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モンゴル撮影旅行

4−2 フブスグル湖 〜少数民族ゲル訪問&小山に登る〜

              (8/29)

 湖畔でトナカイを放牧しているモンゴル系ツァータン族のゲルを訪問する。

 ツァータン族は,モンゴルに残った最後のウィグル族といわれ,もともとはバイカル湖周辺の寒冷高地に住むトナカイを飼育する全体で30家族200人程度しか残っていない少数民族である。狩猟採集を生業とし移動手段にトナカイを利用する。現在,多くはフブスグル湖の西側のタイガ地帯に住んでいる。
 ここの家族(3家族17人)は,観光シーズンのみフブスグル湖畔にやって来ているのだという。
 なお,複合遺産としての「フブスグル湖とツァータン族のシャーマニズムのある生活風景」が世界遺産に申請されている。
 
 ゲルに入ると,ガイドのナラちゃんとおばあさんとの会話が続いている。何を話しているのか分からないが,交渉事のような気配,まだ写真を撮ってはいけないとのサインも出る。
やがてナラちゃん曰く「この人たちは観光客相手が目的でここにキャンプを張っているので,一人3,000TG貰いたい と云っている」。分かったわかった 払いますよ!

 ツァータン族の住まいは,いわゆる「ゲル」とは違う。先ず形が円錐状である,「ウスツ」というそうだ。
ゲルがフェルトで覆われているのに対しウスツはトナカイの毛皮で出来ている,内部にベッドもないし椅子も使わない,地べたに毛皮を敷いて寝るとの事。一般にゲルよりやや粗末な造りではあるが,家畜の乾燥糞と土を混ぜ合せたものを断熱材として地面の上に敷くとそんなに冷えないともいう。 
 番犬は,狼とイヌの混血で獰猛な面つきである。怖そう〜!
 ウスツ  家族
じゃんけんポン?をして遊ぶ姉弟

 ツァータン族に限らず,いま,少数民族の抱えている問題は,どんどん人口が少なくなっていくことだという。
254万のモンゴル人のうち,ハルハ族が7割を占め,残りがブリヤート・トルグート・バイタ・ダラハトなどの少数民族であるが,近親結婚による弊害を避けるため他族と結婚するので純粋血統が保てないそうだ。フブスグル県には,15の少数民族が30〜100家族程度の規模で生活しているという。

 Campに戻って昼食
  モンゴルうどん(ブリリタイシュル,牛肉・ジャガイモ入り)),ゴリヤシ(ジャガイモ・人参・肉の煮込み+ご飯),キュウリの酢の物,パン
    トナカイの乳から造ったバター

生クリーム状,パンに塗って砂糖をまぶして食す。

極め付きで美味しかった!トナカイ遊牧民の居る地元でなければの逸品である。


 午後,湖畔沿いの道に沿って約20km北上。途中いくつかのツーリストキャンプ,放牧場あり。

わがロシア製四輪駆動車「ワッツ」も”参った!”という地点まで行って車を降りる。

 ここで,フブスグル湖の全貌を眺めんと標高差100mほどの小山に登る。いつの間にか3グループに分かれてしまった。わたしは,SSさんと直登ルート,NとTSさんは道路沿いの迂回ルート,KSさんは,花の写真を撮るといって平場に留まる。

 フーフー言いながら急斜面のガレ場状の草地を登る。次第に視界が開けてくる。休憩がてら,振り返りながらシャッターを切りつつ30分ほどで登りきる。
「うわあ〜 雄大な風景だ! はるか北方には,わずかに残雪を残す3500m級のロシア国境の山々が見える。
しばし,風に吹かれて汗が引いた頃合を見計らって下山開始。
帰りは滑りやすく非常に危険である,左手の樹林帯の中を下ることとする。下りきったところに「ワレモコウ」の群落あり,少し盛りを過ぎてしまっていたのが残念であった。

 他のグループ二人が戻るまで,花の写真を撮ったり湖畔を散策したりして過ごす。
 帰り道で,馬に乗ってツーリストCAMPへ向かう欧米人グループに出会う。荷物をいっぱいぶら下げているし単なる「観光乗馬」ではない,かなりの距離を移動してきたように見える。乗馬が得意な連中と見た。

秋空に映えるフブスグル湖
「大きいねぇ〜! でっかいねぇ〜!
水の色が綺麗だねぇ」
  
はるか北方 ロシア国境の山々  
(300mm望遠レンズで)

  シベリヤカラマツ林の中を馬を駆って遊牧民の親子?がやってきたところをパチリ

 お父さん手を出して「お金くれ!」という。観光地化してスレてしまっているんだろう! しょうがないね〜 1000TG渡す。


 午後5時過ぎ Camp帰還。
 あれ〜 Campの奥の方で,ゲルの一棟が解体されている。そろそろシーズンオフが近いようである。ウランバートル日本語学校に学んでいて,実習でここで働いている女性は9月いっぱいここに留まると言っていたが,間もなくキャンプ閉鎖となりそうな感じである,
 寒くならないうちにりシャワーを浴びて,ついでに洗濯もしてくつろぐ(洗濯物はストーブの薪がガンガン焚かれているのですぐに乾くのがありがたい)。 

 夕食は,我々とスイス人グループ4人の10人だけ。
 野菜サラダ(コーン・ピクルス・グリーンピース・ハム・ライス),ボタティホール(肉入りチャーハン),グタイル(鱒の一種)の唐揚げ,ジャガイモ・ピーマン・オリーブ・人参・ズッキーニの煮物・・・・・
 
 今朝の轍を踏まないため,明朝のストーブ点火を,午前3時にしてくれるよう依頼し,就寝前にも薪を目いっぱい放り込んで就寝。おかげで当初は暑くて眠れないくらいであった。モンゴルの山奥まで来て,エコライフに反することをしてしまったと反省することしきり。
  

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