/hまでの到達時間を短縮できるのではないか?

と考えたのです。

一見、最高速ラバーOnlyの部品の様な印象ですが
高速域での加速UPとして使えるかもしれません・・・。


< 目 的 >
駆動系が変速終了するポイントを上昇させ
平均速度を上げる事により90km/hまでの到達時間を
短縮させます。


< チョイス >

      <   チョイス   >

私が今回チョイスしたのはコレ。

カメレオンファクトリー製のパフォーマンスギアです。


< 内 容 >

      <   比較 1   >

交換する部分は、セカンダリプーリーが取り付く
ドライブギアと、その隣のアイドルギアです。

取り扱い説明書によればギア比は
ノーマル ⇒ 7.920
カメギア ⇒  6.664
となっています。

約16%程度ハイギア化されている様です。
例えば、
100km/h・8000rpm 

ならば単純に

116km/h・8000rpm

程度になるのですが、走行抵抗等で
エンジンパワーが負けてしまう可能性もあるので、
そこまでの効果は得られないと思います。

肝心なギアの歯数は

・ノーマル
 ドライブ 19丁
 アイドル 43丁/18丁

・カメ
 ドライブ 21丁
 アイドル 40丁/19丁



こちらはローギア−ドになりますが
参考資料として・・・。

・ZZノーマル
 ドライブ 15丁
 アイドル 51丁/15丁


・ストマジ50/ZZ用 マロッシハイギア
 ドライブ 15丁
 アイドル 40丁/15丁
 

      <   工程 1   >

では、早速取り付けにかかりたいと思います。

先ずマフラーを外し、アクスルナットを緩め、ホイールを
外します。

マフラー、ホイールのはずし方はコチラ
     ↓↓↓
    リアブレーキシューの交換



ホイールが外れたら、ブレーキパットを外します。





アクスルスペーサーも外します。


      <   工程 2   >

ギアBOXを分解する事になるので、
BOXに繋がったブレーキワイヤーも分離します。



ワイヤーステーもギアBOX側に付いています。
お忘れなく!


      <   工程 3   >

駆動系のカバーを外し、セカンダリプーリー一式を
外します。

駆動系の分解の仕方はコチラ
     ↓↓↓
  クラッチカバーの外し方

  クラッチスプリングの交換

駆動系の部品を外したら、
駆動系ケースの内側にある、ギアOILのドレンを外し、
ギアOILを抜きます。

当然、OILが垂れ落ちるので、受け皿が必要です。
(120ml程度なので、あまり大きくなくて平気です)


      <   工程 4   >

OILが抜け出たら、いよいよギアBOXの分解です。

写真の8箇所のボルトを外して行きます。



その中の1本。
緑の矢印のボルトはガスケットが入っていますので、
要注意です。


      <   工程 5   >

ギアBOX、ご開帳! です。
この割る作業、結構コツが必要です。

硬くて割れない場合はプラハンなどで、軽くショックを与えながら
少しずつ割って行きましょう。



コレがドライブギアです。


      <   工程 6   >

ドライブギアは圧入されているので、
写真の様に、ギアプーラーで駆動系側から、押し出してあげます。
上手い人は、ハンマー2本で抜いてしまうらしいです。



この作業の際に稀に、ケースに圧入された
ベアリングごと抜けてくる場合があります。

そういった場合は、再度ベアリングにプーラーを掛けて
ギアを抜きます。



入替えで、ハイギアのドライブギアを入れます。
この作業もギアプーラーを使用しました。

今回、ベアリングは再利用ですが、
気になる方は、高い部品でもないので(¥1,500円以下だと思います)
交換しても良いかもしれません。


      <   工程 7   >

次に、ギアBOX側のアイドルギアを交換します。

アクスルシャフトの付いたファイナルギアが邪魔するので、
コレを抜いてからの作業になります。
(ファイナルギアは圧入でないので、手で簡単に抜けます)

アイドルギアには、ワッシャ−があるので、
忘れないように注意してください。



ギアBOXのOリングが新品を使用しました。
(高年式の車輌では再利用も可能かもしれません)

ギアの交換が済んだら、ばらした手順の逆で
ギアBOXを組んで行きます。

Oリングが溝から外れて、挟まらない様に気を付けましょう。

ボルトは対角線状に締め、
締め付けトルクは、2.2kgf ・m です。(サービスマニュアル参照)


      <   工程 8   >

ギアBOXの組立が完了したら、BOXにギアOILを注油します。
私は容器に、調理用の計量カップを利用しました。

注油も100円ショップで購入した、サラダのドレッシング容器です。



注油はドレンボルトの右上にある注油口より注油します。
注油量は、ケースにも記載されていますが120ml。

但し、この手のOILは、注油し続けて、溢れた時点で
規定量になるように出来ているので、
注油口より溢れるまで入れて、
溢れてきたら、少し落ち着くのを待ってから、
ボルトを締めればOKです。

