HALF AND HALF JOURNAL

 

 


破 片

無 意味 な

                                                         

無意味な破片

                                        

 

                

           

 

Fragments

HHJ

                         inutiles

 

    

☆ ☆ ☆        Updated 2003.9.19

特派員―核問題を解決するための北京会議が終わってから、北朝鮮がフィアットの生産を開始したというニュースが入ってきて、最初に思ったのはカストロ(Fidel Kastro)首相がこの夏イタリアのベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)首相を汚い言葉で侮辱する非難をしたということです。

ナモネ氏―ベルルスコーニは拡大EUの憲法制定というオペラを指揮する大役を与えられたばかりだな。それから、アメリカの大統領とテキサスで仲がいいところを見せつけた。キューバは、と言えば、個人がコンピューターを買うのを禁止してコミュニケーションの自由を制限してる1

半分半分放送局長―フィアットの組み立て生産事業は、イタリア政府の強力な支援で実現したと思うね。カストロ首相は、それで苛々したんだろう。

特派員―カストロは3月日本政府と会談したとき、広島を訪問した。この意味は〈二度と過ちは繰り返しません〉という広島の平和の誓いを日本国民と共有することです。ソ連のミサイル基地を極秘にカリブ海に建設しようとしたあの無謀な計画は、ケネディ(J.F.Kennedy)政権のアメリカを震え上がらせたけれど、それは過ちだったという意識があるんですかね?

ナモネ氏―カリブ海の浮気女だな。十字架を裏切るのが、悦楽なんだ!

放送局長―そう、発展途上国の人間には、ヨーロッパ・アメリカは永遠の鋳型のように現前するものです。先進国と発展途上国の対立はいつまでも解決されない難問ですよ。事実に即して言うと、ヒロシマとカストロの出会いはランコントル(出会い、偶然の一致)なんてものじゃなくて、今のアメリカ人には恐るべき核融合です。

                 ☆ 

特派員―鋳型という考え方は非常におもしろいですね。それに対して適合するか、破壊的に出るか、逃げるか、貧しい国の人生は必ず選択を迫られる。国連は彼ら弱者の味方でなければならないが、現実の活動は生活保護です。金と物を与えて終わり。最近やっと国連を新しい状況に対応できるように改革しようと唱えたアナン(Koffi Anan)総長に聞いてもらいたいんですが、これは国連でマイクを握る者が国家と世間知らずの官僚に限られてるためです。半分半分放送局長米明に登場願わなければ、解決の道はいつかな見えてきません。

放送局長―まあ、そういうことだが、君に金をやったっけ?

特派員―問題は非常に複雑ですね。解決策は、芸術的な生活を少しでも取り入れさせて、何のためにテーブルの上の果物を描くのか、ということまで考えさせること、ではないでしょうか?

ナモネ氏―人は確かにほとんど自分自身で考えるという生活をしていないなあ。貧しい人々はともかく、金と余暇に恵まれた文明国の人々が機械的に(無意識的に)生きてるのは本当に情けないことだ。

放送局長―まったく、そのとおりだ思うね。情報の操り人形になって間違いを犯さないために。しかし、忘れていけないのはどっちに行ってもさまざまな暗い感情があるということなんだ。エゴによる勘定だろうと真実の感情だろうと、破壊的なエネルギーは計算に入れなければいけない。

ナモネ氏―言葉で現実を整理する習慣を身につけたいものだな。

特派員―それが可能な言葉を見出せないというのが、現実ですね。あるいは、組み合わせが自由にできない…こういう場合、物を壊すことは内面の対象化ですね。自分は今こんな状態なんだ、と表現して見せてる。

ナモネ氏―認識に似たところがあるが、しかし、失敗作だな。

☆ ☆ ☆

1        Hot wired news japan

 

 

 

 

 

 


☆ ☆ ☆           Updated 2003.8.7

半分半分放送局長択秩\コレクション・ページを製作して、構造化を終えた。それから、サウンド・レコーダーで試験的にヴィデオに音楽を入れた。マガジン・ブロードキャスティング・システムの完成だよ。

特派員―こういうダイナミックでイマジネイティブなメディアを個人が作れる時代になるとは、夢のようですね。それと同じくらい感嘆するのは、米明さんと編集長がPCのパワーと一体化して青春に戻ったみたいだということです。

