HALF AND HALF JOURNAL

                                                     

 

 

無 意味 な

破 片

 


無意味な破片

 

 

 

 

           

Fragments

HHJ

             inutiles

 

 

 

〈コントラストのテーマ〉には本当に参るよ[A]

      Updated 2007.12.29 

編集長―花輪の高屋橋下流をほとんど埋め尽くした土砂を見たとき、ぼくが直観的に思ったのは〈これは甘酒婆だ〉っていうことだ

特派員―甘酒婆というのは、幕末に世間を騒がせた奇妙な女の流れ者でしたね。1843年、天保14年に越後から二ツ井小繋辺りまで来て、甘酒はないか、と聞いて回った。それに答えた人は悶え死ぬというので、住民は魔除けの赤紙に〈甘酒はありません、唐辛子があります。亭主は留守。家の者は皆つんぼ〉と書いて家の前に張った。大館では売り切れたそうです。ところが、不思議な話ですが、上様を誹謗中傷する落書きだという理由で禁止命令が下った1

半分半分放送局長―正月にふさわしいストーリーだ。甘酒爺はいないか?

ナモネ氏―女だけだよ。色気たっぷりの、な。

高屋橋下流 左岸堤防の氾濫箇所

fyoy

アロマ―だから、幕府が保護するの?

ナモネ氏―いや、ついつい勝手なことを言ってしまったな。編集長の解読によれば、甘酒婆は鉱山や製錬所から川に流出した有害物質の隠喩(メタフォール)だ。

特派員―一般的には白い色は鉱害の象徴ですね。

放送局長―この事件にはやはりだんぶり長者の伝説が反映してるよ、な、君。酒の泉を発見して、米のとぎ汁が米代川に流れるほど裕福になったという。

編集長―越後から来たっていうのは、米代川源流や鹿角の鉱山から流れて来たと考えていい。現実的には継体天皇が伝説の主役で、この天皇は越前地方が故郷だったから、な。

放送局長―ということは、つまり、徳川と南部が共謀していた?

アロマ―あたしの調査では、徳川と南部はかなり深い関係だったのよ。12代盛岡藩主南部利済(としなり)の三男利剛(としひさ)は水戸藩の徳川斉昭(なりあき)の娘明子をもらい、14代目の藩主になる。甘酒婆事件の5年後。将軍徳川慶喜(よしのぶ)は明子の弟で、そして、大政奉還後には利剛の長女郁姫が華頂宮博経(ひろつね)親王の奥様になる2

ナモネ氏―南部利剛と言えば、明治維新のときの殿様だよ。秋田が奥羽列藩同盟を裏切ったので、米代川下流に攻めてきて佐賀藩を中心とする官軍と戦った。

編集長―きみまち阪まで攻めて、敗走した。甘酒婆の記事をHHJに書いてから、ぼくは南部が水質汚染などの鉱害を一種の武器として政治的に利用したんじゃないか、と疑うようになりましたね

阿仁川の洪水 2

A Theme”Contrasts”; Jimmy Dorsey and His Orchestra

1 リヴァー・ユートピア: 甘酒婆という化け物は何を語るか?

2 wikipedia, 盛岡タイムズ〈古文書を旅する〉122 工藤利悦

 

▼ 冷水・間瀬川のページ

▼ 東京駅暗殺事件~24 ミラー・イメージの洋館

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ヴァイブラフォンが切ない〈スターダスト〉は名演中の名演[A]

       Updated 2007.12.23

特派員―アフガニスタン情勢がよくなってないという批判は間違いだと思いますが、ね。小沢一郎代表が、給油継続法案に反対する理由として民主党のHPで語ってる。

ナモネ氏―多国籍軍が反撃する前の状態に戻れ、と言うのかな?アル・カイダとタリバンの天国に?

半分半分放送局長―それしか言ってないが、要するにISAF(国際安全保障支援部隊)NATOが武装勢力の抵抗を抑えきれていないのが問題だ。

特派員―カミカゼ、つまり自殺テロがかなり増えてますよ。

ナモネ氏―今、困ってるときに協力しないと、アメリカは大変だろうなあ。鳩山由紀夫幹事長は友愛を大事にする政治家だったんじゃないか?

感情的なグラス

編集長―ええ、しかし、民主党も双面の生き物だな。この戦争は、長い目で見るべきだと思う。

特派員―敵は国際テロ組織ですよ。それを忘れちゃいけませんね。

ナモネ氏―〈木を見て森を見ず〉だよ、日本人は

特派員―マスコミの報道に幻惑されたら、どこに連れて行かれるか?

特派員―国連決議がない戦争に賛成できない、という意味の民主党の反対論はどう思いますか?

編集長―イラク戦争は安全保障理事会が承認しなかったけれど、アフガニスタンの場合は国連憲章第7章にしたがってる1[平和に対する脅威、平和の破壊および侵略行為に関する行動]

放送局長―イラクでの空輸の任務は終了してもいいと思うね。防衛省の愚劣な内情、つまり守屋前次官と防衛商社の収賄事件だが、あれを見ると、外国からお断りが来てもいいころだ。しかし、国連決議があればどんなことでもやるということじゃあ、国家としての主体性がないよ、な。

編集長―イラクでもアフガニスタンでも日本は憲法が許す範囲内で参加したはずだ。しかし、活動の理念が漠然としてるから、仕方なく追認してる。日本は専守防衛を神聖な原則と考えなければいけない

ナモネ氏―同感だ。第2次世界大戦の被害国が恐れや疑念を感じるかどうかを主要な基準にして、安全保障を構想するべきだ。

アロマ―あたしが分からないのは、拉致事件で自衛隊が恰好よく登場しようとしなかったことよ。役割は何なのかな?

