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11/11 (土) ロッジ・タサンヴィレッジ           

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  ロッジ・タサンヴィレッジ滞在

 起床5時半。6時に屋上へ出る。気温5.8℃。
三脚にカメラを据え,白み始めたダウラギリに向けてスタンバイ。
6:33 ダウラギリ主峰の頂上が,きらりとひかる! 感動の一瞬。
次第に稜線全体に白い輝やきがひろがりだんだん下降していく。
 サントス君がやって来て,熱いコーヒーをサービスしてくれた。よく登山家がテントの中でコーヒーを旨そうに飲むシーンを見るが,よく分かった。清冽な冷気の中のコーヒーの旨さを実感する。

 8時 カリガンダキの河原に物凄い砂煙が上がっているのが見える。大地の温度差によるチベット側とヒマラヤ南部の間を一日に二度反復して吹く強風である。

 8時半,南向きの食堂で暖かな陽を浴びてニルギルを眺めながらの豪勢な朝食。
 野菜スープ(にんじん・そばがき・きのこ・大根),ナム,高菜,卵焼き。


 今日は一日ナウリコット滞在である。
往復6時間くらいでブトルチョ湖→アンナプルナ山群が湖面に映えるというショマン湖に行くハイキングに行こうかとKU氏が誘ったが,手を挙げたのは私とSA嬢だけなので中止,残念!
 その代わり,昨日行った水車小屋から更に登ると,アンナプルナ山塊が見えるという場所があるとの事。皆で出かけることにする。往復2時間もあれば十分だという。

 昨日,ご一緒したTさんグループは,Kobanの対岸にあるSauruの小学校にも寄ってからジョモソムまで徒歩で戻るといって9時過ぎ出発していった。

 我々はサントス君の先導で,裏山散策に出発。
KAさんは,ロッジで休養,最長老 Iさんは途中で引き返す,Hさんは水車小屋付近でダウラギリに向かってスケッチを始める。

 村のおじいさんが「この少し上でヤクを放牧しているよ!」と言う。しかしこの”少し上”ってえ〜のが危ない あぶない!半日くらいかかるところでも”少し上”である。うっかり話にのってついて行ったらえらいことになる。

 30分ほどの登りで,もう少しで森林限界といった標高2900m+地点に着く。
ここからのダウラギリ東氷河の眺めは素晴らしい!氷河末端から流れ落ちる数条の深い滝が手に取るように観察できる。
振り返るとニルギルNorth,ニルギルCenter,ニルギルSouth,アンナプルナT,Fang,アンナプルSouthの7〜8,000m級の山々がパノラマの如く連なる。地表に目を落とせば,可憐な”リンドウ”,”石楠花”,”ナナカマド”,春から夏にかけては美しい花々が一面に咲き誇るという。ただしこの時期「蛭」に喰いつかれ血を吸われることは覚悟しなければならないという。
 
 しばらく,写真を撮ったり,談笑した後,三々五々下りにかかる。
帰路,ナウリコット集落の中ほどにあるサントス君の実家に寄り,家の中を見せてもらって,揚げナム・茹でたて玉子・Teaをご馳走になる。

 以下に,ダウラギリとニルギリの写真をまとめて掲載する。

朝陽に輝くダウラギリT(8167m)
 東の空から矢のような一条の光りが射し込み,
岩肌が金色に染まり始める。
やがて頂稜から次第に下降していき
見事な色彩の交響楽を奏して見る見るうちに下降。
山容全体が琥珀色に輝き始めた。
ダウラギリからツクチェピーク
ナウリコット村から




ダウラギリ東氷河2900m地点から望遠レンズで撮影。
氷河は年々後退しているという。岩壁から取り込んだ岩塊が表面にたくさん見られ氷河末端であることがよく分かる。
LTVから仰ぐダウラギリ頂上付近,雪煙が舞っていてかなりの強風と思われる。

2900m付近で見つけたリンドウ?



ニルギル(ツクチェ村にて)









 
ニルギル(ナウリコット村2900m地点から)
 左からニルギルNorth(7061m),Center(6940m),South(6839m),アンナプルナT(8091m)
 大規模な褶曲構造がよく見える,地質は古生代オルドビス紀の石灰岩&片岩。


  ニルギル夕景(LTVにて)
 ヒマラヤの上昇に伴って出来た段丘面が2段見える。上段(雪氷で覆われた山体下方の平坦面,標高4000m?)には,ヤクの放牧場があるという。       




ニルギルとカリガンダキ(ナウリコット村にて)
 カリガンダキの水は少なく河原の勾配は緩やかで砂漠のようだ。下方の村は KOBAN,対岸はSAURU。10年ほど前,NHKTVでヒマラヤを越すアネハヅルが河原から飛び立ちニルギルを越えるシーンを見た事がある,その場所はもう少し北のジョモソム〜カグベニ辺りだそうだ。           


 午後は,自由時間。各自ロッジで休憩したり,近くを散策したりのんびり過ごす。
わたしは,ロッジの屋上や周囲を歩き回って写真を撮ったりするも,午後になるとやはり雲が湧いてきて山の写真を撮るには不都合となる。「夕陽に映えるニルギル」を期待したのだが,昨日も本日も不調。断念して部屋で写真の整理や,ガイドブックを眺めたりしてのんびりする。
 アルジュンさん,昨日の不手際で,皆さんに風邪でもひかれたら大変と,今日は,岩風呂を沸かさないという。わたしもツクチェでの経験から,陽の高いうちにシャワーを浴びた。湯量も十分,温度も水で調節せねばならぬほど熱くなっている。グーである。

 夕刻5時,部屋の中でも気温11℃,オイルファンヒーターは相変わらず役立たず,それにまた停電してしまった。
寒いので,ロビーへ。ちょうどアルジュンさんが暖炉に火を入れているところだった。

 そのうち何人かも集まってきてローソクの灯りの下でロキシーを,チビリ・ちびりしながら談笑。
 アルジュンさんから,いま中国がチベット側から国境まで鉄道を敷設してジョモソム街道を自動車道にしてポカラ→インドへ通じる交易ルートを開発しようと企んでいること,それでは地元には何も残らない,地元に益があるような観光事業を大切にしていきたいので自動車道の建設には反対していること。LTVの背後の山にトレッキングコースをつくり,多くのトレッカーがLTVを利用するようになり,その結果としてナウリコットの村人達にも経済効果が及ぶようにしたいなどなどの抱負をお聞きした。

 炬燵ルームで夕食。 
 KAさんに続いてHA氏・SU氏も体調不良(お腹をこわす)。
 


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