岐阜市の中学生いじめ自死
問題だらけの教育行政
心の絆が崩壊
「いじめ」はなくならない
No.301
私が中学生の時、今から60年以上も前のことであるが、今でも鮮明に覚えていることがある。 英語の教師A先生。授業中もジョークを交えて面白い話をし、生徒の心を引き付ける先生で生徒達に人気があった。授業中、ラブレターの話を持ち出し、君たちは「恋」という漢字を知っているか?と言い、間違えて「変」と書いてはダメだよ。ラブレターに間違えて「恋」を「変」と書いて、彼女に「変しい 変しい 春子さん・・・」と書いたら、彼女に振られるぞ と言い、心を忘れては相手に気持ち(心)が通じないと説明された。教室は一瞬笑いに包まれた。A先生は記憶に残る愉快な人だった。 当時の先生は、こうして授業を通じて児童・生徒に「心の教育」をしていたのだと思う。 今、問題となっている「いじめ」は昔からあった。しかし、いじめる生徒も相手の痛みがわかる心を持っていた。とことんいじめて、死に追い込むような陰湿ないじめはしなかった。また、誰かが助け舟を出して、いじめている生徒を注意して、守ってやる友情と思いやりの心があった。 現代はどうだろうか。全国の小・中学校でいじめによる自殺や不登校の事案が多発している。 昨年7月に岐阜市で発生した、いじめによる中学生の自殺問題については、「救える命が救えなかった」学校関係者の不作為が招いた責任は重大である。疲弊した教育現場。教師の無責任な自己保身。事なかれの隠蔽体質。先生と児童・生徒の心の絆、信頼関係の崩壊。問題があっても見て見ぬふりをする。上から目線の指導。誤りを認めない弁解。知らなかった、忙しいから、目が届かなかった、などと言って責任回避。誰も責任を取らない等々。教育現場の無責任な対応姿勢が渦巻いているのが垣間見える。 その根底には児童・生徒と向き合って、心を育み、信頼の絆を築くような教育が欠如しているのではないか。勉強、試験、塾などに追われて、テストの点数で人物を評価する。これについて行けない児童・生徒が所謂落ちこぼれて、不登校となったり、ストレスの発散のため、いじめをするのではないか。 いじめ問題対策委員会による調査報告書は肝心な部分が全部白紙・黒塗りで隠されている。これでは真相究明は出来ない。教育委員会の教育委員会のための白紙公表は駄目だ。問題の本質を隠して目をそらし、自己保身の為に知らぬふりをして責任を逃れる。こうした学校・教育委員会の隠蔽体質の「岩盤組織」を抜本的に改革し、先生や学校、教育委員会が変わらないと「いじめ」や「不登校」はなくならない。危機的状況にある。 中三自殺 軽過ぎる 教育長 減給処分 岐阜市立中学校3年の男子生徒が昨年7月にいじめを苦に自殺した問題で、岐阜市は3月24日 早川三根夫教育長を4月から3ヶ月間の月額給料の1/10減給処分を発表。 早川教育長就任以来、不正続きの岐阜市の教育行政トップの責任が余りにも軽過ぎると多くの市民から批判の声が上がっている。これでは、救える生徒の命を救えなかった組織のトップが責任を果たしたとは言い難い。 この問題で、3月26日 無所属クラブの松原徳和議員が「この処分について、誰が決めたか?」と本会議で質問。早川教育長は「柴橋市長と話し合って決めた」と他人事のような答弁をした。 これには唖然とした!! 早川教育長は責任を取って辞職をすべきだと思うが、如何なものか。 それにしても、柴橋市長の早川三根夫教育長に対する甘い対応姿勢は気にかかる。 これでは、いつまで経っても岐阜市の教育改革は出来ない。 自死した生徒が浮かばれない。 2020.3.27 |
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