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heartscape 石塚亮 心の風景 

制作プロセス T

制作プロセス U 制作プロセス V
クラリネットのある静物 
油絵
フルートのある静物 
水彩
制作プロセス W 制作プロセス X
クラリネットとフルートのある静物
油絵 12月09日更新
バイオリンのある静物
油絵 8号F 12月10日更新
制作プロセス Y
山門のある風景
油絵 8号F










このページでは私の油絵の制作過程をご覧ください。
ただしすべての作品がこのような過程で行われているわけではありません。
一点一点プロセスが変わることがあります。
制作の参考にしていただければと思います。

アルトクラリネットを描く 教室に通ってくれている生徒さんの一人が吹奏楽団のクラリネット奏者で高価な楽器のため取り扱いが難しくアルトクラリネットも2週間だけお借りしてデッサンしてみた。実物を見られるのはこの2週間だけ。あとは自分で描いたデッサンとデジカメ写真だけが頼り。

 1     2  3

まずデッサンをしてみる。今回の絵はかなり細かい描写が必要になるためできるだけ正確に時間をかけて丁寧にデッサンする。2週間という時間の中で2枚のデッサンを描くことができました。最初は2Hの鉛筆で薄く形をとり、ボールペンで濃い線を描きだしはっきりとした形をつかみたかった。描く時間は一枚当たり6時間ほど。


 4   5

制作1日目(4) 2日目(5) 
できるだけ実物に近いサイズで描きたかったので50号変形サイズのキャンバスに描きます。キャンバスは高価なため、古い油絵をつぶし、キャンバスの裏を使用。木枠も専用のものは買えなかったためDIY店で購入したベニヤ板と木の棒を50号変形サイズに作り、それにキャンバス(裏面)を張りました。キャンバス裏面は生地が丸出しのため、下地としてジェッソを塗り、今回はクラリネットの描写が細かくなりそうなのでキャンバスの目があまり荒いと描きにくいと思い、モデリングペーストで荒い目を調整。
本来、キャンバスに直接デッサンして描きたいところではありますが、頭の中のイメージが薄れないうちに描き始めたかったので、3のデッサンを基にトレーシングペーパーを使用して転写。水平線は台の高さとし後ろの壁に楽譜の切れ端。クラリネットの左側には青いガラス瓶と蒲の穂、右側にはクラリネットのリードの箱を配置した。まずバックから色を塗っていきます。できるだけ落ち着いた茶系統の絵の具を使用しました。
2日目は前回塗ったバックをさらに塗り重ね、その上でクラリネットの筒の部分を塗りこんでいきます。かなり細かい作業が要求されるので、あまり急ごうとしないことが肝心です。さらに瓶を画面全体のバランスを見るため一度青く塗っておきます。現在はバランスが悪い状況ですが、一度塗っておくことで後にどのように色彩のバランスを取るかを考えながら作業していくことになります。


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3日目
構図というか画面の構成上、バックに光の筋が欲しくなりました。ただし、クラリネットとビンの光の当たり方を考えると光の筋を瓶やクラリネットにまで当てるわけにないかないので壁だけに光の筋が当たるという設定(現実にはちょっと無理があるが、これにより心象的な画面になると思う)。
壁の光の筋が当たった部分と影の部分はそれぞれテレピンで薄く溶いた絵具を筆で大まかに塗りその上でローラーで塗り拡げる方法をとりました。光と影の境はできるだけまっすぐにしたかったので新聞の折り込み広告などを使ってマスキングをしました。


 7   8 

4日目前半
クラリネットの金属部分を塗り始めます。淡色で濃淡を分けながら描き進めていきます。白とインディゴブルーで濃淡をつけます。
細い筆を使用して細かい部分を描いていきます。非常に細かい作業なので腕鎮を定規代りに、また、長い線を引く時に素手だと腕鎮と皮膚の滑りが悪いため軍手を使用して滑りを良くします。
50歳を過ぎるとこんな作業を一気に続けるのはかなりきつい。一本の線を引くたびに目がかすんでしまいます。
今回はバックにはマスキングで色を塗り分けたりしていますが、モティーフにはマスキングは施していません。本当はマスキングをしたいところですが、あまりに細かいモティーフであるため、マスキングはまず不可能。ということで、コツコツ細筆と腕鎮に頼ります。この際細かい線の曲がりは気にしないこと。
ここで一旦休憩。目が・・・・目が疲れますぅ。