注油後は、周りに付着したOIL等をパーツクリ−ナーで洗浄して、
外したパーツを元通りに組んで、完了です。



< 注意事項 >

・走行直後はエンジンが高温となっており
 火傷の原因になりますので、エンジンの冷えている時に作業しましょう。

・Oリングは、確実に溝に嵌め込み、ズレる事のない様、慎重に作業しましょう。

・ギアBOXのボルトの締め付けトルクは、満遍なくボルトを締め付け、
 偏りの出ない様にしましょう。(OIL漏れの原因になります)

・装着後は定期的にOIL漏れ等がないかチェックしましょう


< 使用した材料 >

・カメレオンファクトリー製  パフォーマンスギア
                        ・・・・¥14,700-

・Oリング,D:2.4,ID:161  09280-00029
                        ・・・・¥800-くらい

・ギアOIL 日産純正OIL エンデュランス 10w-50 
       +添加剤(IXL)少々    ・・・・¥車の余り物を使用の為、不明


< 使用する工具 >

・4mm〜8mm ヘキサゴレンチ
・8mm〜22mm メガネレンチ&ソケットレンチ
・トルクレンチ 1kg〜10kg
・オイル注し


< 使用するケミカル >

・パーツクリーナー


< 参考文献 >

・パフォーマンスギア取り付け説明書


< インプレ >

ガソリン満タンから適当に1メーターほど慣らし運転を
して、いつものテストコースで全開をかましてみました。

普段90km/hで通過の目印を100km/hで通過して行きます。

これは面白い。

早速タイム計測してみました。

-   ノーマルギア   パフォーマンスギア
- - -
Ver 25.A5 25.B0
WR WR1 15 15
WR2 14 12.5
TOTAL 87 82.5
キャブ MJ# 130 130
SJ# 38 38
NC段数 3 3
AS戻し 1+1/2 1+1/2
プラグ IX8 IX8
トライアル km/h 到達(s)
〜30km/h 3.18 3.25
〜50km/h 5.45 5.75
〜70km/h 9.10 8.25
〜90km/h 16.23 13.38
〜92km/h 18.55 14.85
〜95km/h 20.93 15.94
〜97km/h 24.02 17.56
〜100km/h 未計測 19.06
〜102km/h 21.94
〜105km/h 未計測
変速回転数 7100 6600
計測時最大回転数 7950 8150
計測時最高速度 97 102

WR以外はポン付けのデータ−です。
0〜50km/h辺りまでは、ノーマルギアに遅れを取りますが、
90km/hの時点では巻き返して約3秒のタイムアップです。

グラフでみると、こんな感じだと思います。

        

しかしながら、ノーマルギアのデータ−、
ハイギア搭載直前とは言え、短いSKベルトだったりと、
ベストな状態ではない仕様ですが
狙ったとおりの状況です。

念のため、今までのベストな仕様との比較もしてみました。

日付 ノーマルギア
ベスト
パフォーマンス
ギア
- -
Ver 23.6 25.B0
WR WR1 14.0 15
WR2 15.1 12.5
TOTAL 87.3 82.5
キャブ MJ# 135 130
SJ# 38 38
NC段数 3 3
AS戻し 2 1+1/2
プラグ IX8 IX8
トライアル km/h 到達(s)
〜30km/h 2.63 3.25
〜50km/h 4.70 5.75
〜70km/h 7.25 8.25
〜90km/h 12.60 13.38
〜92km/h 14.69 14.85
〜95km/h 17.06 15.94
〜97km/h 19.47 17.56
〜100km/h 21.91 19.06
〜102km/h 26.60 21.94
〜105km/h 未計測 未計測
変速回転数 7000 6600
計測時最大回転数 8220 8150
計測時最高速度 102 102

ベストな状態と比べると、90km/hまでのタイムは約1秒の遅れとなりました。
この辺は、長さの違うベルトを使っているので、ギア比的に怪しい部分も
ありますが、ハイギアの本領を発揮して、差が出ているのはその先の速度域。

92km/hでは、今までの最速タイムに近づき、95km/hでは約1.5秒リードします。
計測の最終速度となった102km/hでは、約5秒も短縮したのです。

残念ながら、初期型用のベルトが切れてしまっていたりと、
最速時とイコールのコンディションではなかったのですが、
駆動系の状態をイコールにしていれば、もっと面白いデータ−が
取れたかもしれません。

ベスト仕様と同じ状態でのテストとは行きませんでしたが、
十分満足できる結果だと思います。