クラッチスプリングの交換
< 能書き >
スクーターのクラッチは自動遠心クラッチと言い
セカンダリープーリーの回転の力を利用し
文字通り、遠心力で繋がるようになっています。
駆動系やエンジンのチューニングが進むにつれ、
パワーバンドが高回転よりになったとき、クラッチスプリングがノーマルの
ままですと、小さい遠心力(低回転)でクラッチが繋がってしまい、
エンジンのパワーバンドを外した所での駆動となってしまいます。
< 目 的 >
遠心クラッチをより大きい遠心力(高回転)で作用させることにより
高回転よりになったパワーバンドを上手く駆動につなげようというのが目的です。
< チョイス >
< チョイス >
今回、私がチョイスしたのは↑↑↑コレ。
カメレオンファクトリー製 強化クラッチスプリング
(ただのモデファイドプーリーの付属品だったりする・・)
< 内 容 >
< 工程 @ >
まずはクラッチカバーを外します。
クラッチカバーの外し方の分からない方は
↓↓↓コチラ。
クラッチカバーの外し方
*直でこのページには戻って来れません。
< 工程 A >
ベルトがあり直接クラッチAssyは外せないので、
ベルトを外すため、プライマリープーリーの
ドライブフェイスを外します。
< 工程 B >
ドライブフェイスを外したらプライマリープーリー側の
軸からベルトを外しておきます。注 ドライブフェイスを外した際、数種のワッシャー類が出ますので
向き(表裏)や順番に気をつけて下さい。
< 工程 C >
次に、シザーズホルダーと14mmのメガネレンチを
使いクラッチのアウターを外します。
< 工程 D >
クラッチアウターを外したらインナーとご対面です。
そのまま引き抜けます。
< 動作 @ >
取り外したインナーです。
黄色○印がクラッチシューです。
このシューが矢印方向に広がりアウターの内壁に
接触することにより駆動を伝えます。このクラッチシューを
安易に広げないように内部で引っ張っているのが
クラッチスプリングです。
< 工程 E >
先ほど使ったシザーズホルダーと34mmのソケットを使い
インナーのユニットをバラシます。
この34mmのナット、私はソケットを使ってしまいますが、
専用レンチが2輪量販店で購入できます。
注!このナットを外す際、セカンダリーのプーリー(写真の最下部)を
押さえているセンタースプリングの反力のため、ナットが外れた瞬間、
クラッチ部が飛んできます。ナットが緩んだら、外れるまでの間は、両足
等を使い押さえて外しましょう。
コチラも私は踏んづけて外しますが、2輪量販店にて
コンプレッションツールなる専用工具を購入することが出来ます。
< 工程 F >
分解するとこうなります。
真ん中のスプリングがセンタースプリングです。
コレの反力により、クラッチが飛んでくるのです。
< 工程 G >
矢印の部分。コレがクラッチスプリングです。
まず○印のEリングを外し、フレームを外します。
< 工程 H >
フレームを外すとこうなります。
クラッチスプリングは3つです。
ラジオペンチなどで外しますが、硬さは尋常じゃないレベルですが、
慣れると結構簡単に外せます。
上手く外してください。
< 比較 @ >
外したスプリングです。
左がノーマル、右が強化スプリングです。
見比べると、強化品はノーマルより太く巻き数も少なく
出来ています。当然レートも高いです。
< 工程 I >
当然、ノーマルと入れ替えるわけですが
、コチラも硬さは尋常でありません。
頑張ってくださいとしか言い様がありません。ワンポイントアドバイスとして
スプリングの片方を掛けておいて、
バネの巻きの部分にマイナスドライバーの先をぶち込み、
コジルことで一時的にスプリングを伸ばし
引っ掛けることも可能です。
(っていうか私の技そのままです・・・)
ただ、コジり過ぎると。バネその物を伸ばしてしまうので
気をつけて下さい。後は逆の手順で組み付けを行い完了です。
フレームを付ける際のEリングには
表裏の向きがあるので気をつけて下さい。
< 注意事項 >
クラッチのユニットを分解するに当たり、
コンプレッションツールを使用せず、センターナットを外す場合は
くれぐれも、センタースプリングの張力で飛びそうになる
クラッチのインナーにご注意下さい。
< 使用する材料 >
カメレオンファクトリー製 モデファイドプーリーキット付属のクラッチスプリング
< 使用する工具 >
・プラスドライバー
・インパクトドライバー(クラッチカバー)
・シザースホルダー
・プーリーロックレンチ
・14-17mmメガネレンチ
・34mmソケットレンチ
・ラジオペンチ
< 使用するケミカル >
・パーツクリーナー
< 参考文献 >
・カメレオンファクトリー製 モデファイドプーリーキット付属 取付説明書
< インプレ >
装着後、走行してみると、クラッチミートのタイミングが高回転になった事が
すぐに感じ取れます。
そのまま、2ヶ月ほど使用したのですが、加速の調子悪い・・。
加速タイムのデータも何をやっても良くなりません。
まさかと思い、クラスプをノーマルに戻すと・・・・。
復調しちゃいました。あっさりと。
恐らく、回転数が足りなく、
クラッチの満足な遠心力を与えられないみたいです。
社外マフラー装着など、エンジン回転が高回転仕様になったエンジンになら
良いかもしれません。