◆ 青の洞窟(Grotta Azzura)へ
カプリ島といえば、グロッタ・アッズーラ "青の洞窟"
今朝は8時少し前に目覚める, いっけね〜 ちょっと寝坊しちゃった!
あわてて,朝食を摂り9時過ぎ船着場へ
大型フェリーや双胴ジェット船が出入りしてナポリから着いたばかりの人,帰る人で賑わっている。
グロッタ・アッズーレへの桟橋は,まだそんなに混み合ってはいない。チケットを買って順番を待つ,わたし達は3番目の船(20人乗りくらいのモーターボート)に乗れた。
ここで払うのは往復の舟代のみ。
ボート代 8 €
渡されたチケットには4€と印刷されているが,なぜか8€である。
マリーナグランデの港を背にして左側に断崖絶壁を眺めながら島の西端に向かう。
途中ローマ時代の遺跡,小さな動物の形をした鍾乳石と洞窟などの説明を船頭がイタリア語と英語で交互にする。
程なく船頭がサンタルチアを唄う。つられて恰幅のいい女性客が見事なカンツォーネを披露してくれた。
20分ほどで洞窟入り口前の海上に着く。
ここで4,5人乗りの手漕ぎボートに乗り換える。結構揺れるので海上での乗り移りは大変だ,妻は腰が悪いのかちょっと危なっかしいが両方の船頭さんに助けられて無事小船へ!
青の洞窟への入場料とボート代は洞窟入り口前海上の集金ボートで徴収される。 9 €
夏のシーズンなど込み合う時期には海上で30分から1時間もボート待ちになる事があるそうだが,待つこともなくいよいよ洞窟へ入場。
開口部は高さ1mもない,夢中で腰を折り頭を船底にこすり付けるようにして突入!
無事通過!
うわーっ なんというブルーだ!!
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暗い…何も見えない。
一瞬,ボートが反転して入り口の方向を向くと,別世界だ!
見たこともないような青い色が広がっていた。これが”カプリブルー”っていう奴か!
なんとも形容しがたい神秘的な色だ。
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バスで来た人はここで小船に乗る。
左側の穴が洞窟入り口 |
夢中でカメラのシャッターを切るが,自動的にフラッシュをたいてしまったり,ピンボケだったりしてまともな写真は2枚だけだった。
船頭がわたしにスペシャルチップを呉れるか?と確認した後,「オオ〜ソレミヨ〜♪」とカンツォーネを唄いだす。
席を移動してわたしら夫婦のツーショット写真も撮ってくれたり結構ゆっくり周ってくれたようだが,わたしには,洞窟内に居た時間はほんの数分間くらいにしか感じられなかった。
青の洞窟は午前中がいちばんきれい!!
なんでこんな幻想的な青い光が現われるんだろうか?
実は狭い入り口のそばに海中に没したもう1つの開口部があって,そこから外海の太陽光線が入り,透明な海水を通して屈折,海底の石灰岩に反射した光が複合して幻想的な青い光となって洞窟内に満たされるという仕組みだそうだ。
まさに太陽の光と海水の高い透明度と洞窟の構造の偶然の組み合わせが生み出した芸術作品といわざるを得ない。
ちなみに洞窟の空間は,長さ50m,幅 30m,高さ15m,水深は14〜22mということである。
青の洞窟が一番きれいに見える時は,日光の光線の角度が屈折しやすい午前中,満潮時や波が高い時は入り口が狭く入ることができないので,せっかくカプリまでやってきて”青の洞窟”を見られず泣く泣く帰って行く人たちも多いという。
わたしらは,その辺りのこと全然考えずにやって来たのだがラッキーにも素晴らしい”カプリブルー”を体験できた。
チップあげすぎちゃった〜
さて,小舟からモーターボートに移る前,小舟の船頭さんが,かねて約束のチップを20€と要求してきた。
ちょっと高いな〜と思ったけど,いまだわたしは”ハイ”な状態!まっいいかって大枚2枚を渡してしまった。
やっぱりあげすぎたよなあ〜 円にすると手数料込みの換算値は2800円だ!
これから訪れる日本人に悪例を残してしまったようで申し訳ないと自責の念にかられる。
これで妻の20ユーロサンドイッチ事件とチャラだ!
でも,幸運にも青の洞窟にすんなり入ることが出来たんだから,船頭ほか関係者に御祝儀を振舞ったと思えばいいよな!
