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モンゴル紀行2旅行記(3

 
 
エルデネット~オギール湖~ハラリホン(カラコルム)へ

(8/31)
 今日は,ガタガタ大揺れの難行苦行が予想される草原の道が大半を占めるニ百数十キロmの行程となる。朝食を午前7時に摂り,途中昼食を摂る店も無いので,お弁当も作ってもらって早立ちする。
でも,なんだかんだで遅くなりホテルを発ったのは 7:50。

 昨夕寄った,「モンゴル・ロシア友好の塔」が建つ丘に再度登り銅鉱山の外観や町の様子をカメラに収めた後,オギール湖へ向かって出発。
 よく整備された国道A1002を西に向かって走る。

 08:30 エルデネットから39km,標高1550mの峠を越える。一帯は1300~1400mの高原地帯である。

08:45 エルデネットから55km,ブルガン市に入る。ミネラルウォーター20本(日本円でおよそ600円)を仕入れる。E君は,朝から缶ビールを買い込んでいる。

 ブルガンから先は,国道ながら未舗装道路である。いよいよモンゴル本来の草原の道だ!
大揺れが原因なのか,通訳のセレンゲさんが気分が悪くなったと,下車して吐瀉。昨日のゲレル譲と共にモンゴル女性二人が体調を崩すも,日本人3人はいたって元気である。日本を発つ前から肩・背中に痛みを感じていた私は,車の大揺れがマッサージ作用として効いたのか痛みをほとんど感じなくなった。

 10:00 エルデネットから80km,オルホン川に架かるオルホン橋を渡る。
幅員9m,長さ140m,4径間のコンクリートガーダー橋である。

 オルホンから少し先で,国道から分かれ,標高1000~1100mの草原地帯の轍道に入る。

 11:30 遊牧民ゲル訪問

 ちょうど馬の乳を搾っている最中であった。赤ちゃん馬を母馬の傍に添わせて母親をその気にさせて乳をたくさん出し始めた頃合を見計らって人間様がバケツに搾り取ってしまうと言う誠に巧妙な方法で搾乳している。母馬にとっては詐欺窃盗を喰らっているのと同じである。人間はなんと悪智恵の働く動物なんだろうかと感心するやら呆れるやら。 

 ゲルでは,馬乳酒,ミルク茶,アーロール(硬いチーズ),バター,パンで歓待してくれた。携帯電話やソーラーTVなども所有している。子供達が9月からの新学期で町の寄宿舎に戻って行ったばかりなので,今は
家畜の世話で忙しいとのこと,フランス人が訪ねてきたことがあるが,日本人は初めてだという。

 13:00 エルデネットから102km イシグンドル村通過。
草原の真っ只中,戸数5,60軒ほど。なんで生計を立てているのだろうか?

13:30 エルデネットから136km 標高1400mの草原で,お弁当を摂る。辺り一帯は,羊の糞だらけで腰掛ける場所を探すのに苦労する。

 1400m~1600m程の峠を幾つも越えて南進する。1/2,200,000の地図には記載されていない道である。最後の峠を下りきったところ,草原の道端に,油圧ショベル一台,近くに土砂を採掘した穴がある。車を降りてよく見たが,骨材採掘場にしては土砂の品質が悪い,砂金でも入っているのかなと不思議に思いながら車を進める。まもなく何の為の穴か判明した。暫く先で,行く手を遮るように東西方向道路の新設工事が行われていた。先ほどの穴は,新設道路の路盤材採掘跡であった。

 新設道路沿いに西に向かう。ここで,方向感覚に優れた我がドライバーも轍跡を一本間違えたらしい?私が「今日の目的地オギノールは,前方に見える富士山型の山の向こうか?」と尋ねると,「違う」と言う。
 車は,踏み跡も無い草原を横切って南方に向かう。やがてはるか彼方に一台の車が走っているのが見える,そこを目指しておよそ3kmくらい走っただろうか,無事本来の轍道に出る。

 前記の車の後塵を被りながら,およそ1時間でオギノール湖に到着。時刻は16:50,走行距離220km,今回の周遊コースのなかで一番の難所をたいしたトラブルも無く通過できた。

 今夜の宿は,ツーリストキャンプというと格好よいが,いわゆるゲルでの宿泊である。電気は9時過ぎにはストップ,シャワーはお湯の出が悪いし,ぬるい(ソーラー式なので天気が良ければ熱いが曇りだとぬるい全くの天候任せシャワーである)ので,日が落ちないうちに済ませておいた方がよい。トイレは離れた場所となる。夜中に一回はトイレに起きる私には脅威である,今晩から3日間は,夕食時のビールは控えることとした。
 今夜の客は,我われのグループだけ,もう夏の観光シーズンは終わったらしい。キャンプ場入り口の看板には,”乗馬・ボート・釣り・バードウォッチング,ゲル訪問”の宣伝文句が連ねてある。
 19時過ぎ,湖畔で夕陽撮影。 
 
