■ 高山散策
上三之町をぶら〜り
高山は、約400年前に高山城主・金森長近(かなもりながちか)が京をモデルに築き上げた町。なかでも城下町の風情がよく残るのは,三町付近(商人町として発達した一之町、二之町、三之町の三すじの町並みを合わせて三町と呼ぶ)。
高山陣屋から市の中央を流れる宮川を渡り2,3分歩いたところにあり,今でも漆黒の出格子が連なる町並みを残こし,飛騨高山の観光のメイン通りとなっている。
雨天なので空いているかなと思っていたが,ぜーんぜん。先ほどの本町通りと違っていっぱいの観光客で賑わっている。
出格子のつらなる軒下には用水が流れ,町家の大戸や老舗の暖簾が軒をつらねている。記念館や民芸館などもあり先月訪れた湯布院や日田と似たような観光客相手のノスタルジック&レトロショッピング街といった感じである。
工芸館・造り酒屋・古い商家・みやげ物屋・お食事処などが軒を連ねる三之町をぶらり散歩しながら,江戸情緒と京情緒が入りまじる佇まいにゆったりした気分となる。
数軒の造り酒屋が目に付く。店先に吊してある”酒林”が興趣をそそる。
杉の小枝を丸くして中心部で束ね外側を丸く刈り込んで作るそうで,”杉玉”とも呼ぶ。本来は毎年新酒が出来て,売り出す時に新しい酒林を吊るのだが,近頃は,大きな酒林を作れる人もいなくなって古くなったものをそのまま吊っているとのこと。
【造り酒屋・古い商家・みやげ物屋・お食事処などが軒を連ねる三之町】 | 【酒林】 安政2年(1855)創業の原田酒造。 銘酒「山車」 大吟醸の冷酒はすっきりした辛口の味わい |
【上三之町の岩佐医院】 旧家には,入口付近の土台部分に直径5pほどの金輪が付いている。『馬繋ぎ』と言って馬の手綱を結わえ付けておくもの。岩佐医院には現在3個と付いていた跡が1個残っている。この家は米を扱う役をしていたため,米の搬入搬出が多く,それを運ぶ馬を繋ぐ数も多かったからだと言われている。 |
山野草をいっぱい買い込んだよ〜
一方,山野草の店に寄ったおばあちゃんは,気に入ったのを一鉢か二鉢くらい買うのかと思っていたが,宅配便で送ってくれると聞いて,あれもこれも!いったい幾ら買ったんでしょうか?
ヤマアジサイ(剣の舞),ヤマアジサイ(土佐緑),姫エニシダ,ヤブレガサ,コバノズイナ,赤花ズイナ,クロユリ,口紅シラン,山ハンシュウヅル,黒花フウロ。
高山別院へ
この後,春慶塗りのお店をのぞいたり,”みだらしだんご”や”五平餅”のお店をひやかしながら高山別院に向かう。
高山別院照蓮寺は,飛騨における浄土真宗の起源となった寺である。
建長5年(1253)に嘉念坊善俊が白川郷に道場を開いて教義を広めた,その後争乱によって中絶するが,1504年に白川郷中野村(現御母衣ダム湖底)に再興され,それから80年を経て、高山城主
金森長近によって高山にうつされた。その後,京都東本願寺(真宗大谷派)の別院となった。
昭和22年・30年の火災によって本堂は焼失、現在のものは昭和38年再建のものである。
本堂はRC造,他に事務所・庫裏・鐘楼など。観光としては見るべきものはなかった。
境内は,観光バスほかの駐車場(他の駐車場より安い)になっていて,観光客(とくに団体)の出入りが多いように見えた。
■ 郷土料理
今夜の宿は,明日訪問する「飛騨トンネル工事企業体」のRさんに予約してもらった「ホテル アソシア 高山リゾート」だ。
市街地から車で15分ほど離れた高台にある。例のカーナビを使って難なく到着。
このホテルには温泉が付いている,寝る前に入ることにして,夕飯を何処にしようかと考える。
Rさんによるとホテル内にあるレストランの夕食は,かなり高いので町中で郷土料理にでもした方がいいと言う話。幸いホテルと高山駅の間に無料のシャトルバスが運行されている。
駅から程近いところに「萬代」という郷土料理や伝統料理が手ごろな料金で食べられるという店がある。よしっ ここに決めた!
料理店に行く前に,おばあちゃんが駄菓子の店「音羽屋」に行きたいと言うので,昼間歩いた本町通り近くまで足を伸ばす。嫌な予感がしていたんだが,まだ6時半をすこしまわった時刻だが,既に店は看板であった。まだ店内の明かりが点いていていまさっきまで開いていたという感じである。
あれ〜っ 店が閉まっているよ!
しかたないのでぇ〜っ 「萬代」に向かう。 ありゃ! ここも閉まっているぜ!ガイドブックには「休日は不定」となっていたがまさか,今日が休店日だとは! ついていないね,雨も降っているしあまり歩き回りたくないし。
ひょいと向かいを見ると「寿々や」という看板が見える。ここに決めた!
店内は結構込んでいる,「萬代」が休みなのでこちらが混んでいるのかもしれない。外人グループも何組か入っているし飛び込みとしてはまあまあのお店と安心する。
山菜定食(松 2500円だったかな!)を注文。地ビールを頼むが,料理はまだしもビールも付け出しもなかなか出てこない。
女将が注文を受けてくれたんだが,ひとりで切り回していてかつ混雑していて,中に通すのを忘れていたようだ。しばらくして仲居さんが気が付いてくれた。飛騨地方の名物料理 飛騨牛朴葉みそ焼,各種山菜の天婦羅,えび・貝・椎茸・ぜんまい・湯葉などの煮物盛り合わせ,白身魚刺身を肴に生酒「氷室」を頂く。
女将の話では,バブル崩壊で日本人の客が少なくなった,代わりに外国人がよく来るようになって助かっているとのこと。オランダ人(と言っていたがヨーロッパからの人という意か?)は食事代一人1000円まで,アメリカ人は一人3000円までというのが一般的だという面白い話もしてくれた。
ここの女将は英語が達者だ!少々JAPANESE ENGLISH くさいが,料理の説明やら,お勘定をてきぱきとやっている。見ていると英語版メニューも作ってある。外人客が多いのは,それなりの努力をしているんだ。納得!納得!
わたし達も海外旅行で,日本語メニューがあるとか,日本語が通じるスタッフがいるとガイドブックに書いてあるとそのレストランを選んでしまうのが常である。それとオンナジことか!
8時半過ぎにお店を出て,シャトルバス(9時15分発)が迎えに来るJR高山駅で時間をつぶす。
駅の時刻表を見る,この時間に高山駅を出る列車は上り下りともあと1本ずつしかない。上りは21:30美濃太田行き,下りは22:08猪谷行き。駅は閑散としている。
シャトルバスは定刻前にやってきて,二人だけの乗客を乗せ,5分もかからずにホテル着。
すぐ,温泉に入ってバタンキュ〜。