放送局長―防衛の定義が問題だろう。

編集長―法律がどうだろうと、政府の責任だ。立法措置で対応できることだよ。

ナモネ氏―東シナ海で自衛隊のヘリコプターが韓国の不審船に警告したおかげで、キム・デジュン(金大中)は殺害されなかった…そういう映画のシーンをテレビ朝日の特集番組が2年前使用したが、事実はそうでなかった。

編集長―アメリカがキャッチして無線で警告したというのが真相らしいですね。

特派員―民主党はせっかく次の衆議院選挙で政権を取れるところまで来たのに、ヘッドはそれを嫌った。大連立騒動が証明したことですが?

ナモネ氏―収穫物を全部敵に納めるというのは、スパイか岩手県人のやりそうなことだよ。

放送局長―確かに言えることだ。民主党がアメリカその他の国際的な協力活動から消極的に手を引くとすれば、国民は国際社会のあらゆる分野で亀裂が入ることを心配しなければならないよ。

編集長―冬が終わるまでは石油がやはり問題だよ。しかし、今あまり危機感を煽り立てると、保守勢力が陰で笑う。

アロマ―HHJは世界平和と自由と人権と自然環境保護のために行動してる。

放送局長―サハリンの石油をもらっていればよかったが。ところで、法案の審議はどうなってるんだ?

特派員―それはもう、特派員はバカンスに行きたいくらいですね。

 

A Stardust; Lionel Hampton & His Orchestra

1 International Security Assistance Force国際治安部隊---wikipedia

 

アフガニスタンの麻薬絶滅、発電所の安全維持

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


〈ジョシュア〉というスタンダードの戦争中の名演[A]

       Updated 2007.12.10  

アロマ―イタリア語が話せる人に会ったら、彼女、〈ナチって、nazione(ナッツィオーネ 国、国民)が語源じゃないの?〉と言うのよ。ずっとそう思ってるんだって…NAZIONE.

特派員―なるほど、冒頭の四文字で〈ナチ〉だ。無理もないな。ファシズムの元祖ムッソリーニ(Benito Mussolini)がファシスト党を結成したのが19211111日。

ナモネ氏―バーデンバーデンの密約から2週間後だな。

特派員―ええ、そして、首相になったのが192210月で、1か月後には独裁政治を始めた。

中山の果樹園の奥

ナモネ氏―ヒトラー(Adolf Hitler)192311月ワイマール共和国を倒すために有名なミュンヘン蜂起を企てたが、失敗した。監獄で書いたのが《我が闘争》だ。

編集長―イタリア語から来てると思ったのは、歴史の動きを見ても自然だな。半分半分放送局長米明が映画宣伝のために国家社会主義ドイツ労働者党のニックネームを考えるとしたら、ローマ帝国の栄光をスポット・ライトにしようというアイディアはかなり魅力的じゃないか?

半分半分放送局長―そうだな、まあ、誰でも分かると思うけど、無意味な文字の組み合わせは印象的でないから、忘れられやすい。イメージがあると、記憶されやすい。それでNasoNasも止めて、観念連合的な意味に引かれてNaziという組み合わせを選んだ、かな?…

アロマ―ラジオ放送が1920年にアメリカで始まったことも、きっと影響してる。NSDAPよりNazisという発音---ナチス。ドイツでのラジオ放送は1923年から。

特派員―ナチ、ナチス…イタリア王国の右翼には受けたんじゃないかな?

編集長―ナチズムの美学は古代ギリシア文化に敬意を払ったから、思いつかないことじゃないな。

放送局長―しかし、ローマに対してはどうかと思うね。ムッソリーニ(Benito Mussolini)が連合国とレジスタンスに追われてローマを境にイタリアが南北に分裂してから、ナチスはかなり残酷な政治をやった。それをネオ・レアリズモで描いた映画がロッセリーニ(Roberto Rossellini)の《無防備都市》だ1

ナモネ氏―あのゲルマン民族至上主義のプライドが許しませんよ。私の記憶では、二人の独裁者は仲が悪くて、ヒトラーはイタリアとの同盟を迷惑に思っていた。そういうことだ。

特派員―イタリアの温泉が駄目でも、日本の温泉がある。第2候補のNasという冗談みたいな単語で那須御用邸を連想しませんか?那須高原の温泉も悪くないな、と思って調べてみたんです。

放送局長―東北本線黒磯駅。何となくおもしろい駅名だよ、な、君。海岸にあるわけじゃない。

      

■ ナチスの鉤十字と日の丸の旗 - B

 

A  Joshua; Ralph Franagan & His Orchestra

1  1945年 制作 イタリア OPEN CITY

 

ラジオ放送の始まり、ムッソリーニと朝日新聞・NHK

▼ 東京駅暗殺事件~11 後編  

 

▼ ナチスの鉤十字と日の丸の旗 -A

▼ ナチスの鉤十字と日の丸の旗 – C

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


〈フレネシー〉はあの時代の雰囲気を表わす言葉のひとつ[A]

       Updated 2007.11. 24 

特派員―ふうん、なるほど、やはり怪しいな

ナモネ氏―鉤十字のマークも、こうやって眺めると、《太平記》の名言に脱帽するよ。人は一日数億の思いがある、というような感動的なせりふがあった。

特派員―戦前生まれの気持は脇に置いて、このナチという言葉の意味をあらためて調べてみたら、何が分かったと思いますか?

ナモネ氏―熊野の那智大社との関係かな?

