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第2室
『ダヴィデ』
(1623−24)
白大理石 170cm
G.L.ベルニーニ
旧約聖書の有名な話を題材にしている。 巨人ゴリアテに対し石投げ器だけで戦いに挑む
ダヴィデの像。
右側は石投げ器を引くために大股に踏み出す動きを見せ,正面には投擲の前の一瞬の停止があり,斜めに見ると歩みと休止のリズミカルな平衡感覚を感じる。
緊張に顔を歪めたダヴィデの表情は,制作時弱冠25歳のベルニーニが堅い大理石に鑿をふるう姿そのものだったのかも知れない。 |
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第3室
『アポロンとダフネ』
(1622−25)
カラッラ大理石
243cm
G.L.ベルニーニ
ギリシャ神話が題材で、ダフネが神の誘惑から逃れようと,アポロに追いつかれた時に月桂樹の葉に姿をかえようとしている姿を造形したベルニーニの最高傑作といわれる作品。
手先と足元から月桂樹にだんだんと変身していく表現がじつに見事!
天井には,ピエトロ・アンジェレッティが,同じ主題の見事な絵が描かれている。 |
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第4室
『プルトンとプロセルピナ』
(1621−22)
白大理石 255cm
G.L.ベルニーニ
大地の女神ガイアの娘プロセルピナを略奪する冥府の王プルトンを表している。
プロセルピナの手はプルトンの顔面を歪ませ,一方プルトンの指はプリセルピナの身体に食い込んでいる。
左側から見ると捕らわれたプロセルピナが力強く跳び上がるように見え,右から見ると涙しながら空に向かって祈る如くに見える。
堅い大理石でよくぞこんな表情を出せるものだと感心する。 |
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第20室
『聖愛と俗愛』
(1514)
118×279cm
ティツァーノ |
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ヴェネツィア人ニコロ・アウレリオの結婚式に贈ったもので,愛の神アモーレと純白の花嫁,「地上の儚い幸福」と「天上の永遠の幸福」を表わしている。
ティツァーノの25歳頃の傑作。
1899年銀行家ロスチャイルドが,この絵一点に対してボルゲーゼ美術館の全美術品と建物の評価額よりも高い評価をしたと言う。 この絵がボルゲーゼ美術館の代名詞といってもいいほど。 |
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第18室
『ピエタ』 (1602)
180×137cm
P.Pルーベンス
マリアの生き生きした手と蒼白なキリストの手のコントラスト,暗い空間を射し抜いてキリストとマリアの顔に注ぐ明るい光が印象的である。
ヨーロッパバロックの天才ルーベンスの最初のローマ滞在の折に描かれた。
* わたしたちの訪館の際は貸し出されているのか,展示されていなかった。 |