3−2 フブスグル湖 〜夕景&星空の撮影 (8/28)
下りにかかり,しばらくすると松林の間から湖面がきらりと光る憧れのフブスグル湖が見えた。
時間は21時少し前 まだまだ明るい。
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カラマツ林越しに大きな湖が見えた。 |
車は一気に湖畔へ
標高1624メートルの高地に広がるシベリア・カラマツ林の中にフブスグル湖がひっそりと佇んでいる。
うわ〜素晴らしい! 夕焼けに赤らんだ対岸の山々が眼に飛び込んでくる。
「車停めて〜車停めて〜」と言って
皆,カメラと三脚を抱えて湖岸に向かってすっ飛んでいく。
もう午後9時過ぎだと言うのに気にしない気にしない。
ここで30分くらい過ごしただろうか。
わたしも 露出をあたふたと変えながら夢中でシャッターを押す。でもあんまりいい写真は撮れなかった。
明日 行く予定にしている島は,どの辺りにあるんだろうか,島影らしきものは全く見えないほど大きな湖である。
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暮れなずむフブスグル湖 |
フブスグル湖は,ウランバートルから西北に800キロほど,モンゴル最北のフブスグル県にある。
南北に長い湖で,最北地点はロシアとの国境に近い。淡水湖としてはモンゴルの中で一番大きく,水量は世界の淡水の2%を占めているという。深さは約250メートルで周囲の長さだけでも130キロ以上あり表面積は琵琶湖の4倍。バイカル湖と同じ地溝帯に形成されたいわゆる地質構造に起因する湖である。湖の西側は急な山地が続き,東側は泥や沼地のような湿地が多いという。
集水域の人口は数百人程度で,大都市から遠く,世界で最も人為的影響が及んでいない大型湖沼と言われている。
Length 136 km
Max widith 36.5 km
Max depth 262 m
Surface area 2760 km2
Catchment area 4920 km2 |
21時40分 フブスグル湖畔のトイログトキャンプ着。
今夜から二晩,ゲルでの生活である。
CAMPは15棟ほどのゲルと管理棟,食堂,トイレ,洗面所,シャワールームそれになんとサウナ(ただし有料)まで付いている。
部屋割りをして二人ずつ3棟に分宿。
すぐ夕飯を摂るため食堂棟へ行くと,なにやら民族音楽ショーが始まっていて10数人のお客さんが静かに鑑賞していて,とても食事をする雰囲気ではない。我々の到着が遅くて,既に食事時間が終わって有料のショータイムとなっていたのである。
ショーを楽しんでいるお客さんに遠慮して静かに食事を始める。まだ続いているショーを無料で楽しみながら・・・
夕食は,人参サラダ,ハヤシ風カレーライス,マッシュルーム・玉ねぎ・にんにく・赤ピーマン・きくらげのスープほか
我々の泊まった「ゲル」は,直径およそ6m,最高部の高さは3m程で,布・フェルト地・木材などで構成され,組立・分解が容易な遊牧民の住居だ。ツーリスト仕様なので,遊牧民のものと多少違っているかも知れないが,構造は同じ筈だ。本物と異なるところは,電灯が点くこと・ストーブの燃料が薪(本来は牛糞)であること・煮炊きをしないことくらいかな?
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湖畔のツーリスト用ゲル |
ゲルの内部
積み上げられた薪は二晩でほぼ消費した |
夜空に瞬く星の撮影は,電灯が消えてから(このCampでは,電気は11時過ぎに消灯というか発電機の運転が停まる)始めることとした。
それまで,ベッドで休憩したり,談笑しながらカメラの手入れをしたり各自思い思いに過ごす。
わたしは,シャワーを浴びてみた,湯温はまあまあではあるが,湯量が少なくてシャンプーしたり石鹸を使ったりすることは出来なかった。気温も10℃以下となっているので,風邪でもひいたらたまらない。早々と引き揚げる。
ゲル内は,ストーブに薪をジャンジャンぶち込んで,暖かい暖かい!ところが薪は一時間くらいで燃えつきてしまい,時々,薪をくべないと消えてしまうのが難点である。
セーターを着込んで,マフラーに手袋と防寒対策を十分にして星空撮影開始。
星座なんかよく判らないくらいの星が燦然と輝いている。
流れ星が駆け抜けるのも見える。
ゆっくりと横切って行くのは人工衛星か?
「う〜ん こんなシーンをものにできたらいいなあ〜」 モンゴル冥利に尽きる瞬間である。
SSさんは,北極星を中心とした星の回転軌跡を狙うと言う,少なくとも4〜5時間の露出時間が必要だろう。
わたしにはそんな気力はない,星空を背景にしたゲルでも撮れたらと,ポイントを決めて さて撮影開始しようとシャッターを「バルブ」にしたところで 「あれ〜っ このカメラ シャッターロックが無いや! ゲ〜ッ これじゃ 星空撮影は出来んぞお〜」 (@_@;)
かなり昔のこと,ネパールの田舎で満天の星空の写真を撮ったことがあるんだが,その時のカメラは「ニコンF」,全自動(全部自分で動かすと言う意味)でシャッターロックして適当な時間がたったらロックをはずせば所要の露出時間が得られる装置であった。ということで,今度も長時間露出は「バルブ」を使ってやればいいやと思い込んでしまっていたのだが,それが間違いであった。このカメラでは「レリーズ」が必要だったことに気付くが,もう後の祭りだ。(ちなみにTS氏も同じく「レリーズ」を持参せずわたしと同じ穴の貉である)
残念だがギブアップ。 12時過ぎ「ゲル」にもぐりこん,ストーブに薪を満杯にくべてベッドイン。
以後,わたしは星空撮影作戦からは離脱。他の人たちは,夜中も頑張って,朝日も撮ろうというのだから全くそのタフさには敬服する。夜中までの撮影を止めにしたおかげで,わたしは睡眠不足にならずにすんだ。o(^-^)o
後日談ではあるが,かのベテランSS氏すらミスをするのである。 翌朝,成果を尋ねると,「シャッターが切れなかった,寒さのためかバッテリーが機能不全に陥ったのかも?」 でもこのくらいの温度(氷点下までにはなっていないと思う)でパーになるんでは,そのカメラ,北海道では使い物にならんじゃないですか? 帰国した翌日,新宿のキャノンサービスセンター近くでばったり遭ったSSさん曰く「レンズの”AF”を”M”(マニュアル)に替えてなかったんじゃないですか?と云われた」でチョン! こんな初歩的なミスもあるんだ。 |
シャッタースピード30秒で撮った星空とゲル
ニコンD70には,シャッター速度30秒までしかない,露出時間30秒では,肉眼では満天にかかるキラキラ星もほとんど写しこめない。明るい星だけがわずかにみえるだろうか?
数ある失敗作の一つとしてあえて掲載する。 |
夜中 枕もと近く どうもゲルの外側らしい,パサッ パサッという不気味な音が気になった,少しづつ位置が変わる。モグラでもいるのかなあ〜 この怪音の原因 翌朝になって判明した!
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