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モンゴル撮影旅行

10 東部幹線道路プロジェクト&ウランバートル市上水道建設工事見学

              (9/04)

 

 起床6:30 外気温は5.4℃ 早朝5時にストーブの薪に火を点けて貰ったのでゲル内は,27℃。
水が,チョボ チョボとしか出ない。折角の水洗トイレだが,先客の落し物が鎮座している,そのうち流れるだろうって思うしかないね!
 メンバー4人は,朝陽を撮ると言って,裏山に登る。
わたしは,コンパクトデジカメでキャンプ内から数枚,手持ちで撮影。
しかしこのデジカメ,早くもバッテリー切れ近しのサインが点滅しだす。ゲルキャンプには,電気が来ていないと思っていたので,充電器は,ホテルに置いてきた。
 よって,今日は写真撮影枚数を絞って,最後までバッテリーを保たせなければならない。いざとなったら,ゴミ付き一眼レフも併用することとするか!。

 8時 朝食  バイキング式である。
ハム・チーズ・ソーセージ,きゅうり,トマト,揚げパン,目玉焼き,お粥,トースト,コーヒー。
相変わらず 食事はグー!

 東部幹線道路工事が行われているバガノールへ  

 昨日来た道を戻り,バガノール,ヘンティ県都ウンドゥルハーン方向への分岐点で,UBから来るE君らと待ち合わせる。
 草原の中を一直線に伸びる東部幹線道路

9時50分 E君と合流しバガノールに向かう。
 ウランバートルから80kmあたり,この辺りは,道路改良工事も済んで,対向車もほとんど無い草原の中を一直線に伸びるハイウェイである。
時速100キロ以上で飛ばしている。

 ふと,思った!
先だって観た,グレートジャーニーの関野吉晴の映画「プージェー」でプージェーが,交通事故死したのはこの辺りの何処かではないかと? UBからも程近い,遊牧民ゲルも点在している,最近出来た高速舗装道路でもある。多分このあたりだと確信した。

さて,これから見学する道路工事のコンサルタント技術者である㈱JOCのK氏が,途中のドライブインで待ち受けてくれていて,先導してくれる。
標高1700mの峠を越えて下りにかかると,右手に露天堀りしているバガノール石炭鉱山が見えてくる。昨日,見た貨物列車はここから石炭を運んでいる。(帰途,トラックで運搬中の石炭を見かけたが,テカテカと輝く,まさしく黒ダイヤの名前通りの極めて上質の瀝青炭であった。) 

バガノール市
炭坑の街,ロシア様式のアパートが目に付く。

露天堀をしているバガノール炭鉱遠景
写っているのはボタ山

 バガノール市街に入り,市庁舎前広場で,しばし休憩した後,工事場所へ向かう。

 工事の正式名称は「The Eastern Arterial Road Project」(日本語にすると東部幹線道路計画だろうか?)
東部幹線道路は,エルデネからヘンティン県都ウンドゥルハーンを結ぶ全長約260キロメートルの道路である。
完成すると,ウランバートルからウンドゥルハーン間の約350キロメートルが舗装されることとなり,首都から東部へのアクセスが,飛躍的に改善される。(この道路は,モンゴル国内のアジアハイウェイの一部区間となる)

 いま通ってきた,ここまでの道は,既に完成した部分で,この先(新設:45km,既設道路改良:15km)の一部10kmが,日本のODA無償援助を受けて日本のゼネコンKO社で施工されている(2009年竣工予定)。

 アスファルトプラントや施工されたばかりの舗装を見学,KO社の社員三人から工事の苦労話を聞く。
9月に入ってから,気温が低くなる日が多く,舗装工事には神経を使うと言う。一日も早く,舗装工事が終了する様頑張ってください。
ご苦労さんです。
 
 その後,すこし先のヘルレン川架橋地点へ。
旧ソ連が建設した既設橋は,強度不足のため下流30mに20径間・橋長300mのガーダー橋が新設される。なるほど旧橋は,小型車が通過するときでも結構揺れる。 