ナモネ氏―正直な話、お達者クラブ入りだろうと思ってたよ。

放送局長―PCとの交際で、日本人の頭と体は多かれ少なかれ壊れてしまうね。機械というより他者との関係なんだから。

編集長―遊びながらやる、という作戦がうまく行った。

ナモネ氏―放送局長がマイクで最初の音声を吹き込むのを見たが、あれゃ、ガール・フレンドに向かって話すような態度だ。なるほど、と思ったよ。

アロマ―〈Lover come back to me〉の泣かせどころを流しながら、〈アーティ・ショー楽団はいいね。ぼくは大好きだよ〉憎たらしいハスキー・ヴォイスね、まったく。

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              ☆ ☆ ☆     Updated 2003.8.5

放送局長―テレビ朝日のミュージック・ステーションで、ロシア娘二人が本番をすっぽかしたニュースを笑ってると、モスクワ郊外のロック・コンサート会場でチェチェン女二人によるカミカゼ・ダブル・アタック事件が起きた。日本人の復讐と受け取っていいだろうか?

編集長―裏で操ってるね、間違いなく。しかし、神様の命令と信じてだから、哀れだよ。

特派員―でも、証拠がありませんよ。偏見ですよ。

編集長―いや、証拠を残さないのが、いわゆる神様だ。

アロマ―英語の辞書を引いたら、サインの意味がいっぱいある。印、徴候、信号、合図、身振り、看板、そして、神業。

放送局長―サインは、身の回りにいっぱいあるね。野球のサインだけじゃない。しかし、事件を再構成するときは、これが作者のサインである

と証明するのは困難だ。

編集長―一般論で言えば、ね。証明ができなくても、作者(主謀者)を現行犯と同列に置かなければならない状況がある。たとえば、パール・ハーバーの場合、ホノルルのラジオKGUは、〈敵は日本です〉〈冗談ではありません。本物の戦争です。〉と叫んでる1。攻撃された方は、敵がどこの国だろうと、正当防衛で反撃する権利があるだろう。

特派員―敵の空母を発見したら、攻撃していいということですね。

ナモネ氏―サダム・フセインは疑惑を晴らす努力を怠ったな。

放送局長―日本が宣戦布告文書を送らなかったとしたら、ワシントンは

現地での調査や聞き取り、文書集めやら推理やらで大変な犠牲を払っていただろうな。いずれにしても、一触即発の危機では有罪の疑いをかけられた者は誤解を解く努力をするのが自然な反応だ。おもしろいリンクになったね、君。

特派員―ええ、そう思ってたところです。イギリスのブレア(Tony Blair)首相が日本で小泉首相と会談して帰った後、サダムの二人の息子が射殺されるという事件が起きたけれど、埋葬された墓地の写真を見ると2、イスラム教はキリスト教と同じく死者の肉体を保存する。霊魂は不滅だから、それが帰る体は焼却処分しないんですね。カミカゼの最大の残酷さは、そこにあるんじゃないでしょうか?

ナモネ氏―と言うと?

放送局長―つまり、あれなんだな、死体の後片付け。加害者と被害者をきれいに分けなければならない。

アロマ―何も語らないけれど、アメリカ人が一番よく知ってる、沖縄戦で

体験したんだから。

             ☆ ☆ ☆

1 PEARL HARBOR  A Day of Infamy ; PASSPORT PRODUCTIONS

Director  Jose Bugarin  2001年制作

主にドキュメント・フィルムとインタヴューによる構成。      

2 France info,AFP

 

 

 

 

 

 

 


☆ 地下室の生活は、日本では要するに湿気との戦いだ。

☆ ☆ ☆          Updated 2003.7.10

特派員―フランスは実に騒々しいですねえ。始終どこかでストライキやデモをやってる。インターネット・メディアの賃上げ要求スト、イラク攻撃のときの反戦デモ、退職年金問題のスト、最近はフェスティヴァルの裏方スト。

半分半分放送局長―ううむ。それ、かなり興味深い運動だな。

特派員―これは失業保険の条件が改悪されるので、反対してるんです。今まで12か月間の保障が8か月に減らされ、おまけに、労働時間をもっと延ばさなければ手当てがもらえないようになる1

放送局長―哀れな裏ドラマだ。パリやフランス各地でフェスティヴァルが開催できないっていうじゃないか!?

