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8/29(月) カシュガルからヤルカンドへ         

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カラコルムの山々


 9:30 カシュガルとお別れ。ここからはドライバーの斎(チー)さんがウルムチから二日がかりで運転してきた30人乗りマイクロバスで出発,4日間で,砂漠の道1,500kmを突っ走る。
 ヤルカンドへは,おおよそ210km,国道315号(青海省都西寧~カシュガルを結ぶ延長1,200kmの道路)を南東へ走る。
2,000年ほど前に「虎穴に入らずんば虎子を得ず」のことわざで有名な班超が,ホータンから疏勒(現在のカシュガル)への逆コースを,また100年ほど前,大谷探検隊が,ラクダを連ねて18日かけてホータンに向かった道である。
 
 カシュガルの町の郊外に出ると,高いポプラ並木の両側にトウモロコシ,小麦,綿,ひまわり畑が広がる。自転車に乗って登校する生徒達がいっぱい,道路わきのピンク色のタマリクス(紅柳)がとてもきれいだ。

国道沿いのポプラ並木 自転車で三々五々学校に向かう生徒達

タマリクス(Tamarix)は,シルクロードの沙漠の代表的な花。中国語で紅柳,日本語では御柳などと呼ばれている。
 針のような葉が密生し,赤褐色に分岐した枝先には淡紅色の小さな花をびっしりとつける。乾燥や塩分などに強い新疆原産の植物で,これが生えていれば,地下水脈のあることが察せられる。

タマリスクの花

 10:10 大きな河を渡る。雪解け水が滔々と流れている,キジル河ではなかろうか?

カラコルムの山々は,はるか遠くにかすんで・・・・

 10:40 右手に一昨日訪れたパミール高原から連なるカラコルムの山々がややかすんで見える。
タクラマカン砂漠の南の山並みをこの辺りの人たちは”カランクンルン”と呼んでいたそうだ,カラとは黒のこと,クンルンとは,いうまでもなく崑崙。黒い崑崙が訛ってカラコルムとなった。
 富士山に形が似た山が見える,方向と形からしてムスターグ・アタ(7546m)ではないかと推測する。(このページトップ写真)

 11:00 イエンギサル(英吉沙)の町に入る。

 11:05 イエンギサルのナイフ工場&ショップの見学兼トイレ休憩。
 ここは,さしずめタリムのゾーリンゲンか燕・三條といったところ。
 遊牧民族の伝統として,皆がナイフを所持しているそうだ。ここで売っているのは,柄を”玉”で飾ったり,白銅製の観光客相手のナイフである。
 中国の飛行機では,たとえトランクに入れても刃渡り15cm以上のものは没収されてしまうと言うので折りたたみ式の小刀(95元 結構高い!)を買った。

ナイフ造りの職人 装飾きらびやかなナイフ各種
写真を撮ると言ったらあちこちから寄せ集めてきれいに並べて呉れた


 11:30 出発 ヤルカンドまであと百三、四十キロ。

 11:40 イエンギサルダムで写真ストップ。

イエンギサルダム湖
後方は万年雪を頂くカラコルムの山々

 
 道の両側には電力線と電話線がしっかり敷設されていて電柱が連綿と続いている,写真を撮る時,「邪魔だね~!」と,身勝手な文句がついつい出てしまう。
 木製の電柱に混じって,高圧線の鉄塔が目に付いたので,スルーガイドの王さんに聞いた。ホータンに水力発電所があるとのこと。ついでに南疆では,ホータンとクチャに水力発電所が,北疆では,石炭火力発電所が多いと説明してくれた。
 水が少ないという南彊に水力PSがあるなんて思っても見なかった,驚きだ!天山と崑崙が人々に与える天の恵みの大きさにあらためて想いをはせる。

 12時過ぎ ゴビ灘の中を一直線に突っ走る。ラクダ草が散在するだけの石ころと砂の世界。どこまで行っても同じ景色,ただガタガタ揺れるのみ。そのうち,右手から灰色の水を流下させている小さな水路が何本も見えるようになる。

ゴビ灘の中を一直線に突っ走る国道
一応舗装してあるが乗り心地は,良いとはいえない。

 
13:05 大きなオアシスに入る。小水路と溜池が点在するようになる,ヤルカンド県に入ったようだ。
 家がある,ポプラが両側に並びだす,とうもろこしが痛々しいほどに泥だらけになって,だがシッカリと育っている。畑回りの荒地に植えられた若木が埃まみれに立っている。なんとかしてわずかな緑を,村の側まで迫ってくるゴビ灘から守ろうと必死に努力している様子が胸に来る。

 13:30 ヤルカンド着 
 メインストリートは6車線と幅広い,民家は日干しレンガ造りのものがほとんど,バイクが多く賑やかだ。ヤルカンド県は人口50万,90%がウイグル族,漢族は7%,その他回族・キルギス族。

 13:35 莎車賓館到着
 すぐにレストランで昼食。 メニューは,揚げパン・野菜の炒め物各種(インゲン・ナス・ウリ・トマトと卵・じゃがいも・・・・)・ラグ麺・スイカ。
 チェックインして2時間の休憩。
 このホテルは三ツ星となっているが,わたしの評価は二ツ星。建物内・廊下の照明が暗いというか照明が無いに等しい,バスはお湯の出が悪い,一斉に使うとお湯にはならない。しかし乾燥気候のせいかエヤコン無しでも暑さは気にならない,そしてふんだんな雪解け水を直接受水しているのかこの冷たい水で汗を拭き,顔をぬぐうとなんとさっぱりすることよ!