アロマ―それはあたしが調査したけど、全然だめね。

ナモネ氏―ナチと那智は偶然の一致か?…思ったとおりだ。つまり、そういう馬鹿な疑問を話したり書いたりすれば、危ない目に合うっていうわけだ。

中山 寒沢橋西側のリンゴ園

半分半分放送局長―ところが、HHJとナモネ氏は例外なく何度もその疑問に捕われて、何度も忘却の中に追い払った。それでは、特派員のレポートを聞いてみるか?録音スイッチ、入ってる?

アロマ―OK

特派員―HHJは習慣的にナチという単語を国家社会主義ドイツ労働者党と党員の略称だと思って適当に使っていたけれど、ウィキペディアによれば、NSDAPが略称だった。ドイツ語では、Nationalsozialistische Deutsche Arbeiterparteiという発音でいいのかどうか分からないけれど、ナチとはどういう意味か、と言うと、フランス語の記述によれば、national-sozialistischの略称で、党員とナチズムの政治思想の加盟者の身分保証に使用された用語ですね。フランス語の辞書はもっと簡単にナジ(Nazi)とは国家社会主義ドイツ労働者党の党員のことだと言ってる。党の意味はない。しかし、イギリス語ではナチの複数ナチスは党をさす。

ナモネ氏―すると、ナチのziというのは頭文字じゃないな

アロマ―普通ならNasoとかNasと言うんじゃない?

曲田 ギリシア正教会福音聖堂と畑

放送局長―うむ、そのとおりだな。裏通りに隠れて悪いことをやってるよ、このネーミングは。しかし、イギリスやフランスのジャーナリストが勝手に付けた呼び名でないと分かって、ほっとしたよ。何でもないようで嫌な連想させるネーミングがいっぱいあるからな。これは、いつ誰が考えついたのかな?

特派員―それは、どこにも書いてませんね。1920年代にナチスの基礎ができたとあるから、日本では大正時代。例の温泉保養地バーデンバーデンで東条英機ら青年将校グループが総力戦の準備などいかがわしい密約をした時期に重なる。192010月。南ドイツの秋。

放送局長―ナチという用語がナチズムの加盟者をもさすというのは、気にならないか?

特派員―もちろん、枢軸国日本とイタリアの顔が浮かびますよ。

ナモネ氏―勝手な想像だが、1936(昭和11)1125日ナチスが広田弘毅内閣と防共協定を締結してから意味を拡大したのかもしれんな。登録はしてないだろう。

特派員―テロ組織玄洋社の幹部が堂々と首相になって、戦略的にユーラシアの東西を結びつけた。

アロマ―大変、大変、ニュース!!!22日深夜のラジオ・フランスによれば、イギリス連邦は非常事態宣言下のパキスタンがデモクラシーと法の権威が修復されるまで連邦への加盟を停止にした〔1〕。

放送局長―おお、これは〈全然大変じゃない〉と言うわけにはいかないな。この偶然を翻訳すれば、どうなる?

特派員―ムシャラフ(Pervez Musharraf)首相は隠れナチだ、ということでいいんじゃないかな、残念ながら 

ナモネ氏―歴史は二度繰り返す、というのは本当だな

      

■ ナチスの鉤十字と日の丸の旗 - A

A Frenesi; Artie Shaw and His Orchestra

1  Le Pakistan suspendu du Commonwealth

AFP - 22 novembre 2007 - 22:59

 

▼ 鉤十字と日の丸 / 封建主義の終末

 

▼ ナチスの鉤十字と日の丸の旗 – B

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


★〈コントラストのテーマ〉はさりげない味わいがずっと残る[A]

       Updated 2007.11.15

半分半分放送局長―どれもこれも定義と違うんだ。

特派員―結論が出ましたね。

ナモネ氏―えせ比内地鶏をだまされて食べたのは私と放送局長だけとは、な。

放送局長―さ、今日は帰るかな…防衛省の悪口を今さら言っても仕方がない。

編集長―世間には偽装表示がいっぱいあるよ。放任すると、いつか必ず悪い影響が出る。5月内陸鉄道で米内沢駅から小阿仁川に向かったとき、本城の交差点でおかしな交通標識に出会って、ね。米内沢の街を通って来たのに、左進行方向は〈米内沢〉〈三里(みつさと)〉〈上小阿仁〉なんだ。

特派員―冗談でしょう?

放送局長―自民党・公明党・民主党の標識さ。

米内沢-本城-合川

特派員―道化師と脇役がアメリカ相手に国家の本音をしゃべってましたね。

編集長―そう、それは、まあいい。それで自転車を止めて撮影して小阿仁川に通じる丘の方に曲がって行くと、坂の前でY字路になるんだ。左に進むと、米内沢の街に戻るらしい。確かめたわけじゃないが、そうだとすれば、あの標識はでたらめと決めつけることはできないと思ったね。しかし、現実の中では正しくない標識だ

アロマ―これがそのときの芸術写真。これが中山のリンゴ。

放送局長―ふうむ。衝撃的な作品だ。米内沢方面から行った人にはこんな記号はナンセンスだな。

ナモネ氏―書類ばかり読んでる者にありがちなことだ。角を曲がって行けば、米内沢に着くから正確な表示だと思うんだよ、きっと。

特派員―悪意か神経症でなければ、ね。しかし、可能な行き先を挙げればいいという考え方じゃ、大変ですよ。〈札幌〉と書いたって間違いにならない。

ナモネ氏―ううむ、それはやはり正しくないな。

編集長―国際テロ組織の工作だと考えれば?

