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モンゴル撮影旅行

7 南ゴビ ~ヨリーン渓谷~

              (9/01)

  

6時半起床  ゴビの地平線から登る朝日を撮影する。
遊牧民の朝は早い,この時間からもう放牧を始めている。

ゴビの大草原に登る朝陽
 
 

 朝食は,パン・チーズ・バター・ジュース・玉子焼き・コーヒーor紅茶。少し物足らないので,SSさん持参の”レトルトお粥”に”ふりかけ”,”乾燥梅干し”などをふんだんに入れてご馳走になる。そろそろ,連日の肉主体の料理におなかも疲れてきた頃なので,お粥がとても美味しい。

 ヨリーン渓谷へ向かう。

 キャンプ地から約20kmほど南,小一時間ほどで,公園入り口に到着。
モンゴル語で「ヨル」と呼ばれる”ヒゲワシ”に,ちなんで「ヨリーン・アム(ヒゲワシの谷)」と名づけられた。
例の如く自然保護区域入山フィー3000TGを支払って,谷沿いの山道をさらに南下。20分ほどで,谷がやや開けた場所に着く,標高2200m。車はここまで。 
 
 わたしは,ここから馬の背に乗って(3000TG)渓谷を下り,帰りに写真を撮りながら歩いて戻ることにした。
馬に乗るのは始めての経験であるが,馬子が曳いてくれるのでどうと言うことも無く快適に谷を下る。20分ほどして,オボーがたっているところで,馬子が石を拾ってオボーに投げ入れ一周して,乗馬は終り。
 
 そこからは,両岸が断崖絶壁,急に狭くなった峡谷を下る。
ほどなくチョロチョロと,わずかな水の流れが現れる。この辺りは夏でも一面に残雪があったというが,今は,わずかに一箇所だけ実に小さな氷の塊が残っているに過ぎない。
 時計を気にしながら,さらに奥へと進むが,この先も風景は似たようなものだろうと勝手に考えて,引き返すこととした。

 谷の上部はU字谷で,氷河地形のカールに似ている。中・下流部は,深い峡谷を成している。9月になっても氷と化した残雪がわずかに見られる。
  
 

 谷底から斜面にかけて,紫色の小さな花 が,あちらこちらに咲いている。もう少し早い時期だと,シオン(エゾギクの一種)というピンク色の花が絨毯のように敷き詰められている光景が見られたと言うが,残念!ざんねん!
 
 谷のあちこちで鳴きウサギが,立ち上がってピッピッと鋭い警戒音を出し,近づくと岩穴に素早く姿を隠したりしている。 どれほどいるのか・・・ 。警戒心が強く,他の観光客がひっきりなしにやってくるので,ウサギはなかなか近くには寄ってきてくれない,それに素早いこともあって,シャッターチャンスを狙ってしばらく待機したが,ものにならず。
 
 空には鷲鷹らしき大きな鳥がゆっくりと輪を描いて回っている。
 紺碧の空!緑の草原! 羊と山羊がのんびり草を食んでいる! ゆったりと時間が流れる!
 草原に寝転んで もっとゆっくり過ごしかった。


 自然保護区ゲート脇に,「ゴビ自然博物館」がある。
 4部屋ほどの小さな博物館である。入場料は500TGで,初老のおじいさんがガイドをしてくれる。
写真撮影する場合は4USドル,領収書を要らなければ2ドルで好いという。”双方2ドル得”だ,頭好いね~ 上手いことを考えたもんだ(わたしは,ざっと館内を見渡して,カメラに収めるに値する展示品は無しと見定めてからパス。おじいさんが出てくる前に,”ヒゲワシ”の剥製だけは,先に撮ってしまった)。

 展示室には鳥や動物の剥製(熊・雪ヒョウ・ガゼル・狼・ナベヅル・きつね・山猫・イヌワシ・ハゲワシ・ヒゲワシ・コンドル・・・・)や鉱物などと一緒に恐竜の骨や卵の化石が無造作に並べられていた。

    
    ヒゲワシ

 嘴の付け根からぶら下がっている髭のような黒いふさふさとした羽毛からそう呼ばれている。 南ヨーロッパから中東,中央アジア,それにアフリカの幾つかの地域に分布している。翼開長は2.5~2.8mもある大きなワシ。
 ヒゲワシは羽ばたきをしないで岩場を低空飛行し,周囲を絶えず見渡しながら死体を探す。
  ネズミやウサギなど生きた小動物を捕食することもある。
 
 

博物館の隣には,土産店が10軒ほど並んでいる。1,2軒覗いて見たが食指を動かすようなものは無かった。
「ゴビ グルバンサイカン国立公園」という日本語小冊子をもとめる(10USドル)



 

帰途,遊牧民ゲルを訪問

 

主人が”嗅ぎタバコ”の廻し飲みで歓迎の挨拶をしてくれ,生クリーム・出来立てのヨーグルト・チーズ・乳茶を振舞ってくれた。
家族は5人。らくだ20頭・羊&山羊400頭を飼育している。
 
 3人の子供は,町の親戚に寄宿して学校に通っていると言う。夏休み・冬休みと土日には,帰ってくるが普段は夫婦二人の生活。モンゴルでは,小学校4年,中学校4年,高校3年合計8年間の義務教育制で,どんな遠隔地の遊牧民の子弟も全員学校に入っているという。

 近くにツーリストキャンプがあるので訪問客が多いのか,ゲル内部はきれいに整理整頓されていて,お土産の品も並べていたりして,この夫婦は観光客の扱いに慣れていると見た。

 
 訪問したゲルでご馳走になった数々の乳製品の一部

右:山羊のチーズ・揚げパン・砂糖, 中央:山羊のヨーグルトチーズ, 右:出来立てヨーグルト
 

ハンボクドキャンプに戻って昼食。
メニューは,黒スープ(にんじん・羊肉),揚げナン,パン,コーン・羊肉煮込み・ポテトチップ+ライス。
食後,ゲル内のベッドで,しばしうたた寝して気持ちよくなった頃 出発!


 さて,この後は,草原を50km突っ走り,南ゴビの県都 ダランザドガドから空路ウランバートルへ帰る。
今日は,久しぶりのゆったりした行程の一日であった。
 

 ゴビダランザドガドへ向かう草原の中で遭遇した「蜃気楼」

 貨物列車みたいに見えた。
   

 ウランバートルのホテル着19:45
     

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