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旅行記14 ページ

9/7(水) (ウルムチ~)西安
絲綢之路起点群像・西門・鐘楼・大雁塔・唐楽宮  

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ライトアップされた鐘楼(写真提供 Y.Tさん)

参考映像:NHK新シルクロード    
  • ビジュアルアーカイブス 第10集西安「永遠の都」     
  • プレイバックシルクロード・第1集 「遥かなり長安イメージ紀行」

 
 5:45起床 6:30朝食 最上階のパノラマラウンジで。外はまだ真っ暗で何も見えない。

 7:30にホテルを出発。
 15分ほどでウルムチ空港に到着。
カシュガルから10日間,3,200km余の距離をお世話になったドライバーのチーさんと握手してお別れ。
 中国海南航空HU7818便で,西安へ向かう。

10日間お世話になったドライバーのチーさん ウルムチ空港内にて
着いた時は夜で,よく分からなかったが
明るい近代的な空港だ。

 HU7818便(ボーイング732-800 168人乗り)は,定刻より20分遅れで9:20離陸。
ほぼ満席。
「安全のしおり」は,中国語・英語・日本語・韓国語で書いてある,日本人客が如何に多いかを示している。最後部2列が空いていたので,窓側席に移る。
 
 飛び立って10分ほどで右手に雪をかぶった天山の累々たる山並みが見えてくる,さらに今度は左側にも。山麓には雪解け水を湛えたダム湖が幾つも点在している。天山の恵みをしっかりと受け止めている人々の営みに,しばし想いをはせる。

天山山脈の山並み 眼下には大小のオアシスが次々と現れる ここは敦煌か?酒泉か?


 間もなく機内食が配られる。パン2種・豆とハム・ハミ瓜・ラグ麺(これが本当に最後のラグ麺となった)


 飛行機は,果てしのない砂漠・ゴビ・黄土高原の上をひたすら東へ飛び続ける。眼下には,大小のオアシスが幾つも点在している。
右手は祁連山脈,左手は内蒙古のゴビ灘だろうか? 眼下に広がる自然の造形を飽きもせず眺めているうちに早や機は高度を下げ始めた。

 12:10 西安咸陽国際空港着。西安ガイドの単さんに迎えられ空港内レストラン「空港絲路餐庁」で本日の三食目を頂く。
 メニューは,酢豚・大根と南瓜の炒め物・チンゲンサイ炒め物・鶏のピーナッツ炒め・ミートボール・南瓜スープ・スイカ & Yさん・H氏がウルムチの市場で買ってきた”蟠桃”。


 中国原産の桃。『西遊記』に登場する孫悟空は蟠桃園の中でも9,000年に1度だけ実る桃を食べて不老長寿になったといわれている。 不格好ながら甘くてねっとりしている。今回のは,ちょっと熟れが足らない感じではあった。 

 13:30 食後,西安市街へ向かう。
 さっそく単さんの説明が始まる。ちょっと喋りすぎで,かつ聞きづらい日本語で,内容を理解するのに骨が折れるし物凄く疲れる。
 空港から市内へは,高速道路で10分くらい。(6年前,敦煌の帰りに寄った時,高速道路はできていなかった,2003年10月《またしても10月,中国では何でも国慶節にあわせる》新しい空港と高速道路がオープンしたそうだ)。

前漢時代の墳墓

 左右に前漢時代の陵墓が多数点在する,右手に,見覚えのある火力発電所。
渭河を渡り13:40料金所を通過して市内へ(高速料金 15元 安いね~!)
 市内は,あちこちでスクラップ&ビルド,北京に負けじと道路拡張などの再開発が推し進められているようだ。

 14:10 絲綢之路起点群像                        入場料 10元
  

絲綢之路起点群像

 ラクダや商人が隊列をなしている石像がある。
ここはかつて,西域へ向かうキャラバンの出発点だった唐代の城郭の西門(開遠門)があったところ,即ちシルクロードの東の起点だった場所だ。

 ここで,急用発生!
 空港レストランでビールを飲んだので,我慢できなくなった!
バスの停車した向こう側に”公共厠所”があるのをチェック済。一人,隊列から離脱して走る,ふ~っ  間に合ってよかった (^o^)         料金5角を払って復帰。

 絲綢之路起点群像は,新しい(1982年完成)記念碑的なもので大した物ではないんだが,唐代 ここからシルクロードが始まったということで,何か形がないと忘れられてしまうからモニュメントとして造ったという感じである。道路の真ん中にあって,あまり芸術的ともいえない像でもあり,西安市街からも遠くてお客もほとんど居ない。ここが,絲綢之路の東の出発点だという想いは,あまり湧いてこなかった。
 せめて,盛唐の詩人王維の有名な五言詩でも口ずさもう! 