本城公民館 金家邸宅 有形文化財

特派員―この文字は張りかえたものですね。《大列車作戦》というフランス国鉄のレジスタンス映画で、そんな手法が活用されていた1。パリ解放の直前にナチスの将校が現代絵画を列車でドイツに運ぼうとする。しかし、鉄道員たちは将校をだますために駅の名前を換えた別の線路を走らせる。

編集長―普通の市民ならアウトだ。

放送局長―あのボルトが気になるよ。スパナがあれば、簡単に外せる。この間工事現場でじっと観察したら、こっちが震えてしまった。

特派員―スクラップにもできる。

ナモネ氏―内陸線のレールが消えないといいが。

        

A  Theme “Contrasts”; Jimmy Dorsey and His Orchestra 1940

1        制作 1964年 The train

監督 ジョン・フランケンハイマー John Frankenheimer

主演 バート・ランカスター Burt Lancaster

 

▼ アミダクジ・モードの映画と市営アパート

▼ 恐怖と希望による支配

▼ 広告看板が話しかける

▼ CIAを演じる不存在の謀略機関

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


〈セントルイス・ベイビー〉は明るく跳ね回ってるが[A]

       Updated 2007.11.3

特派員―歴史をクローズ・アップすると、大量虐殺は政治の方法論じゃないか、と考えることもできるんじゃないですか 

編集長―ナチスの場合はそうだと分かっていたが、日本のファシズムにも同じことが言えるとは思わなかったね。しかし、中国人に対する憎悪や侮蔑があったとしても、それは見せかけのようなもので、本当は中国の面積と中国人の数がプレッシャーになっていたはずだ。

特派員―恐怖で屈服させようという心理戦がそれにくっつくと、猛烈な化学反応が起きる。

編集長―うまい説明だ。

鍛治町の市営アパート 入口

特派員―ダルフールの場合は、政治の方法論として片づけていいでしょうか1?簡単にまとめると、スーダン西部では内戦で20032月以来少なくても20万人が虐殺されて、200万人以上が避難生活を強いられている。人道的な危機は世界で一番深刻で、国際刑事裁判所は2年近く粘り強く調査して、2007427日アラブ系スーダン政府の元内務大臣ハルーン(Ahmed Haroun)と民兵組織指導者クシャイブ(Ali Kouchaïb)戦争犯罪と人道に対する罪で逮捕令状を出した51のシェフ(告発項目)があるから、すごい。スーダン政府は国際刑事裁判所を認めないと容疑者の引渡しを拒否したけれど、オカンポ(Luis Moreno-Ocampo)検事は楽観してますね。

編集長―10月末スーダン政府が単独で停戦すると宣言したな。

特派員―ええ、国連とアフリカ連合が用意した反政府組織との話し合いの中で。

編集長―問題はダルフール(St.Dalfour)・ジャムだ。ジャスコでブルーベリー・ジャムを見てからまもなく、あの事件が世界的なニュースになった。国際社会のお茶の間に悲劇的なリンクが付いたのだ。

特派員―フランスのジャムの名産地ダルフールと似た発音だから、食卓でぞっとしたファンが多いでしょうね。国際テロ組織が裏で糸を引いてるのは明らかです。向こうでは芸術家やスポーツマンまでも非難の声を上げた。

編集長―ああいう偶然のメッセージに接触したら、誰でも恐怖に汚染されてしまう。運が悪ければ、恐怖の迷路を逃げまどうことになる。平和維持軍を送って、ホラー・ショーを止めなければいけない。これには西洋文明がアフリカに残した罪悪の果実を見せつけるという効果がある。

特派員―習慣的な生活と思想に対する疑念に囚われて悩むヨーロッパ人。

編集長―善良な観客であればあるほど、残酷なドラマは裁きの意味を強める。罪の観念が最も強いのはキリスト教徒だから、戦争犯罪者らはそれを計算してるはずだ。

特派員―ゆすりに負けたわけじゃないでしょうが、日本政府は避難民のために18億円の援助をスーダンと周辺国に送るそうです2

編集長―恩着せがましいので、心配だよ。

特派員―何に化けるか分かったもんじゃない、危ない金と援助物資。《忘れられた悲劇》とフランスのジャーナリストが呼ぶのは、人々が無関心だからじゃなくて、要するに第2次世界大戦中の辛い記憶と一致する事実があるということかな3

編集長―そう考えなければ、無礼だろう。ナチスと手を組んで悪いことをやった国に寛大だったんだから。

    

■ 大虐殺の背景  前編  後編

A St.Louis Baby; Count Basie & His Orchestra

1 Un appel pour stopper le massacre

NOUVELOBS.COM16.03.2007

 

La CPI émet deux mandats d'arrêt
pour crimes de guerre

NOUVELOBS.COM02.05.2007

 

La délivrance de mandats d'arrêt pour le Darfour: une avancée majeure, selon le procureur de la CPI

source : Associated Press le 14/05/2007    NOUVELOBS.COM

 

Le Soudan décrète un cessez-le-feu unilatéral

NOUVELOBS.COM | 27.10.2007

 

2  NHK  71

 

思想的な構図を見る

▼ NHK会長になった朝日新聞記者の〈世界新秩序〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


★エリントンの〈キャラヴァン〉ほど暗鬱なメロディはない[A]

     Updated 2007.10.25

特派員―日本はナンキン大虐殺で戦争犯罪を犯した国だから、国際刑事裁判所の条約にはもっと早く加盟するべきだった。そうすれば、民主主義と平和の追求を誓った憲法が死文化していないという宣伝になっていた。

編集長―国際社会はもう信用しないと悟ったんじゃないのかな?

特派員―101日日本政府はやっと加盟しましたが、放っておいていいんですか、ね、HHJは?

編集長―そうだな。ジェノサイドがなぜ20世紀の歴史を騒がせるのか、考えてみようか?

