エアクリーナーBOXの加工
< 能書き >
エアクリーナーBOXは吸気する際、吸入する空気中のゴミを取り除くべく
フィルターを内蔵し、また気温、湿度の変化、
吸気音の暖和など様々な仕事をしています。
そのため、吸気抵抗が多く、エンジンが本当に必要な空気量を
キャブレターに供給できていない場合も少なくありません。
このBOXの吸気抵抗を減らすことで理想的な吸気量をキャブレターに供給し、
エンジン出力の向上を狙います。
このコンテンツではエアクリーナBOXに穴を開けることにより空気を吸い込む穴の
面積を拡大し、吸気抵抗の低減を図ります。
しかし、問題になるのが、エアクリーナーBOXの穴あけ加工による騒音。
どうにか出来ない物かと色々検討していました。
アイデアは浮かぶものの、どれもイマイチ。
とは、言っていても話は進みません。
チューニングなんてトライ&エラーの連続です。
とりあえず、素人考えですが一番妥当?と思われる
加工をしてみる事にしました。
まず、音の聞こえる原理を考えます。
音とは気圧の違いによって発生します。音波です。
気圧の差が大きければ大きいほど、音は大きくなります。
要は、気圧の差をなくしてあげれば良いのです。
(まさに素人考え!)
<メニュー>
その@ 〜吸気効率の向上と消音〜
そのA 〜ナメたネジ穴の修復〜
そのB 〜更なる吸気効率アップへ〜
そのC 〜ツインエアクリーナーシステム〜
< 構想 @ >
現状のエアクリBOXの気圧の状態を予想図にしてみました。
現在、エアクリBOXの部屋の構造は、2部屋です。
厳密にはフィルターがありますが、今回は考えないことにします。
キャブ側で発生した音は、まず右側(赤)の部屋で減圧され
少し消音されます。
更に左側(橙)の部屋でも減圧され消音されますが
2部屋では消音しきれない為、吸気口で気圧の差が
発生し、音となり外へ聞こえます。
< 構想 A >
では、どうするか??
素人の私は、部屋をもう一つ増やすことにより
減圧(消音)効果を上げてやろうと思いました。
ほんとに勝手な妄想です。
予想図ではこう↑なります。
< 構想 B >
では、どうやってノーマルのエアクリBOXに部屋を増やすか??
写真の斜線の部分。ここはエアクリBOXの本体と組み合わせると
一つの部屋になります。
ですので斜線の部分に壁を作り、部屋を2部屋にして
やろうと言う考えです。
今後、分けた部屋をエアクリBOX本体側をA部屋
蓋側をB部屋と呼ぶ事にします。
この内容を踏まえ、加工に取り組みたいと思います。
< 内 容 >
< 工程 @ >
コレは「消音穴あけエアクリBOX」の第1号。
試作的に加工して上手く音が消せたのですが、汚いですね。
< 工程 A >
外側から見るとこんな感じでした。
ノーマルルックを目指す私としては納得行かない作品です。
今回は、外観に加工の面影を見せないようにして加工をします。
< 工程 B >
ホットカッターや半田こて、リーマーを駆使して、
考えられる限りの場所へ穴を開けます。
各穴には、シリコンチューブを取り付けます。
この「チューブ」がポイントで、
音波となった空気がチューブ内を通る際、
チューブの内壁が暖衝材となり、消音効果を発揮します。
< 工程 C >
そして、塩ビ板の仕切り版を作成し部屋を作ります。
今回は綺麗に出来ました。
< 工程 D >
外から見るとこんな感じです。
装着してしまえば、それが加工してある物かなんて解かりません。
本当は、エアクリBOX本体側の加工も考えていたのですが、
奥の手という事で、今回は、加工を先送りにしました。
< 注 意 >
エアクリーナーBOXの蓋を止めているビスはタッピングビスという
木ネジの様なビスです。
受け側のビス穴は樹脂であり、ビス締め付け時に過大なトルクを
かけてしまうと、ビス穴がナメてしまいます。
締めすぎにはご注意ください。
また、使用する塩化ビニル系接着剤は硬化するまで有毒なガスを
発生しますので、使用中〜硬化までは通気性のよい場所で作業して下さい。
カッター等の刃物を使用しますので、くれぐれも怪我に注意してください。
< 使用する材料 >
・8φシリコンチューブ 1m
・塩ビ製の板
・塩化ビニル樹脂系 接着剤
< 使用する工具 >
・M4 プラスドライバー
・はさみ
・カッター
< 使用するケミカル >
・特になし
< 参考文献 >
・特になし
< インプレ >
キーをONにして、セルスタート!
!!! なんと! とても静か!
マフラーの排気音の方が大きい。(もちろんマフラーはノーマルです)
容量は明らかに減っていますが、それによる性能低下は見受けられません。
走りだしてみると、アクセルレスポンス、加速共に良い感じです。
とりあえずは吸気効率を上げつつノーマル並みの吸気音は
成功したようです。
*かなり素人的な知識と技術での加工です。
原理や方法に間違いがあるようでしたら
是非是非、掲示板やメールでご指導ください。
↑自信がないので文字が小さめです・・・。