渭城 朝雨潤軽塵 客舎青々 柳色新
勧君更尽 一杯酒 西出陽関 無故人

渭城の朝雨 軽塵を潤し 各舎青々 柳色新たなり
君に勧む 更に尽くせ一杯の酒 
西のかた陽関を出ずれば 故人なからん

 次に西門に向かう。
市内にも高速道路が出来ている(同じく6年前には無かった,2004年12月完成だと云う),自動車も多くなっている,以前は自転車ばかりであった。高層建築やネオンも華やかになった気がする。 

 14:35~15:15 西門(安定門)                      入場料 20元?
  西安の中心街は,東西4km・南北3km・一周14kmの城壁に囲まれている。この城壁は唐の長安城を基にして,1370年~1378(明の洪武3~11年)にかけてレンガを積み重ねて築かれた(基部の幅:18m,上部の幅:12~13m,高さ:12m,内部は土)。
 城壁の上を,サイクリングで一周できる。

城壁の上は広々とした道路,自転車で一周できる 西門外 西関正街を望む

 東西南北四つの門があるが,安定門(西門)は,西方のシルクロード起点を望む最大の城門。ちなみに東門は長楽門・南門は永寧門・北門は安遠門という名で呼ばれている。
 
 わたし達の見学した西門(安定門)は,明代の城楼の姿を最もよく留めていると云われ,門は二重構造で,物見あるいは指揮をする”正楼”と矢を射る”箭楼”からなっている。中庭のようなところには馬の像・槐の木・井戸があり,城壁の上には砲台も置いてある。

 ”箭楼”は,土産物屋になっていて,
書画・陶器・掛け軸,家具・絨毯・玉・扇子・茶・漢方薬・・・・・・観光客目当ての品々がど~んと並んでいる。日本語の上手な人が,城壁や西門の観光ガイドをしてくれ最後は言葉巧みに土産品を売りつけてくる。すべての品とは云わないが,日本人をターゲットとしたべらぼうな値段をつけていると聞いている。

 ここでは,わたし達は何も買わなかった,これから訪れる方にも買わないことをお奨めする。
 6年前来た時は,こんなみやげ物店は無かった。西門を入る時,儀丈兵が両側に並んで歓迎してくれるというセレモニーがあったが,今はなくなったのか?

正  楼 箭  楼

 15:20~16:20 鐘楼                        入場料 20元
 城壁内の中心よりやや南よりの東西南北四つの大街が交わる場所に建つ。時間を告げる役目をするが戦時には物見台や司令部になったと言う。
 南大街の四つ角でバスを降りて,地下ロータリーから昇楼する。

 鐘楼は正方形の木造建築(釘が一本も使われていない)で,高さ36m,8mの煉瓦造りの土台の上に建つ。
 1384年(明の洪武17年)に現在の西大街と広済街の交わる辺りに造られ,1582年に今の所に移された。
 外から見ると三階建てだが,実は軒が三層,建築は二層。

 楼の四方に回廊があり四方に広がる旧市街が一望できる。四方向それぞれに城郭の門が近くにあるいは遠く霞んで見える。西方には,さっき見てきた「安定門」,近くには,「鼓楼」(1380年創建)と「鐘鼓楼広場」・餃子で有名な「徳発長」・イスラム料理の「同感祥」・漢方薬の「曲玉障害」が見える。
 夜のライトアップも美しいとか。

鐘  楼   鐘楼から南門(永寧門)を望む

 2階には,甬鐘と呼ばれる楽器が置かれていて一日6回演奏してくれる。今日5回目の演奏がちょうど16時からあるというグッドタイミング! 3階の博物館(書画・織物・陶磁器・・・・・・・)を見学してから聞くことにする。
 演奏は,甬鐘(編鐘ともいう)・揚琴・しちりきなどで4曲。1曲20元でオプショナル演奏がされるという。