川の抽象画

特派員―ええ、いつだったか話しましたが、やはり科学の力が大きいと思いますね。機械で大量殺人が楽にできるようになった。爆撃機が落とす爆弾の威力や生物化学兵器の陰険な暴れ方もすごい。

編集長―加害者の心理というか精神的な面に光を向けてみるか…20世紀前半は人間の知性が肉体の重要性を再認識しようとしたが、一方で物と同じように扱う傾向が強まった。

特派員―パラドックスですね 

編集長―そう言っても悪くないが、動物と違って人間は思考する存在であるということに疑問を持つと、知性は絶対的な位置からすべり落ちるだろう?

特派員―ええ、肉体が優位に立てば、グラマーがもてはやされる。

編集長―しかし、肉体という言葉は人間を物質的な構成として見ている。

特派員―なるほど、知性や精神は侮蔑される危険性がある。

編集長―そこに映像文化の影響があると思うね。映画を見た人たちを想像しよう。ある人はスクリーンで人間の体が動いたり踊ったりすることに感動して、それまでとはニュアンスの異なる人間愛を感じる。これは健康な精神だ。しかし、ある人は反対に人間を連続的な映像にすぎないと思うかもしれない。

特派員―人間は連続的な映像であるというのは、ナチスの幹部が演説するような思想ですね。

編集長―たぶん原始的な民族もそうだ。人の内面を想像できないから、人間を連続的な映像として見る。それが人間の本質だと思ってる。疑問符をつけてもいいが、ね。ただ、映画館で映画を見るまで人は自分の生活の中でそんな他人の存在は見たことがないはずだ。

特派員―キートン(Buster Keaton)の映画にバスの乗客の体が物体的に描かれているシーンがあった1あのシーンは象徴的で、生命に対する一種の恐怖感が現れていると思いましたね。

編集長―背景にあるのは、死の観念だろうな。

特派員―遠近法ですね。

    

■ 大虐殺の背景  前編  後編

A Caravan; Duke Ellington & His Orchestra

1  キートンのカメラマンThe Cameraman ; 1928年制作

 監督 エドワード・セジウィック Edward Sedgwick

 

▼ 国際刑事裁判所が活動開始

▼ CPI条約に関するのらりくらりの徘徊老人風社説

 

 

 

 

 

 

 

 


                 

 

 

★〈幽霊氏、町に行く〉ってコメディだけれど、阿仁前田では?[A]

     Updated 2007.10.25

特派員―浸水被害を抑える高床式の住宅の実例として阿仁合の異人館を挙げたというのは編集長の勝利ですね1。以前誰かが書いたときは、自分勝手な精神に文句をつけていた。川だけ批判して改修するのは客観的な対象ばかり考える人間のエゴだ、と。

アロマ―自分は枠の外で、ね。

半分半分放送局長―いい気なもんだよ。

ナモネ氏―長木川源流のダム建設計画に反対する運動が始まったころじゃないか?そうだったな。川が長谷川のイメージに重なって、これは誤解される文章だな、と感じた記憶がある。

アロマ―自分は枠の外で。

阿仁合の異人館

Filming;2003.9.24

編集長―自分の存在を忘れてる場合が、洪水なんだ。災害から生活を守るのが動機だけれど、計画する段階で川の性質や雨や事業に焦点が移ってしまう。洪水が堤防を破ったりして住宅地に流れ込んだら、もう逃げるしかない、というおかしな考え方だ。

ナモネ氏―河川事業は、土建業者に金をやるのが目的だよ。

放送局長―金の流れも恐ろしい。その点、昔の人は縁起が悪かろうと必死で知恵をしぼって洪水と戦ったよ、な。古い農家で見たことがあるが、出入口の土間から1メートルの高さに床があった。1段か2段の階段で、おれでも上がるのに苦労したよ。

特派員―それを現代風にアレンジすると、おもしろい建築になりそうですね。

アロマ―アメリカ映画のシーンを想い出したけど、大都会のビルでもそんな出入口がざらにあった。あれはモダニズムとは関係ないの、ね。

編集長―そう、起源はかなり古いと思うね。応用するなら、階段の横にスロープを付けるのもいい。しかし、917日の洪水で考えたが、川に堆積した土砂と石ころが洪水の隠れた原因になってる。それを取り除いて流域の低地に敷けば、浸水被害が少なくなる。

阿仁前田 小又川と阿仁川の合流地点

Filming;2003.9.24

特派員―グッド・アイディア。海に流せば、あれは環境破壊を引き起こすから。

ナモネ氏―ま、ともあれ、土砂を山のように堆積させておいた責任は重いな。

特派員―何でもテロ装置になる世界ですから、ね、認識が甘いですよ。

編集長―そうだ。きのう22日県の河川砂防課に森吉ダムのデータを公開してくれ、とメイルを送ったが、どうなるかな?