 (9/01)

 5時起床,5時半にキャンプを出発して約20分ほど走った湖畔から朝陽の撮影。
7時15分帰着して朝食。

 8:30 オギノール湖を車で一周(およそ40km)

 ラムサール条約登録地であるというが,時期が悪いのか渡り鳥の姿は少ない。それでも干潟風の浜にシギ・チドリ,大型カモメ(ズグロツバメ?)が舞う。
 オギノール湖の水がオルホン川に流れ込んでいるというので,その水路を確かめようとしたが,湖の北側の湿地帯にある小さな水路は,逆に湖に流れ込んでいる。オギノール湖が干上がっていて,オルホン川本流の調節池と化してしまっているようである。

 11:00 キャンプに帰着。 早めの昼食を摂り,

 13:20 ハラリホンへ向かって出発。
 
 轍道路を25kmほど走ったところで,昨日遭遇した工事中の新設道路の西方への延長部分にぶつかる。この道路の上を走ったり,脇道に戻ったりしながら10km程行った地点から,突如真新しいアスファルト道路が出来ている。ハラリホンまで一直線の新設舗装道路を快調に飛ばす。40km走って,遭った対向車は乗用車2台とバイク1台だけ!

 14:50 ハラリホン到着。予定よりかなり早い到着となったので,今日中に見学できるものは済ませてしまおうと衆議一決。

 ハラリホンは,1235年、チンギス・ハーンを継ぐニ代皇帝(オゴディ)によって建設されたモンゴル帝国のの都カラコルムがあったところ。五代皇帝フビライが今の中国に元帝国を建て,都を大都(現在の北京)に移すまでは,マルコポーロも足跡を残したくらい有名な国際都市として栄えた。しかし,現在は,エルデニ・ゾーを除き往時を偲ばせる物は何も無い。 かつては大帝国の首都として栄華を誇ったはずなのだが,その遺構を期待していたが,呆気ないくらい何も残っていない。

 先ずは,エルデニ・ゾーに入る。

 入場料:3$,カメラ:5$。寺院の中は写真撮影の対象となるようなものはあまり無いので,カメラはバッグに仕舞い込む。
一番目をひくのは108個のストゥーパをもつ一辺400mの外壁である。(これは外からパチリ!)
エルデニ・ゾーは,1586年,現モンゴルの主流民族であるハルハ族の長,アバダイ・ハーンにより建立されたラマ教寺院。モンゴル国内で形を留める最大,最古の歴史遺産であり訪れるツーリストが最も多いスポットである。 
 仏舎利塔,中国風建築の中央寺(1585~87年建立)・東寺&西寺(17世紀初頭建立),チベット式建築のラブラン寺(18世紀人々の寄進によって建立)など多くの伽藍群からなる。

 ガイドが付いて説明してくれたが,通訳が下手なこともあって,ほとんど理解できなかった。おおかたの説明が終わったところで,外に出ると,西の空が真っ黒な雲に覆われ,強い風が吹き出した。ネパールでの経験上,この後,砂塵を巻き上げる突風と大粒の雨が落ちてくることを知っている私は,亀石を見に行くという一行と別れて車に戻る。これが正解であった,雨は大したことは無かったが,強い風が吹きまくり車をゆさゆさと揺さぶり,ひっくり返るかと思うくらいであった。

 風と雨が止んだ空に二重虹がかかる空を眺めながら
ハラホリンの町を一望できる「帝国の丘」,オルホン川が川幅を狭め急流となっている崖(モンゴルのローレライ?),オルホン橋(延長225m,トラックが通過すると激しく揺れる,それが原因か欄干が一部破損あるいは欠損している),10年ほど前日本の援助で造られた製粉工場などを見学して

 18:40 キャンプ着。本日の走行距離142km。

 さっそく,シャワーを浴びるが,3室あるうち,一つは故障,一つは電灯は点くがお湯が出ない,もう一つはお湯は出るが電灯が点かず真っ暗。このキャンプは町の電力が供給されていてまともかなと思ったのだが・・・・・。
 宿泊客は我われの他に2パーティ。
今夜は冷える,21時と翌朝5時に薪ストーブを点けてもらう事にした。

21時過ぎ 薪をいっぱい詰め込んで就寝。

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