奇跡の復活

キャブオーバーバス〜奇跡の復活〜(宮城へ帰る編)

福山自動車時計博物館でレストアされた元塩釜交通のトヨタBM型キャブオーバーバスは、所有者の海和さんのもとに運ばれる途中、愛知県のトヨタ博物館で展示されることになりました。
展示期間は、2007年3月25日〜4月8日で、初日と最終日は運転会も実施されました。

トヨタ博物館で展示(2007年3月)

トヨタボンネットバスとの並び
トヨタBM

撮影:トヨタ博物館(2007.3.25)

トヨタ博物館に常設展示されているボンネットバスの横に並べられたキャブオーバーバストヨタBM。奇しくも2両ともシャーシはトヨタ、ボディは富士重工という組み合わせです。ボンネットバスと箱型バスを比べると、たいていはボンネットバスのほうが古いと感じてしまうのですが、この場合はボンネットバスのほうが新しいバスです。車体の年式は、キャブオーバーが1953年式、ボンネットが1963年式と10年の開きがあります。

説明会を開催

初日と最終日には、説明会と運転会を開催。このバスがいかに古いバスであるか、どのような経緯で復元されたかなどを国鉄の制服を着た栗原大輔さんが拡声器を持って説明。子供たちがそれに聞き入っている場面です。
子供たちはこのバスに1回乗ってみたいようでしたが、残念ながらこの日は車内に立ち入ることはできませんでした。

トヨタBM

撮影:トヨタ博物館(2007.3.25)

次世代型無人バスの視線の先に
トヨタBM

撮影:トヨタ博物館(2007.3.25)

春休みの間、2005年の愛知万博で活躍したIMTS(インテリジェント・マルチモード・トランジット・システム)が展示されていますが、この次世代型バスが来訪者キャブオーバーバスを見つめていました。半世紀以上の時代の経過が、車両と言うものをどれだけ進化させて行ったかが、ちょっと分かるアングルです。

2回目の説明会

2回目の説明会はボンネットバスと並べて行いました。さっきよりちょっと多めに見学者が集まってくれました。
栗原さんの口もさっきより滑らかに回ったようです。

トヨタBM

撮影:トヨタ博物館(2007.3.25)

子供たちにも人気です
トヨタBM

撮影:トヨタ博物館(2007.3.25)

キャブオーバーバスの前で記念撮影をする子供たち。子供たちにとってはお父さんより年上のバスです。
このバスがトヨタ博物館にいるのはたった2週間。子供たちのよい思い出になればいいですね。

運転会開催

トヨタ博物館のロータリー内を周回する運転会。乗車できるのは運転手(所有者)の海和さんと車掌の栗原さんだけですが、皆ものめずらしげに眺めていました。

トヨタBM

撮影:トヨタ博物館(2007.3.25)

トヨタ博物館のエントランスにて
トヨタBM

撮影:トヨタ博物館(2007.3.25)

トヨタ博物館のエントランスから見たキャブオーバーバス。近代的な博物館の奥にひっそりたたずむ様子は、展示物としても違和感がありません。

バスを運んだトラック

今回トヨタBMを福山から愛知まで運んできたのがこの日野のトラックです。キャブオーバーバスには負けますが、こちらもかなりの年代ものです。
キャブオーバーバスをトヨタ博物館に預け、これから一旦宮城県に帰ります。

トヨタBM

撮影:トヨタ博物館(2007.3.25)

トヨタ博物館から宮城県へ(2007年4月)

見学記念乗車券
トヨタBM

トヨタ博物館での展示最終日の4月8日(日)には、この日のみ発行された「見学乗車記念券」も登場しました。
CG作画はおなじみの精密画家の栗原大輔さんによるもの。車籍の復活したトヨタBM型バスの姿をかっこよく表現していただきました。

一路東北へ

2週間のトヨタ博物館での展示期間を終えたバスは、トラックに載せられて生まれ故郷の東北を目指します。 陽もすっかり落ちた頃、長野県内のサービスエリアで小休止。さすがに荷台の上に載っていると、小型のバスも大きく見えます。
美しく整備された姿で1年8ヶ月ぶりに帰るふるさとに思いを馳せているのでしょうか。

トヨタBM

撮影:長野県内(2007.4.8)

SALVAGE
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80s岩手県のバス“その頃”