特派員―降りはじめからの貯水量の変化を記録した…無理でしょうね。関係者に責任はないという態度なんだから。

ナモネ氏―地球と宇宙と神様仏様が悪い、と言いたいんだろうな。

特派員―でも、これは責任逃れができない2。森吉ダム放水を知らせるサイレンが鳴らなかった原因はダムの無線装置が故障したから、ということだったけど、今日(23)の報道では県の担当者は故障を認識していた。無線装置の部品の調子がよくないので新しいのと交換するように、と無線装置を設置した業者が点検して報告したにもかかわらず、無視した。他に一部修理する箇所があったが、それもやらなかった。理由は、県の定期点検では正常に作動したから。

阿仁前田の街並み

Filming;2003.9.24

放送局長―ひどすぎるね。機械装置なんていうのは一時的に正常に戻ったように見えても、万全じゃない。専門業者の報告は絶対的な確実性の観点から判断してるんだよ、君。

編集長―当然だ。いつものようにHHJは秋田県の話を信じないね

         

   阿仁川の洪水 1

A Mr.Ghost goes to town; Tommy Dorsay & His Orchestra

1 EN PASSANT  2007.10.14

2 北鹿新聞 2007.1023

 

▼ 米代川の突発的な濁流

▼ RIVER PORT HOUR 2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


〈暗闇での踊り〉は黒幕じゃないが、気になる[A]

     Updated 2007.10.12

ナモネ氏NHKが世界の放送局と連携するっていうのは、嫌味だな。古垣鉄郎の〈世界新秩序〉の臭気が漂うよ。

特派員―終戦後会長になった新聞記者でしたっけ?

ナモネ氏―朝日新聞の記者で、昭和24(1949)年下山事件があった年、NHKの戦後2番目の会長に就任した。532月1日テレビ放送開始の日に顔を見せて図々しく挨拶したが、これが19401月《改造》という雑誌にこんな空想を書いてるんだ。ヨーロッパでナチスが侵略戦争のボタンを押してまもないとき、だ。

花輪線の列車 東大館駅で

特派員―〈支那事変は、東亜における日本の覇権を確立し〉ん、ん、喉の調子がどうも、大気汚染がひどいですから、ねえ。〈日本を中心とする東亜協同体の樹立によって、東亜の天地に新秩序を建設すると共に、そこに国家よりも高次にして、より強力なる国家生活の合理的な体系すなわち協同体の範例を実証することにより、世界大戦後の世界的新秩序の方向と目的を指導する役割を持つものである。〉〈事変解決の形態は世界新秩序の機構と緊密なる一連をなすものである。支那事変の解決すなわち東亜新秩序の建設なくして、今次大戦の解決は考えられず、世界の新秩序なくして東亜の新秩序は完成し得ないであろう。〉木村愛ニの《NHK腐食の研究》から引用。

ナモネ氏―支那事変というのはシャンハイ事変のことだ。

特派員―1937年、昭和1289日。シャンハイ。解決策の一つが12月の南京大虐殺だったのかな?

アロマ―世界新秩序って、聞いたことないけど、その新聞記者が発明したの?

ナモネ氏―よく分からないが、満州帝国建設のプランを練った関東軍の参謀石原莞爾(かんじ)中佐グループか右翼が言い出したことだろう。東アジアの新秩序は、当時の近衛文麿内閣が宣伝したものだ。しかし、それは階段の一歩でしかないというのが世界新秩序構想だ。

特派員―なるほど、国家よりも高い次元の協同体のモデルを実際に創造して証明すれば、戦争が終わったあとの世界の新しい秩序と目的に指導的な役割を演じることが可能だ、というのは論理的ではありますね。

アロマ―ソ連でもアメリカでもヨーロッパでもない合理的な体系?

ナモネ氏―古垣鉄郎は世界からアジアと日本を改造するというだいそれた考えだが、合理的な体系とは具体的にどんなものなのか…?

特派員―世界から、というのはキー・ワードですね。これを読むと、世界政府みたいな構想を持ってたように思える。石原は〈このうるさい国際連盟〉と忌々しく言ってる1。彼の計画では、錦州(Jinzhou)での空爆行動は日本政府を困らせて国際連盟の束縛から自由にするためだった。

アロマ―国際連盟は邪魔なのね。

ナモネ氏―もう脱退したあとだよ。ヒトラー(Adolf Hitler)とムッソリーニ(Benito Mussolini)と手を組んで。つまり、より一層強力な国家生活の合理的な体系を追求するということだろう。国民生活はどこにもないのだよ。

アロマ―NHKはラジオで失敗したから、テレビでもう一度夢をっていうわけなのかな?…だったのかな?

特派員―まあ、そういうことだろうな。そういうことだっただろうな。世界各地のマス・メディアがある面でいつの間にかぐるになっていたと考える方が現実に近いね。それで、NHKはテレビの可能性をきわめた。

アロマ―テレビに対する執着はものすごいわね。

ナモネ氏―敗戦後、古垣鉄郎のような言葉をもてあそぶ小賢しいエキスパートが役者になって国際社会も狂わせた、ということは忘れちゃあいけない。この男はフランス大使になったり、カンヌ映画祭の審査員になったりして、何食わぬ顔で日本人が嫌われる環境も作った。

    

A Dancing In The Dark ; Artie Shaw & His Orchestra

1 実録満鉄調査部: 草柳大蔵 朝日新聞社

 

▼ NHK経営計画: 重点事項には期待しない

▼ アジアの亡霊

▼ 東京駅暗殺事件~11後編

▼ 東京駅暗殺事件~13

中国での謀略的なラジオ放送を視野に入れると

▼ V字型の階段の記憶 7

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


〈チェルシー・ブリッジ〉という曲はミステリーの味[A]

     Updated 2007.9.24

半分半分放送局長―チーズバーガーで想い出したけれど、1972年マクドナルドが銀座三越デパートに日本で最初にオープンした。行列ができて、すごい人気だった。あのおいしさにはおれも感激したよ。

アロマ―ずっと昔から食べてたんじゃないの?