ヤルカンドホテル

 16:30 ヤルカンド市内観光へ
 ヤルカンドは,タリム盆地の西南端,この盆地の中でいちばん大きなオアシスである。町の人口は約26万人,郊外も含めると約50万人といわれている。”ヤルカンド”とはペルシャ語で「石の河」,チュルク語で「友人の村」「崖上の村」など諸説あり。
 旧市街の西の一画にあるヤルカンド王宮前でバスを下車。
モンゴル系のチャガタイ・ハン国の地方政権であったヤルカンド・ハン国(1514~1680,)の王宮の跡で,紅衛兵に破壊されたが1980年代になって再建されたもの。現在は王宮の門が残っているだけのようだ。通りの反対側から写真に収めただけで,入場せず。

ヤルカンド王宮の門

 
 次に,アルトゥンルクへ。アルトゥンルクはアマニ・シャーハン陵墓とアルトゥンマザールとアルトゥンルクモスクの三つからなっている。
 まず,アマニ・シャーハン陵墓を見学。
アマニ・シャーハン(1526~1560)は,16世紀のヤルカンド・ハーン国の第2代国王の王妃で,ウイグル族の古典音楽「十二ムカム」を民間から収集し,整理して後世に残した有名な詩人であると共に美しい歌声で知られる音楽家だったとのこと。

アマニ・シャハーン廟
なんとなくモンゴル風
アマニ・シャーハン肖像 アマニ・シャーハン霊廟ドーム
簡素だが美しい模様が施されている。

 アマニ・シャーハン陵墓の左手のアルトゥンマザールには,初代国王以下一族のお墓がズラ~と並んでいる。1514~1682年にかけて建造されたもので,なんとなくモンゴル風の感じがする。1990年新疆重要文物に指定され,1993年保存修理がなされている。”Wishing Room”と称する建物があったが,お祈り所なのかお願い所なのか? 
アルトゥンマザールの墓標群
修復を終えたばかりなのか,緑色に縁取られてきれいな墓標もある。

通りに面して,アルトゥンルク清真寺というモスクがあり,ちょうど夕刻の礼拝が行われており大勢の男達が熱心に祈っていた。以前は女人禁制だったが,いまは解禁されて,席を別にして(左隅の土間で)一人の女性がお祈りをしていた。イスラムってのはこの辺がよく分からない,なぜ女性を別扱いするのだろうか? 
 ギブラをしめすミフラーブは,ガイドブックの地図から判断して,明らかにメッカの方向(西)には向いていなかったが,どうなってるんだい?
 礼拝中ということでモスク内での写真撮影は不可。

アルトゥンルク清真寺 この町ではロバ車がタクシー

  この後,徒歩にて移動し鍛冶屋職人街へ。
ベルコンラインに乗って大量生産するのが当たり前になっている今の日本では,まず,見られない作業風景が,次から次へと目に飛び込んでくる。
 鋤・鍬・鎌・鶴嘴・スコップなどの農機具,鑿・タガネ・のこぎり・スパナ・コテ・ハンマーなどの工具類,Uボルト・はすかい・ターンバックル・有刺鉄線・ドアノブ・門扉などの建築資材,やかん・鍋・釜・水差しなどの生活用品から,ロバ車の台車バネ,自動車のパーツを山と積んだジャンク屋・・・・・・・
 一生懸命に作業に励んでいる人がいる傍らで,作業台の上で昼寝を決め込む人,きれいな洋服のままでハンマーを振り上げ作業する女性など様々な表情が見られた。
 私が,メモを取っていると,若い男が数人ノートを覗き込んでくる。興味津々といった態,きっと「不思議な字を書いているな~」と思っていることだろう!

この暑いのに火を使う作業は大変だ 鍛冶屋街を見学
酸素+アセチレン溶接の技が冴える? 工具と建設資材なんでも揃う

 
 続いて,先ほどのヤルカンド王宮前から,ロバ車に2~3人ずつ分乗して旧市街を一周する。結構揺れるので,片手で荷台の端をしっかり摑んでいないと振り落とされそうになる。したがって町中の風景や,人々の表情を写真に収めることが出来ず残念であった。今の日本では,競馬場か乗馬倶楽部の厩舎あたりでしか見られない”蹄鉄”の取替え作業なども一瞥できた。
 馬車から降りて,裏通り商店街(?)をブラブラと歩いてホテルへ戻る。
 ブリキ製の日用品,シャワー,じょうろ・タンクなどの水まわり用品,衣料品,日用雑貨を売るお店が並ぶ。
スーパーに寄って,お茶ペットボトル2本(
3元×2)をもとめる。
  


ブリキ製容器の製造・販売店 ラクダ草で作ったほうき
 右上は,高粱で作ったほうき
人なつっこい男の子3人
腕を腰に当てポーズをつくる
仕事を終えた(?)男どもは,街角のあちこちでトランプや西洋将棋に夢中
 新疆では,麻雀は全く見かけない!
 
ホテル帰着 19:00

20:00 別棟のレストランにて食事。
相変わらず品数・量ともに多い。テーブルに乗り切らないので給仕さんは,皿をどんどん器用に重ね置きしていく。
「もうすこしゆっくり食べさせて呉れよ~」と云いたい。
 メニューは,揚げパン,大学いも?,トマト,魚の唐揚げ,野菜各種炒めもの,きくらげの炒め物,ラグ麺,スープ,すいか・・・・・・
 
夕食のメニュー
 

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