キャブオーバーバス〜奇跡の復活〜(完成編)
2005年夏、人知れず生き残っていた昭和20年代のキャブオーバーバスが福山自動車時計博物館に送られるまでの経過をキャブオーバーバス奇跡の復活(前編)・(後編)でご紹介してきました。あのバスはどうなったのか・・・心配していた方も多かったようですが、1年半ほどの期間を経て、何とか元の姿に蘇ることができました。 ここでは、美しく蘇ったキャブオーバーバスの姿をご堪能いただきます。外観
撮影:シンコー様(福山自動車時計博物館 2007.1.25)
撮影:シンコー様(福山自動車時計博物館 2007.1.25)
元塩釜交通のキャブオーバーバス、トヨタBM型です。詳細は復活に至るまでのレポートをご覧頂くと分かりますが、1948年式シャーシのボンネットバスを更新する際、1953年に富士重工(当時富士自動車工業)でキャブオーバーボディを架装したもの。ボディ型式は富士TT814です。
フロント窓上のアンダーミラーやアポロ形ウィンカーなどが復元されているのは嬉しい点です。窓上の茶色が原型よりもちょっと多くて、重い感じに見えます。
車内
撮影:シンコー様(福山自動車時計博物館 2007.1.25)
撮影:シンコー様(福山自動車時計博物館 2007.1.25)
車内の様子です。発掘当時の様子は以前のレポートをご覧になり、この写真と比べてみてください。
前側を見ると、原型に忠実にエンジンカバーなどが綺麗に塗装されているのが分かります。後ろ側も同様で、非常口の部分の座席の形状などの特徴が分かります。原型は茶色のビニールシートでしたが、青色のモケットに“グレードアップ”されているようです。
内外とも完全な復元ではありませんが、車検を通すためには現在の基準に基づく必要があるようです。
運転席
撮影:シンコー様(福山自動車時計博物館 2007.1.25)
コックピットも機器類の配置はそのままで綺麗に塗装されています。シフトレバーは右側にありますが、運転席左側にエンジンがあるため、1953年にボンネットバスからキャブオーバーバスに改造した際に移設したそうです。
右側の機器操作盤だけは発掘当時のにおいがします。ちょっと懐かしいです。メーター類の左端にあるのは、アポロ形ウィンカーのスイッチです。