特派員―そういう育ちのように見えますが、ね。

放送局長―残念ながら。それで、ハセと一緒にくやしがったよ。なぜ日本にもっと早くオープンしなかったのか、と…

編集長―そう、外で歩きながら食うのが好きだったからな。

アロマ―そういうライフ・スタイルが嫌いな大人は結構いる。

水玉模様のビーズ

放送局長―保守的な日本人はうるさく文句を言ったもんだ。たぶん直感的に、あれが自由の味だっていうことを理解したんだな。敗戦後のチョコレートのように。

編集長―しかし、ハンバーガー・ショップがそれまでオープンできなかった理由は関税が高すぎたせいらしい。

特派員―日本の牛肉関連業者を保護するため?まずいです、ねえ。ぼくの推理だと、ハンバーガーに反対した人たちはインド人と仲がいい。ヒンズー教は牛肉を食べるのをタブーとしてるから。豚を食べるのがタブーなのは、イスラム教です。

放送局長―仏教は明治の文明開化まで肉食をタブーにしてた。だから、君、牛鍋は西洋的な文化生活の象徴になったんだよ。

編集長―そう言えば、70年代前半のハンバーガー・ブームとちょっと似てる。

特派員―ドーナッツも今食べるの?

アロマ―もちろんよ。クリームチーズを塗って。

曲田(まがた)橋の現状

特派員―ナモネ氏がこのあいだ話してくれたけど、敗戦後内地に帰ってきた復員兵にはデモクラシーの街で派手な洋服を着て浮かれ騒ぐ若い連中を見て虚無的な情念に囚われた者がいた、とか。自分は何のために命を賭けて戦ったのか、少なくともこんな馬鹿げた社会を作るためではなかった、と。

放送局長―似たような話は、どこかで聞いたことがあるね。生意気だと言われそうだが、心情は理解できると思った。

編集長―ぼくも理解できると思ったが、自分と違う他人の存在は認めなければいけないな。みんなが自分と同じ目的や理想の実現に向かって一生懸命戦えば、それだけで幸せかもしれない。自分が承認される、あるいは否定されない、ということだから。しかし、他人たちが傷ついたり死んだりすることを全然恐れないとしたら、生命愛が欠けている人間だ。生命に対する共感がないんだから、個人がそれぞれの世界を生きているということを実感したり理解するのは難しい。

放送局長―自分の子どもを見るように、次の時代はそういう個人が支えて創造するのだと思えばいいんだよ。憎しみを燃やすのは、エゴでしかない。

アロマ―あたしは今、現在を支える人間の一人なのよ。働いて、税金を払って、収入を化粧品などに消費して社会というメカニスムをスムーズに動かしてる。

別所入口にある直売店

放送局長―これは参った。アロマは全然観念的じゃないな。抽象的じゃないな。アロマと反対の連中は米代川洪水の被災地を自分の足で歩いてみれば、いい経験になる。

編集長―そう、そう、生活の一面を見て判断するのはよくない。エポケー(判断中止)という高級な基本的な態度が必要だ。

特派員―憎むのはまだましな人間的な人間ですよ。しかし、自分と違う生き方や主義や思想に対して復讐の行動に出るとなれば、犯罪者以外の何者でもない。

放送局長―藤里事件の被告の行動分析を書いた警察と検察の動機分析!

編集長―全体主義や超国家主義にはそんな傾向があったね。

アロマ―何でも管理しなければ気がすまないというような…だから、街が劇場になってしまい、遊ぶことさえも命令したがるのよ。

放送局長―遊びは調味料じゃないんだよ、な。

 

 

A Chelsea Bridge; Duke Ellington & His Orchestra

▼ 防衛予算で住民パーティを毎週開きたい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


〈北東通路〉は危険なアクションのような演奏[A]

     Updated 2007.9.15

編集長―ミラー・イメージの洋館が本当にあるとは、夢にも思わなかったな。

半分半分放送局長―信じられないね。貴族の遊びか?

アロマ―あたしが見つけたの。横浜の女性のウェッブログで。

放送局長―もったいぶらないで話してくれないか?

アロマ―華頂(かちょう)宮邸の門とランタンを撮影した写真を見て、どこにあるのか、サーチで調べてみたのよ。そうしたら、鎌倉盛岡写真を見ると、そっくりな双子の洋館なのよ〔1〕

放送局長―ふうむ、なるほど。

アロマ―イギリスのチューダー王朝様式で、1階は石造り、2階と3階は木造。

地図と虫メガネ

銅板の屋根。鎌倉の建物は1929(昭和4)年春に完成した。盛岡の方は説明がないので、分からない。でも、どっちも持主は華頂宮博信侯爵。盛岡の別邸が建てられた理由は、何かな、と思ったら、華頂宮は伏見宮邦家(くにいえ)親王の12番目の王子博経(ひろつね)親王が始祖で、この人は南部藩最後の藩主第15代南部利恭(としゆき)の姉郁子姫と結婚している。     

編集長―盛岡に別荘があっても、おかしくないな。

特派員―伏見宮も華頂宮も今まで対話編に登場したことがないけど…?

ナモネ氏―あの北白川宮能久(よしひさ)親王という人が博経の兄だよ。

アロマ―伏見宮邦家という人は、文明開化で活躍したわけじゃないけれど、明治以後の皇族の源流みたいなものね。1947(昭和22)年に皇籍離脱した皇族11の宮家はすべて同じ血が流れてるそうよ〔2〕

ナモネ氏―南部はうまく取り入ったもんだよ。汚名挽回のためにあれこれ世話を焼いたのは、北白川宮能久と徳川派だろうな。

鍛治町市営アパート

裏通りに面した入口階段

アロマ―ただ、博信公爵には南部の血が流れてないの。つまり、南部利恭の姉郁子姫と伏見宮博経親王の子博厚は8才で天国に去っている。それで、伏見宮家から博恭(ひろやす)王が入り華頂宮を相続するけれど、伏見宮に戻って後継者になったので、博恭王の第二王子博忠王が華頂宮を継承する。しかし、この人はなぜか大正13年に死んでしまい、華頂宮は断絶したのよ。

