ハイスロットルKITの取り付け


< 能書き >

スロットルワイヤーの巻き上げ量が多くなったスロットルで、
スロットル全閉〜全開までの時間が短縮できます。

スタート直後から全開のドラッグレースや
STOP&GOの多い市街地には素早く全開に出来るので有効ですが、
全開までの時間が短い故のデメリットも存在します。

全閉でも、全開でも行けない、微妙なスロットルワークを必要とする
コーナーや、スロットル開度に敏感なハイパワー車等は、
緻密なスロットルワークを要求される事になります。

その他の使い道としては、増えてしまったスロットル量を適正量に
修正すると言う使い道もあります。

キャブを大きくしていくと、一緒に増えてしまうのが、スロットルの巻き上げ量。
純正のキャブに合わせて作られたノーマルのスロットルで、
キャブのみ大きくするとスロットル全閉から全開までの距離が伸びてしまい、
全開時には手首がスンゴイ角度になり、何ともお間抜けな格好に・・・・。
長時間の全開であればスロットルを握り直す事で回避できるのですが、
開閉の多い市街地では、ロス以外の何者でもありません。


< 目 的 >

PE24では、さほど気にならないものの、
今後の更なるキャブのサイズアップの為、先行で対策を講じようと思います。

キャブのサイズアップにより増えてしまったスロットル量を適正量に修正して、
快適なスロットルワークを取り戻します。


< チョイス >

     <   チョイス   >

今回、私がチョイスしたのはコレ。

キタコ製のハイスロットルKIT。
HONDAスクーター汎用でPWK28用です。

某オークションで新品を格安ゲットです。


< 内 容 >

     <   分析 1   >

ご覧の通り、スロットルボディが巨大です。

装着予定であるPWK33のを全開にするには
ノーマルのスロットル開度が約120°に対し、
このハイスロットルでは約80°となります。

一見、ポン付けで行けそうですが、事は簡単に運べません。
大きな問題点が4点存在します。


     <  チョイス2   >

問題点その1

まずはコチラ。
キャブワイヤーとオイルポンプワイヤーの分岐BOXです。
ノーマルキャブ〜28φ程度のキャブなら、
ノーマルでも問題ないのですが、それ以上ですとストローク量が
足りなくなります。

そこで、対策としてチョイスしたのはコレ。
CRM250用のスロットルワイヤーASSY。

単気筒2ストの多いオフ車では、250ccクラスともなると
35〜38φのキャブを装着している場合が多く、分岐BOXも
相応の物が使用されています。

コチラも某オークションでGETです。



因みに、ノーマルと比較すると、大きさは10mm程度大きいです。
10mmと聞くとピンと来ないかもしれないですが、
28φで限界だったものが38φまで使用可能になる事になります。
この10mmの違いが大きいのです。



     <   工程 1   >

使用するのは、分岐BOXと内部の分岐用のピストンのみで、
ピストンをワイヤーから切断して、新しいワイヤーを通す為の
穴をあけます。




     <   チョイス3  >

分離したピストンにワイヤーを通し、スリーブでワイヤーを
抜けない様にするのですが、今回はとある方面よりチョットした
知恵を頂きました。

それがコレです。 ステンレス半田。

ステンレス半田には、ヤニが含有されていないので、
専用のフラックスを使用します。

大抵は自転車の変速機用の圧着式のアルミ製スリーブを
使用するのですが、常に付きまとうのが、圧着力不足から来る
スリーブの抜け。

そんな不安を払拭する為に、溶着してしまおうと言うわけです。


     <   工程 2   >

ここで苦労するのが、スリーブの材質。
一般に販売されているのは、圧着用のアルミなのですが、
ステンレス半田はアルミに溶着しません。

そこで、お得意の旋盤で3φの真鍮棒に1φの穴を開け
スリーブを自作です。

分岐BOX、スリーブの準備が出来たら、
ワイヤーを必要な長さに調整して半田付けします。

アドの場合、スロットルワイヤーの長さは
スロットルボディの出口から約850mmです。



     <   補足 1   >

CRMの分岐BOX中心でお話を進めてしまいましたが、
ノーマルではコチラになります。


     <   工程 3   >

ワイヤーの準備が出来たら取り付けです。

まずは、ノーマルのスロットルボディの撤去からです。

スロットルボディ下のビス2本を外すと分解する事ができます。

このビス、非常に固く締まっているので、
ナメない様に気をつけて下さい。

スロットルボディの分解について
更に詳しく知りたい方はコチラ
     ↓↓↓
 ボルトオンBIGキャブの取り付け





     <   工程 4   >

次にスロットルワイヤーを引き回す為、
アッパー、フロントのカウルを外します。

ワイヤーはノーマルと同じ引き回しになるように、注意してください。
引き回し方法が変わると、スロットルレスポンスの低下や
遊びの調整なんかにも影響が出てきます。

ワイヤーを引き回しても、まだ、ハイスロのスロットルボディは
取り付けません。
スロットルボディは分岐BOXの処理後となります。

カウルの外し方について
更に詳しく知りたい方はコチラ
     ↓↓↓
 デジタルタコメーターの取り付け


     <   工程 5   >

更にフットパネルも外します。

フットパネルの外し方について
更に詳しく知りたい方はコチラ
     ↓↓↓
 ボルトオンBIGキャブの取り付け


     <   工程 6   >

フットパネル下の分岐BOXを入れ替えます。


     <   工程 7   >

最後にスロットルボディの取り付けになるのですが、
ここで問題がもう一つ。

スズキ車は、一般に流通されているハンドルバーの径より
細いのです。

グリップやグリップエンドを交換しようとして、
コレに泣かされた方も少なくないのでは・・・・・・・。

当然、私のチョイスしたハイスロはホンダ車用ですので
この問題と直面します。

ですが、この辺はミョーに無神経なワタシ。
ステンレス製のエーモンステーをハンドルに巻きつけて
スロットルボディに挟んで固定してしまいます。

さて、コレで終わりと思いきや、そうではありません。
問題が二つ残ります。

勘の鋭い方はお気付きだと思いますが、
問題はセルスイッチとミラーの台座なんです。