アスコン敷設直後の路盤
盛土ののり面勾配がちょっと急なところが気になる。乾燥地帯なので,このくらいの勾配でも崩れないとkさんの言。
草原の真っ只中に設置されたアスファルトプラント ヘルレン川架橋のための仮設桟橋(作業員宿舎なのか橋上にゲルがあるのが面白い)
 
 ヘルレン川は,チンギス・ハーンの生誕地に近く,流域一帯は若かりし頃勢力を徐々に広めていった地域でもあり,ここより下流10数キロに,「チンギス・ハーン碑」が建立されていると聞く。
 
 ヘルレン川を渡るとヘンティ県トブチョウ村である。
レストランで昼食。
レストラン裏では,ツーリスト宿泊施設用のゲルが建設中であった。近づいて写真を撮ろうとすると,何故か,「ダメ~!」と言われた。
ツォイワン(焼肉うどん)
油蒸ししてある,結構美味しい!
饅頭
中には何も入っていない
羊肉スープ
モンゴルで出された食事のうち,わたしが,唯一食べ残した料理。脂身ばかりの肉で,それほど美味しくなかったということ。


天井の形がちょっと違うチンギスハーン時代のゲル
只今,ツーリストキャンプ建設中
 

 14:30 トブチョウ発  案内してくれたK氏とバガノールで別れ,来た道をウランバートル方面へ戻る。

 雲ひとかけらもない秋天,気持ちがいい! だがSSさん曰く,「この空は,写真撮りには,あまりありがたくない」と。




 ウランバートル市上水道供給施設改良工事見学
 
 16時 E君がエンジニアリングしている「ウランバートル市上水道供給施設改良工事」現場に到着。
ヘルレン川の河川敷に,直径250mm,深さ30~45mの井戸を16本掘り,汲み上げた地下水(伏流水)を,総延長7kmのφ500mmパイプ(凍結しないよう厚さ3~3.5mの盛土で覆われている)でポンプステーションに送るという工事である。それにポンプステーションの改良(5基の送水ポンプの更新,電気ユニット・井戸運転リモートコントロール設備,給送水自動コントロールシステム,サージタンクなどの新設)も含み工期2年半,10月末で竣工予定である。
これもODA無償援助工事である。

 トーラ川の河川敷に井戸を500m間隔に堀り伏流水を揚水してポンプステーションに導く。井戸の運転は無線でリモコン制御される。おかげで,厳冬期にも,いちいち井戸を巡回して点検したり水中ポンプのスィッチを操作する作業がなくなる。
 井戸の施工は,S工業㈱


新しい機器に代替された,ウランバートル市内への
送水ポンプ


ポンプステーションの電源設備。
一台,一台に「日の丸」マークが張られている。
誰かさんが「蛇口から“日の丸”が出るようにしたら!」と軽口を叩き,一同大笑い!
  

 施工は,日本の土木系ゼネコンのDA社,案内してくれた A所長は「ほとんどが機電工事で,みんな電機屋さんにもって行かれて収支はさっぱりですわ!」と言っていた。
 完成後は,旧ソ連が造った既設39本の揚水井戸と合せて18,000t/日の上水を50km離れたウランバートル市に供給できるようになると言う。
 何故,地下水を使うのかと疑問が湧いたので質問したら「川の水は,冬季間は凍結するので取水できないから それに水質がとてもよく 塩素処理だけで浄化OK!」だという答え。なるほど なるほど。
次に「なんでダムを造らないの?」 「モンゴルの河川は,勾配がゆるいので,ダムを造るととてつもない上流まで堪水域が広がってしまうから」という。 でもこんな広大な国土なんだから,そんなこと問題じゃないと思う。大きな貯水池が出来れば豊富な水が得られるじゃない。問題は別にあるのだと思う,多分,人間様の何十倍もいる家畜の排泄物が大量に流れ込み処理がかなり困難になると言うのも理由の一つかも知れない。(と,わたしは思った。) 

 UBに戻り,韓国系資本のスカイショッピングセンターで,お土産に「キャビア」と 「いくら」の缶詰,「ヨーグルトチーズ」を,もとめる。

 ホテル着 19:30

 夕食は,「石庭」という日本料理店で。



モンゴルでもこんなに立派な日本料理が食べられますよ!
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