特派員―大正時代、ね。その11年前有栖川宮威仁(たけひと)親王が病死して、有栖川宮家が廃絶されてる。そして、旧高松宮家が旧南部藩下屋敷跡の有栖川宮新邸建築予定地を継承して復活する。新邸建築予定地とは、後の有栖川宮記念公園だよ。

アロマ―先に言わせて。そこで、第三王子博信王が1926(昭和元)年に華頂の名をもらって華頂博信侯爵となり兄王の華頂宮の祭祀を継承するのよ。博信侯爵は後に海軍大佐になった。他のことは、分からない。

編集長―華頂宮に比べると、有栖川宮は名前さえ残らないな。

放送局長―南部の知能と行動力は馬鹿にできない、ということだよ。

特派員―有栖川宮の名前が消えたのは、1908(明治41)威仁親王が会津猪苗代に別荘天鏡閣を建てたことが引き金になったと思いますが、ね

ナモネ氏―そうだったな。その次に南部利恭の庭園か…

放送局長―盛岡の別荘は鎌倉と同時に建てられた、と考えたいな。その方がドラマチックだからな、君。

特派員―庶民の感覚からすれば、魔法の建築でしょうね…

ナモネ氏―舞台裏にいるのは、東条英機だな。

編集長―《仮面について~26 黒・白・赤、1;5

アロマ―〈古事記と日本書紀は、そんな風にツィムシアン族神話をモデルに取れば、前編・後編の関係にあるかもしれない。〉 〈この文字で書かれた前編と後編の成立過程は、花舞の獅子舞と籾押し・幡上げの進行関係とよく似たパターンである。成立の記述と伝承に従えば、朝廷の音楽博士が北国の舞楽に朝廷の神話歴史書の相互的な進行関係を転写したことになる。大日堂舞楽と神話歴史書は、北アメリカインデイアンの仮面・祭り群と神話・伝説群のように銅の存在が社会の中で構造化した一つのシステムと考えれば、ある呪術的な理由で相似的に作られた構図かもしれない。密接な関係のある重要な活動は、仕上げのタイミングを計る。それが間違いでなければ、大日堂舞楽の《舞台裏》で書かれた神話歴史書の時間的継起と並行関係は歴史的事実だったと結論していい。〉

    

□ 東京駅暗殺事件~24

A Northwest Passage;Woody Herman & His Orchestr

1 イーハトーブのガーデニングHP  全国名所巡り

近代建築散策HP

    [最初に見たHPではないが、写真がいっぱいあるので、参考になる。]

2 wikipedia

 

ミラー・イメージと歴史に関する対話

▼ 東京駅暗殺事件~10,11

▼ 大湯ストーンサークルとリンゴ園

 

▼ 東京駅暗殺事件~1

▼ クリルの過去とこれからの発展計画

▼ でぺいぜ 東京-モスクワ-パリ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


〈マスタードが多すぎる〉って、どんな内容なのかな?〔A

     Updated 2007.9.6

特派員―去年書いた〈サシミ反対運動〉をウェッブログに転載していましたね。理由は、何ですか?

編集長―インタヴューしてくれて、うれしいね。反響が全然なかったから、な。しかし、サシミが暗示する右翼団体の暴力について一言も触れていなかったので、鈍感な人にも分かるように書いた。

アロマ―消滅してほしい食べ物と料理はいっぱいある。見かけが悪いのは、絶対にだめよ。なぜかと言うと、暗い世界につながってるから。浄化されてないから、ね

中国製のメラミン・ウェア

半分半分放送局長―アロマもファースト・フードやインスタント食品が好きだね。戦争で傷ついたアメリカ人のように。

編集長―ミュージカルのように明るい食事が好きなんだよ。アロマは、幾何学とアートをミックスした食事が理想なんだ。女の感受性は大事にしなければいけない。

特派員―特派員の嫌いな食べ物は、骨付きのチキンですね。

    

アロマ―あるミュージシャンが、牛肉を食べてから仕事をする、と言ってたけれど、編集長はどうですか?

編集長―食べ物は人を作るんだから、思想と芸術にも影響すると言っていい。みそ汁が好きだったら、ぼくの作品は日本的になっていたはずだ。

放送局長―日本文化の伝統にこだわる人たちは食べ物を自由に選ぶ権利も認めたがらない、というような傾向がある。困ったことだよ。

特派員―伝統と言えば、かなり政治的なレトリックですね。国が繁栄すれば、伝統文化万歳。弱くなれば、神様仏様。ぼくのようなコスモポリタンは居場所がない。

編集長―自分の空間を創造すれば、別に悩みはないよ。ぼくはいつもそうしてきた。

放送局長―ところで、日本料理というのは経済原理の食事文化だと思うね。素材と器に凝るなんて口では芸術家ぶるけれど、金のお化けを作品にしたようなもんだよ。日本風の陶磁器なんていうのは、訳が分からないな。

編集長―訳が分からないものを美化したんだよ。それを承認すると、日本での生活と名誉が保証される。ああいう似非芸術は博物館に消えてもらわないと、いい迷惑だ。

特派員―いつもながらお母さんのコロッケは最高ですね。幸せとはこういう味なのか、と夢の中でも思いますよ。

アロマ―編集長のおっしゃるとおり新しい文化は新鮮な感覚の新しい食べ物から始めましょう。

    

 

A Too Much Mustard; Less Brown & His Orchestra

 

 

 

 

 

 

 

 


                       

                                               

 

Atelier Half and Half