特派員―ええ。8日から始まる予定のアヴィニョンの有名な歌劇は結局、幕が上がらなかった。その他あちこちで荒れたり険悪な争いになったり。当然ですね。少数派の組合の賛成だけで新しい制度を始めるなんてのはデモクラシーの国らしくない。多数派のアンテルミタン(Intermittent 舞台装置などの美術作業関係者、技師、芸術家)は怒りますよ。

放送局長―政府と保守的な開催者は、裏方の仕事を軽く見てるというより価値を傷つけたがってると思うね。国際テロで世界中が動揺している最中に生活の土台をいじるのは国内の不安を増幅させるだけなんだが。どうも日本の嫌がらせに似てる。

特派員―政府は、〈芸術の未来〉を考えたいと言い訳してる。しかし、これにも想像したとおりの背景があって、ラ・ロシェルの代表市議マクシム・ボノ(Maxime Bono)は政府を〈予謀暗殺の出資者〉だと糾弾している。

放送局長―フェスティヴァルに拙劣な変質が起きてないと楽観的に見ることはできない情勢だな、君。手伝う気がしない催しが多いんだよ、きっと。

特派員―順応主義のディレクターらは呆然としてますね。8日付けの報道によれば、パリのオペラ座のバレーも取り消し、リヨンのそれも中止。ボルドーでのコンサートは延期。連帯は映画界にも及んで、試写会を中止した映画作家もいる。

放送局長―極東の島国じゃ起こりえないレジスタンスだ。本当はテレビ朝日なんかが恰好よく模範を示さないといけない。

特派員―立派なテキストになりますね。もっとも朝日新聞は、秋田県の公費悪用騒ぎが佐々木喜久治県知事のリコールに発展して辞任に追い込んだとき、あの民主主義的な成果を〈教科書通り〉と社説で皮肉を込めて批評した。秋田に何が目的で赴任したのか、泉という支局長はHHJとの協力を拒んでる。控えめに言っても味方の発言じゃない。

放送局長―誰がどういうつもりで書いたのか?…まあ、ともかく、あそこは戦後デモクラシーの結末にもやはり責任は感じてない気楽な会社だ。どんな教育を受けたのかと不思議に思うね。

特派員―子殺しのメディアですよ2。恐ろしく自由な権力ですよ。 

放送局長―そう、そう、ロシアの可憐なグループがミュージック・ステーションへの出演を取り消してテレビ局が馬鹿騒ぎをしたが、自分らは何をやってるのか、と問題にするべきだな。他のことはどうでもいい。

☆ ☆ ☆

1  France info, AFP, Le Monde

2 ギリシア神話に出る王女Medeia

 

 

 


                                              

 

☆ 映画は楽しい。でも、主人公にはなりたくないストーリーが多すぎる。

☆ ☆ ☆     Updated 2003.6.5

ナモネ氏大館市長選は、現職の小畑元が約2万3千票、12年前の最初の選挙より5千票減らして勝った。その分対立候補に回ったかと言うと、獲得票はほぼ同じだ。批判票はどこへ消えたんだ?

特派員―さあ。革新系の対立候補者島内重昭は草の根運動を旗印にしたけど、組織の票1万7千以外には集まらなかったということですね。

編集長―要するに、勝つつもりがなかった、そう考えるべきだ。島内は、12年間廃棄物同然の選挙権を市民の手に取り戻すことが立候補の動機だったんだから、後はどうでもいいのだ。選挙事務所に行って、HPにパンフレットを載せたと言うと、大町の運動員が他の者にこうですよ。〈長野県の田中知事を呼べば、来るか?いくら民主主義の芝居をしたって、地域住民の信頼は戻らないな。

ナモネ氏―あっ、なるほど。選挙事務所が大町商店街の真ん中に置かれたのは、そういう魂胆だったのか!?小畑市長批判がないはずだ!