 9  10

4日目後半 
休憩後さらに塗りこんでいきます。光が反射するハイライトの位置を確認しながら白とインディゴを混ぜながら細かい作業は続きます。
大方塗りこんだところで青い瓶の映り込みを一筋二筋描きます。
いやー本当に目がショボショボします。
ここまで進めて今日は終了。集中が続かなくなってきたので。。。数日間乾燥を待ち画面全体をしばらく眺めることにします。


 11  12

5日目   ★6月29日更新
10で数日乾燥させながらしばらく眺めているうちに背景に迷いが出てきました。構図上は問題ないような気がしますがもう少し明るさが欲しくなってきたので一度明るい色で塗りなおしてみることに。ホワイト、モノクロームウォーム、ジョーンブリアンなどを混ぜた絵の具を多めのテレピンで溶き背景を薄く塗りつぶしていき、必要に応じてウエスで拭き取っていきます。それから、ビンの青もここままだと浮いてしまうので同じ絵具を少し青の上にかすれる程度に塗っていきます。これがのちに瓶の強烈な青を落ち着かせてくれるはずです。



 13  14

6日目
翌日クラリネットの筒の部分を2度目の塗りに入ります。相変わらず細かい作業で辛いです。前回と同じアンバーを使いました。実物はもっと黒いのですが最終的にアンバーで落ち着くのではないかと思っています(気が変わるかもしれんけどね)。それにしても細かくてうんざりしますよ。

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7日目
蒲の茎、瓶、クラリネット、箱の色の調子を確認しながら全体の調子を整える気持ちで色を加えました。細かい部分に色を少しずつ加えているのでこの画像では十分にはわからないかもしれません。
これ以降、細かい部分の修正や塗り重ねを繰り返す作業が増えていきます。

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8日目
細かい部分の塗り重ね。今回は金属部分と蒲の茎、それと音符などを描きこみました。まだまだこのような作業がしばらく続きます。制作プロセスUの作品とほぼ平行して制作しているので一度制作に取り掛かると数時間同じような作業が続くのでとにかく目が疲れます。適当なところで止めないと眼の焦点が合わなくなってきます。

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9日目
蒲の部分に色を重ねる。本当は便と箱も色をつけたかったが、時間がなくなり蒲の色を塗るだけで今日の作業は終わり。

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10,11,12日目
3日間かけて細部を描きこみました。ガラス瓶の透明感クラリネットの金属部分、箱の色の塗り重ね、ガマの穂の塗り重ね、楽譜の塗り重ねなどなど。
この段階から溶き油をテレピンからスタンドオイルへ。なぜスタンドオイルをあえて使用したかというと別に理由はありません。たまたま手元にあった溶き油がスタンドオイルだったから。また、スタンドオイルは塗り重ねに適しており、乾燥も早いという利点もあります。そういう意味では普通のペインティングオイルがある方はそれで十分だと思います。
ビンはウルトラマリンとアリザリンクリムソンを少量。クラリネットの金属部分はより立体感を出すために塗り重ねを行いました。使用した色はおもに白、モノクロームウォーム、ジョンブリアン、インディゴなど。
モティーフの台になる部分に薄くオリーブグリーンを塗ります。後にバックでオリーブグリーンを塗り重ねたいと思い調子を見るためです。
これでしばらく乾燥を待つことにします。


12,13日目
バックの処理を行う。バックをどう処理するかどの色がいいか多少迷いがあり、手こずっています。また、薄い塗り重ねと拭き取りの繰り返しのため、下の絵の具が溶け出さないようにしっかりと感想をさせながらの塗り重ねとなります。これから先もこのような作業が続きます。


14,15日目
引き続きバックの処理。バックはこのような感じで行こうと思います。最終的には台の下部に赤を加え、薄くオリーブグリーンをかける予定。上部影にガラス瓶とおなじウルトラマリンを塗りました。

















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