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         奄美大島〜福岡&唐津(3)
                                                      JAN. 2006

◆2006年1月13日(金)

 ■天候
>出発時 午前 午後 夕方
雨/曇り 曇り 曇り
瀬戸内町蘇刈 瀬戸内町〜
宇検村
湯湾岳林道 大和村〜
名瀬市
名瀬市〜
笠利町
笠利町

 ■行程
 蘇刈09:10→10:30湯湾→11:00湯湾岳展望台→11:30湯湾岳登山口→12:10フォレストポリス/マテリアの滝→12:30虹を見る→13:30奄美野生生物保護センター→15:00名瀬市(昼食)→16:40奄美パーク/田中一村美術館→18:00ロッジ着

朝から本格的な雨だ〜

 
 今日は,最終的には空港近くまで戻らなければならない。
この天候では,景色の良い場所は絶望的だ。 (ノ△・。) さあ〜てどこを回って行こうかと思案する。

 
大島海峡をフェリーで渡って映画「男はつらいよシリーズ」の最終回ロケが行われた加計呂麻島へ行くと帰りのフェリー便が午後3時になってしまう,これでは遅すぎる。う〜ん 加計呂麻島行きは諦めるしかないか(もう1泊するか,島に宿泊しなければ無理だということが分かった)。
 
 良い眺めは期待できないけれど,西海岸を北上して笠利町へ向かうこととした(9時出発)。
 
 ペンション出発際に主人に「昨晩飲んだ黒糖焼酎は美味しいかった (^○^)」と言ったら,実家が古仁屋の町で酒屋をやっていて,そこで売っているとのこと。
店に寄って地元瀬戸内町産の「瀬戸の灘」という本格黒糖焼酎を3本買う(1本は息子用,2本は,わたし用 1年寝かすとまたまた素晴らしい味になるというので1本は1年後を楽しみにすることとする)。 お母さんが,黒糖やサタマメ・缶コーヒーなどをいっぱいサービスしてくれた。

 天気が良ければ,
高知山展望台油井岳展望台から,本島と加計呂麻島のリアス式海岸に挟まれた大島海峡の眺望がみられるんだが,これは望みなし。
埠頭から雨にぼんやりかすんで見える加計呂麻島を見た後,昨日来た国道58号を住用村方面に引き返す。

 大島海峡の眺めは,「奄美大島探検マップ」ウエブサイト”高知山展望台”から見させてもらう。

 宇検村湯湾へ

 肥後山の峠道を越えて下りきった住用村役勝で左折 県道85号に入り,一山越えて宇検村湯湾に向かう。依然として雨は降ったりやんだりの状態だが,時折青空が垣間見える。
 この道は,部分的に幅員を増しているが基本的には33年前とほぼ同じ状態だ,くねくねと峠を下って,湯湾に着いたのが10時過ぎ。
 33年前,ここ湯湾に滞在したことがあるんだが,宿泊した旅館が無くなっているし夕餉の後,よく釣り糸をたれた波止場の様子もすっかり変わってしまっている。当時の方がもっと賑やかで活気があったような気がする,人影もまったく見えず,さびれ果てた感じの集落になってしまっていた。隔世の感はなはだし。

 トイレを借りに,宇検村役場に寄る。ついでに湯湾岳林道の様子を尋ねる。
 昨日から2,3人に尋ねたが,人によって違う話をする。道が悪くまた,標識も全く無く迷いやすいと云う人がいれば,全面舗装道路で全く問題なしという人がいたりする。そこで,地元の役場に聞けば正確なことが分かるだろうと思ったんだが,聞く相手が悪かったのか,はっきりしない。
 通りかかった人が,「全然問題ありませんよ,西海岸の大和村に抜けるには,海岸沿いの県道より時間がかからないし山越えの方がいいですよ!いま湯湾岳に登るグループを送ってきたところです」って云ってくれた。
 やっと安心して山道に入る事とする。

 湯湾岳林道へ

 先ほど来た県道を少し戻り,林道に入る。ヘヤーピンカーブが多いものの全く問題なし,分岐点には標識もちゃんとある。
 グングン高度を上げて
湯湾岳展望台へのT字路に着く。雲の中に入ったためかまた雨脚が強くなる。
 展望台まで行っても何も見えないことははっきりしているが,とにかく行ってみようとアクセルを踏む。
 展望台は公園になっている,当然の如くなにも見えない。駐車場は鞍部にあるので風の通り道,太平洋側から東シナ海側にむけて雲が流れるように越えていく。暫時休憩の後下る。
 ここでもまた「奄美大島探検マップ」ウエブサイト”湯湾岳展望台”を借景とさせていただく。

 林道をしばらく下ると,
湯湾岳頂上直下に向かう道との分岐点に到る。いったん通り過ぎたが,ここまで来たんだから行って見るかとUターン,上り下りを繰り返しながら湯湾岳登山道入り口に到着。
 ここから標高差で100m弱,時間にして30分もあれば頂上へ往復可能だ。またしても歎き・恨みつらみ・泣き言になるが,天候さえよければ,奄美大島の最高峰(694.4m)に立って,奄美の深い緑の森の絶景を眺められたんだがなあ〜。残念,ざんねん! 