特派員―連合の谷地田恒夫(元大館事務局長)がパトロンの一人なんだから、当然でしょう。しかし、立派な挨拶を受けたもんですねえ。

ナモネ氏―ああ、大したもんだ。対立候補者が元教師、支援団体構成員が県職員OBや大町の小売商人、ほとんど自民党の子分だな。

編集長―野呂田芳成が許可したから、あるいは命令かな、大館のイメージ・アップのための選挙芝居ができた。

ナモネ氏―ううんむ。HHJウィルス感染症候群だわい。

    

特派員―市議選で石垣昇が落ちたのは、良心の敗北と考えていいですね。支持者が最下位の当選者の票より約250も少ないというのは激しい弾圧が行なわれた結果ですよ。〈問題を片付けないで人を片付ける〉

ナモネ氏大町花壇不正移送問題に関する住民監査請求に快く署名してくれた男が、なあ。日本の終わりを痛感したよ

特派員―彼氏だけですね、タブーの大町から消えた花壇のことを声に出して言ったのは。文明人に出会ったような気分でしたよ、ぼくは。

編集長―日本人はよく平気でいられると思うねえ、ああいう状況で神経が放射する電磁波》の圧迫に。自由なら、コミュニケーションに向かって言葉に変換されたはずの何かだ。

ナモネ氏―だいたい自己から自由でない、我々は。

編集長―最小限の改善策は、学生時代に考えたことだが、選挙年齢を18才にまで下げるということだな。経済的な拘束が少ないってのは、自由自在の強さを作る。

ナモネ氏―それこそ保守政治が恐れるものだ。

                

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


                Universal Pictures

                   

 

☆ ☆ ☆      Updated 2003.6.3

編集長―映画《逃走迷路》ではモデルが活躍するね1。ラスト・シーンはナチスのテロリストを追跡して自由の女神像の展望台に昇り、警察を待ちながら危ない会話を続ける。見終わってから、ぼくはあのヒロインがなぜモデルという設定なのか、やっと理解したよ。

特派員―あのモデルの使い方は、特殊だと思いますね。

編集長―ヒッチコックは、偉いね。

アロマ―何のことか、さっぱり分からない。

半分半分放送局長―解説すると、ね、第2次大戦中航空機製造工場で放火殺人事件が起き、そこで一緒に働いていた被害者の友人が濡れ衣を着せられて逃亡するんだ。この濡れ衣ってのはファッションじゃないけど、トラックの助手席に乗ってると、道路脇の巨大な広告看板が目を引く。きれいなモデルが後ろの方を指差して、こっちに意味ありげな目配せをしてるんだ。上には〈YOU’RE BEING FOLLOWED(尾行されてるわよ)〉という文句が書かれてる。

特派員―ああいう看板は自動車の普及が作らせたものですね。生物の適応みたいに、と編集長が以前書いてる。

ナモネ氏―映画が制作された42年当時は当たり前のことになっていただろうなあ、アメリカでは。ヒッチコックらしいのは、主人公が盲目の作曲家の家に逃げ込むと、若い姪が久しぶりに訪ねてくるが、それは何と広告看板で見たモデルなのだ。

放送局長―虚構と現実の交錯っていうドラマだけど、その間に対話があるのがおもしろい。モデルの車に乗って、破壊活動は許せない、と非難されると、今度は〈SHE’LL NEVER LET YOU DOWN(彼女は失望させない)〉という看板がタイミングよく現われる。時間の経過を考えると、あれはテロが起きる前に製作されたポスターだな。

編集長―〈あの広告は本当かな?〉と主人公が言う。これは難しいことだが、現実に戦争してる国の出演者たちだから、真に迫ってる。

ナモネ氏―ヒッチコックは、やはりパール・ハーバーの舞台裏からヒントをえて作ったと思うが。違うか?昔見たときは気づかなかったが、爆破されて横倒しになった戦艦の短いカット、あれはパール・ハーバーの再現なのだ。

放送局長―どうも本当らしいな。例のイギリスの元スパイが調査して書いた本は2、ハワイで暗躍したナチスのスパイ〈キューン〉について触れてる。ただ裁判記録は公開されていないので、真実は闇の中の闇だ。

ナモネ氏―何はともあれ、ヒッチコックの映画はある種のデリケートな問題について人が語ることを可能にしてくれた。

アロマ―現実を切り抜くパターン()があれば、話すのが楽よ。保証書が付いていれば、心配はない。HHJも、そうよ。

        

 

 We remember Johnny   パール・ハーバーとは何か?

1 SABOTEUR : 1942年制作 ユニヴァーサル映画

2  真珠湾の裏切り : BETRAYAL AT PEARL HARBOR

  James Rusbridger & Eric Nave

 

     330日の破片を参照

★ 《真珠湾の裏切り》に書かれた真相

 

▼ 偶然という使者

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 


  

 

 

 

 

Atelier Half and Half