(カプリを含めイタリアにはこれで十分なチップをしたので以後一切チップなしと宣言・・・・・)
帰りのモータボートでは,舵を握らせてくれるサービスをしてくれた。
舵を少し切っても反応が遅い,ちょっと経ってから進路を変えるということが分かった。それを知らずに舵を切り続けると予期しないほど旋回してしまう。
思いがけずわたしも妻も貴重な体験をさせてもらった。
青の洞窟はローマ時代に見つかっていたそうだ。洞窟内には人工的な古い船着場や彫像が海底で発見されている。ローマ帝国の衰退とともに誰も近づかず忘れ去られた。19世紀のはじめごろ,地元の漁師の案内で遊覧していたドイツの冒険作家たちが偶然この洞窟を再発見し,再び世に知られるようになったという。
入り口は1m足らずしかない,地球温暖化で海水位が徐々に上がっているので近い将来,この素晴らしい光景が見られなくなってしまうのかなあ〜,でもそうなったら,発破でもかけて入り口を上方に拡げればいいやなどと現実的なことを考えながらマリーナ・グランデに帰港。
同じボートに乗りあわせた福岡在住の新婚さん(Aさん)と話を交わす。これからローマに戻るという。
わたし達も明日はローマなので,夕食を一緒しようと話がまとまる。ホテル名を聞いて,明晩7時にわたし達がロビーで待つという約束をしてバイバイ。
桟橋から引き揚げようとしていると「日本人ですか? 青の洞窟はどうでした?」と妙齢の女性が尋ねてくる。
「入れたよ!スッごくきれい,神秘的だったよ!」と応えると「うわっつ嬉しい!青の洞窟だけを目的に来たんです」と嬉々としてボートに乗り込んでいった。単身でよく来るねえ,逞しいもんだと感心する。
◆ アナカプリからソーロ山(Monte Solaro)へ
ホテルで一休みしてから,13:15発のミニバスでアナカプリに向かう。
着いた所が”ヴィットリア広場”(Piazza Vittoria),レストランやバール,みやげ店が軒を連ね観光客で賑わっている。
ここから島で一番の高みソーロ山(標高589m)にリフトで登る。アナカプリの白い家々が点在するゆったりした自然風景と背後の青いナポリ湾を楽しみながら山頂まで15分くらい。
バス 1.3 €
リフト 4.5 €
* 往復は6€
頂上では南側からガスが上昇中で,島の南側の断崖絶壁と海岸線がかすかに霧の間から垣間見えるだけ。
本来ならば,紺碧のナポリ湾とヴェスヴィオ火山,ソレント半島からサレルノまでの壮大な景色が広がっている筈なんだが,天気が今ひとつスカッとした秋晴れではない。
しかたない,写真もあまり撮れずに下ることにする。
展望台からの下り道が見つけられない,踏み跡らしき道に歩を進めてみるが,どうも下山道ではないようだ。
戻ってまた,展望台を一周してようやく見つけた,ちょっと降りた所に案内表示があった。どうせ表示するなら展望台のレベルにつけて欲しいものだ。
カタクリ(らしい)の群生をめでながら20分くらい下ると,右手 チェットレッラ渓谷にある”サンタ・マリア教会”(Eremo di S Maria a Cetrella)への分岐点に到る。
平坦な道を辿ると,まもなく鄙びたたたずまいの小さな教会が見えて来る。
礼拝堂に入る,四つの尖塔アーチが1つの柱に集まる典型的ゴシック様式である。牧師さんが奥へどうぞと手招きしてくれる。
階段を上がった所にベッドの置かれた小さな部屋がいくつもある。教会というより修道士が生活した庵といった風情である。
さらに奥まった所に小さな庭があり,ここから,カプリ地区の別荘地帯と”ファラリョーニ”(Falagilioni),島の南側にあるもう1つの港”マリーナ・ピッコラ”(Marina Piccola)など素晴らしい眺めを楽しむ。
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サンタマリア教会の門と玄関 |
カプリ地区の別荘地帯
とファラリョーニ |
下山道のかたわらで見つけた花
カタクリ? フジバカマ? |
先ほどの分岐点まで戻り,リフトの索道沿いの道を一瀉千里に下る。
下りきった所が,青の洞窟行きのバスターミナル,正式な下山道とは違う所に出てしまった。が,問題はない,ホテルやレストランが点在する静かな通りを少し西へ向かって散策する。
リフト下駅のあるヴィットリア広場に戻って休憩。
わたしは,もう1箇所の自然風景が美しい所に行きたいのだが,妻はいささか疲れた感じである。
「山道を登るのでなければOK」だというので,続いて島の東端をめざすこととする。
続 く
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