林道の途中で見つけた野生のノボタン

 引き返して,更に下ると,奄美フォレストポリスに着く。いわゆる森林公園だ。
遊歩道が整備され森の散策や植物観察ができ,シーズンにはオートキャンプ場やバンガローなどが賑わうと云うが,今は,人っ子一人いない,営業しているのかどうかも定かでない。ここで,昼食と考えていたが,どうやら無理のようだ。 
 右折して更に下ったところに河口がマングローブで縁取られている住用川の上流支川にかかる
マテリアルの滝がある。落差10mくらいのなんの変哲もない滝であるが,海岸沿いの道が無かった頃,宇検村と大和村を結ぶ山越えの道の中間点で,人々が足を止め疲れを癒した滝だという。「本当に美しい太陽の滝つぼ(マ・ティダ・ヌ・コモリ)」と呼び,それがなまって「マテリアの滝」となったと案内板にあった。
わっ きれいな二重虹だ!
 林道をほぼ下りきって,県道79号へ出る手前のカーブで,突如,東シナ海にかかる美しい虹に出会う。更に下って海岸沿いに出るとなんと,二重虹が見えるではないか。思わずカメラに収める。
 二重虹は,そんなに珍しい現象ではないそうだが,ほんの数分しか見られないとか。ラッキー! 雨にたたられたここまでの半日の無念さを,帳消しにして余りあるほどの良い気分になった。

 大和村経由名瀬へ

 大和村役場のある大和浜の手前の県道脇に,
群倉(ぼれくら)がある。昔,湿気とネズミの害から守るために高床式の倉を作って貯蔵した。この高倉が7棟かたまって保存されている。

 少し先を右折して,右手奥に環境省の
奄美野生生物保護センターがある。再び雨脚が強くなってきたので雨宿り兼休憩を兼ねて,ゆっくり見学することとする。    入館料: 無料

  展示は,奄美群島の各島毎に映像や写真を使ってその島固有の生物や生態系について詳しく説明されている。奥の映写室で,「奄美の森の生き物達」というタイトルの美しい映像いっぱいのビデオ(20分くらい)を見せてもらった。

 その後,県道を北上して名瀬市内に入り,一昨夜の島料理の店に駐車場があったのを思い出し,遅い昼食をとる。先日顔見知りになった店のお母さんが,「奄美はいかがでしたか?」と話しかけてくる。「今日は空港近くで宿を取り,明日一番で鹿児島に戻る」と言ったら,「奄美パークを是非見て行ってください,午後6時までやっているので間に合いますよ!」と薦めてくれた。

 奄美パークへ
 
 ここから今夜の宿笠利町土盛までの道は,ほとんどの区間が一度通ったところである,まだ時折小雨がパラツクなか,まずは空港の手前”奄美パーク”を目指す。
 奄美パークへ着いたが,午後4時半過ぎ。あまり時間に余裕が無いので,併設されている
田中一村記念美術館のみを見学することとする。(観覧者はわたしたち二人だけ) 入館料: 200円

 またしても,寡聞にして”田中一村”なる人物を存じ上げていない!
 展示資料によれば,栃木県の生まれ,中学時代から才能を開花させ神童と呼ばれ上野の美術学校では同期に東山魁夷らがいたそう。1958年 50才で千葉県から奄美に移り住んで約20年,69歳で死去するまで中央画壇には見向きもせず極貧の暮らしのなかで奄美の自然を描き続けた孤高の画家だという。
 展示されているのは常時50点ほど,どれも素晴らしい,とくに9歳の時に描いたという”白梅”という山水画 風の花の絵には驚嘆した。 一通り見終わって,1階ホールに下りると5時15分から「孤高の画家田中一村」なるビデオを上映すると掲示されているのが目に入る。やあ〜 ラッキー しばし一村の世界に浸る。
 妻は,ショップで,作品集をもとめる。

「田中一村作品集」(新版) 日本放送出版協会刊
「奄美に描く田中一村」田中一村美術館収蔵作品 日本放送出版協会刊
田中一村作品世界「一村の奄美」 日本放送出版協会刊

   田中一村記念美術館ホームページ(展示中の絵の画像がアップロードされている!!)

 午後6時,日が暮れる寸前,今夜の宿 ロッジ”翔”に無事到着!
                    
宿泊費(夕朝食 ビール焼酎込み)二人で17,250円 
天気は,回復に向かっているとTVで云っている。明朝こそ晴れて欲しい! 太平洋に登る朝日を望める絶好地点としてこの宿を選んだんだから!!
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