甬鐘の演奏と宮廷舞踊

 16:50~18:00 慈恩寺・大雁塔                       入場料 20元
 西安の中心街から西南へ20分ほどのところにある。
慈恩寺は,648年に唐の高宗が,亡くなった母を弔うために建立したお寺で僧玄奘三蔵がインドから持ち帰った経典を中国語訳をした場所でもある。

 大雁塔は652年,経典や仏像などを保存するため,玄奘が高宗に申し出て建立された。この塔に使用された材料は煉瓦・木・砂・石灰・土・おかゆ状のりで内部を土で築き外面に煉瓦を積んである。
当初は5層,則天武后の長安年間(701-704)に大改造を行って10層になったが,唐末の戦乱などで上層部分が崩壊してしまい現在の塔は7層で高さ64m。
1961.3.4全国重文に指定されている。

大 雁 塔 ライトアップした大 雁 塔
(写真提供 Y.T.さん)

 当時の建物は大雁塔だけ。
塔の前方には明代と清代の建物が残っている。講堂・大雄殿・塔の東南に明~清代の慈恩寺歴代住職の舎利塔八基・庭園には鐘楼と鼓楼・・・・・。

 大雄殿の左脇を進んでいくと大雁塔の登り口にゲートがあって入場料20元が徴収される。6年まえは無料だったと記憶しているが? また,「シルバー割引無いの?」って聞いたら「無い!」ってつれない返事が返ってきた。
 前回も登ったけれど,体力が落ちているかどうか試すためにまた登ることにした。
最上階まで螺旋階段が続いていて,全部で248段を一気に昇る。「うん 体力は6年前と比べて落ちてない!」と自信がもてた。
 最上階の東西南北四方の窓から西安市街を望むことができるが,6年まえと比べて少し薄汚れた景色のように感じられた。大気対汚染が進んでいるせいかな! 

大雁塔の最上階から西安中心街方向を望む 2002年に造られた三蔵法師像
南(インド)の方角を向いている。

 大雁塔はすでに1,300年の歴史があり,その間震度7以上の地震に二度見舞われているそうだが昔日の雄姿のままに重厚な姿を見せている。とはいえ,正面からよく見ると,左側に少し傾いている。地下水位低下による不同圧密沈下が原因である。現在,一帯には地下水の揚水規制が行われているという。 

五つ星トイレ出現!

 ついにと云うか,ようやくと云おうか中国で初めて極上の公衆トイレットにめぐり合った!
慈恩寺山門を入って右手奥のトイレは素晴らしい!エヤコン完備・お湯も出る・チリ一つ無いスペース(ウオッシュレットかどうかは”大”を使っていないので不明),高級ホテルのトイレをしのぐほど 驚天動地 感激して涙が出た!
 ここまでしなくてもいいから,すべての”厠所”を普通のトイレにして欲しいな~ おねが~い!

 18:25~19:40 大香港鮑翅酒楼にて夕食
 飲茶式の夕食 南瓜パイ・シュウマイ・鶏の足・中華粥・エビ餃子・エッグタルト・フルーツ・・・・・・・・

 19:50~21:40 唐楽宮
 西安唐楽宮で夕食・ディナーショーを見る。
 ここは,いわゆる夕食を食べながら舞台で繰り広げられる宮廷音楽の演奏や歌,舞踊などを楽しむ場所である。既に大勢の正装したお客が入ってそれぞれ食事をしている。
われわれは,ドリンク一杯付きの料金でショウーのみを楽しもうということだ。

 20:30よりディナーショーが始まる。  
 英語のナレーションがあるもプログラムなしでは,残念ながら理解できず。
どうやら玄宗皇帝が民衆とともに中秋の名月を楽しんでいる場面だとか,玄宗皇帝と楊貴妃がらみの内容の踊りであるらしいことが分かるのみ。
 でも,美しい衣装をつけた男女が琵琶・笛・太鼓など音曲を奏でるのに合せての色あでやかな舞台は堂々としていた。だいぶ昔に見たパリの「ムーランルージュ」に似ているなと思った。
 ちなみに夕食つきコースは,2名以上で470元/一人だそうだ。

唐楽宮のディナーショウ

 22:00 ホテル着
 本来は,今日の予定であった「陝西歴史博物館での未公開文物特別見学」が,先方の都合で明日になったので,本日は,見る場所いっぱいの行程になってしまった。今朝が早かったので少し疲れた。
 11時就寝。明日はいよいよ帰国。


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